Diablo2

【でぃあぶろつー】

ジャンル アクションRPG ASINが有効ではありません。
対応機種 Windows
Macintosh
発売元 Blizzard Entertainment
【PC日本語版】カプコン
開発元 Blizzard North
発売日 2000年6月29日
【PC日本語版】2000年7月1日
判定 良作
Diabloシリーズ
Diablo / Hellfire / Diablo2 / Diablo2 LoD
Diablo3 / Diablo3 RoS / Diablo4

Diablo2 Lord of Destruction

【でぃあぶろつー ろーど おぶ ですとらくしょん】

ジャンル アクションRPG
対応機種 Windows
Macintosh
発売元 Blizzard Entertainment
【PC日本語版】カプコン
開発元 Blizzard North
発売日 2001年6月29日
判定 良作
Diabloシリーズ
Diablo / Hellfire / Diablo2 / Diablo2 LoD
Diablo3 / Diablo3 RoS / Diablo4


概要

見下ろし視点の2DアクションRPG。操作はマウスとキーボードで行う。
LANもしくはインターネットを介した通信プレイが可能なマルチプレイヤーオンライン(MO)ゲームで、1つの部屋に8人まで入ってパーティを組んで遊べる。

全世界で大ヒットを飛ばした前作『Diablo』の続編。ゲーム性はそのままに、各要素をさらに洗練させて完成度を高めた。
さらに『Diablo2』発売から1年後の2001年6月29日には、拡張ディスク『Lord of Destruction』が発売された。
この項目では、拡張ディスク「Lord of Destruction」の内容も含めて解説する。

インターネット通信プレイのために、ロビーサーバ「Battle.net*1」が用意された。最盛期には数十万人が接続し、今なお軽く数万人を超えるプレイヤーが居る。
Battle.netには見知らぬプレイヤーとのマッチングを手助けする機能やチャット機能があり、複数人が協力すると有利になるゲームシステムや、物物交換を推奨するランダムアイテム生成システム、分かりやすいトレードのインターフェイスなど、プレイヤーの交流を円滑にする気配りが行き届いており、オンラインゲーム黎明期に『Ultima Online』と並んで二大双璧を成した大型タイトルである。

マップや敵の豊富さ・キャラクター育成の自由度・直感的で簡単な操作・作りこまれた世界設定とそれを盛り上げる高品位のグラフィックや音楽、アイテム探索*2の楽しさなどから再び世界中で大ヒット。
多くの中毒者を出し、今なおオンラインサービスが継続していることからファンは増え続けている。
各種システムやインターフェイスの完成度の高さは随一で、後発のネットゲームに多くの影響をもたらした。
と言うより、初代『Diablo』と『Diablo2』の影響が一切無いオンラインRPGを探すのが難しいほどである。


各ストーリー

『Diablo2』

創世の時より、天界の天使軍と地獄の悪魔軍は戦い続けていた。地獄の三大悪である三兄弟の魔王メフィスト、バール、ディアブロは、人間の潜在能力にこそ勝利の鍵があると考えて人間界を手中に収めようと進軍するが大戦争の末に天使と一時講和を結ぶ。しかしそれが地獄の四小悪と呼ばれる魔王アンダリエル、ドゥリエル、アズモダン、ベリアルたちの怒りを買い、反乱者に敗れた三大悪は肉体を失い、魂は人間界に追放された。

人間で暴虐を尽くした三大悪の魂は最終的に、天使に知恵を授けられた人間の賢者集団「ホラドリム」によってソウルストーンに封印され、ディアブロのソウルストーンはトリストラムの地下深くに封印された。

しかしこれは惨劇の始まりに過ぎず、300年後、封印が弱まったディアブロは地下から王国の大司教を操り、王を発狂させ、末の王子の体を乗っ取って復活を果たした。

前作「Diablo」においてトリストラムを地獄に変えた魔王ディアブロは王の長子エイダン王子によって打ち倒され、魂を封印する魔石「ソウルストーン」に魔王の魂は封じられた。

