テイルズ オブ リバース

【ているず おぶ りばーす】

ジャンル ロールプレイングゲーム
(シリーズ内ジャンル名:君が生まれ変わるRPG)

対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売元 ナムコ
開発元 ナムコ・テイルズスタジオ
発売日 2004年12月16日
定価 7,140円
プレイ人数 1人(戦闘のみ1~4人)
レーティング CERO:全年齢対象
判定 スルメゲー
ポイント 戦略性の高い戦闘システム
お使いが多すぎるストーリー
回復魔法が無いRPG
テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク

概要 

テイルズ オブ シリーズのマザーシップタイトル(本編作品)第6弾。略称は『リバース』『TOR』。キャラクターデザインはいのまたむつみ。


戦闘システム「3ライン・リニアモーションバトルシステム (3L-LMBS) 」

このゲームがスルメ判定になった大きな要因。システムや仕様の違いから他シリーズとは全く違った立ち回りが要求される。
その戦闘システムは仕様1つ1つとってしても今迄のシリーズとは勝手が根本的に違いハードルが高く、発売当初は「面白くない」と酷評する人も多かった。

  • 特に「回復魔法」が存在しないという、シリーズどころか全RPGとしても異例なシステムは、当時多くのプレイヤーが困惑した。
    • 代わりに術技を敵に当てるとHPが回復する。HPの回復には、後述する「RG(ラッシュゲージ)」も大きく関わってくるのだが、これがなかなか難しい。
    • HPの回復量は、RG以外にも「術技を使ったキャラ自身のHP回復力」「術技自体のHP回復力」「味方キャラのレベル」「敵キャラのレベル」などの要素が複雑に絡み合っている。
      • 難易度によって、敵のステータスだけでなく、レベルも変化する。難易度を下げると敵のレベルも下がるので、こちらのHP回復量も下がる。逆に難易度を上げると敵のレベルが上がるので、こちらのHP回復量も上がる。
  • シリーズ初の3ライン制を採用。2D描写の戦闘フィールドに手前・中央・奥のラインが存在し、自由に移動が可能。
    • 「見た目的には3Dだが実質的には2D」というシンフォニアとは真逆で、本作は「見た目的には2Dだが実質的には3D」のバトルフィールドを再現している。
    • 実質ラインを切り替え移動する事で戦場を自由に駆け回れるようになったので、敵前衛をすり抜けて後衛を叩くことも簡単にできる。敵も同様に、こちらの前衛をすり抜けて後衛に集中攻撃してくることもあり、隊列をしっかり保ち後衛を守ることが必要なことも。
    • 同じく特徴的な戦闘システムを持つ『テイルズ オブ デスティニー2』は「押し相撲」と呼ばれるが、今作は「陣取り合戦」である。
      • 今作の戦闘フィールドは非常に広く、一度の戦闘での出現数も多いため乱戦になりやすい。他作品のような感覚でプレイヤー1人で敵を追いかけ、追い詰めようとすると乱戦化して袋叩きに合う・後衛が残った敵に集中攻撃され立て直し不可、という事態が発生しやすくなる。
      • プレイヤーに求められるのは一人で先陣を切って敵陣を崩すような立ち回りではなく、攻撃範囲の広い術技や的確な立ち回りなどで敵の足止めをし、陣形を維持すること。そのためオプションでのCPUへの作戦や位置も重要である。
  • TP制を廃止し「FG(フォルスゲージ)」を採用。
    • FGの数は各キャラに4つずつ。この4つのスロットに術技をセットして使う。今作では操作キャラ以外も全員に術技をセットしなければならない。
    • FGはTPと同様に通常攻撃で回復するが、TPと異なる点として空振りでも回復するだけでなく、時間とともに自然回復していく。
    • FGが満タン(緑色)の時に術技を使うと、威力や性能が最大限に発揮され、術技を敵に当てればHPも回復する。
    • 更に「FC(フォルスキューブ)」の位置により各術技に様々な追加効果を付加出来る。FGが満タンの時に術技を出すと、その術技に設定されたFCの能力が付加される。
    • FGが足りなくても、術技を使うこと自体は可能。極端な話、FGが0でも使える。つまりは、いつでも術技使い放題。
      • ただしFGが満タンでない状態で術技を使うと、本来の性能は発揮せず、HP回復もできず、FCの効果も発揮されない。
  • 奥義の仕様が変更され、術技に奥義をセットして使うものとなった。後述する「RG」が一定以上あり、且つ使いたい奥義をセットした術技のFGが最大の時に、他の術技から奥義をセットした術技に連携する事で、奥義を発動する事が出来る。
    • 奥義は各術技についてそれぞれ3~5種類の中から選ぶことができ、各種特技や奥義と「FC」の組み合わせの幅も広く、キャラクターのカスタマイズ性が高い。
  • 攻防の要となる「RG(ラッシュゲージ)
    • 所謂キャラのテンション値だが、このRGの複雑さは随一で、「与ダメ」「被ダメ」「HP回復量」の他、「奥義の発動条件」や「ガードの耐久値」、さらには「敵に与えるRGの変化量」「術の詠唱時間」などなど、影響の大きいものから小さいものまで、戦闘の様々な要素に影響している。
      • 他のゲームにありがちな「テンションは上げれば上げるほど良い」という思考に囚われてしまい、「冷静になる(RGを下げる)」ことの重要性に気づかず、「回復できない」「受けるダメージ多すぎ」と嘆くプレイヤーが続出した。
      • 説明書に書いてあり、ゲーム中のガイドブックでも読め、さらにゲーム中でガイドブックを読むことを促されてもなおこのような意見があったことから、相当なものだったと言える。
    • RGが高いときは与ダメが上昇するが、被ダメも増加しHP回復量も下がる。低いときはその逆である。
      • 特にHP回復量への影響は大きく、RGが上がれば上がるほどHP回復量がガタ落ちしていき、RGが満タンになると全くHPが回復できなくなる。
    • RGが一定以上だと奥義の発動が可能になる。
    • ガードするとRGが下がり、0になるとガードブレイクしてしまう(つまり、RGが高いと、より多くの攻撃をガードできる。RGが低いと、強力な攻撃や多段ヒットの攻撃をガードしきれない)。
    • RGは攻撃的な行動を取ったり敵の攻撃を食らったりすることで上昇、敵の攻撃をガードしたりバックステップをしたりなど慎重な行動を取ると低下する。また、自らRG量を変えることも可能である(「チャージ」という)。
      • そのため、攻める時はRGを上昇、回復する時はRGを下降させて立ち回る事になるのだが、厄介なことにこちらのRG量に応じてガードをする敵がかなりの数存在するため、こちらの戦況だけに合わせてRGを管理するのは難しい。
      • RGはガードの耐久値も兼ねているため、下げ過ぎると簡単にガードブレイクされてしまう。回復する際、RGを0付近にすると大回復が可能だがガードができなくなる。RGを極限まで下げて敵の攻撃は確実に回避するか、そもそもRGを下げ過ぎずに少しずつ回復するかの選択を迫られる。
    • 術技を使わないとHPが回復しないのに、術技を使えば使うほどRGはどんどん上がっていくのでなかなか難しい。
  • 3ラインの広い戦場の戦況を常に把握しつつ、HPとFGとRGを適切に管理することが、このゲームにおける基本である。
  • HP回復分配システム
    • このシステムも、他のRPGでは見られない独特なものである。ゲーム中ではほとんど触れられていないが、実際はこれをしっかり設定するかどうかで戦闘の難易度を大きく左右するほどに重要なシステム。
    • 具体的には、作戦メニューの隊列の設定で、近いキャラ同士がHPの回復量を分け合うシステム。全員を近づければ全員で全員を回復しあうことも可能。
      • 例えば、重戦士キャラ「ユージーン」は、自身のHP回復力も術技のHP回復力も低いため、自力での大幅なHP回復が難しく、ピンチからの脱却が苦手。そこで、他のキャラからHPの回復分配を受ければ、お互いに回復し合う形になり、欠点を補うことができる。
      • 例えば、HP回復力の高い術士「マオ」が覚える術「ガスティーネイル」は、かなりのHP回復力を持つ。HPを大幅に回復させることができるが、自身だけを回復させても回復量が過剰になりがち。HPの満タンをオーバーした分の回復量は、無駄になってしまう。それだけ大量のHP回復量を持つのであれば、分配するとかなりおトクなことが分かるだろう。全員に分配すると、とても効果的。
      • 戦闘中の実際の位置は関係なく、隊列設定上で近ければ、回復分配は常に発動する(例え戦闘中に距離が離れても問題なく分配される)。
    • HPが満タンのキャラは、分配しないと術技を使っても誰も回復せずHP回復量が無駄になるだけだが、分配することによって全てのHP回復量を分配相手に分け与えることができ、無駄になりにくい。
      • つまり、回復分配を増やせば増やすほど、HP回復量の平均化を図ることができ、HP回復に無駄が出にくくなる為、より安定した体勢を保つことが可能となる。これほど重要なシステムであるにもかかわらず、ゲーム中でほとんど説明されていないのは悔やまれる所。

