本項はPSP版を解説しています。
同名のアーケード版はディシディア ファイナルファンタジー (AC)を参照。

ディシディア ファイナルファンタジー

【でぃしでぃあ ふぁいなるふぁんたじー】

ジャンル ドラマチック プログレッシブ アクション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 2008年12月18日
定価 6,090円
廉価版 アルティメットヒッツ:2010年9月16日/2,940円
判定 良作
ファイナルファンタジーシリーズ

概要

『ファイナルファンタジー』(FF)シリーズ生誕20周年記念作品。『キングダム ハーツ』シリーズのスタッフが中心となって製作した。発売日は初代『ファイナルファンタジー』発売のちょうど21年後に設定されている(20周年記念作品であることから元々は発売日も2007年12月18日予定だったが、開発が追いつかなかった)。

FFシリーズでは初といっていい、ストーリーの付いた本格的なクロスオーバー作品。ジャンルはいわゆる対戦アクションにあたる。
後述する部分もあるが、FC・SFC時代のシリーズ作品はほぼこれが初のクロスオーバー出演にあたり、3Dで表現された経験さえあまりないようなシリーズも存在していた。加えて当作品の大半のスタッフが関わっている『キングダム ハーツII』ではキャラ改悪という経験もあったため、シリーズファン(特に古参)からは期待も不安も大きかった。
また、登場するFFキャラ全員を野村哲也氏がリファインするということや、あえてRPGではなくスクウェア・エニックスとしては実績が薄いアクションゲームとして製作したことから、発売前は賛否両論が激しかった。


特徴・評価点

基本ルール

  • 戦闘は1対1のタイマン勝負。先に相手のHPを0にした方の勝ちだが、それとは別にお互いに「ブレイブ」という数値を持っており、この数値がそのまま相手にHPダメージを与える際のダメージ値となる。HPにダメージを与える「HP攻撃」とは別に「ブレイブ攻撃」があり、ブレイブ攻撃を当てると相手のブレイブを奪って自分のブレイブに加算できる。
    • 文章で書くと若干ややこしいが、基本はブレイブと言う名の「攻撃力」の奪い合いである。
    • HP攻撃を当てると、攻撃した側のブレイブは0となってしまう。徐々に自動で初期値まで回復するが、その間は後述のブレイブBREAKをされやすい危険な状態となる。
      • 言い換えればHPへの攻撃は逆転の隙を与えることと隣り合わせであるため、出して当てれば必ず有利になるというものではない。
      • HPを削らずに勝利する手段はないため、この辺りはなかなか避けて通ることはできない。
    • 保有しているブレイブ以上のダメージを受けると「BREAK(ブレイク)状態」となる。BREAKした側はマップにプールされているブレイブが加算されて一気にブレイブ値が増加し、された側はブレイブが基本値まで回復するかHP攻撃を当てるまではブレイブダメージを与えられなくなる。こうなると一気に戦局が変化するので、いかに自分のBREAKを避けつつ相手をBREAKするかが勝敗を分けるといっても過言ではない。
    • レベルや装備によるステータスはブレイブの増減にのみ影響を及ぼし、HPへのダメージには一切影響しない。そのため、アクセサリや後述の召喚石を駆使すれば高レベルの相手に勝つことも不可能ではないのも特徴の一つ(もっとも相手はHP攻撃一発でこちらを倒せるブレイブを抱えていることが多く、少しでも読み間違えると文字通り瞬殺されるので相当な集中力と状況判断力が必要)。
  • ブレイブシステムはバランス面での批判意見もあるが基本的には評価されており、特にオリジナリティーやRPG性との融合の面に関しては評価が高い。
    • ある程度インフレしたダメージ体系も特徴であるFFシリーズを原作とする本作において、一般的な格闘ゲームのような「徐々にダメージを与えて体力を削り切る」方式だけではなく、「強力な一撃を与えて撃破する」ことが可能となっていることは英断であると言える。