しかし、それはディアブロの罠であった。

「ディアブロを封印するには、ソウルストーンを自らの額に突き刺し、強靭な精神力で彼を押さえ込まなくてはならない」と吹き込まれたエイダン王子は、その通りに事を実行。

ディアブロはまんまと自らを倒すほどの英雄の体を乗っ取ることに成功したのである。

英雄の肉体を得てさらなる力を獲得したディアブロは、地獄の魔王三兄弟の一人「破壊の王バール」を復活させるため、東の地へと向かった。

だが、かつて肉体を奪った英雄よりも強力な冒険者達が、ディアブロを倒さんと追撃を始めていたことに気付いたのである…。

『Diablo2 Lord of Destruction』

3魔王のうち、長兄の「憎悪の王メフィスト」と末弟の「恐怖の王ディアブロ」は倒された。

彼らが封じられたソウルストーンは英雄の手によって砕かれ、二度と復活することはない。

しかし、次兄の「破壊の王バール」がまだ生き残っていた。

復活し力を取り戻したバールは、人間界の至宝「ワールドストーン」を手中におさめるべく、それが安置されている北の聖地「アリート山」へと進軍を始めた。

メフィストとディアブロを倒した英雄と老賢者デッカード・ケインは、大天使ティラエルの導きにより、休む間も無くアリート山へと向かった。


特徴

前作からの変更点があまりにも多いため、主だった点のみ記述。

  • 以下の3つのモードが存在し、最初に選択することになる。ブリザード社はチート対策の一環としてラダーモードを最も優遇している。
    • ラダーモード
      • ラダー(Ladder)とは梯子、転じて「スコアランキング」の意。最も経験値を稼いだキャラのランキングはBattle.net上で公開される。と言っても特典や景品などは無いので自己満足の世界。
      • Battle.netへの接続が必須となる。キャラクターデータがブリザード社のサーバー上に保存され、チートを行ったらアカウントBAN対象となるので不正行為からは守られている。
      • このモードでしか手に入らないアイテムや発生しないイベントが多数あるため、マルチプレイにおいては最も人気がある。
      • 定期的に「ラダーリセット」が行われ、キャラクターデータがノンラダーモード用のキャラクターに強制変更される。ただし、この時に本来ならラダーモードでしか手に入らないアイテムをノンラダーモードに持ち込むことができる。
    • ノンラダーモード
      • ラダーモードとの違いはランキングが無い、一部のイベントが存在しない、一部のアイテムが入手できないなど。ラダーキャラクターと同じゲームに参加することはできない。
      • Battle.netへの接続必須。ラダーモード同様キャラクターデータがブリザード社のサーバー上に保存される。
      • ラダーリセットが発生した際、キャラクターは消滅ではなくこちらに移動。今までのキャラクターを使い続けることができる。
      • PvPの本場となっているモード。というのもラダーモードでは高価だったアイテムがこちらでは安価で流通していたり、最新バージョンで下方修正されているアイテムが弱体前の能力のまま現存している*3ため。
    • オープンシングルモード
      • 1人用、もしくはBattle.netを介さないマルチプレイ*4用のモード。
      • Battle.netへの接続は必須ではない。キャラクターデータは各個人のPC内に保存される。
      • MODがもっとも盛んなモード。プレイヤーの中にはゲームバランスに手を加えた改造Verを作ってパッチで配布する豪の者もおり、MODに関しては「他人に迷惑をかけない、もしくは非公式パッチを当てた状態でBattle.netに接続しない限りは黙認」というのがブリザード社のスタンスである。
  • また、キャラクター作成時に設定できる項目にハードコアというものがあり、それを選択すると一度でも死んだらそのキャラクターデータが使えなくなる*5という難易度の高いシステムもある。上記の3つのモードとは別に選択でき、「ラダーモードでハードコア」や「シングルモードでハードコア」といったことができる。
  • 前作のウリであった「ランダムダンジョン生成」「ランダムアイテム生成」「世界中のプレイヤーと、もしくはローカルで通信プレイ」は健在。
    • 今作ではダンジョンだけでなく、地上も舞台となる。Act1~4の全4部構成*6で、マップの広さは前作の数倍以上にボリュームアップ。そして「ウェイポイント」と呼ばれるファストトラベル地点が各地に用意されており相互にワープが可能で、一度踏破したマップの往来は容易。
    • アイテム数およびアイテムに付く魔法効果は大幅に増加。また一式揃えて装備すると追加効果が発揮される「セットアイテム」や、開いている穴に強化用アイテム(宝石やルーン)をはめることで任意の効果を得られる「ソケットアイテム」などといった要素も追加された。
    • Battle.netへの接続による通信プレイも前作同様、無料でサービスを提供し続けている。
  • プレイヤーキャラクターのクラス(職業)が前作の3から5に増えた。『LoD』でさらに2クラス追加され7クラスとなる。なお前作と同じクラスは皆無。
    • スキルツリー制を導入。レベルアップで得たスキルポイントを消費してスキルを習得する。既に習得したスキルにもスキルポイントをつぎ込んで強化でき、スキルレベルを20まで上げられる。
      • 最大レベルの99までに得られるポイントは98ポイントなので、全てのスキルレベルを上げ切ることは出来ない。取捨選択が重要となる。
    • クラスが違えば習得可能なスキルも異なるため、クラス毎の個性がはっきりと出るようになった。また、同じクラスでもスキルポイントの割り振りと主に使用するスキルの選択いかんによって戦法や立ち回りが全く変わるため、飽きがこない。
      • 確立された育て方は「ビルド」と呼ばれる。他の人が考案したビルドを真似てもいいし、新しいビルドを模索して構築するのも『Diablo2』の楽しみの1つ。
  • ゲーム全体のスピードアップ。
    • 走ることが可能になったり、高速移動する敵が出現するなど、ゲーム全体のテンポが速くなった。
      • これについては賛否両論ある。前作はゲームスピードが遅い代わりに考える時間の余裕があった。本作ではそんな余裕がないことも多く、「じっくり作戦を練れる前作の方が良かった」という声もある。
  • プレイヤーキャラクター
