不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス

【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんふぁいぶ ふぉーちゅんたわーとうんめいのだいす】

ジャンル ローグライクゲーム

対応機種 ニンテンドーDS
発売・開発元 チュンソフト
発売日 2010年12月9日
定価 5,800円(税別)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
廉価版 チュンセレクション
2011年11月25日/2,480円(税5%込)
判定 良作
ポイント 『4』をベースに様々なバランスが調整
風来のシレンシリーズ関連作品リンク

概要

「風来のシレンシリーズ」のナンバリングタイトル第5弾。
前作『不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ』から約10ヶ月後とほとんど間を空けずの発売となった。
前作のシステムを色濃く継承しつつも、ゲームバランスはより洗練されたものになっている。


あらすじ

―八獣神の主神でもある運命神リーバの三つの目は、
それぞれの目がこの世の過去・現在・未来を見据えているという。
そして、リーバの手にした三つのダイスが、人の生まれ、その一生、死を決定するのだと。
運命のダイスを振れば、ツキに見放されて不運に満ち満ちた、恵まれない人生をも変えることができるのだと。

砂漠地帯を抜けたシレンとコッパ。旅の途中、人里離れた山の中で道に迷った二人は小さな村に辿りつく。
村には、病に伏せた少女・おユウがいた。若い命が消えゆくことを惜しみつつも、
こればかりは運命だからどうしようもないとあきらめている村人たち。
しかし、おユウの幼馴染・ジロきちは、おユウの運命を変えるため、運命のダイスを求めて村を飛び出した。
村人から事情を聞いたシレンは、おユウを助けるため、そして新たな不思議を求めて、
運命神リーバが住まうというフォーチュンタワーへと向かう。


特徴・評価点

ストーリー

  • 世界観は中華風のモチーフで、たぬきやスズメが人間と一緒に暮らしているなど童話的な雰囲気である。
  • 時系列的には『GB2』と『3』の間に位置する。

音楽

  • 今作からすぎやまこういち氏作曲の過去曲が無くなり、松尾早人氏作曲の音楽のみとなった。
    過去作の音楽が聴けなくなったことは残念だが、松尾氏自身シレンシリーズの作曲・編曲には長く携わっていることもあり、雰囲気は決して壊しておらず、評価も高い。