簡単操作・爽快なアクション

  • 本作のアクション部分は『キングダム ハーツ』シリーズの流れを汲んでいることもあり、爽快感は折り紙付き。PSPのボタンをフルに使うが、ほとんどの動作を1ボタンで繰り出せる上にコマンド自体が簡単(だいたいRとどれかのボタンの同時押し)なので意外とあっさり覚えられる。アクションゲームに馴染みの薄いであろうFFユーザーを意識した調整が行われている。
    • 基本的な移動やジャンプのほか、ステージ上のレールや壁を高速で移動できるムーブアクション、エアダッシュと移動だけでも多彩かつ爽快。特定の攻撃を当てるとマップを破壊したり、吹っ飛んだ相手をさらに追撃したりもできる。
    • 攻撃は基本的に対応ボタンとアナログパッドの入力方向の組み合わせで出せる。コマンドも出すときに「ニュートラル」、「相手方向(空中では上)に入力」、「相手と逆方向(空中では下)に入力」と非常に簡単。コンボはそこからボタンを連打するだけでもつながる。
    • さらには回避でキャンセルして最速入力でつなぐ、確実につなぐにはディレイをかけるなど、条件があるがその分単発で出すよりも強力なコンボもある。
  • また、「EXゲージ」と呼ばれるゲージを最大まで貯めることで一定時間「EXモード」という強化状態に突入できる。EXモード時はキャラの見た目が変化するだけでなく、HP自動回復、能力強化、EXモード専用アビリティ解禁と様々な特典が付く。さらに発動時にはガード判定が発生しほとんどの攻撃を弾けるので、カウンター手段としても使える。
    • EXモード中にHP攻撃を当て、追加入力を行うと超必殺技「EXバースト」が発動可能。EXバースト中は一方的に攻撃でき、フィニッシュ時には追加でHPダメージを奪うことができる。さらにキャラごとのコマンド入力に成功するとフィニッシュの威力が大きく上がる。
      • 基本的に原作における最強技*1(をアレンジしたもの)が採用されており、そのド派手な攻撃は一見の価値あり。
    • なお、EXバーストを使うとその時点でEXモードは終了してしまう。EXモード中にHP攻撃を当てたからといって必ずしもEXバーストを発動する必要はないので、EXバーストを使うかどうかはプレイヤー自身の判断と状況に委ねられる。

豊富なカスタマイズ要素

  • 普通のRPGと同じく、戦闘することでキャラのレベルが上がり、能力が上昇したり新しい技やアビリティを覚えたりする。それ以外でもカスタマイズの幅は非常に広く、装備やアクセサリによるカスタマイズはもちろん、装備する技や召喚石によって同じキャラでも性能が大きく変化する。
    • 装備は武器なら剣や杖、頭装備なら兜や帽子というようにカテゴライズされており、ステータス補正の傾向もカテゴリによって異なる。そのため、どのステータスを重点的に強化したいかで最適な装備は大きく変わる。
      • 武器だけでも剣、大剣、槍、短剣、投てき、杖、ロッド、楽器など多くの種類があり(さらにキャラクターごとに専用武器あり)、それらを収集する楽しみもある。当然キャラによって装備できるカテゴリと装備できないカテゴリがあるので、キャラごとに自分だけのベストな装備を見つけ出す楽しみがある。なお、ゲームが進むとそのキャラが本来装備できないカテゴリの装備を装備可能にするアビリティも登場し、よりカスタマイズの幅が広がる。
  • バハムートやイフリートなどの召喚獣は、戦闘中に1回だけ使える「召喚石」として登場。自分や相手のブレイブを変化させる効果があり、使うタイミングや効果によって一発逆転もあり得る。もちろん相手も使ってくるため、有利だった戦況を一気にひっくり返されることもある。
    • 召喚獣だけでなく『VI』のギャグ担当「オルトロス」、『V』の裏ボス「オメガ」やライバル「ギルガメッシュ」、『IV』の四天王などといったボスキャラや「サボテンダー」「トンベリ」といったザコモンスターも召喚石として登場する。
  • 攻撃するための技やガードなどのアクションは「アビリティ」としてキャラに装備する。ジャンプやガードなどの基本的なアビリティは最初から覚えているが、レベルが上がることで新たな技やアビリティを覚えていくのでそれに合わせた戦術を練る必要がある。さらに、アビリティ毎に設定されたCP(キャパシティポイント)の合計が上限値以下になるように装備しなければならない。キャラの使い勝手にも大きく影響するため、アビリティの取捨選択は非常に重要。
    • また、各アビリティにはAP(アビリティポイント)と呼ばれるポイントが設定されており、最大まで貯めることでアビリティを「マスター」し消費CPが軽減される*2ほか、別のアビリティに派生することがある。
      • ブレイブ攻撃からHP攻撃へのコンボ派生技を覚える場合もある。キャラは限られているが、これらを覚えると使い勝手が劇的に変化する。
  • 装備やアクセサリはショップで買うことになるのだが、強力なものはベースとなる装備に加え「素材」が必要になる*3
    • 素材はアクセサリとして戦闘後入手したり、サブモード「デュエルコロシアム」で入手する。ごく低確率だが、バトル終了時に敵が落とした装備を入手したりもできる。