    • 前述の通り、プレイヤーは自身の分身を5つまたは7つのクラス(職業)から選ぶ。
      • 基本ステータスは4種類。VITALITY=生命力・ENERGY=マジックパワー・STRENGTH=筋力・DEXTELITY=器用さ。レベルアップ時に5ポイント貰えるステータスポイントを、自由に割り振って強化できる。クラスによって伸びやすさの傾向も変わる。
      • それぞれのクラスは、3つのカテゴリのスキル、カテゴリごとに10のスキル、つまり30種類のスキルを使える。
    • 個性豊かなプレイヤーキャラは絶妙な調整で差別化されており、それぞれに得意分野がある。ここではその特徴と魅力の一部を伝えたい。
      + 各クラスの特徴
      • アマゾン
        • フィクションにおける一般的なアマゾネスのイメージに通じる、露出が多く身軽な戦装束に金髪をポニーテールでまとめた白人女性。スキル系統は「投げ槍と槍のスキル」「弓と石弓のスキル」「パッシブと魔法」で、武器は近接用の槍・投擲式のジャベリン・遠隔攻撃の弓の扱いが得意で、中遠距離攻撃を主体とする。
        • 女の子なので打たれ弱く囲まれると脆い。が、対単体に特化したスキルをいくつか有するのでタイマンはむしろ得意である。
        • ある程度の魔法属性を操ることが可能で、中でも雷属性を付与したジャベリン専用スキル「ライトニング・フューリー」は、特に対集団において非常に高い殲滅力を誇る。
        • 両手持ちの槍に適用されるスキルもあるので、槍を主体にしたビルドもある…が、何故か槍スキルは冷遇されており、これを主体としたビルド「槍アマ」はハッキリ言って弱い。が、両手持ち槍を構え一心に立ち向かう雄々しくも美しい姿に、熱狂的ファンが一部いるのも事実。
          • 雷属性以外の魔法属性は貧弱なので、雷と物理が効かない相手に分が悪い。
      • パラディン
        • 元ザカラム教*7の聖騎士である黒人男性。スキル系統は「防御のオーラ」「攻撃のオーラ」「戦闘スキル」で、騎士だけあって武器と盾の扱いに長け、近接戦闘が得意なクラスである。
          • 特に盾の扱いが上手く、ブロック率を限界まで高めると物理攻撃の被弾率は25%以下にまで下がるため非常に頑丈。また、盾の性能を上げるスキル「ホーリーシールド」や盾で相手を攻撃するスキル「スマイト」も有しており、これがまた強い。
        • 聖なる力を用いた魔法攻撃も得意。特に魔法のハンマーを発射するスキル「Blessed hammer」は、物理でもなく雷炎氷のどの属性にも属さず、初期バージョンから対モンスターでは最強魔法といえるほどの強さを持つ。
        • アンデッド系の敵(ゾンビやスケルトン等)を浄化させるスキルをいくつか持つ。逆に装備品のスキルで死者を生き返らせる(禁忌を破る)と、天罰が下りライフが1/8減ってしまう。
        • 最大の特徴は自己強化、敵弱体化など様々な恩恵のある「オーラ」を纏えること。オーラの多くは範囲バフ・デバフとして近くの仲間もしくは敵に波及し、居るだけでパーティーに貢献できる。しかもごく一部を除いて発動コストが無い。
        • ソロであれパーティであれ何をやらせても強いため、非常に人気があるクラス。そのためパラディン用のアイテムはトレード価値が高くなる傾向にある。
      • バーバリアン
        • 野性味あふれるフェイスペイント・弁髪のマッチョな白人男性で、人類の聖地「アリート山」を守る北方の部族。スキル系統は「雄叫び」「戦闘の熟練」「戦闘のスキル」で武器の扱いがパラディン以上に得意であり、他クラスが両手でしか持てない武器を片手で軽々振り回すことができ、両手に別々の武器を持てる。「バーバリアン」を略して「馬場」と呼ばれている。
        • ライフが全クラスで最も高い上に、後述の雄叫びにより更にブーストできる。総合的な硬さはパラディンに劣るが近接型の中では生存力が高い。
        • 殴り合い上等のクラスだが脳筋キャラではなく、状態異常や補助もむしろ得意分野。特に「雄叫び(War cries)」というスキル群は、自分を中心とした範囲の敵や味方に影響を与え、味方へのバフや敵への状態異常を付与する。これによる戦局コントロール能力は特筆に値し、様々な雄たけびを使い分けて自由自在に戦場を駆ける。
          • 近接スキルも、相手を後退させる強力な殴り「バッシュ」・敵に攻撃を当てるごとに攻撃速度が高まる「フレンジー」・大ジャンプして敵の脳天に一撃を加える「リープ・アタック」・防御をかなぐり捨て全力で殴る「バーサーク」・そして武器を持ったままダブルラリアットのように全身で回る強力な範囲攻撃「ワールウインド」など個性的な攻撃スキルが多く、戦局によって様々な立ち回りが可能な頭脳派戦士である。
        • 不毛な北の大地で生き延びるためのサバイバル術を身につけており、敵の死体から追加でアイテムを入手できるので、トレジャーハントに適したクラスでもある。中には味方が斃した死体を漁ることに特化した「掘り馬場」というビルドすらある。
        • 投擲武装を用いた遠隔攻撃も可能。本来主たる攻撃ソースでない雄叫びだけで敵を倒す(ある種マゾ的な)ビルドもある。近接戦闘だけが能じゃない*8
      • ソーサレス
        • 氷・雷・炎の属性攻撃に特化した黒髪ロングの黄色人女性の魔法使い。スキル系統は「冷気の呪文」「電撃の呪文」「火炎の呪文」で、武器と盾の扱いは不得手でかつ体力が少ないが、魔法を用いた遠隔範囲攻撃が強力。
        • スキルは大半が攻撃用だが、被ダメージをマナで肩代わりする「マナ・シールド」・画面内のどこへでもに一瞬で移動する「テレポート」・自身の防御力を上げる「フローズン・アーマー」など防御や移動用魔法もいくつか有する。
        • 攻撃力を武器にそれほど依存しないこと、「テレポート」により移動力が高いことから、特に初心者やラダー初期などアイテムが足りない時期のトレハン用キャラに適している。
        • 武具の扱いは苦手だが、物理攻撃に炎属性を付与&能力を盛大に引き上げるスキル「Enchant」もあるので、実用範囲内で武器攻撃をメインとするビルドも構築できる。
        • 先述の通りトレハンが得意なこと、装備が極まった時の火力が非常に高いことから、パラディンの次に人気がある。
      • ネクロマンサー