システム

  • 装備の成長や昼夜の概念、様々な種類の店やオーラを持つ敵、タグなどの前作の新要素は概ね受け継がれている。
    • 『4』に比べると装備の成長が早くなり、武器の移行や図鑑集めが楽になった。
    • 夜間に使用できる技については性能が見直され、補助系の技が増えたり、使用した技の回復手段が増える等の調整がなされている。
    • 店では、店主に識別の巻物を渡すと販売されている商品全てを識別してくれるようになった。
    • オーラを持つ敵についてもオーラを解除する手段が増えたため、対処しやすくなっている(札系のアイテムに一律でオーラ解除機能が付加された)。
  • 新システム「スーパーシレン
    • 敵と戦っていると、「覚醒ポイント」という内部パラメータが溜まっていき、一定数に達するとシレンが「覚醒直前状態」になる。さらにそのまましばらく戦って条件を満たすとシレンが「覚醒」して「スーパーシレン」になる。
      • スーパー状態になったシレンは、通常攻撃を放った際に敵に何らかの状態異常を発生させることがある。また、スーパー状態で敵を倒すと、「防御力上昇」「必ず2回攻撃」等の強力なボーナス効果を得ることが出来る(ボーナス効果はターン経過で解除されるものと、フロアを一定数移動すると解除されるものがある)。
      • 覚醒直前状態やスーパー状態は、フロアを持ちこして継続する。
      • 覚醒ポイントはターン経過やフロア移動で徐々に減っていく。ポイントが減った状態で罠を踏む、状態異常にかかる、瀕死・空腹状態になるなどで覚醒直前状態やスーパー状態は解除されてしまうことがある。
    • 上手くスーパー状態を維持できれば非常に有利に探索を進めることができるが、仕様上ピンチの時ほど解除されやすいため覚醒だよりのプレイは難しい。またスーパー状態の維持には罠チェックや瀕死になる前の回復が必要なためアイテムが節約できないなど短所もあり、全体的なバランスは良好。
  • 新システム「新種道具
    • 拠点の村にある「秘伝の甕(かめ)」にアイテムを投入すると、他のアイテムの能力が付加されることがある。
      • 例えば、「敵を階段の上に飛ばした後に場所替えする杖」「睡眠&混乱&毒を無効化する腕輪」など。
        武器や盾の場合は、既存のアイテムには存在しない全く新しい能力が付加される場合もある。
      • 特殊効果は、DSの内蔵時計で一日経過するごとに付加される。付加される効果はランダムで、何も付加されない場合もある。
        また、8日以上甕につけ込んで置くとアイテムは雑草になってしまう。
    • 新しく作り出したアイテムは名前を付けることができ、最大で64種類まで登録することが出来る。
      登録したアイテムはダンジョンで自然発生するようになる(一回の冒険ごとにランダムで6種類。また新種道具が登場しないダンジョンもある)。
  • モンスターを仲間にできる「仲良しの証」が登場した。証を持っていると、証についた名前のモンスターと同じ種族が仲間として戦ってくれる。
    • 例えば、マムルの証を持っているとフロア内のマムル・あなぐらマムル・洞窟マムル・ギタンマムルが戦ってくれる。
    • なお、仲間状態の敵を攻撃すると証が消滅してしまう。また、該当するモンスターが出現するフロアの階段を下りると白紙の巻物に代わってしまうことがある。
    • シレン2』の「モンスターの壺」のような育成要素がないのは残念なところ。
  • あるアイテムによく似た名前だが、全く別の効果をもたらす『まがいもの』が登場した。
    • 『シレン2』や『トルネコ3』でも「聖の巻物」などのアイテムはあったが、本作ではそういったアイテムが急増し、その数は20を超える。基本的に店の売値や買値が本物と同じなので「値段識別」が通用しづらい。
    • モンスターを全滅させる「全滅の巻物」ならぬ持ち金全てが無くなってしまう「滅の巻物」といった偽物らしい効果を持ったものから、装備にタグをつけられる「タグの巻物」ならぬ店の商品を全て無料にしてしまう「タの巻物」のような、本物より強力な効果を持っているアイテムまで幅広く、役には立たないがユニークな効果を持つアイテムも多数ある。
      • 特に、石のまがいものである「」。そのネーミングセンスと、たとえ左へ向かって投げようと名前通り右に飛ぶ光景、それゆえの役立たずっぷりは多くの風来人の息の根を止めた。
      • 敵の居場所が分かる強力な「気配察知の腕輪」には、敵を視界内に捉えるとダメージを受けてしまうデメリットが付いた「気配察の腕輪」というまがいものが登場。しかし「察血」でも使い方次第では十分役立つためバランス調整版のような存在になっている。
  • 壺の中に、焚くことで様々な効果をもたらす「お香の壺」が登場した。
    • アイテムを入れるとそのアイテムを燃やして、フロア全体に効果があるお香を焚くことができる。炎や爆発を無効化する「冷えびえ香」、魔法を反射する「山彦香」等がある。