従来作品との傾向の違い

  • 殆ど丸ごと新規術技となっている『デスティニー2』ほどではないが新規の術技が多く、過去作から続投している術技は少なめである。
    • 隣のラインも攻撃可能な「裂破衝」敵の囲い込みを脱出できる「幻龍斬」等、本作のシステムならではという術技も多く、独特な戦闘システムゆえ、それに合わせた術技を作成する必要があったのだと思われる。
  • 敵も強めの調整がされている。行動思考や強さも歯応えがあり、一筋縄ではいかない。
    • 隊列を組んで走って来る兵、極小サイズの体で大量出現しリンチを仕掛けてくるヒル、やたらとガードが固く攻撃判定を出しっぱなしで突っ込んでくる盾やカタツムリ、攻撃が非常に素早くガードも巧みで通常攻撃だけでこちらを壊滅させるカンガルー、厄介な雑魚が特に多い「ネレグの塔」など、今作のザコ敵は好戦的で頭も良く、連携までしてくる。ボスよりザコが強いケースも多い今作の戦闘はプレイヤーの間でも語り種になっている。
    • シリーズ他作品に比べると、敵の出現数が多い上に攻撃動作が素早く戦略的。それがシリーズでも屈指の戦略性の高さの一端を担っている。
      • 威力よりも隙のなさや攻撃範囲を重視し、多数の敵を長時間行動させないことの方が重要である。また、攻撃し続けて相手を動かさないことも重要。「攻撃は最大の防御」という言葉を体現するシステムである。動ける敵を減らせば、格段に戦闘が有利になる。そして、戦略やシステムを駆使し数の不利を打ち破り突破した時の爽快感は、他のシリーズ作品では中々味わえないものがある。

これらの点から、新規にプレイする初心者にとってはかなり難しい戦闘システムであることが分かる。
しかしそれらのシステムを理解してしまえば、これほど合理的で戦略性に富んだシステムも無いであろう。
それ故にバトル派のプレイヤーからは非常に好評。今でもその戦闘はシリーズ最高に面白いとの呼び声も高い。
また多くのゲームが「戦闘システムを理解すればするほど、戦い方がワンパターンになりがち(「レベルを上げて物理で殴ればいい」などは、その最たる例である)」なのに対し、テイルズ オブ リバースは戦闘システムを熟知しても戦闘がワンパターンになりにくい。それどころか、システムの理解度に比例して面白さが増していく。
プレイヤーが操作する際もキャラごとに挙動や特徴が違う。主人公ヴェイグはオート向き、重戦士ユージーンはオートに不向きで自操作向き等、キャラによってはオート任せだと実力を発揮できない場合もあるにはあるが、操作キャラを入れ替えると全然違った感覚で戦闘を楽しめる。
このゲームがスルメたる所以である。