        • 生死を操る魔法使いで、白髪痩躯の中年白人男性。スキル系統は「召喚魔法」「毒と骨のスキル」「呪い」で、死体から骸骨兵士を生みだし手下にしたり、様々な素材からゴーレムを生成したり、死霊のエネルギーや毒属性魔法で攻撃したりする戦闘スタイルを持つ。
        • 運命をも操る魔法「呪い」を用いて、敵に状態異常やステータスの大幅弱体化を引き起こすこともできる。敵の物理耐性を100%下げる「アンプリファイ・ダメージ*9」・属性耐性を弱体化させる「ロウアー・レジスト」・恐ろしい存在の幻影を見せ敵を逃走させる「テラー」・視界を奪って攻撃を封じる「ディム・ビジョン」など攻撃サポートから味方のピンチを救うまで何でもできる。
        • 呪いの恩恵と大量の手下に囲まれることから非常に死ににくく、ハードコアモードを最も安全に旅できるクラスである。
        • 攻撃スキルでは「コープス・エクスプロージョン」が強力。死んだ敵の怨念を暴走させ死体を爆破するというおっかない魔法で、広範囲に大ダメージを与える。最初の死体さえ作り出してしまえば、あとはこのスキルで連鎖爆発させるのがネクロの常套手段。
        • 毒・死霊による魔法も特化すれば中々の攻撃力を持つ。特に毒魔法は呪いとの相乗効果で威力を増幅することができ、前述のCorpse Explosionを除けば対モンスターの攻撃力はネクロマンサーのスキル中最大。
        • サポートが得意なクラスだが、パーティープレイで手下を増やしすぎるとパーティメンバーに通信ラグが発生し、ゲーム進行に支障をきたしかねない難点がある。
      • アサシン
        • 拡張版で追加されたクラス。スキル系統は「マーシャルアーツ」「影の統制」「トラップ」で、破壊した魔導師を抹殺するため組織された暗殺者集団「アサシン教団」の一員で、ショートカットの白人女性。教義にのっとり魔法は一切使わず、鍛錬した己の肉体とサポートする機械兵器を駆使する。設置式の罠や、マーシャルアーツと呼ばれる格闘術を主力とする。
        • 近接型ながらやや防御力に欠けるが、敵を撹乱するスキルを多く持つため忍者やシーフ的に敵を”暗殺”することが可能。
        • アサシンの専用武器である爪(Claws)を両手もしくは片手に装備ができる。低い生存力を補うために盾を装備するか、近接の威力を追及して両手爪にするか、悩みどころである。
        • マーシャルアーツは、敵に命中するとエネルギーが溜まる「チャージアップ・スキル」と、エネルギーを開放する「フィニッシュ・スキル」からなり、様々なコンボを生み出せる。
          • フィニッシュのモーションはキックなので、武器を持っていながら相手を蹴り倒す「トンファーキック」スタイル。
        • トラップ主体ビルドは実質魔法使いに近いスタイル。雷・炎を発生させる罠の他、ネクロマンサーと同様の死体爆破を行う罠も習得できるので対応力が高い。
        • 欠点は、あまりパーティープレイ向きのキャラでは無いこと。サポートスキルに重大なバグがあり、仲間に不利益をもたらす場合がある。このバグは長らく修正されていない。
      • ドルイド
        • 拡張版で追加されたクラス。スキル系統は「自然魔法」「変身」「召喚」。バーバリアンと祖先を同じくし、人間界とアリート山を守るため他方は肉体を極限まで鍛えることを選び、ドルイドは自然と調和することを選んだ。自然魔道士で、浅黒い肌の男性。竜巻や噴火など自然現象を召喚する魔法、狼人間や熊人間に変身し肉体強化するスキル、精霊を召喚し加勢してもらうスキルを軸に戦う。
        • 自然魔法はソーサレスほどの攻撃力はないが面制圧に向いており、さらに「物理+炎」といった複合属性の物もあり対応力は上。無数の隕石を降らせる「アルマゲドン」は持続時間が長く補助攻撃に最適で、特に竜巻で攻撃するスキル「トルネード」は対人戦において無類の強さを発揮する。
        • 狼人間、熊人間に変身するスキルもある。変身中は自然魔法が使えなくなる代わりに近接戦闘力が飛躍的に増す。
        • 召喚する精霊は本体を含む周りのプレイヤーのライフ上昇などで、味方をサポートしてくれる。熊や狼の精霊などバリエーションもあり、ネクロマンサーの次に従える手下が多い。熊を召喚し自身も熊になるクマースタイルは、戦力としては弱いながらも妙な人気がある。
        • 欠点は、変身中は力まかせすぎること、手下が熊を除きすぐ昇天すること、自然魔法の殲滅力がソーサレスやパラディンの魔法と比べ見劣りすること。
  • 傭兵
    • プレイヤーをサポートしてくれるNPCの傭兵達。拡張版では傭兵を育てたり装備を整えてあげることが可能になり、より強く、より愛着が湧くようになっている。
      + 各傭兵の特徴
      • Rogue Scouts(ローグ族の偵察兵)
        • ACT1で雇用可能。通称は「キョウコ*10」で、前作のローグと同所属であり、弓による遠距離攻撃を主体とするポニーテールの女の子。
        • 見た目の可愛らしさと使用スキルと弓装備の有用さから、後述するDesert Mercenariesの次に人気がある。
        • 装備品でスキルレベルを上昇させると、撃つものが矢以外に変化する。多段ヒットする雷や、チートしてレベル50まで上げるとディアブロのブレスを撃ったりする。戦術幅が広がり面白い要素だったのだが、Ver.1.09以降で削除されてしまった。
      • Desert Mercenaries(砂漠の傭兵)
        • ACT2で雇用可能。槍による連続攻撃とパラディン同様のオーラをまとえるため、盾役兼サポート役を任せられるので「兄貴」と呼ばれ頼られている。
        • 装備品の中には「装備中に特定のオーラを展開する」品があるため、それも併用すれば自身+装備品で複数のオーラを展開できる。その万能性ゆえに、ほとんどのプレイヤーがDesert Mercenariesを雇用する。
      • Ironwolves(鉄狼団)
        • ACT3で雇用可能。剣と盾を装備し、主に魔法攻撃を行う黒人男性。
      • Barbarians
        • 拡張版限定のACT5で雇用可能。名前の通りプレイヤーキャラのバーバリアンと同部族で、バーバリアン専用装備を身につけることが可能。高い攻撃力と耐久力を活かした近接戦闘を行う。