登場キャラクター

  • 『1』~『10』までの各ナンバリングタイトルから、「コスモスサイド」として主人公が、「カオスサイド」として敵役が一人ずつ出演している。
    • カオスサイドの敵役はラスボスが選出されている場合が多いが、『4』のゴルベーザなど例外もある。造形的な出しやすさやシナリオへの絡ませやすさを優先した結果だろう。
    • さらに隠しキャラとして『11』からシャントット(コスモスサイド)、『12』からガブラス(カオスサイド)が登場する*4
    • 基本的にコスモスサイドには癖が少ない初心者向けのキャラが多く、逆にカオスサイドのキャラは癖が強い上級者向けのキャラが多い。カオスサイドのキャラは「癖が強い」が「弱い」わけではない。使いこなすには相当な修練が必要だが、使いこなせるようになれば凄まじい強さを発揮してくれることを明記しておく。
  • 各ナンバリングタイトルからまんべんなく出演しており、『キングダム ハーツ(KH)』シリーズや『いただきストリート(いたスト)』シリーズなど過去の同シリーズクロスオーバー作品でありがちだった出場作品における特定FF作品への偏りも特にない。作中の扱いについても特に意図的な贔屓を感じさせるものはみられない。FFIの主人公である光の戦士(ウォーリア・オブ・ライト:以下WoL)が主人公サイドの代表となっているぐらいだが、これは妥当なところだろう*5
  • 若干キャラクター性が固定されてしまった面もあるものの、本作の発売によって知名度や人気が比較的低かったFC世代やSFC世代のFF(任天堂ハードで出ていたナンバリングのFF)のキャラクターに光が当たったことは特に大きい。
    • ちなみに野村氏は『IV』のカインを出そうと最後まで粘っていたらしいが、結局他のゲームとのバランスを考えてという理由でゴルベーザになった。また、当初は未発売であった『XIII』のキャラもゲストで出る予定だったが、本作でキャラや戦闘のイメージが固まってしまうのは困る、ということから没になった。続編ではカインとXIIIのライトニングが登場している。
    • イラストやモデリングには特に苦慮があったようだ。例を挙げると、FFIのカオス側として登場したガーランドに関しては公式イラストが全く存在していなかったことからゲーム内のドット絵を元に新たに作成している。
  • 使用可能なキャラクター22人それぞれに戦闘の「コンセプト」が設定されており、原作での特性を本作でのキャラクター特性としてうまく反映している*6
    • また、新しいキャラクターを使ったときの新鮮さや固有の使用感が感じられやすいことから、性能の差別化という点でも大きく成功している。使用可能キャラクターが22人もおり、中には能力的に被りがちなキャラも何人かいるというのに、驚くべきことに似通った性能のキャラは一人もいない。
  • なお、エボン・ジュ(実体がないので描きようがない)、ゼロムスや永遠の闇(明確な人格を持たず超展開的に登場する)といった、扱いづらいラスボスたちに関しては全員「個性が薄い」「ストーリーと絡ませづらい」として採用が見送られている。