    • フロアにいる限り効果が永続するためかなり強力だが、自分だけでなく敵にもその効果が及んでしまうので、使いどころを見極める必要がある。
      • 例えば「身かわし香」を使えばデブータ種やおばけ大根種といった敵の飛び道具をかわせるが、シレンが使った飛び道具も敵に当たらなくなってしまうというデメリットがある。
      • 「山彦香」もシレンが振った杖が敵に反射されてしまい効かなくなってしまう。しかしそれを利用して杖の効果を自分自身にかけるというテクニックも可能で、利用の幅は広い。
  • その他の新アイテム関連。
    • 昼の間だけ受けるダメージを大幅にカットするが、夜は逆に増加する「昼の盾」や攻撃を受けるたびにお金を消費してダメージを軽減する「金食い虫の盾」など、デメリットはあれどメリットのほうがずっと強い装備も増加し、入手できれば進めやすくなる。
    • やはり前述の「気配察血の腕輪」もその一例。他にも1フロアのみ全ての状態異常を防ぐ「予防の巻物」などもある。これらのアイテムにより「レアアイテムが手に入るかどうかの運ゲー」という要素を緩和しつつ、「レアアイテムが手に入った時の嬉しさ」も減らない、という絶妙のバランスであり、好意的にとらえられている。
  • メインの食料がバナナからおにぎりに戻ったが、新しい食料「仙桃」が登場した。
    • 仙桃は、前作のバナナ同様フロアを移動することで熟成する。ただし焼くことはできない。
    • 仙桃は単に満腹度を回復させるだけでなく、使用した技を回復させる効果がある。また、熟成度に応じて防御力が上がる、ステータス異常を回復するなどの特殊効果も変化していく。
      • そのため単純に熟成させるだけではなく、場合によっては未熟成の桃をキープしておくなどの戦略も生まれている。
    • 前作におけるバナナの皮については「オイルの巻物」という代替アイテムが実装されている。
  • 異種合成の種類が増えた。
    • マゼルン種に特定のアイテムを投げることで行えるお馴染みの異種合成システムについては、前作よりも合成できるアイテムが増えている。意外なアイテムが異種合成の対象になっている事も。
      • 異種合成の対象となった印を本来持っている武器の価値が少々下がってしまったが。
    • さらに今回は3種のアイテムを使用する合成パターンが追加された。
      • 武器に「成長の種+オイルの巻物+爆発の腕輪」で作成できる青炎飛ばし印(通常の炎飛ばし印よりもダメージが高い)、盾に「土塊の杖+予防の巻物+爆発の腕輪」で作成できる爆発無効印の2種。
      • 特に後者は非常に強力であるため、これまでマイナスアイテムとなるケースの多かった爆発の腕輪の価値が飛躍的に向上した。
  • ポイントカードシステム
    • 「ポイントカード」というアイテムを持っている状態でダンジョン内にある「ポイントスイッチ」という罠を踏むとポイントが溜まっていき、拠点の村でアイテム等やフー消しと交換が出来る。
    • フー消しはすれちがい通信でアバターとして使える。全168種類。
    • 交換できるアイテムは「やりなおし草」や「白紙の巻物」等、強力なアイテムが多い。初心者救済としての意味合いもあるが、クリア後もこれらのアイテムを大量に集めたいときに利用できる。
  • モンスター関連
    • 『シレン4』に出ていたモンスターはほぼ全員が続投し*1、それに加え『5』では数匹の新規モンスターが追加された。
      • 一方で、過去作から復活登場したモンスターは『シレン2』と『外伝』に出ていたシャーガ種のみ。
    • モンスターの属性に植物系・金属系・魔法系が追加され、分類がし直された。
  • 一方でモンスターのパラメータについては、前作から大幅な調整が行われている。
    • ステータスはかなり様変わりしており、前作と違う印象を受けるモンスターが多数存在する。
      • 全体的に攻撃力の低下が主で、前作のような尖ったゲームバランスではなくなっている。
    • 特に、こちらの特殊攻撃を殆ど無効にしてしまうギャザー種の弱体化が目立つ。
      • 攻撃力・防御力が大幅低下し、水棲モンスターに有効な武器などがあれば非常に対処がしやすくなった。
    • また、昼にドラゴン種が吐く炎のダメージも若干前作より下がっている。
    • ただし逆に強化されているモンスター(ピョンダイル種やフワッティー種など)もいるため油断は禁物。
    • 特定のフロアに一定時間滞在すると出現するひとくいデビル種についても非常に強化されており、前作と同じ感覚で挑むと痛い目を見る。
  • エキスパート証明書
    • 前作の「マニアの証」に該当するが、全部のダンジョンで共通だったマニアの証とは異なり、全てのダンジョンに個別に用意されており、やり込み性が上がった。
    • また、番付にもその冒険で入手したエキスパート証明書が残るようになった。

