悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架

【あくまじょうどらきゅら そうげつのじゅうじか】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 512MbitDSカード
発売・開発元 コナミ
発売日 2005年8月25日
定価 5,229円(税込)
セーブデータ 3個(EEPROM)
レーティング CERO:12歳以上対象
廉価版 コナミ・ザ・ベスト:2006年6月29日/2,940円
コナミ殿堂セレクション:2009年10月29日/2,000円
ベストセレクション:2010年12月9日/1,980円
判定 良作
悪魔城ドラキュラシリーズリンク

※本項は前作『暁月の円舞曲』のネタバレを含みます。



概要

  • 『月下の夜想曲』以降の探索型悪魔城ドラキュラの5作目、DSの探索型悪魔城ドラキュラの1作目。通称『蒼月』。
    • 探索型シリーズの特徴などの解説はシリーズ一覧のページを参照。
  • 前作『暁月の円舞曲』の直接の続編で、ストーリーや基本的なゲームシステムは前作を踏襲している。
  • 悪魔城シリーズは『白夜の協想曲』からしばしの間はシリーズタイトルを欧米版の『Castlevania』名義でリリースされていたが、本作でシリーズタイトルが『悪魔城ドラキュラ』に戻る事になった。
    • なお、シリーズタイトル変更の理由は、プロデューサーのIGA氏曰く「キャッスルヴァニアという名前は日本では根付かなかったみたい」との事。
    • 加えて、GBA『ファミコンミニ・ディスクシステムコレクション』で発売された初代『悪魔城ドラキュラ』の売り上げがGBAのキャッスルヴァニアシリーズよりも良かった事も変更の理由と思われる。

ストーリー

2035年、日本で皆既日食が起こった年。
当時高校生だった来須蒼真は幼なじみの白馬弥那とともに日食の中に出現した悪魔城に取り込まれてしまう。
そして、蒼真は自身が魔王ドラキュラの生まれ変わりであることを知った。

それから1年後、蒼真たちは平穏な日々を送っていた。
だが、そんなある日、白昼堂々街中で新興宗教「ウィズ ライト」の教祖セリア・フォルトゥナの襲撃を受けてしまう。
蒼真はセリアが召喚した魔物たちに襲われるが、突如現れた有角幻也の助けもあり、なんとか敵を退ける。
弥那にまでも危険が及ぶかもしれないと危機を感じた蒼真は、単身ドラキュラ城を真似た教団本拠地へと乗り込むのだった。


特徴

  • GBAからDSへのハード移行により、グラフィックやサウンドのクオリティが大幅に向上。
    • グラフィックについては、3D表示機能を生かした背景やキャラクターの拡縮回転、半透明表示を活用し、PSの『月下』に匹敵するほどのクオリティを実現した。
  • DSの特徴である2画面表示を活かし、上画面にマップならびにステータスを切り替え表示可能で、下画面にメインプレイ画面が常時表示される構成となっており、以前までのような現在位置をボタン操作でマップ画面を出して確認したり図鑑でモンスターが落とすアイテムを確認したりという様な面倒な手間が省かれた。
  • 用語集も追加、今作のシステムや登場キャラも記載される。前作からの続編という事もあり前作のキャラクターもしっかり記載されるので前作未経験の人もある程度は理解できる。
  • また、下画面のタッチパネルを利用した数々の仕掛けがある。
    • まず開始してすぐのネームエントリーはタッチペンで書く仕様になっている。
    • 中でも代表的なのが、「魔封陣システム」。ボスのHPを0にすると画面に魔封陣入力画面が出てくるので、ここに魔封陣をタッチペンで正しく入力すると魔封陣が発動し敵を封じ込める(=倒す)ことができる。このとき、魔封陣の書き順を間違えたり制限時間内に書ききれないと、ボスはHPを少し回復して復活してしまう。
      ちなみに、本作におけるボス部屋の扉は対応する魔封陣を所持していないと開かない作りになっていて、ボスの倒す順番を入れ替えるといったいわゆる「シーケンスブレイク」対策もタクティカルソウルシステムの続投と共に担っている。
  • 敵を倒してソウルを集め、その力を行使する「タクティカルソウルシステム」の進化
    • システム自体については前作『暁月』で説明されているため参照。サブウェポンなど従来のシステムを把握しやすく一括化したものである。
    • 同じソウルでも複数個取るとレベルアップして威力が増加する他、ある特定のソウルの組み合わせによっては特殊効果が発動するものもある。
    • ソウルと武器を消費する武器合成によって、より強力な武器を作り出すこともできる。
    • ドッペルゲンガーのソウルを入手すると、各種装備をAパターンとBパターンで別々に設定することができ、ワンボタンでそれらを切り替えられるようになる。
  • 本作ではハードがDSということもあり、低年齢層の取り込みも意識して、キャラクターデザインを前作の耽美的なイラストではなく、アニメチックなイラストに変更している。そのアニメーションムービーもオープニングタイトル場面に導入された。
    • キャラクターデザインを担当したのはアニメーターの吉川真一氏。またアニメーションムービーを担当したのはGクリエイターズ。
  • 前作に引き続き、ワイヤレス通信によるソウルの交換ができる他、さらに今作では作成した専用マップ上で通信相手とクリア時間を競い合う対戦モードが追加された。
    • マップ作成はエネミーセットモードで行う。エネミーは本編で入手した魂が必要となるので単純にプレイ進行の進みが強さや難易度に左右される、勿論自分でテストプレイすることも可能。