豪華声優陣

  • 声優はきちんとオリジナル版でのキャストを起用している。また、今までボイスが付いていなかったキャラクターのキャストも豪華。男性では若本規夫氏や緑川光氏や千葉繁氏、女性では池田昌子氏や林原めぐみ氏や島本須美氏、ナレーションは日本俳優界の大御所・菅原文太氏と、一度は聞いたことのあるだろう超ベテラン・実力派人気声優から大物俳優の方々がかなりの熱演でゲームを盛り上げてくれる。
    • DS版では実現しなかったゴルベーザ(もちろん声は鹿賀丈史氏)の「いいですとも!」や、エクスデスの「カメェェェッー!」といったシリーズファンからネタにされがちなセリフも、ボイス付きで聞けるようになっている。ファンから完璧な演技とネタにされた皇帝の「ウボァー」や、やたらと渋かっこいい「カメェェェッー!」など、FFファンなら必聴モノ。
      • それ以外のキャラも声と雰囲気が合ってるとして好評。特に千葉氏が演じるケフカはあまりのハマリっぷりに「あれは本人(ハマリ役を超越している)」とまで言われるほど。
      • DS版IVでセシルを演じた程嶋しづマ氏は声優としての演技の上達が窺え*7、汚名返上を果たした。

原作再現

  • スタッフに社内のFF好きをベテランから新入社員までまとめて集結させたと言うだけあって、シナリオや小ネタもシリーズファンのツボを付いたものが多く、特にエンディングの演出には唸らされる事必至。
    • 本作ではヘルプがかなり充実しているが、説明を担当するのがシリーズに登場したキャラ達。さらに説明の随所に原作ネタが織り込まれており、プレイ経験があるとニヤリとする箇所も多数。中には『キングダム ハーツII』を元にした自虐ネタまである。
    • シリーズファンおなじみのネタの他にも、10問用意されているおまけの3択クイズでは攻略本にも載っていないネタや社内のスタッフでしか知らないネタが用意されているなど、製作側の努力が伺える。シリーズ初期の作品は情報が少ないため、ファンサイトを参考にしたという。
  • 戦闘時の各モーションやアビリティもかなり原作に忠実に作られている。特に各キャラのEXバーストは原作完全再現のレベルに達している*8

グラフィック・演出

  • オープニング、エンディングムービーのクオリティは非常に高い。オープニングではクロスオーバー作品らしくキャラクター同士が協力したり別のタイトルのキャラと戦ったりと見所は多い。中でもティーダとジタンの連携攻撃や、スコールvsセフィロスのイケメンバトルはオープニング最大の名場面とも言われている。
    • ストーリー中のムービーも非常に豊富。千葉氏によるアドリブ全開のケフカやカオスサイドのキャラとのアクションなど、どれも見応えは十分。終盤のムービーでは操作キャラによってムービーに登場するキャラや発言が微妙に変化するなど、かなり細かい部分も作り込まれている。
    • エンディングはファイナルファンタジーへとリンクする心憎い演出となっており、シリーズファンの間では語り草となっている。