評価点

  • マルチプレイを楽しくするためのゲームシステムがよく練られており、後発のマルチプレイが可能なゲームでは『Diablo2』に影響されたシステムが盛り込まれている。特徴の項の内容がそのまま長所といえる。
    • 特に「より強い装備でより強いキャラを造り上げる」という、キャラメイクの楽しみを突き詰めたシステムは非常に完成度が高い。
    • トレードを活性化する仕組みが良く出来ている。ゲーム内世界の通貨「ゴールド」はほぼ無価値で*11、通貨代わりの素材アイテムが存在する。例えば希少度の低い宝石や中~低級ルーンも、それらを合成素材の一部として利用する「ホラドリムのキューブ」の存在により無価値ではなくなっている。
      • ホラドリムのキューブによる合成物の良し悪しは完全ランダムで運次第のため回数をこなす必要があり、合成素材の需要が尽きることはない。そのため、合成に使用する低レア素材の価値も下がりにくく、初心者にとって強力な装備とのトレードが成立している。
        超希少なアイテムの場合はこうもいかないが、ある程度の時間さえかければ誰でも、ドロップ確率や運に頼らずとも実用的な装備の大半を揃えることが可能なのだ。
    • ゲーム内経済の設計も優秀。MMOでありがちな「通貨インフレが起きて新規プレイヤーがトレード市場に入ってゆけない」事態や「装備が極まってもはやこれ以上トレードする対象が無い」といったことが少なく、常に経済が回り続けている。
      • トレードの殆どは物々交換で行われる。低レアのアイテムもトレード需要があり新規プレイヤーの一助となっているのは、前述した通りである。
      • ヨルダンの石(Stone of Jordan)という指輪アイテムが事実上の通貨として扱われている。俗にSoJと呼ばれるこのユニークアイテムはどのキャラクターが装備しても有用なため需要が非常に高く、価値が揺るがない。
      • 「ルーン」と呼ばれる小さな魔法石も通貨として扱われている。このルーンは装備のソケット穴に挿入することで様々な魔法効果を発揮する有用なもので、一度挿入したものは取り出すことが出来ない。よって常に消費され、通貨のインフレが起こらず、ベテランから初心者までの間でトレードが回っている。
  • 対人戦の調整も良好で、対モンスターでは見向きもされないようなアイテムやスキルが有効な場合もあり、協力プレイとは全く別のゲームバランスが形成されている。他の人と差をつけるためにスキル構成や戦法を見直したりして、対人ならではのスリリングな戦闘に挑める。
    • 後述のチートが問題だが、装備品には必要レベル制限があるため、レベル15以下やレベル30以下といったレギュレーションを設けてチート武器を排除しての対戦も盛んである。
  • 宝探しの楽しさ、中毒性。
    • ゲームの一応の目的は最終ボス「ディアブロ」を倒す事だが、本当の楽しみは倒した後の周回プレイにある。進化したアイテムランダム生成システムにより、アイテム捜索の楽しみが大きい。
      • ストレス無くトレハン周回できるゲームデザインが、中毒性を後押しする。ボスまで直行してサクっと倒し、ゲームを作り直(リセット)し再びボスをサクっと倒す。1分から数分程度のテンポ良い周回を行えるので、「寝る前に10分だけ……」と思って始めたのが30分や1時間経っていることもよくあるにとどまらず、徹夜で瞼を腫らすプレイヤーが続出した。
      • 野良や仲間たちと多人数でフィールドを蹂躙しながらのトレハンも楽しい。本作には「このアイテムはこの敵からしかドロップしない」という制約が無いので、数撃てばザコから超級アイテムがポロッとドロップする事もある。
    • トレハンしてお宝を得たら、すぐに自分で使ってもいいし、それを更に有効活用できるキャラを新しく育て始めてもよいし、他プレイヤーとトレードして別のお宝アイテムを手に入れるのもいい。
      • キャラ育成の自由度が高く選択肢が豊富なのは先述した通りだが装備の選択肢はそれ以上に幅広い。「この職業ならこの装備が最強」といった定番が生まれにくく、各プレイヤーが自分のプレイ方針に合った装備を選択でき、幅広いアイテムにトレード需要が発生している。
    • 小ぶりなお宝を手に入れた場合でも、SoJやルーンとトレードしてコツコツと資産を溜める事で超級アイテムとトレードすることも可能。よってアイテム探索への欲求が尽きることがない。
  • 操作が直感的で簡単
    • 基本操作はマウスポインターの移動と左右クリックのみ。地面をクリックするとそこに移動、NPCをクリックすると会話、宝箱をクリックすると開ける、敵をクリックすると攻撃する…といった具合で非常にシンプル。左右ボタンにスキルを割り振り、押せば即発動する。割り振るだけで常時発動のスキルもある。
      • 拾う・攻撃するといった基本行動やスキル等をF1~F12キーにショートカット登録できる。キーを押すと即座にマウスボタンが登録した物に切り替わるので、次々とスキルを切り替えて多彩なコンボを作れる。
    • 良く使う回復アイテムは「ベルト」にしまっておき、数字キーを押して使用する。いちいちアイテム欄を開く必要が無い。
      • 前作でもこの「ベルト」システムは存在したが、1~10キーの10スロットが、1~4キーそれぞれ4段の16スロットに変更された。
    • 道具袋は10マス×4マスの40マスあり、ここに詰まるだけアイテムを持ち歩ける。アイテムはそれぞれ形が違い、時にはパズルゲームのように持ち物整理をしなくてはいけない。
      • 拡張版では道具袋に入れて持ち歩くだけで魔法効果が発揮される「お守り(Charm)」というカテゴリのアイテムが追加され、限られた容量で何を持ち歩くかの取捨選択要素が加わった。
    • 装備欄には人間の模式図と各部位の横に枠があり、装備するには道具袋から掴んで枠に投げ込むだけでいい。
      • 指輪は2つまで装備できる。これにも、魔法の指輪が相互に干渉して悪影響が出るので左右の手に1つずつ装備するのが限界、という設定が用意されている。
      • 拡張版では両手に装備する武器や盾を2セット登録しておける「ウェポンスワップ」システムが追加された。特定のキーを押すとすぐに他方のセットに切り替わるので、装備を切り替えて多彩な行動が取れる。戦術幅が広がり、もう1セットのアイテムを探求する楽しみも増えた。