ダンジョン

  • シナリオダンジョンは前作ほどシンプルではないが、最短3回の冒険でクリア可能になっている。
    • 途中からは仲間としてNPCの「ジロきち」が強制で着いてくる。
      • ジロきちは死ぬと「墓」になってしまうが、回復アイテムを投げつけることで復活させることができる。ジロきちが墓の状態だとそのフロアから先に進むことができず、回復アイテムがない場合は階段からダンジョンを脱出してやり直す必要がある*2
    • しかし『3』とは異なり、ジロきちは基本ステータスが高いため足手まといにはなりにくく、シレンと違ってレベルが継続して上がっていくため冒険を繰り返すごとに確実に強くなっていく。またシレンが死んでしまった場合、ジロきちが生きていればタグのついていない武器を保管してくれるなど初心者救済の要素になっていると言える。
  • ダンジョンセンターにあるおまけダンジョン。
    • 石像の洞窟
      • 前作にもあった「フェイの問題」+「倉庫番」風のパズルダンジョン。問題は合計150問で全て新規の大ボリューム。
    • 爆発の岩場
      • マインスイーパーを模したパズルダンジョン。初級・中級・上級の三つがあり、全5階構成。
      • 仕様上爆弾の位置が特定的できない場合もあるが、道中に落ちているアイテムを利用して突破できるなど、不思議のダンジョンの特性とマインスイーパーのルールを上手く組み合わせている
      • ダンジョン内で入手したアイテムを持ち帰ることが出来る。道中ではあまり良いアイテムは入手できないが、最終階には御褒美的なアイテムが落ちており、上級ではかなりのレアアイテムも入手できる。
      • ただし、上級は二択・三択を強いられる場面が多く、見えている範囲でベストな選択をしてもクリア出来ない事の方が多い。ご褒美に恵みの巻物が多く含まれているので、中級でこれを稼ぐプレイヤーが多い。
    • 地底の館
      • 99階構成のダンジョンを、途中のフロアから10階分(1~10F、11~20Fなど)だけ潜ることが出来る。
      • ダンジョンに潜る前にいくつかのアイテムが支給され、レベルもそのフロアに応じたものになる。短い区間だけプレイできるので、時間もあまりかからずリトライもし易いため気軽な気持ちで挑める。持ち込みなしダンジョンの入門にも最適。
      • 前半の数区は鍛えられた普通の装備が支給されるため普通に戦えるが、後半は使い捨て装備が支給され敵も強くなるため、基本的にはアイテムを利用して逃げまわるというゲーム性になる。
      • クリアすると道中で拾ったアイテムや、最初に支給されたアイテムのうち、壺以外のものを4つまで持ち帰ることが可能。高い修正値が付いている支給アイテムを持ち帰れば、装備強化が容易になる。
  • 2人で潜る協力ダンジョンというものもある。
    • ダンジョンは7種類あり、最深部にはボスがいる。
    • このボスは協力プレイ専用のモンスター、ジャックワンド種でありストーリーモードだとある条件を満たさないと戦えない。
  • 豊富なクリア後ダンジョン。その数実に11である。
    • イノリの洞窟
      • 持ち込みあり、昼夜ありのダンジョン。
      • 「キャットストーン」というアイテムを7色揃えて最下層*3に行くと13種類の願いのうち1つを叶えてもらえる。
    • 迷いの井戸
      • 恒例の持ち込みあり最強ダンジョン。ワナも敵も強力なものが多いのが特徴。
      • 終盤フロアではレベル4モンスターがさらに一段階強くなった状態で登場するため、最強装備でも苦戦する。入念な準備が必要。
    • ゲンさんのシマ
      • シリーズ恒例ワナダンジョン。決闘のワナを利用することで仲良しの証を入手することもできる。
      • ワナの利用はもちろん、モンスターを仲間にしたり、証が効果を失った後の白紙の巻物を利用することがクリアのカギとなる。
      • 従来のワナダンジョンと比べて自由度が高いのが特徴。
    • 人生の落とし穴
      • 前作のあがらずの森と同じで、レベルが一切上がらないダンジョン。あがらずの森は全50階だったが、こちらは99階構成になっている。
      • 一方で落ちているアイテムは強力なものが多いため、装備の強化とステータスのドーピングがカギを握る。
    • 天上の池
      • 前作の置けずの洞窟と同じで、床にアイテムが落ちると消滅するダンジョン。多くの稼ぎテクニックが制限される。
      • 名前通り、壁が無く周囲が水路のみのフロアがある。
    • 異次元の塔
      • 「毎フロアモンスターハウスが出現する」「武器や盾しかアイテムが落ちていない」などの特殊ルールがある15のエリアを、プレイヤーの任意の順番でクリアしていくダンジョン。全45階。
      • どのような順番でエリアを回るかという戦略が攻略のカギとなる。
    • おにぎり穴
      • 一度入った部屋を出る(階段部屋と店を除く)と、その部屋全体が崩れて壁に埋もれてしまうため、後戻りが出来なくなってしまうというダンジョン。
      • 最初からフロアの構成が見えているので、どのようにフロアを巡回するかを考えるのがキモとなる。また敵を壁に閉じ込めて処理するというテクニックが重要になってくる。
      • つるはし系の武器やトンネルの杖など、不慮の事態に際して壁を壊せるアイテムが命綱。無い時は最悪の場合詰む事もある。
    • 旧道
      • ターンではなくリアルタイムの経過で満腹度が減少するダンジョン。4フロア移動するたびに最大満腹度も減少する。
      • その仕様から素早く行動する事と食料管理が重要と思いがちだが、実際には満腹度減少のペースはかなり遅いため、いかに長時間稼ぐかが重要なダンジョンだったりする。
    • 地底の館全区
      • 地底の館をすべてクリアすると出現するダンジョン。持ち込みなし、アイテム未識別のいわゆる「もっと不思議のダンジョン」。
      • 常に視界明瞭である、致命的なマイナスアイテムが出現しない等の特徴から難易度は低め。
      • マゼルンが出ない(異種合成ができない)、まがいものアイテムが出ない、昼のみなどシリーズ初期作を思わせる硬派さも持ち合わせている。
    • 原始に続く穴
      • シリーズ恒例の持ち込みなし・アイテム未識別のもっと不思議系ダンジョン。初回は50階までで、一度到達した後は99階層になる。
      • 昼のみで夜が存在せず、かつ様々なアイテムが登場するため、本作で最もオーソドックスな最終ダンジョンといった位置付け。
      • 豊富な知識と経験、土壇場の発想力が要求されるのは相変わらず。99階を踏破できればひとまず一人前といったところ。
    • 運命の地下
      • とある条件を満たすと出現する、本作最難関のもっと不思議系ダンジョン。
      • 原始の続く穴に比べて有用なアイテムが出にくく、いやらしい敵も多い。昼夜の概念もあり、これまでの知識をフル活用して挑む必要がある。