その他、戦闘について他のシリーズとは異なる点

  • 通常の防御でも術攻撃を防御できる。
    • これまでは『デスティニー2』の「マジックガード」と『シンフォニア』の「防御奥義」でしか、術攻撃を防御できなかった。
  • 秘奥義が止め専用技になっており、Hit数を増やしてのグレード取得ぐらいしか使い道が無い。
    • 「実用的でない」と批判されるが、シリーズでも珍しい複数人で同時に発動する形をとってあり、掛け合いや演出の評価はシリーズの中でも高い。
  • シリーズで初めて、使うと敵の詳細なパラメータを知ることが出来るアイテム「スペクタクルズ」が廃止され、同じ敵と戦うごとに少しずつ情報が開示されていくというシステムになっている。
  • 戦闘に勝利すると「エンハンスポイント」を入手でき、それを使うことで武器・防具を強化していくことができる。「ダメージ2倍」などの特殊効果が付くこともあり、確率で発動する。
    • エンハンスした武具は、新たな武具に「継承」をすることもできる。継承により、ボーナスで武具の性能がさらに上昇したり、時には特殊能力が引き継がれたり、全く別の武具に変形することもある。

その他の特徴

  • ダンジョンの謎解き関連
    • メインシリーズ恒例の「ソーサラーリング」は本作には登場しない。
      • これによってダンジョン内のパズル制も排除されてしまい仕掛けも単純化…と言いたい所だが、本作のダンジョンでは主にソーサラーリングの代わりにキャラクター固有のフォルス能力を駆使してパズルを解いていく作り。ダンジョン内の構造もこれまで通りになっている。
  • 街の施設ではアイテム購入・売却、宿泊といったRPGではお馴染みの物の他に「世間話」という項目で一般住民同様の情報収集を行う事が可能。
  • 本作の称号には従来のパーティーメンバーに加えて、非戦闘NPCにも称号が存在する。この為、シリーズ恒例の称号コンプリートを狙うには同行NPCの分も集めなければならない。
  • フィールドでは前作、前々作同様に特定アイテムを入手出来る「宝箱」が存在する他、一定のレベルでフィールド上の特定ポイントに到達することにより「ディスカバリー」を発見する事が出来る。
    • 「ディスカバリー」システムは好評だった事からD2チーム次作のPS2「テイルズオブデスティニー(リメイク版)」でも続投したが、本作の「ディスカバリー」は基本的にノーヒント。導入したて機能故に未熟だったと言わざるを得ない。
    • フィールド上の宝箱の中身は本作では「マジカルポット」を利用する事で「食料調達施設」から供給される食材を入手するために利用する「食材チケット」に統合されている。
  • 主人公ヴェイグを含むPTキャラ全員との戦闘がある。
    • 「ストーリー上必ず主人公が敵になり、倒さなければならない」という展開は本シリーズでは勿論RPGの中でも非常に珍しいものであり、一部で話題になった。
    • これは「互いに立場や経緯が違う面々が簡単に分かり合えるものではない」背景を意識した演出である。