    • キーコンフィグも完備。全ての操作やショートカットをキーボードの好きなキーに割り振ることができ、キーを登録すればスキルショートカットも16個まで割り振れる。
  • スキルのバランスが良い
    • 1クラス30ものスキルを持つにもかかわらず、その多くが実用的であり「死にスキル」が少ない。コンセプトさえしっかりしていれば様々な育て方が可能。弱いスキルを主力にしてもパーティープレイなら誤魔化しが効くし、根気よくやればソロでも辛うじてクリアできる…こともある。
      • バージョンアップによりスキルに「シナジーボーナス」という新要素が追加された。これはスキルレベルを上げると他の特定のスキルも同時に少しだけ強くなるというもの。
      • そのため主力スキルを強化するために今までレベルを上げなかったスキルを強化するケースが発生し、「せっかく強化したのだから使ってみよう…おっこのスキルレベルなら充分実用的だぞ」といった具合に、弱いスキルも再び研究対象として脚光を浴びた。結果、さらに「死にスキル」を減らすことに成功している。
  • クラス(職業)が多彩
    • 同じクラスでパーティを組むと、バフスキルや戦法がかぶって折角のスキルが無駄になる場合が多くなるように調整されているため、なるべくクラスを散らす方が効率がいい。このこともキャラの多様化に一役買っている。
    • 出現するモンスターの種類はマップ毎に決められた候補の中からランダムで数種類選ばれる。またモンスターには種類によって特定の属性が無効な「Immune」という性質がある。物理攻撃無効や魔法無効などもあり、得意な攻撃属性だけで簡単に無双できず、「どこでも最強」が生まれにくいシステムになっている。
  • 作品世界の作り込みが徹底されており、没入感が高い
    • 中世時代ヨーロッパを基調とした『剣と魔法』の世界が地獄の軍勢の侵攻により崩壊し掛かっているという、終末世界のシチュエーションがよく表現されたリアルなグラフィック。
    • 魔物に引き裂かれた人間がそこら中に転がっていたり、ダンジョンの壁には血糊がべっとり付いていたりと、全体の雰囲気はグロテスクなホラー調。ダンジョン探索時には自分の周囲だけ明るくなるのも、恐怖と冒険心を引き立たせてくれる。
    • プリレンダリング3DCGに調整を加えたドット絵は、この時期のゲームとしては非常に質が高い。キャラクターや炎は本物のように滑らかにアニメーションする。建物や地面なども質感が良く表現されており、昼夜や雨など環境の変化も描写される。
      • 液体をたたえ彫像が容器を支えるライフ/マナゲージ、石に彫り物をしたようなボタン、表示欄の隅を彩る装飾など、インターフェイスの隅々にまで設定が反映されている(ページ最上部の画像参照)。
    • どの音楽もシチュエーションにぴたりハマっており環境音楽系のゲーム音楽として完成度が高い。
    • 効果音もこだわって作られており、攻撃ヒット時には爽快な音がするし、敵が画面内に見えなくても唸り声で近くに何が居るか判別できる。スキルの多彩さにもかかわらず効果音やボイスの使い回しが少ないため、8人プレイで画面内がてんやわんやしても、慣れれば特徴的なスキル効果音によって誰が何をしているのか大体分かるので、連携がやりやすい。
    • 世界設定が非常に凝っており、あらゆるものにバックストーリーが存在する。拡張版で初登場したように見える「アサシン」も、実は第3章の街に1人アサシンのNPCが居てアサシンの意義について語ってくれる。
      • 説明書は設定資料集ともなっており、ストーリーや世界設定などが事細かに解説してある。それぞれのクラスの参戦背景や、1つ1つのスキルの由来に関する物語なども、たっぷりとページを割いて書かれており読み物としても読み応え充分なので是非目を通していただきたい。ただし、日本語で読めるのはカプコンが発売した日本語版だけであり、こちらはゲーム本編の和訳が妙になっておりローカライズ自体の評判は芳しくない。
  • 少ないプレイ時間でもそれなりに遊べる
    • ソロで少しずつプレイしてもクリアでき、MMOのようにパーティ編成に時間をとられたり長時間拘束されるなんてこともない。交流掲示板によるトレードや待ち合わせも盛んなので「1日10分だけピンポイントで敵を倒してトレハン、良いアイテムが出たら他プレイヤーに売りつける」「いっしょに遊びたい人とボス攻略」といったゲームプレイも許容されている。
    • やり込んでいるプレイヤーとの差がつきにくい
      • ヘビープレイヤーとライトユーザーでは流石に装備に大きな隔たりができるが、野良パーティで協力プレイする分にはさほど問題とならない。
    • 一番人気のあるラダーモードは、およそ数ヶ月周期で全てがリセットされるため、長年プレイしている人たちとの差が一気に無くなる。このラダー期間にしか手に入らないアイテムがあるため、ベテランプレイヤーも参加するので初心者との交流も途絶えることが無い仕掛けになっている。
  • 発売後15年以上経った今も改良・修正パッチによる更新が続いている。
    • パッチによりゲームバランス調整が入るのはもちろん、アイテムやイベントが追加されるのも恒例となっている。今のオンラインゲームやスマホゲー等では当たり前だが、それを率先して実施していたのが『Diablo2』である。
      • 特にゲームバランス調整は大胆で、ダメージ調整の変化幅が大きかったり、スキルの性質が一変してしまう変更や、アイテムの効果の変化も平気で行われる。
      • そのため、昨日までは最強だったキャラがパッチ後には全く戦えなくなっているような極端な変化もザラである。現在のオンラインゲームなら大紛糾しかねない調整の仕方だが、世界中の『Diablo』プレイヤー達はすぐに新しくなった世界で何が出来るのか模索し始め、この大きな変化も楽しみの内ととらえられている。これも本作の特徴であり長所であろう。
  • オンラインサービスが完全無料
    • これだけの大規模なゲームでサーバー利用料金が要らないのは、太っ腹と言うほかない。
      • ちなみに、ロビーに表示される広告収入で運営費をまかなっているらしい。
    • アカウントも作り放題。CDキー1つにつき1つのアカウントまでしか同時にログインできない制限はあるものの、1アカウント8キャラクターが埋まったら気軽に幾らでも増やせる。
    • このサービスが、発売から15年以上が経過した現在でも継続している*12