対人対戦

  • 当然対人対戦も可能。本作はエクスデスのように「人間が使ってこそ強い」キャラもおり、純粋な実力以外にも駆け引きや事前の準備もバトルに大きく影響するのでかなり熱い。
  • また対人対戦限定で「アーティファクト」という特殊な装備をドロップすることがある。
    • ステータスへの補正値はベースとなった装備の数値を引き継ぐが、追加効果はアーティファクトにしかつかない強力なものがある。この効果のついたアーティファクトを求めて対人対戦を繰り返すプレイヤーもいた。
  • 本作には『モンスターハンター』シリーズと同じようにフレンドカードがあり、オンラインプレイで相手と交換できるほか、すれちがい通信で配信したり受け取ったりできる。
    • また、自分がカスタマイズしたキャラクターのゴーストを登録できる。ゴーストは持ち主の戦い方がある程度反映されるほか、対戦(CPU戦含む)成績によって強さが変わる。受け取ったゴーストと戦うこともでき、戦績も記録される。ストイックに強敵と戦うもよし、有用なアイテムを持つゴーストと戦ってアイテムを集めるもよし。また、自分のフレンドカードを持った人ともう一度すれ違うと戦績が更新され、対戦数に応じた報酬が貰える。

バトルリプレイ

  • バトルの内容をリプレイデータとしてメモリースティックに保存・鑑賞できるほか、カメラアングルも自由に編集できる。
    • コンボの研究に使うもよし、苦手キャラの立ち回りの研究に使うもよし、俺TUEEEEEEな動画をつくるもよし。使い方はプレイヤー次第。
    • 編集したリプレイデータはaviファイルに変換してネット上にアップしたりできるほか、スクリーンショットをjpegファイルに書き出すこともできる。そこ、ティナのパンチラ撮らない!!

これらの膨大な要素を詰め込んだおかげでUMDディスク容量を使い切った事も有名。


賛否両論点

コマンドバトル

  • アクションゲームが苦手なプレイヤーのためにコマンド操作が実装されているが、実際の所この操作自体の癖が強く、最強アイテムに必須な素材が出づらいというデメリットがある。
    • おまけに、解禁するには一度ストーリーをクリアする必要がある本末転倒ぶり。そんな腕前があるなら、わざわざそこから初心者向けのコマンド操作に変える必要はない。

アレンジ関連

  • 野村氏のイラストや、音楽のアレンジに対する抵抗感を示すユーザーもいる。特に『V』のバッツ『VI』のケフカはファンが多いこともあって引き合いに出されやすい。
    • バッツのイラストについての批判は、ゲーム中のドットグラフィックの元となったことから印象に残りやすいデフォルメイラスト(渋谷絵)ではなく、攻略本などでしか確認できない天野喜孝氏が描いたイラスト(天野絵)を元にしたことによるものが大きい(これはVの移植でも特に指摘された点でもある)*9。さらにバッツのアナザーコスチュームは単なる色違いではなく、別の天野画ベースのため、ファンにとっては更に不満が強い物となっている*10
    • 繰り返しになるが、本作のバッツの外見は天野氏によるオリジナルを忠実に再現したものであるし、一概にファンのイメージを裏切ったといわれる代物ではない。そして本作のキャラクターも込みで逆に天野絵に忠実なバッツの外見が認知されつつあることは、少なくないファンサイトによってもわかる。
      • 結局、続編でバッツのドットグラフィックに忠実なデザインがサードフォームとして登場した。頭身が上がるとシンプルさが際立ち、他のキャラたちと並ぶと浮いているので、この格好をメインデザインにしなかったのも頷ける話である。
  • 音楽はアレンジと原曲の両方が使われているのだが、統一感が薄い上に大胆なアレンジの曲も多く、賛否両論がある。
    • 「全てアレンジでは寂しい、原曲で戦ってみたい」「もっとアレンジ曲を聴きたい」この辺りの要望は尽きない。そう考えると、それなりに原曲とアレンジ曲のバランスがとれている、ともいえる。
    • また、『VI』のメドレー曲である「蘇る緑」も冒頭部分である「カイエンのテーマ」のアレンジ部分が使われており、本作の出場キャラクターであるティナのテーマのアレンジ部分が使われていない。ただしティナのテーマが単独として存在しており、使い回しの批判を回避するために代わりにティナの次にケフカと因縁が深いカイエンのテーマを使用した可能性がある。
    • また、オリジナル曲も存在しており、ムービーシーンやメニュー画面等で使用されている。
      • オリジナル曲は他の石元丈晴氏、関戸剛氏*11が担当した。
        なお、新規ボーカル曲の演奏等にカナダのロックバンド「Your Favorite Enemies」が携わっている