評価点

  • 歯ごたえがあり全体的に難易度が高めでありながらも、戦闘バランスは非常に良い。
    • 6人のパーティキャラクターはそれぞれ長所・短所をもっており、フォルスキューブを絡めた術技・作戦の設定や装備でこれらをどう伸ばすか、あるいは補っていくかという点も奥深い。
    • キャラごとの戦闘能力のバランスについても、アニーの弱さが問題に挙げられはするものの(詳しくは後述)、使いどころがないわけでは決してなく、役割分担や長所短所という面でもパーティのバランスは非常にとれている。
    • 終盤では敵の幹部全員と味方パーティによる4VS4の総力戦が発生する。厄介な能力持ちに攻撃を集中させて抑え込む、HPが低下した敵から仕留める、危機に陥った仲間の救援に向かうなどの立ち回りが要求されるので、適当に術技を使ってるだけでは突破出来ない。ボスクラスの敵がこれだけ入り乱れている戦闘にもかかわらずクリア不可能な無理ゲーにはならないので、本作の戦闘バランスが本当によく練られている証左となろう。
  • 戦闘の難易度を上げた際の調整も丁寧。
    • 多くのシリーズ作品では難易度を大きく上げると敵の特定のステータスがインフレを起こしバランスが歪む問題を抱えがちだったが、本作では元から戦闘のバランスがよく練られており合理的である上に、ダメージの計算式やHP回復の仕様なども上手い具合にマッチしているため、難易度を上げても「歯ごたえは増すが、理不尽にはならない」という絶妙な調整になっている。
      • 難易度を上げると、敵のレベルが上がることによりこちらのHP回復量も上がるため、相手によっては戦いやすくなることも。気軽に難易度上げが楽しめる。
      • 一方で、安易に難易度を下げてしまうと、敵のレベルが下がることによりこちらのHP回復量も下がってしまうので、逆に難しくなってしまうこともある。
  • 戦闘時のCPUのAIがかなり優れている。
    • 前作の『シンフォニア』では、AIの頭が悪くイライラさせられることも多かったが、本作では戦闘システムが戦略的になっているせいか、AIも合理的になっており頭が良い。
      • 後衛キャラが無意味に敵陣に突っ込んでいくことなんて無いし、何もせずウロウロするだけの挙動も起こらず、作戦通りの挙動を的確に行う。
      • 作戦設定によっては前衛キャラが後衛キャラと同じラインで戦い後衛キャラを守るような動きをしたり、HPの減った敵を集中攻撃して敵の数を減らすことを重視したりといった、CPUでありながら「チームとしての連携」まで考えた動きもできる。
    • 『デスティニー2』と同様、プレイヤーが初心者だとCPUの方がかなり戦闘が上手いということも多く、「上手く戦闘できないなら全員オートにして戦い方を観察しろ」と言われるほど。
    • ただし、CPUに良い動きをさせるためには、作戦設定を適切にしておくことが重要である。
      • このゲームでは攻撃頻度や術技の使用頻度、RGの調整がかなり重要だが、作戦設定を正しくしないと「なかなか攻撃してくれない」「術技は多く使えば使うほど良いのになかなか術技を使わない」「RGが100になってもなかなか下げてくれない」という事態も起こる。もちろん、作戦設定を適切なものにすれば解決する。
  • ロード時間は非常に早く、まずストレスを感じない。
  • 町に置かれているオブジェを調べると、それについての説明文が表示される。これの数が非常に多く、なんでもないように見えて実は説明文が用意されているということが多数あり、探す楽しみがある。
  • ティトレイと主人公ヴェイグの夕日の浜辺での殴り合いイベントやクレアによる通称「ピーチパイ演説」など一部は好評。
    • 前者は、一人で苦悩を抱え込みすぎた挙句フォルスを暴走させ事態を悪化させたヴェイグに激怒したティトレイがヴェイグを殴り、ヴェイグも拳と共に秘めた感情をぶつけ、メンバーに苦悩を打ち明けるというもの。後者は、ある騒動で断頭台に立たされ命乞いを求められたクレアが民衆の前で『どんな種族が作ったものでもピーチパイの味は、それを美味しいと思う心は同じ』と、心が同じである以上どの種族も必ず分かり合うことが出来ると種族差別の根幹に一石を投じる演説である。
    • 『電撃PS』では「あの作品の名シーン」を紙面の隅っこで幾つか紹介しており(300号突破記念当時)、ヴェイグとティトレイの浜辺で殴りあうシーンは紹介されたほど。*1
      • 前者のイベントのインパクトはとても大きく、『君と殴りあうRPG』と称されることも。
  • シナリオは後述のとおり種族対立をテーマとしているが、直接的な描写のみならず「差別」「対立」の根本的な思想や感情にも深く踏み込んだ描写や台詞が多く、リアリティに富んでいる。
    • パーティのトップにして操作しているキャラクターの種族により町人の反応が変わったり一部の店が使えなくなる…といったシステム面での差別化にも余念が無い。

賛否両論点

シナリオ・キャラクター

本作は種族対立がテーマのシナリオで、人間(ヒューマ)と獣人(ガジュマ)とその間に生まれたハーフの軋轢を描いている。
今迄にも「ファンタジア」「シンフォニア」のように、シナリオの一部に種族対立を取り入れたシリーズ作品はあるが、本作はストーリーの終始に渡って種族対立がメインテーマとなっている。