UI関連

  • 風来日記がソフト1つに対して2つになった。
    • ダンジョンで倒れてしまった他のプレイヤーを助けることができる、お馴染みの「風来救助システム」も実装されているため、一方のセーブデータで倒れたプレイヤーをもう一方のセーブデータで救助することも可能となった。
  • ダンジョン内でもアイテム図鑑が確認できるようになった。
  • 矢だけでなく、杖や札も「セット」し、ショートカットボタンで使えるようになった。
    • ただし、セットできるアイテムは1つまで。また、これによって矢を「装備する」という概念は無くなった。
  • 蔵と倉庫が近くなり、アイテム整理の利便性が上がった。
  • 未識別のアイテムが、「未識別」「識別済み」「命名済み」の三段階で管理されるので、時間をおいてプレイした時などに困らなくなった。
  • 未識別アイテムのうち、呪いや祝福がわからないアイテムは?マークがつくようになった。
    • 一方で、アイテムの種類を示すアイコンが表示されなくなってしまうので、自前で名前を付けてしまうと何のアイテムだかわからなくなってしまうという弊害もある。
      Vita版ではアップデートで改善された。

賛否両論点

  • ゲームバランス
    • モンスターの強化や弱体化、桃の追加により夜でも戦いやすくなった、異種合成の追加や武具の成長しやすさで戦いやすくなったなど、全体的に前作の反省を活かしてバランス調整がなされているのは評価されている。
      • 一方で、前作で最も致命的な特技を持っていたラビ種への対策は増えておらず(動かず印かねだやしだけ)、夜や通路での先制一発で即死しかねない超脳筋モンスターバシャーガが登場、すいだすゾウ系がこちらの強化なども吸い取るようになって対処が難しくなったなど、シレンシリーズらしいとがった部分は残っている。
    • しかし、前作で変化した自然回復の仕様「序盤は回復が早いが、最大HPが増えてくると遅くなるので他の点でカバーしなければならない」というものはそのまま。根本が変わっていないので、初心者~中級者には相変わらず辛い。
      • にもかかわらず、前作で特に強力と言われた「透視(気配察知)・壁抜け・回復」らの腕輪は後ろ2つの入手難易度が上がったため、終盤の手詰まり率が上昇した。もちろんこれら3つが強力とされるのはゲームバランスを覆せるほどの強さがあるからなのだが、裏を返せば腕輪1つで一変するゲームバランス自体に問題があるとも言える。
    • 強力すぎる「昼の盾」の存在。こちらも盾一つでゲームバランスが一変してしまう影響力があり、出現するかしないかでクリア成否に大きく関わる。武器と比べて盾の選択肢は大幅に狭まっていると言える。
      • 深層の敵になってくると攻撃力のインフレが進み、たとえ修正値+99がついている盾であっても大ダメージを与えてくる関係から、昼のモンスターからの直接攻撃ダメージを軽減し、最大強化で60%ものダメージをカットする昼の盾系統がなければまともに殴り合うことさえ敵わず、最強の盾とされている。
      • 一応夜のモンスターからのダメージが増加するデメリットも存在するが、「原始に続く穴」など昼しか存在しないダンジョンにおいても普通に出現し、この場合は当然メリットしか存在しないことに。
      • 夜ありのダンジョンにしても夜だけは別の盾を用意すればいいだけの話であり、縛りプレイでもない限り合成のベースは完全にこの盾一択と言われることが多い。
    • なお、これらはVita版でも調整されていない。スタッフの発言によれば敢えてそうしたとのこと。
  • まだまだ賛否両論なままの夜システム関連
    • 新技にはなんと階段の位置がわかってしまう「ドコ?カイ弾」、敵を即死させつつ道具に変える「道具ナレナレ破」、部屋全体の敵をやりすごしの壺に閉じ込めた状態にする「ルームやりすごし閃光」など非常に強力なものが多い。使用しないのは縛りプレイと言われるほど。
      • 技にはコストの違いが無く、8枠に好きな技を好きな数だけ登録可能な上、使用回数はフロア移動や仙桃を使う度に全回復する。そのため強力な技が揃うと「カイ弾を使って階段まで直進しつつ遭遇した敵は全てナレナレ破で道具に変える」といったパワープレイが可能になってしまい、むしろ昼よりも楽に進めてしまう。