ストーリー

  • ストーリーについては、個々のシーン別では評価されている部分もあるものの、全体に対して無理に取り繕った感が強い。
    • もともと一作品ごとに世界観等も変わるのを一つに集結させるクロスオーバーものの宿命である。王道といえば王道のシナリオではあり、単体として優れているとまではいわないが、一概に否定できるものではない。

キャラ性能・その他システム面

  • CPU戦でのエクスデスは最大レベルの100でも楽に勝ててしまう弱さから、「エクスデス道場」という経験値稼ぎが確立している(ユーザーから「先生」というあだ名がつけられたほど)。他にも皇帝は自分の出した攻撃を跳ね返されて自爆することがあるため、こちらも「皇帝道場」として使われる。
    • 断っておくと弱いのはCPUに限っての話で、人間が使うぶんにはそんなことはない。エクスデスの場合、極めた人間が使うとガード技でほとんどの攻撃を弾かれて反撃される難攻不落の要塞と化す。元々ゲーム中でもガードからのカウンター系キャラであることは記載されており、CPUはその特性を全然生かせていないがために弱く感じるだけなのだ。この辺りはユニバーサルチューニング(UT)版で修正される*12
      • エクスデスはコンセプト上ヘタに強化すると無理ゲーと化す危険性があったため、意図的に弱くした可能性が高い。
  • 実際に性能的に最悪なのはケフカで、殆どの攻撃技がダッシュで消されたり、魔法反射でカウンターをされる為、極めても厳しい状態である。
  • ストーリーモードでのラスボス・カオス戦は初見殺しに近い。HP・召喚石の使用状況引き継ぎで3連戦(もちろん負けたら最初からやり直し)、全体的に技の性能が高く避けにくい、召喚石が複数の効果を持つうえに何回でも使えるというチート性能。
    • とはいえ、どの技にもはっきりとした回避方法が存在し、バトルTIPSにも攻撃回避のヒントが追加されるため、何回も戦えば攻撃の回避方法や立ち回りも自ずと見えてくる。何より初めて戦うときはカオスのレベルがそれほど高くなく、こちらのレベルをしっかり上げていればごり押しでも何とかなるためそこまで理不尽ではない。
      • ちなみに隠しストーリー「究極の幻想へ」に登場するカオスのレベルはなんと110。若本規夫氏の威圧的な声と相まって絶望を味わったプレイヤーは数知れず。レベル差によるごり押しが不可能となっており、真にプレイヤーの実力と経験が試される。
  • 永久パターン等のハメ技や、一発攻撃を当てればそのまま勝てるような装備の組み合わせも存在する。
    • ハメ技に関しては後述のUT版では一部修正された。