  • 話としては纏まっており、キャラクター周りの設定や描写も概ね一部始終を抑えているが全体的にお使い感が非常に強く、またテーマとなっている「種族差別」の収拾やラストの展開の粗さもあって評価はお世辞にも高いとは言えない。
    • 前半は連れ去られたヒロイン・クレアを助けるために各地を巡るのだが、手がかりを得て次の場所へ行くためにお遣い……と繰り返す。
      • 「確証はないけど他に情報がないので、とりあえずそれにすがる」といったどうにも煮詰まらない状況の中動かされる展開も多く、プレイヤー側としてはパっとしない。
    • 全体的にサブキャラの活躍が多めで、メインキャラの印象が薄い。
+ ラストの賛否両論点に関して
  • ラスボスのキャラクター性が皆無でポッと出ラスボスと揶揄されている。
    • しかし、その存在については実は作中で長きにわたり伏線が貼られている。しかし話しかけずとも済む町の住人の台詞の中などに散りばめられているため、全ての伏線を確かめラスボスの存在を予測出来るのは町の住人全てに虱潰しに話しかけていたプレイヤーぐらいだろう。町の住人全員との会話はかなりの手間な上、内容が重苦しいことも手伝ってプレイヤーにとっては負担であり、その点は問題である。
  • ラストの展開についてあまりにもご都合主義だと批判する人が多い。
    • 大まかにいうなら「種族同士の争いが加熱している最中突然神のような存在が現れ、それによって世界が滅びてしまう事を知ったヴェイグ達が立ち向かう」という流れ。後半の種族対立も根本的な解決とは言いづらく、理想論的な描写が目立つ。これにより「ラスボスの思念のせいで種族対立が起こった」と誤解されることもしばしばである。
    • しかし、種族対立自体はラスボス誕生の遥か過去から根深いものとなっており、寧ろそれら負の感情がラスボスを生み出す結果となっている。故にラスボスが倒された後も世界的に種族対立は続いており、あくまで世界滅亡の危機は乗り越えた…程度の影響となっている。同時にラスボスが生まれる原因となったのは「ヒト」であり、またそれを乗り越えたのも強い「ヒト」の心であるということで話は結論づけられている。
    • クリアするとゲーム内で見られるライブラリのあらすじにエンディング後の後日談が追加されるが、ヴェイグ達はラスボスを倒した後も旅を続け、世界中に広がった種族間の争いを何年もかけて地道に治めて回った旨が追記されている。この点はスタッフロール中に出る主要キャラのその後に経年している様子が一切ないので間違えるのも仕方ないと言えるのだが。
      • このあたりの演出の問題は後述する冒頭にも言える。
  • エンディングで唐突にある重要人物が亡くなってしまいプレイヤーを戸惑わせた。力を使ったせいだと推測されているが「安易なお涙頂戴」「死なせる意味が分からない」という声が散見される。その人物は作中において精神的成長が見られ、寧ろエンディング後の活躍を予感させる描かれ方だった余計に批判が高まった。
  • 冒頭のイベント演出の問題
    • ゲーム開始直後、ある出来事が発端で力(フォルス)の暴走で世界各地で沢山の人が亡くなり、ヒロインも主人公ヴェイグのフォルスの暴走で氷漬けになったと思ったらすぐに次の場面に移行し救出されたり、最初から置いてきぼりを喰らいがちな怒涛の流れ。
    • 作中では1年が経過しており、ヴェイグはあらゆる手段でクレアを救おうと奮闘したが手も足も出ず、絶望と罪悪感から完全に心を閉ざしてしまったという重い経過を辿っているのだが、プレイヤーの視覚ではほんの数分でこれらの展開を見終えてしまう為、あまりそれを実感しづらい。
  • 後半になるとラスボスの思念で世界全体で種族対立が加速。それを一時的とはいえ沈めるために一度周った世界各地を再びお使いすることに。
    • 差別問題が世界中で起こっている為どの街も基本荒れており、町全体で両種族が対立・特定の種族の排他を行っている地域も少なくなく、住人の言動も刺々しく不快感を覚える人も多い。
    • ヴェイグの故郷「山間の村スールズ」と、ティトレイの故郷「工業都市ペトナジャンカ」はそういった気風がほとんどない数少ない平和な場所だが、それでも後半の一時期はギスギスとした空気になる。
      • ヴェイグとティトレイはそのような環境で育ったためか差別感情が無く、種族の違いについては「見た目が違うだけで、種族の違いなど取るに足らない問題だ」とたびたび発言している。
    • 逆に、パーティ内の女性陣であるアニーとヒルダは、ある事件・生まれから異種族に対して非常に強い差別感情を抱くようになったり、心を歪めてしまっている。
      • 心を歪めてしまった彼女らが、差別感情を持たないヴェイグやティトレイに諭され、思慮深い大人であるユージーンに支えられ、冒険の中自らの過去や生い立ちの真実と出会い、己の歪んだ心と向き合ったりしながら答えを見つけ出していくところも、本作の醍醐味である。
  • 主人公ヴェイグについて
    • 幼い頃の事情やクレアを自身の力で暴走で氷漬けにした呵責から基本的に笑顔を見せないなど、シリーズでも随一に寡黙で重いキャラクターとなっている。
    • また序盤は連れ去られたクレアを第一に考え逸ってはユージーンに諭される流れが多く、クールというより独り善がりの強く暗い人物と映りがち。その割にクレアがヴェイグにとってどんな存在かが垣間見える場面も少なく(特に序盤)、彼の態度に対する掘り下げ不足によりただ闇雲にクレアに依存しているだけなのでは?という誤解も受けがち。 
    • しかし、長年家族同然に過ごしてきた幼馴染を自分の力の暴走で氷漬けにしてしまい、ようやく救出されたかと思えば目の前で訳の分からない者達に攫われた…という経緯だけでも十分その根拠になりうるのでは?という見方もある。
    • ただし序盤でも自分と同じ境遇の人間を想って自らそちらの救出を決断する・敵対したアニーを介抱するなど本来の優しさや気遣いを垣間見せ、中盤以降は周囲に対してより機敏に気遣うようになるなど、徐々にパーティーの中心としての振る舞いを増やしてゆく。
  • パーティーメンバーについて
    • 主人公であるヴェイグは先述した通りだが、パーティーメンバーの多くも終始シリアスなキャラが多い。常に冷静に振舞うユージーン、過去の事件から閉塞的な態度なアニー、周囲にドライかつ辛辣に接するヒルダ…と、主人公を含めるとメンバーの過半数が「重い」部類となっており、『明るい』と言えるのはいつもポジティブなティトレイと即興の歌が趣味なマオくらいである。
    • そのためか、本作の主人公はティトレイだと誤解されるケースは少なくなかった。彼は非常に明るく、「ティトレイがいないと重い空気になる」と思われるほど。実際シリーズでも定番の『チャット』でも彼がムードメーカーとなっている事が多い。

システム面

  • アイテム使用の敷居が高い。
    • 上記で述べられている通り、本作の戦闘は難解な上に回復手段が特殊なので、慣れない内はどうしてもアイテムに頼ってしまいがち。しかし、その消費アイテムが今作に限って妙に入手しづらい仕様となっている。
    • まず、シリーズ伝統の最安価HP回復アイテム「アップルグミ」が何故か非売品。変わりに「ピーチグミ」が最初の街から販売されている。ピーチグミはアップルグミよりも回復量は多いのだが、その分値段も一個500ガルドと高く、大量に買い込むのが難しい。
    • 加えて戦闘不能を回復する「ライフボトル」の値段も今作に限ってやたら高い。一個800ガルドと、歴代シリーズ最高額である。
      • これらの理由から、特に序盤において深刻なガルド不足に陥りやすい。序盤の戦闘一回につき手に入るガルドが100前後といえば、いかにこれらのアイテムが高額かわかるだろう。
      • だが逆に言えばどのキャラも回復手段を持っているということなので、あまり安く売ってもバランスを崩すという判断だろう。
    • バトルシステムに慣れてしまえば、回復アイテムどころか宿屋すら不要になり完全に自給自足で戦い続けられるようになる為問題にならなくなるが、初心者にはキツい仕様であった。
    • それ故このゲームはアイテムをあまり使わなくなってからが本番…と言われている。アイテムに頼らずに幾多の戦闘を切り抜けられるようになれば、本作の戦闘の楽しさが分かってくるだろう。
      • ただし、強力な全体攻撃を受けたりあるダンジョンなどで「HP回復力がゼロになる(自己回復がほぼ不可能に)」という強烈な制約を受ける場面があり、そういった局面に備えてある程度アイテムの貯蓄はしておきたいところ。
    • とはいえ、流石にこの点は不満が多かったのか、PSP版では序盤いくつかの地点でアップルグミが100ガルドと安価な値段で販売されている(ライフボトルについては変化なし)。