問題点

  • 日本語版入手が困難
    • 現在英語版と日本語版が存在するが、日本語版は生産終了&サポートも打ち切られている。中古品は品薄のため定価越えのプレミアがついており、さらにオンライン認証*13の点を考えるとまったくおすすめできない。
      • 余談だが、日本語版には「アイテム名の和訳が珍妙である」という難点が存在する。珍妙なのはアイテム名だけで、セリフなどの訳は普通。何故アイテム名だけヘンなのだ…。
        (例)…「Golden Holy Water Sprinkler」→「黄金の聖水スプリンクラー*14、「Dire Gnash」→「壮烈なる歯ぎしり
      • 英語版のアイテム名には「Buriza-do Kyanon」「Yari」「Hone Sundan」など日本人へ目配せしたローマ字アイテムが存在するのだが、カプコンは「Hone Sundan」を「ホーン・スンダン」と訳すなど「分かっていないどころか理解不能レベル」である。
    • 英語版は現在でも広く流通しており、手軽なのは通販を利用してパッケージ版を購入するか、ブリザードの公式サイトでDL版を購入するかの2択となる。
  • 英語版だとある程度の英語の知識が必要。英語版を日本語化する非公式パッチは存在するが前述の通り「不正行為」に該当するので、そのパッチを当てた状態でBattle.netに接続するとアカウント永久停止などの処分を受ける可能性がある。
    • とはいえ、ストーリーの把握は必須ではなく、方言やスラングなどの難しい英語表現も出てこないので、義務教育レベルの英語スキルがあればハードルは高くない。
  • 英語版と日本語版の両方をHDDにインストールすることが困難*15
  • ダンジョンの形状および敵の配置如何によっては、対処がかなり困難になる可能性が存在する。
    • 特定の攻撃属性を無効化したり、死亡時に自爆して大ダメージを与えてくる敵など、敵の能力が初代Diabloよりも多彩になった。場合によっては「新しくゲームを作り直して再挑戦した方が早い」という場合もあり、攻略には運の要素も多少絡む。
    • しかし、前作では死亡すると装備を地面にぶちまけてしまい他プレイヤーに泥棒される危険が常にあったのに対し、本作では死亡地点に残る「死体」に触れることで全ての装備を取り戻せる仕様に変わり、死体に触れられるのは自分と予め許可したプレイヤーのみである。
      • また、死体の回収がどうしようもない場合にはゲームを抜ければ次のゲームの開始地点に死体が置いてある。これは改良点と言える。
  • 日本サーバーが無いため、日本人プレイヤーを探すのが少し面倒
    • 日本人プレイヤーは「US-WEST」サーバーでプレイする者が多い。
      • 日米間のインターネット回線が太く通信ラグが比較的少ない・英語版プレイヤーが多い・英語は日本人にも馴染みがあるといった理由から。
    • どの言語版でも日本人はチャットを半角ローマ字で行うのが暗黙の了解となっている。
      • 日本語版では日本語チャットが可能ではあるが、他言語版プレイヤーに日本語が全く表示されないために日本語チャットそのものがマナー違反だとする風潮さえある。日本語版で自由に日本語が使えないのは難点といえる。
    • 一番近い「Asia」サーバーは韓国に置かれており韓国語が多いため*16、通信ラグ的に有利だが選ぶものは少ない。
  • 不遇なスキルの存在
    • 死にスキルの割合自体は少ないほうだが、育成段階でのみ使用する下位スキルならともかく、上位スキルでもバグにより想定された使用法通りに機能しないもの、明らかにダメージ量に劣るものが散見される。
    • これらはパッチで改善されることもあるが、初期から全く手を加えられていないものもある。
    • パッチで追加された要素に「シナジーボーナス」があり、これはある1つのスキルLvを上げることにより、関連スキルの能力が少量増加するというもの。これによりさらなる攻撃力を追求するか、別系統のスキルで戦術の幅を広げるかでスキル取得の幅が生まれ、不遇スキルが日の目をみるようになった。そのため現在完全な死にスキルはほんの一握りしかない。
  • チートの横行
    • ローカルにセーブデータを保存する方式なのでデータ改造が横行した初代『Diablo』の反省から、オンライン専用サーバにデータ保存するシステム*17に変更され、チートが判明した者には永久BANの処置が下される。また、チートアイテムを定期的に排除するために「ラダー」システム等が導入された。そういったブリザード社の腐心にもかかわらず、チートは無くならなかった。
    • もっとも頻繁に遭遇するチートは、アイテムを複製する「Dupe」。外人から超級の高性能装備のトレードを持ちかけられたら、まずDupe品と思って間違いない。運営により複製されたアイテムは見つかり次第消去されるので、取引したアイテムがいつのまにか消えていたという事は日常茶飯事である。
      • チート品には一切手をつけずに正規のシステムだけで遊ぶことを宣誓したプレイヤーのみが集まる日本人コミュニティもあり、盛況を博していた。そこではDupe品取引の禁止はもちろん、外国人と取引したり見るからに(素性や出処が)真っ黒なアイテムの所持が目撃されると、村八分となり事実上の出禁となった。それでもチートにまつわるトラブルは絶えなかった様子である。
    • 細かいサーバーアップデートでチートを潰しているようなのだが、そのたびに新しいチートの方法が考案され、まさにイタチごっこ。ネットゲームの黎明期を彩った本作であるが、チーターと運営との戦いの黎明期でもあった。
  • 日本人ウケしないグラフィック
    • 世界中で大ヒットした本作が日本ではあまり流行らなかった要因のひとつは、これであろう。
    • 血みどろで暗い作風やグロテスクな敵などは、それだけで敬遠してしまう人も少なくなかった。
    • リアルなグラフィックのRPGは現在でこそ日本でも市民権を得ているが、ドラクエやFF等のデフォルメキャラで育った当時の日本人ゲーマーの大半には受け入れがたかった。
    • 時期のかぶる対抗馬が、可愛さを前面に押し出した『ラグナロクオンライン』等であり、こちらはゲームシステムや運営に数々の問題を抱えていたにもかかわらず流行したことがそれを裏付けている。
  • 初代『Diablo』から比べるとテクニカルなアクション性が低下した。
    • 前作では細かい戦局においてプレイヤーのテクニックで、モンスターの群れの中を切り抜ける楽しさが存在した。しかし、本作においてはゲームスピードの上昇やモンスターの攻撃能力の凶悪化によって、非常に不利な戦況を高い比重のプレイヤーテクニックにて切り抜けることは難しくなってしまった。
  • 5と6のフォントが見分け辛い。慣れれば問題ないが、始めたばかりの頃は勘違いしやすい。