その他原作再現点

  • コアなFFファンから見れば「何でこれを採用したの?」と疑問符が付くような要素が存在する(武器の例で言うと、WoL、セシル、ジタンの最強武器など)。
    • ただ、そのような疑問をゼロにすることは恐らく不可能(特にリメイクやスピンオフの多いI・IIやVII辺り)。むしろ少なめに抑えられたことには原作に対するリスペクトが伺える。
      • ムービーでフリオニールが持つ野ばらの品種が間違っている点はよく突っ込まれる。ゲームの野ばらは品種改良系のバラだが、実際の野ばらは一重の白か淡い紅の花。
  • アホの子バッツ、妙に消極的で大人しすぎるティナなど、言動が原作から考えて違和感の残るキャラも目立つ。
    • キャラ崩壊などと仰々しく表現するレベルではないのだが、原作での性格の一要素を強調しすぎているきらいがある。
    • 全員がシナリオ上でキャラ立ちするよう、ある程度はやむを得ないところもあったのだろう。少なくとも、KHIIのように原作とは無関係な性格付けをされたキャラはいない。ただし下記のパンネロは除く。
  • ヘルプにてFFXIIのパンネロがプレイヤーキャラクターの解説を担当しているが、多くのキャラクターに悪態をついている。原作では他人を気遣う優しい性格なのだが。
    • ちなみに悪態をついている理由もちゃんと説明されているが、それも「ヴァンが参戦していないから」というもの。一方でティナ等に関しては普通に語っているが、前述の悪態の方が印象に残ってしまう。FFXII未プレイのユーザーには「嫌な女」として認識した人も多く、当然XIIファンの間では黒歴史扱い。
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    • 続編ではこの件がネタにされており、各キャラへのコメントが全て変更され、当たり障りの無いものになっている。
    • なお、この一連のテキストを描いたのは『FFXV』のシナリオライターと同じとされており、叩きの引き合いに出される事も多くなっている。
  • シャントットの扱いが贔屓であると一部のファンから批判されている。負けシーンで人形へと姿を変える*13、他のキャラクターから過剰に持ち上げられ逆にシャントットは他キャラを見下す、など。
    • とはいえ、「現行でサービス配信しているネットゲーム」からの参戦と言うことで、他のキャラ以上にキャライメージを崩し難かったと言う事情もある。なお、続編では他キャラとの絡み台詞はややマイルドになった。
  • ナンバリングタイトルの主人公であるにもかかわらずヴァンが登場しなかった件では、主に『XII』のファンから批判が多い。
    • 発売後、ヴァンの声優を務めた武田航平氏は「ヴァン役で出演したかった」とコメントしている。批判が多かった声の方も『仮面ライダーキバ』でXII当時とは比べ物にならないほどの上達ぶりを見せていたので「この声でヴァンをやって欲しかった」と惜しむ意見は多い
    • なお、不参戦の理由は「『XI』と『XII』のキャラクターはゲスト扱いなので、主人公格の者は今回は敢えて外す」と言うこと。
    • 後に続編でヴァンの登場が決定したが、武田氏の前所属事務所と折り合いが付かず、担当声優が小野賢章氏に変更されることになった。ただ、小野氏の演技はスタッフが驚愕するほどヴァンにしっくり合っており、ユーザーからも好評である。
      • ディシディア関連は今後も小野氏を起用していくとの事。もう武田氏のヴァンは聞けないのかと悲しみの声も多く聞かれたが、HD版に相当する『FFXII TZA』では約10年ぶりに武田氏がヴァンを担当することになった。

総評

その作りこみは名作といって差し支えないレベル。各作品全てにこれでもかと愛を注ぎ込み、アクション面もKHシリーズのスタッフが中心となっただけあって非常に爽快感満点。
他のキャラゲーが抱える問題点である「一部キャラや作品への贔屓(特に一部作品しか出ないこのシリーズが目立つ)」「崩壊気味なゲームバランス」「原作不再現」といった課題は殆んどクリアしている。お祭りゲーとして見なくても十分以上に楽しめる出来。

そのせいもあってか、キャラゲー最高峰のゲームとも言われている程。各原作のキャラクター性や世界観を存分に活かしたゲーム性を構築し、そしてCERO:Cになることによる購買層の減少というデメリットより原作再現をすることを決意したスタッフ達の気合は伊達じゃないと言えよう。