問題点

  • マップ上での移動スピードが遅い。
    • お使い要素が非常に強く、マップ上を徒歩で移動する展開が多いにも関わらず、キャラの移動がとてもゆるやかなのでストレスが溜まる。多くのプレイヤーは「これで走ってるのか?」と驚くぐらいに遅い。特にクレアを操作する場面は戦闘もなくお使いでしかない為にストレスが溜まる。
    • PSP版では改善されている。やはり不満が多かったのだろう。
  • パーティメンバーの一人、アニーが弱すぎる。
    • 従来のシリーズで言えば回復・補助系が中心の術師タイプのキャラクターなのだが、本作では対象のHPを直接回復する魔法が無いため補助系の術*2が中心である。攻撃用の術(分類は錬術)も1つだけあるが威力がとても低く、打撃攻撃力はパーティ中トップであるもののキャラ性能のせいで殴りにも向かない*3。早い話、敵にダメージを与える手段がほとんど無いキャラであり、非常に癖が強く使い難い。そのため、パーティが5人になった瞬間から使わなくなったという人も多い
      • ちなみに以降定番のネタとなるチョロ甘*4の元祖なのだが、アビスのジェイドが元祖だと思われる事が多い。アニーをパーティに加える人が少なかった事が一因かも知れない。
    • しかし蘇生術「ライズ・エリキシル」は術者の周囲にいる味方全てを蘇生させるというシリーズ全体の汎用蘇生魔法から見ても非常に強力な効果であり、ボス戦でこそ真価を発揮できるキャラクターと言える。
      • しかも従来のTPと違い時間でFGは時間で回復するため、実質無消費で蘇生魔法を使えるようなもの。更に複数箇所に同技をセットすることでひたすら味方を蘇生し続ける守護神と化す。前述のライフボトルの価格設定はこれらの仕様もあってのものと思われる。
    • 他の五人も属性の偏りや敵の種類によって有利不利がある場合も多いので、そのキャラクターを外してアニーを入れた方が良い場面も当然ある。
    • アニーの低評価の大きな理由として、オート操作の場合「一度陣術を使った後、その効果が切れるまで再使用してくれない」というAIの仕様がある。
      • キャラが陣から出てしまうと、支援効果はわずか4秒で切れてしまうので、陣が切れるまで貼り直してくれないのはかなりのマイナス。持続時間を伸ばす装備品も一応存在するので、それを装備すれば多少の改善は可能。
      • 超低威力・中範囲の攻撃用錬術「D・レーベン」だけは、FGが溜まり次第すぐ使ってくれる。
      • 支援効果の重複こそ不可能だが、FGの回復も詠唱も早いので、プレイヤーが操作して次々と陣術を唱えていけば、回復役としてかなりの性能を発揮できる。陣術に攻撃判定を付加するFCもある。
      • ついでに、陣術「レジスト・ヴィレ」は、術が強力なボス相手に大活躍する。ここでもボス戦向きの性能が垣間見える。
    • 本当にどうしようもないのは奥義の性能。効果時間が全体的に極端に短く、陣を消してまで発動する意義のある奥義はゼロと言っても過言ではない。
  • 「夢のフォルス」というサブイベント(ミニゲーム)の難易度がシリーズでも最狂レベル。その極悪さは未だに語り継がれている。
    • キャラクターを操作し、制限時間終了までにクリア条件を満たしていくというアクションゲームなのだが、クリアしていくに連れて「2人のキャラクターを同時操作し、操作キャラにダメージを与えるホーミング弾を避けつつ、星を一定数、邪魔キャラに奪われないように集める」という途方も無く難しい条件のものまで出てくる。
  • 演出が稚拙
    • 特殊能力者同士の戦いというストーリーもあり、戦闘以外のイベントでも能力を使うシーンが数多くあるのだが…
      • その多くが「敵キャラクターが構える」→「画面全体にエフェクト」→「味方パーティが悲鳴をあげながら倒れる」→「むくり、と立ち上がる」というもの。
      • エフェクトのちゃちさや倒れる→立ち上がる動作の緊張感のなさから見ててなんともいえない気分になる。せめて吹き飛ぶ程度の描写をはさめば軽減できた筈である。
      • キャラクターの動き自体も硬く、キャラグラの枚数も少ないため全く迫力がない。やりたいことはわからないではないのだが、あまりに演出が伴っていない為、事態に対し非常に間の抜けた印象になってしまいがち。
    • イベントシーンの演出面に関しては、翌年発売の『アビス』で一気に進化することになる。
  • シリーズ定番の、キャラ同士の雑談「チャット」に水増し感が強い。
    • 攻略本によると1000以上あるとの事だが全体的に内容が薄く、オチも無く二言三言で終わる淡白なものが大半を占めている。
      • 次の目的地に関するチャットも、発言内容は殆ど変わらないのに2つ以上用意されていることが多い。
    • ちなみにチャットは今迄のシリーズと同様特定の場で鑑賞できるが、『デスティニー2』や『シンフォニア』のよりも調べにくい物になっている。
      • ストーリーの時期ごとに分けられており、いくつかの階層を経なければならないデザインのUIなので面倒である。

総評

再三記したように、シナリオは大筋こそまとまっているが、テーマの収拾にはやや丁寧さが欠けている面があり、また全体的なお使い感の強さや、キャラクターの暗さは人を選ぶ。
戦闘に関してはシリーズ中では今現在に於いても難解な部類で、回復周りの馴染みのなさも手伝って敷居が高い。
しかしその戦略性は高く、シリーズ最高の戦闘が楽しめると評する人も多い。