総評

全体的なシステムはほぼ『Diablo』の時点で完成されており、本作はそのアッパーバージョンといえる。
しかしほぼ全ての要素に徹底的なテコ入れがなされており、ゲームとしての完成度は大幅に向上。
当時としては画期的なシステムを数多く投入しながらも、緻密に計算されたゲームバランスを有する本作は幅広い層に受け入れられた。
現在の視点からすると新鮮味の有る要素に富むわけではないが、前作から引き続いてMOの基礎を作り上げ、MOのみならず様々なジャンルに影響を与え「マルチプレイヤーRPGの定番」と言えるゲームシステムを完成させた功績は計り知れない。
その輝きは色褪せず、発売から17年目となった現在でもBattle.netによる無料オンラインサービスが継続しており、
次作の『Diablo3』が発売しているにもかかわらず、今なお数万~十数万を超えるプレイヤーがオンラインで遊び続けている化け物ソフトとなっている。


余談

  • 日本語版の初期プレスには、インストール不可の不良CDが入っている場合があるトラブルがあった。
    • 当時カプコンに勤めていた岡本吉起氏が自らのYouTubeチャンネルで語ったところによれば、米Blizzard社から送られてきた日本語版の原本CD*18複数のうち1枚がなぜか全く関係無い音楽CDとなっていて、このミスを検品で検出できないまま工場に送って製品として複製・量産されてしまったらしい。

その後の展開

  • 『LoD』発売から7年後の2008年、ついに待望の続編『Diablo3』が発表された。
    • しかし開発遅延による延期が重なり、結局発売されたのはさらにそこから4年後の2012年5月15日であった。
+ 『Diablo3』発表時の会場の様子
  • 2019年11月1日に実施された「BlizzCon 2019」で、シリーズ最新作『Diablo4』が発表された。対応機種はPS4/One/Win。
    • しかし、この発表以降は情報が2年以上も途絶えていた。
      • その後、2022年12月9日に開催された「The Game Awards 2022」において、対応機種にPS5/XSXが加わることが正式に発表され、2023年6月6日*19に発売された。
  • 2021年2月20日に実施されたオンラインイベント「BlizzConline」において、本作に拡張パックを含んだHDリマスターである『Diablo II: Resurrected (ディアブロ II リザレクテッド)』が発表され、同年9月24日にPS5/XSX/PS4/One/Switch/Win*20で発売された。
    • 音声/字幕は日本語に対応している。なお、2021年は『LoD』の発売からちょうど20周年となる。

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最終更新:2023年07月26日 08:53

*1 現在はBllizard作品や兄弟会社であるActivisionの一部作品の配信プラットフォームも兼ねている。

*2 トレジャーハンティングを略して「トレハン」「TH」などと呼ばれる。

*3 例えば、「Arkaine's Valor」という鎧はVer1.09で下方修正を受けたが、ノンラダーモードでは弱体を受ける前のArkaine's Valorもわずかながら現存する。当然ながらその希少価値は計り知れず、取引される際の価格は天井知らず。

*4 LANケーブル&ルーター等を用いて構築したローカルネットワーク、クローズドでのオンラインプレイなど。

*5 キャラクターが幽霊の姿となり、Battle.net上のロビーでチャットするだけは可能。アイテムの受け渡しも不可能なため、事実上の「死んだらおわり」モードである。

*6 『Lord of Destruction』でAct5が追加され全5部となった。

*7 ゲーム開始時点で、腐敗したザカラム教を見限り離脱している。

*8 もっとも、雄叫び攻撃は有効射程が短いので、限りなく近接戦闘に近いのだが。

*9 ダメージ2倍となるのではなく、例えば敵の物理耐性が80だった場合は-20となり、ダメージが20%から120%と6倍になる計算であり大いに強力なスキルである。

*10 デフォルトネームの中に何故か「Kyoko」という日本名があることに由来している。

*11 Gold入手の簡単さに対して所持上限が非常に低くなっているためである。死亡すると「死神の通行料」として所持するゴールドの一定割合を取り上げられてしまうという要因もある。街にある安全な「収納箱」にゴールドも入れておけるが、死神は収納箱からも容赦なく持ってゆく。

*12 ついでに言えば、初代『Diablo』のオンラインサービスも完全無料で現在も完全な形で継続されている。

*13 もしそのソフトがアカウントBANされたものであったなら、そのソフトではBattle.netへの接続ができなくなる。そしてそれを購入時に判別することはほぼ不可能に近い。

*14 「ホーリーウォータースプリンクラー」はメイス(戦鎚)の一種。聖水=相手の血しぶきというニュアンス。しかしこの和訳だといらぬ誤解が…。

*15 先にインストールした版のフォルダ名を一時的に変える必要がある。

*16 当時の韓国人オンラインゲーマーのマナーの悪さは世界的に有名で、東南アジアのプレイヤーであってもAsiaをわざわざ避けUS-Westに接続する者が多く、上記仕様からメッセージに韓国語が表示されないことからも大半のプレイヤーがUS-Westを選択している。

*17 現代で言う「クラウドサーバーセーブ方式」に近い。

*18 Blizzard社はソースコードを社外に持ち出さない方針で、ローカライズ作業もカプコン社員がアメリカで行ったという。

*19 Deluxe版及びUltimate版を予約したユーザーは、早期アクセスで同年6月2日から遊べた。

*20 本編+各種コンテンツが付属の『Diablo PRIME EVIL Collection』も同時発売された。