その後の展開

  • 販売数は最終的に100万本に届こうかという数を記録し、PSPで『モンスターハンターポータブル』シリーズに次ぐ歴代3位(当時)の数字となった。
    • 一方、「『ファイナルファンタジー』という看板作品のお祭り作品なのだからこれでも低い」という声も一部にはある。ただ、アクションというジャンルの違いもあるため、判断は各々あるだろう。
      • 機種による違いも。PSPで発売されたファイナルファンタジーの名を関するゲームの中では売り上げトップである*14
  • 2011年3月3日には続編『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』が発売。
    • 新キャラや新システム、新ストーリーのほか、本作のストーリーが丸々収録されている。
  • 2015年2月に、イベント『ジャパン アミューズメント エキスポ2015』にて、本作がアーケードゲーム作品として稼働されることが発表された。タイトルは本作と同じく『ディシディア ファイナルファンタジー』。
    • 戦闘が3vs3になり、グラフィックの高解像度化、新キャラの追加などがの要素を引っ提げ、同年11月に正式稼働した。

余談

  • 本作は社内の若手にチャンスを与えるという意味を兼ねており、『すばらしきこのせかい』でディレクションを務めた荒川健氏を総合ディレクターに据えるなどベテランだけに頼らない製作が行われていた。
    • だが、上述の荒川氏やバトルプログラム担当であった池田隆児氏など主要メンバー数名は本作後しばらくして社を去っており*15、本作が成功したにもかかわらずやや皮肉な結果を迎えている。

*1 クラウドなら超究武神覇斬、ティーダならエース・オブ・ザ・ブリッツ。原作で必殺技が存在しないキャラは新規に作られている。

*2 基本的にCPはレベル上昇とアクセサリでしか増えることがないので、マスターするほど多くのアビリティが装備できるようになる。

*3 『モンハン』などにおける武器・防具作成をイメージするとわかりやすい。

*4 アルティマニアのインタビューでは、シャントットに関しては製作スタッフの一任で最終的にプリッシュと争って決定した。その対称キャラとして「12」のロゴ絵を勤めたガブラスが選ばれた(スタッフが推していたバルフレアはサプライズにならず、主人公であるヴァンは、今回は(XIも含む)XIIのキャラクターはゲストという事で避けたと語っている。後にプリッシュも続編で登場。

*5 一時期はクラウドを代表とする案もあったというスタッフの発言もあるが、結果的に現在の形に落ち着いたようだ。

*6 例を挙げると、FFIIから参戦したフリオニールは「自由に武器を使える」という原作のシステムを踏襲して各種の武器を駆使して戦い、FFIVから参戦したセシルは原作の「暗黒騎士」と「パラディン」の2つの姿を使い分けて戦う。

*7 氏の本職は舞台俳優である。

*8 ただ、スコールのエンドオブハートは演出時間とゲームバランスの関係からかなりしょぼくなってしまっているが。

*9 VIのティナについては両方のバージョンを切り替え可能にすることで対処されているが、彼もそう出来なかったのだろうか

*10 『月刊少年ガンガン 2009年1月号』の野村氏のインタビューによると、氏が始めてFFの開発に携わった思い入れのある作品であったことから、髪の色(茶)と髪型だけはドット絵のイメージを採用したというが、どう見ても天野風のデザイン。野村氏がデザインしたFFVII・VIIII・Xのキャラたちもあえて天野氏のイラストを元にしているので、基本モデルは天野絵を元にするコンセプトかもしれない。

*11 一部の曲の編曲に外山和彦氏が携わっている。

*12 ちなみに続編ではさらに強化され、「先生」改め「教官」「軍曹」と呼ばれ恐れられるようになった。

*13 つまり本人が負けた訳ではないと言う扱い。実際、「DFF参戦するにあたりFF11スタッフから『シャントット本人は負けない』という条件をだされた」と言うスタッフインタビューが存在する。

*14 ちなみにこの作品が発売されるまでのトップは『クライシスコア ファイナルファンタジーVII』。

*15 DeNAやグリーなどモバイルゲーム系列会社へ移籍している。両者からの引き抜きか、スクエニ社内での折り合いかは定かではない。