シナリオ・キャラクター・システム共にトゲの強い本作は何かと敬遠されやすいが、そのすべての面でそれを乗り越えれば本作ならではの大きな魅力が待っているのは事実であり、発売から時間が経つにつれて高評価する声もどんどん増えているのがその証左である。
複雑なシステムを駆使し、戦略的な戦闘を楽しみたい人にはもれなくオススメな一作なのは確かである。興味を持ったなら、ヴェイグ達と共にフォルスの扱いが行く手を左右する戦闘・「ヒト」の対立に挑戦してみて欲しい。


PSP版

ジャンル ロールプレイングゲーム
(シリーズ内ジャンル名:君が生まれ変わるRPG)

対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 1枚
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ナムコ・テイルズスタジオ
発売日 2008年3月19日
定価 5,040円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
廉価版 PSP the Best:2010年1月28日/2,800円
配信 【PSP/PSV】2013年11月28日/2,500円
判定 スルメゲー

概要(PSP版)

本作は2008年にPSPに移植されている。
上記の通りマップでの移動速度が早くなる等、プレイする際の快適性の改善が行われている。

追加要素

  • シリーズ定番の「闘技場」が追加された。
    • 戦闘の中毒性が高い作品であるため、以前から闘技場が存在しない事に不満を感じる人は多かった。
  • 戦闘難易度に「GOD」が追加。リメイク前の最高難易度である「UNKNOWN」を超える難易度であり、やりこみ派からは歓迎されている。
    • 一方で、中段セーブのデータはロードしても消えなくなったため、裏ダンジョンはPS2版よりも難易度は下がっていると言える。
      • 尤も、PS2版の「途中セーブ不可(中段セーブデータはロードすると消える)」という仕様があまりに鬼畜ではあったが。
  • ボス敵の専用技などにカットインが追加された。
    • 従来の「秘奥義」と違い何度でも使用してくる都合上、カットインが表示されるのは最初の1度目だけ。
  • ラスボス直前にラストダンジョンにヒロイン達が突入するイベントが追加された。
    • こちらもフルボイスだが、PS2版の使いまわしなどではなく完全オリジナルなものである。
  • 「グレードショップ」での購入項目が幾つか追加された。

問題点(PSP版)

  • BGMで一部の和音が鳴らない、シャオルーン(後半にパーティーに協力する聖獣)に乗って移動するシーンのBGMが短縮された等劣化している。
    • 特に序盤の通常戦闘BGM「Battle Organization」は劣化が激しい。
    • 更にシャオルーンの移動速度が低下し、飛行中ロードが入ると一時急停止してしまう。

総評(PSP版)

PS2版からおおむね無難な追加と改善がなされ、より手軽に遊べるようになった。
BGMが大きく劣化し、一部のUIも損なっているのは残念だが、そこを気にしない人にとってはより楽しめる一品であろう。


余談

  • PS2向けのマザーシップタイトルで(移植・リメイクを除き)唯一Best版が発売されなかった。
    • 大量出荷の関係もあってかPS2版の中古価格の暴落は凄まじく、発売から1年弱で980円以下のところもあったほど。
    • 新品価格も暴落しており、現在でも他のPS2向けのマザーシップタイトルのBest版より安く買えるところもある。
  • ポプラおばさんの存在もファンからの評価が高い(主にネタ方面なのだが)。
    • 彼女はヴェイグの住む家とも付き合いの長い、隣近所の気の良いガジュマでヴェイグも彼女には心を開いている。しかし物語後半の種族問題が表面化した際に豹変してしまい、ヒューマを口汚く罵り、家族同然の存在であるヴェイグの首を締め上げるという暴行を働いてしまう。その際に見せる普段の彼女とのギャップの激しさが声優の熱演もあって逆に笑えるという声が多い。場面そのものは非常に重く緊迫しているのだが。
    • この一件をネタとして扱われる事が多いポプラおばさんだが、彼女の作る絶品のピーチパイが名場面の『ピーチパイ演説』に繋がる為、ストーリー上ではモブキャラでありながら重要なキーパーソンでもある。
    • PSP版発売時にポプラおばさんの声優滝沢ロコ氏による音声ガイド付きで『ピーチパイの作り方』ムービーが予約特典として付くなど、スタッフも彼女がファンからどんな扱いをされているのかを理解しているらしい。不愉快なくらいひたすら弄られるだけのヴェイグの扱いと違って、こちらは至って真面目にピーチパイを作ってるだけで、実用性もあって純粋に好評。