      • 前作では夜モンスターの落とすアイテムは必ず祝福されていたが、本作ではそうでないため、こういった強力な技に頼らず進もうとすると割を食うことに。
      • よって、夜は「技が揃わない内はテンポが悪い上に理不尽死が起こり易い」一方、「技が揃ってしまえば安全かつ高速に進めるボーナスタイム」という両極端なバランスになっている。
    • 昼夜が有るダンジョンにおいては夜の技やモンスターテーブルの違いを利用して多彩な戦略が取れるようになっており、ゲームの幅を広げている面も有るが、前作と同様、技は実質的な「持ち込み不可ダンジョンへの持ち込み要素」であるため、好みが分かれる要素となっている。
    • この他、夜モンスターのレベルアップがわかりにくいなどの不評点はそのまま。
    • Vita版では16個のダンジョンが追加されているが、夜のあるダンジョンは1つしか追加されていない。
  • ストーリーが従来作と比べてやや小ぢんまりとしている。話の核はあくまで個人的な人助けである。
    • 『GB2』や『3』のような壮大なストーリーや、『1』や『GB1』のように冒険心・探求心を煽る内容を期待すると肩透かしを食らう。
      • リーバ八獣神が前面に出て来るなど、話を広げようとした節はあるのだが。
    • 『2』や『外伝』で見られた、装備品掛け・モンスターの収集育成・城作りなどのコレクション要素も、図鑑という形で簡素化されている。
  • 全体的に多いサブカル・萌えネタ。
    • 例によって図鑑はサブカルネタまみれ。
      • モンスターの説明文は2行程度でフォーリー系などややこしい能力をしたモンスターを理解するのが難しいというのに、ネタの部分には4行とっている始末。
      • メニュー画面で見られるほうは経験値・系統・レベル・速度が確認できるのでそれなりに役に立つが、プレイ中に見られるほうはそれらについて書いてないために資料としては役に立たない。とにかくHPが見られないのは不便。
    • 攻撃の盾はレベル1の時点でネタに走っているために曖昧な説明になっており、レベル4まで鍛える事で初めて具体的な効果が記載される始末。
    • 仲間の1人、コハルは武器や盾に変身し、シレンが装備して使うことができる。始めは「狐の剣」などまともな名前なのだが、成長させて最強形態にすると名前が「コハルモエモエー」「コハルハアハア」と人によっては使用をためらいたくなるほどのものとなり、説明文も露骨なものに変化していく。
      • しかも厄介なことに、コハルはLVUPを一切せず、変身した装備を強くすると素のステータスも上がる仕様のため、強くするにはこうしていかざるを得ない。もちろんこれらの武具も道具図鑑完成には必須。
    • 本シリーズは初代からして『美味しんぼ』の丸パクりキャラや『2』の物知りの杖などネタ要素に力を入れているが、それらとはかなり系統が異なるもののために人を選んでしまっている。
  • 一部のエキスパート証明書の難易度が異常
    • なんと、持ち込みなしのダンジョンで「一度も直接攻撃せずにクリアしろ!」という証明書がある。当然かなりの運ゲーで、熟練者でも数百回のトライが必要なことも。
    • 「エキスパート証明書はただの自己満足要素で、必須ではない」と言われればそれまでだが…。
    • 一応理論上はクリア可能。シレンシリーズを極めたと豪語する最上級プレイヤーは狙ってみるのも一興だろう。
  • 本作のワナダンジョン「ゲンさんのシマ」の仕様
    • 本作のワナダンジョンでは、簡単に「白紙の巻物」を量産できるテクニックが存在する。これを利用すればアイテム稼ぎや装備品の強化がいくらでも可能で、ワナやモンスターに頼るまでもなくただのごり押しでクリアできてしまう。
    • もちろんそれはそれで「稼ぎ・育成に特化したダンジョン」として楽しむことができるが、突き詰めると単なる作業ゲーであり、本来のワナダンジョンとしての楽しみは薄れてしまっている。
    • なお、このテクニックを使わず普通に進める分には程よい難易度。

