本稿では本編(オリジナルのPSP版(不安定/スルメ)及びSwitch/Steam版(良作))を中心に、スピンオフ2本も概要レベルで解説しています。
【みっしつのさくりふぁいす】
その先にあるのは希望か? 絶望か?
SIMPLEシリーズの『THE 密室からの脱出』シリーズなどを中心に、多くの脱出ゲームを製作しているインテンスが製作した脱出ADV。
同シリーズで得た脱出ゲームのノウハウをベースに、脱出ゲームにおいて希薄であることが多いキャラクターやストーリーといった面も深く作りこんだ作品。
公式では「脱出ゲームとサスペンスが融合したトラップアドベンチャー」とされている。
地底奥深くに建造された巨大な生活施設
「ファウンデーション」
いつ、何の目的で作られたのか——
誰が、そこへ人々を導いたのか——
真実は、長い年月の中に風化し、
その歴史ははるか昔に消え去ってしまった。
ここには、もう地上の世界を知る者はいない。
今や、地中に存在するこのファウンデーションだけが
人々にとっての「世界」となっていた。
そこを突如襲った「異変」が5人の少女の運命を変えた。
無人となった「世界」。時折襲い来る、大振動。
崩落する壁や天井。費えていく、水や食糧——
取り残された5人の少女たちは
その過酷な状況で生き残らねばならなかった。
今、ファウンデーションは崩壊の危機に立たされている。
そして、少女たちにも最後の、長い試練の時が、
今、訪れる——
+ | ネタバレ |
+ | エンディングについて ※ネタバレ注意 |
+ | ただ、終盤には4桁数字などかわいいものがあるわけで……(ネタバレ) |
+ | 一例(ネタバレ) |
昔の脱出ゲームを彷彿とさせる高難易度により、大きなやりごたえを得られる一作。
ただし難易度の高さにより、シナリオの先が読みたいのに脱出パートがクリアできないプレイヤーも多く見られる。
露骨な誘導やヒントの少ない硬派な作りを受け入れられれば、高難易度とシビアなシナリオを堪能できるだろう。
魅力あるキャラクターや重苦しいながらも壮大でよく作り込まれたシナリオはプレイヤーを世界観に引き込み、メインであろう脱出ゲーム部分を食ってしまうほどの出来である。
脱出ゲーム要素を本格的なストーリーの中にうまく取り入れている点は、ブラウザゲームなどで遊ぶ脱出ゲームではまず真似できない部分だろう。
【みっしつのさくりふぁいす あびす おぶ ざ さくりふぁいす】
オリジナルから約11年の時を経て、SwitchとPCに移植されたリマスター版。
公式は「移植」という表現も見られるが、全体に渡ってグラフィックのリファインが入っている上、ゲーム部分への細かい手直しも多数見られるため、リマスター版と表現するのが実態に近い。
メインとなる変更はグラフィックの全面的なリファインと、難解な謎解きの多かった探索パートにヒント機能が追加されたことである。
ヒント機能の追加で難易度が大きく緩和されたリマスター版。
あくまでも本編のみのリマスターでありスピンオフは未収録なものの、歯ごたえのある脱出アドベンチャーを最後まで楽しむ分には十分である。
タイトル | 発売日 |
密室のサクリファイス~イトカ:ある閉鎖施設からの脱出~ | 2010年10月21日 |
密室のサクリファイス~ミキ:ハイテンションナイト~ | 2011年4月21日 |
*1 ミキが本編のような状態になる事件よりも以前の時系列のため。