主人公の扱いについて

  • ヴェイグは上述した理由で、本編中とにかくクレアの名前を連呼し、時に彼女の名前を絶叫している。担当声優の檜山修之氏が絶叫系の演技に定評がある事もあり、多くのユーザーからはネタにされることとなった。
    • 更に後の特典DVDなどで公式にも極端にピックアップされてネタにされてしまっている。おかげでリバース未プレイ者からは「ヴェイグは事あるごとにクレアの名前を連呼し叫びまくるクレア狂」と認識をされてしまっている事もある。*5。二次創作でもこのように扱われることが多く、未プレイ者から間違ったイメージを持たれることはヴェイグに限らず深刻であった。
      • 公式で彼が作中でクレアの名前を呼んだ回数を数えたところ、256回彼女の名前を呼んでいたらしい。だが後に有志の検証で280回前後であった事が判明した。
    • なお、再三して記述するがヴェイグにとってクレアはかけがえの無い存在であり、旅立った目的も攫われた彼女を取り戻すためであり、その過程での連呼は致し方ない所もあることは念頭に置いておいて欲しい。叫ぶ時も彼女に危機が迫った瞬間ばかりであり*6、同じ立場ならヴェイグでなくとも叫んでいたであろうシーンばかりである。
    • バルバトスに続いて「公式の悪ノリのせいで強引なネタキャラ化」してしまったために不満に思うファンは多く、檜山氏もこのことに関して「ヴェイグがどんどんあらぬ方向に行ったキャラになって~」と不満を顕わにした。
      • 流石にこれを受けて公式も反省を…していないところか、次の特典でこの不満を述べた声優インタビューを利用して「サレ(作中の悪役)のせいで自分のキャラが壊れ、声優にも迷惑をかけた(ここで不満を述べたインタビュー映像が入る)」という内容の会話を作り(勿論これも檜山氏が喋っている)、更なるネタとしている始末で、明らかに檜山氏を馬鹿にしている
      • ファン曰く「この時期(2008年から2009年)が、テイルズスタジオのスタッフの悪ノリがもっとも酷かった時期」といわれている。
    • 後のお祭りゲー『マイソロ2』とゲスト参加の『テイルズ オブ グレイセス』においては、本来のイメージ通りのヴェイグが登場している。『ヴェスペリア』の署名活動の件もあってか、流石に反省したのかもしれない。
      • ただし探している「大切なもの」がクレアではなく、よりにもよって不吉な名前の剣である辺り、ややキャラがおかしいとの意見もある。
    • 更に後の『マイソロ3』』では、本作のイメージにほぼ忠実なヴェイグが登場を果たした。 そのかわりティトレイの扱いが酷い事になったが。
    • 更に余談だが、彼の容姿が『デスティニー』の主要キャラクター「ウッドロウ」と似ているという声もあり、同作品のメンバーであるチェルシーがヴェイグとウッドロウを間違えているシーンがある。

パロネタ

  • 前述の声優ネタなど、元々他作品のパロディネタが多いシリーズだが、その中でも本作は漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の露骨なパロディと思しきネタが非常に多い。
  • 異能力バトルという時点でその開祖的な立ち位置である同作を思い浮かべる人は多いと思うが、スタッフも同様だったのだろうか…
    • おそらく一番プレイヤーの印象に残るのは「ドネル」という敵キャラクター。「土を操り、地面を潜って移動する敵能力者」が能力を封じられ「アジなマネを!」と激昂する。もろに『第五部』の登場人物"セッコ"である。
    • また、ストーリー冒頭の「突如発現した制御の効かない自分の能力で周囲に迷惑をかけることを恐れ、引きこもってしまっているクールな主人公」を「能力について詳しい年長者」と「炎系能力使い」が迎えに来る所から旅が始まる部分は『第三部』を彷彿とさせる。
      • ちなみに後に『第三部』が再アニメ化された際の該当キャラクターの一人の声優がユージーンと同じく石塚運昇氏であり、本作を知るプレイヤーはニヤリとしたであろう。
    • 他に目立つのはユージーンの口癖である「質問に質問で返すのは感心せんな」という台詞。同様の台詞が『第四部』以降繰り返し使われている。
      • 他にも、作中でレストランを訪れた際にメニューに載っている「パスパスパスタ」*7(実際に食べることはできない)等、細かいネタが全編に渡って散りばめられている。探してみるのも一興。
  • 後半に戦うことになるジルバ・マディガンという人物が、『機動戦士ガンダム0083』*8のシーマ・ガラハウともろにキャラが被っているどころか担当声優も同じ真柴摩利氏である。戦闘中の台詞まで完全に一致する。
    • おそらくこちらも声優ネタ。第1作『ファンタジア』からアーチェがメロンパンについて言及したり*9と、シリーズでは珍しい事ではない。
  • ヴェイグとヒルダの協力秘奥義の「セルシウスキャリバー」の〆の演出に使われる武器も声優ネタ。ただし、この武器自体は檜山氏の演じるキャラとは別のキャラの武器。
  • 前述通りパロネタの多い本シリーズだが、ここまでメインのストーリーイベント等で大々的にそれらのネタが使われているのは珍しい。

他作品において

  • テイルズ オブ バーサス』においては本作のテーマを大きく否定されるような展開のシナリオが描かれてしまった。
    • さらに、ヴェイグは主人公であるにも関わらず『バーサス』では参戦出来なかった。これは、『エターニア』(リッド)や『ラタトスクの騎士』(エミル)でも同じ事が起こっている。
      • だが、そもそも『バーサス』自体が非常に評価が低く、ファンからは「ヴェイグ(及びリッドとエミル)はバーサスとかいうクソゲーに出なくて正解だった」とまで言われている。
  • ユージーンの扱いも『リバース』ファンにとっては無視できないものとなっている。
    • シナリオ上における台詞のほとんどがただの絶叫で、本作での理知的な面影は欠片も無い。しかも無駄に何種類も叫ばせている。そのため批判と共にユージーン役の石塚運昇氏の迫真の演技故に、氏の喉を本気で案ずる意見も散見される。
    • オマケに彼のようなガジュマに触れられるとデスガロ熱という病気を発症するという、まるで不潔な病原体であるかのような謎の設定まで追加されている始末。本作のガジュマにそのような設定は一切無い。(そういう扱いをしている台詞などはあるが)最早キャラに対する冒涜である。
  • 『マイソロ3』の「セルシウスキャリバー」は『ソウルキャリバー4』に登場する「完全体」のデザインのもの。さらに言うと『マイソロ2』の連動サイトでもらえたソウルキャリバーのデザインと同じ。
  • 本作での秘奥義は一人ではなく協力して放つ為か、他作品に出演の際は秘奥義が無いことが多かった。しかし『バーサス』を皮切りに単独で使う様になり、『マイソロ3』では全員に搭載されている。