問題点

  • 新種道具関連。
    • 前述通り一部のダンジョンでは登録した新種道具が登場するが、登録の消去は登録数の限界を超えた場合にしかできない。
      • これにより弱い道具を削除できなかったり、強すぎる道具がバランスを崩してしまっても対処しにくいなど非常に融通がきかない仕様になってしまっている。
    • またこの仕様から、一度でも新種道具を登録してしまうとそのセーブデータでは二度と「新種道具が出ない状態」には戻せなくなってしまう。
    • また一部の持ち込みなしダンジョンにも新種道具は登場するため、実質的な持ち込み要素になってしまっている。
  • DS版では新種アイテムを作る甕を増やす方法がすれちがい通信のみ*4
    • ドラゴンクエストシリーズ』などと違い、プレイヤーの母数が少ないシレンですれちがうのは至難の業。都心部ならまだしも、地方では絶望的である。
      同一ソフトとすれちがっても達成できるので、もう1台DSとソフトを用意できれば増やすことはできるが。
    • ついでに、通信プレイでしか出会えないモンスターもいるなどやけに通信に力を入れている。一応1人プレイでもイノリの洞窟の願い事で会うことができるが、他にも魅力的な願い事があることや7種いるうちの1種しか1度に戦えないことから、もう1台DSとソフトを揃えて1人通信プレイをやったほうが早いだろう。
  • NPC関連
    • もっと不思議系を除いた一部の持ち込みなしダンジョンに、通行人(NPC)が出現する。
      • 『4』でも一部の通行人イベントが発生したが、それらはイベントのフラグを立てておかなければ発生しなかった。
        しかし今作では持ち込みなしダンジョンに普通に通行人が発生し、利用することが出来る。
      • 利用しなければいい話ではあるが、緊張感が無くなったという意見も。
    • NPCのセリフがやけに長く、メッセージ送りもそれほど早くない、選択肢はBボタンを押してもいいえにならないなど、地味ながらストレスが溜まる。
      • アイテムをくれるNPCはアイテムが持ちきれないとまた話す必要があるが、その時もまだかなりセリフが長い。
  • 仲間システム関連。
    • ストーリークリアとクリア後ダンジョンの解放のために、計3回は仲間をストーリーダンジョンの最奥部まで連れていく必要ができた。
      • だが、それらの仲間は夜のモンスターに対してまったくの無力。ジロきちは倒れても復活できるが、他2人はワンミスが死に直結する。特に小次郎太さまは全仲間で唯一の突撃系AIであり、レベルが相当高くないと夜はおろか昼のモンスターを相手に死にかねない。
    • コハルは前述したように武具になれるのだが、サビを受けたりシレンがおにぎりになったりすると変身を解除してしまう。さらに変身解除されると次の階まで変身できず、そこまでを武器か盾が外れた状況で切り抜けなければならない。成長するにつれてこれ限定の印もつくが、合成して他の印をつけることはできないし、共鳴もないので自前で鍛え上げた装備には大きく劣ってしまう。
      • 仲間としてのレベルは武具の成長につれて上がっていくも、成長に必要な熟練度がゲーム中トップクラスに高い。修正値の数だけステータスが強化されるといっても、合成や鍛冶屋はダメでダンジョン内の鍛冶屋かシレンがアイテムを使うかのどちらかでしか修正値がアップしない。極限まで成長させれば最強の仲間として活躍できるが、あまりにも気が遠い。
    • ジロきちはストーリーをクリア後したには一切仲間に出来ない。通常攻撃しかできないという特性上、仮に仲間にできたところで利用価値はお察しの通りなのだが…
    • 小次郎太さま以外の仲間AIもお世辞にも頭が良いとは言えない。
      • シレンとの同行を最優先するのはいいが、なんと敵が隣にいても攻撃せず同行を優先する。場合によっては一方的に殴られるケースすらある。
      • 例えば『トルネコ3』で作戦を「一緒にいてね」にしていても、敵が隣にいれば同行よりも攻撃を優先していた。
  • ほとんどのクリア後ダンジョンで、初回は○Fで強制的にクリアとなってしまう仕組みがある。
    • 初回がどんなに順調でも、クリア後に引き続き潜ることはできない。また、2回目以降に初回と同じフロアで終えることはできない。
      • 『4』にもこれと全く同じ仕様があるが、対象は一部のダンジョンのみであった。
    • シリーズ初期の一部のダンジョンで似たような仕様はあったが、それらはNPCに話しかけることで任意のタイミングで帰還できたために問題視されていなかった。
  • エキスパート証明書の判定基準がゲームで説明されない上に、達成できているか否かはダンジョンをクリアするまで全く分からない。
    • 証明書だけを目当てにダンジョンに潜る場合に特に問題になる。達成したつもりがどこかで判定に引っかかっており、数時間が無駄骨になることがザラにある。
  • パッケージに「Wi-Fiまたはワイヤレス通信で対戦可能」と書いてあるのに、実際にはワイヤレス通信のみ対応。一応ウェブサイトで告知はされているが…。
    • 風来救助はWi-Fi対応なのでご安心を。

総評

前作の良いところを引き継ぎつつ、荒削りな部分をマイルドかつバランスよく仕上げており、しばしば「『4』のバランス調整版」と評されている。
しかし逆にいえば、前作との違いがあまりないということでもあり、前作発売との間がわずか10カ月しかないことも手伝って売り上げは悲惨な結果になってしまった。
とはいえあくまで単体とみれば確実に良作の域であり、難易度は控えめでありながらやり込み要素も豊富。UI関連もかなり洗練されており、快適なプレイが可能。
プロシレンジャーからローグライク初心者までお勧めできる作品である。


不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス

【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんふぁいぶ ぷらす ふぉーちゅんたわーとうんめいのだいす】

対応機種 プレイステーション・ヴィータ
発売日 2015年6月4日
定価 パッケージ:4,800円
ダウンロード:4,320円(各税別)
判定 良作
ポイント DS版のバージョンアップ移植

※共通項目は省略。

変更点

  • 一部のBGMがアレンジされた。過去作からの収録曲が増えた。
  • DS版にあったバグが修正された。
  • 『4plus』同様、画面のワイド化により視野が広がった。
  • 右スティックで「みわたす」操作ができるようになった。
  • 戦闘時にダメージがキャラの上に数字で表示されるようになった。
  • ダンジョンが6個+配信で10個追加された。いずれも前述のダンジョンセンターから、ストーリー本編をクリアしなくてもすぐプレイ出来る。
    • とはいえ、高難易度のダンジョンが多く、基本的にはやり込みプレイヤー向けのサービスという位置づけである。
    • ダンジョンごとに明確なテーマが有り、クリア後ダンジョンとは別の罠ダンジョンや、前作の二撃の洞窟と同じルールのダンジョンなども存在している。
    • 追加ダンジョンではDS版では激レアだった装備が普通に床に落ちていたり、クリア報酬になっていたりする。
      • DS版では非常に入手が困難だった、にぎりよけの盾やサトリピックの入手機会が大幅に増えているのは嬉しい変更である。
      • 逆に言えば、本編でレアアイテムのために奮闘する意味が大幅に薄れたともいえるが。

余談

  • 中古市場では一時期かなりの値崩れが起こり、前作『シレン4』のほうが値段が高くなってしまっていた。
    • しかしこれは新品の廉価版が約2,500円という安さで販売されたことにつられて価格が下がったからである。
      その廉価版も生産停止になった今となっては、再び4より本作のほうが高くなっている。
    • 出来が悪いと思われることもあるが、全くそんなことはない。遊び応えやシステムは純粋に『4』以上である。
      この辺りも含め、どうも販売戦略に恵まれないシリーズである。