評価点

  • 同じ2D探索型だった『月下』に並ぶほどのクオリティの高さ
    • 探索型も5作目ということもあってか、ゲームシステムもバランスも全体的に洗練されており、かなり遊びやすい。
    • グラフィックやサウンドのクオリティもGBAの探索型に比べて飛躍的に向上している。
      • ただしNDSのタッチペン操作に対応しようとした事による問題が…(後述)
  • パワーアップしたタクティカルソウルシステムにより、前作より楽しみの幅が増えた。
    • ソウルにレベル制ができたおかげで、弱いソウルでもレベルを上げることにより使えるソウルへとなり、戦略の幅が広がった。
      • レベル性の恩恵を特に受けているのはガーディアンタイプのソウル。前作のガーディアンタイプのソウルにおけるステータス+系の能力は類似した性能の物が多く、上位下位互換が発生しやすくなっていたのだが、レベル制の導入により「死にソウル」が消滅しているのが良い。
    • 武器合成の材料にもなるのでソウルを1つ手に入れたらおしまいだった前作に比べ、複数集める意味ができた。
      • これを利用する事によって「店で特定の装備アイテムを安価で大量購入→ソウル合成で武器作成→作成した武器を売りさばく」という手段で大量にお金を稼ぐ事が出来るようになった。
    • ドッペルゲンガーのソウルにより、従来に比べて快適性も向上した。
      • 前作のエンチャント/ガーディアンタイプのソウルを使用したエリア探索では、各種地形を通過する際にいちいちメニュー画面でソウルの切り替えを行わなければならず、それに伴い装備の固定化も誘発していた。だが、本作でドッペルゲンガーのソウルが導入された事によって、探索用や攻撃用という様な装備構成をワンボタンで切り替えられる様になり、その結果か快適なエリア探索を実現。
  • ユリウスモード
    • クリア後に遊べるようになる、別キャラクターを操作するモード。「ユリウス・ベルモンド、ヨーコ・ヴェルナンデス、アルカード」の3人のキャラクターをその場でチェンジしつつプレイできる(そのメンバー構成や置き換えられる BGM "BEGINNING" などから、『悪魔城伝説』を意識した作りが見受けられる)。
    • 今までのサブキャラモードは、RPG要素やストーリーが省かれてありおまけという印象が拭えなかったが、本作ではバッドエンディング後のストーリーが語られているので、1つのモードとして楽しめる。また、レベル制になったためただの障害物だったザコ敵を倒す意義ができた。
    • これまでのサブキャラモードはネーム入力の際にキャラクターの名前をアルファベットで入力してスタートする関係で、スペルミス→失敗してしまうこともあったのだが、本作では独立したメニュー項目からスタートする形式に変更され、その恐れも無くなった。
  • 前作よりさらに大幅に増えた収集要素
    • ソウルは全116個と前作に比べると4個減っているが、全てのソウルのレベルを最大にする場合総計571個となる。
    • 武器も全76個とさらにいろいろな種類が増えた。中には合成でしか手に入らない武器も。
  • 前作での所々不便だったところが解消された。
    • ソウルが出てくるときに大きく発光し、「シュルシュルシュルシュル・・・」と飛び出ている間に効果音が付いた、という具合にソウル出現の演出が派手になり、見落としにくくなった。
    • 前作では水中に潜れるソウルが、エンチャントタイプだったため付け替えがとても面倒だったが、今作ではアビリティタイプとなった。
      • 前作における水中ではエンチャントタイプのソウルが特定の物で固定されてしまう関係で、水中ではステータスアップや経験値上昇といった能力を持つソウルを発動させる事ができず、結果的に水中では作品のウリとなる多彩なソウルによる戦術を行う事が出来なかった。だが、今作で該当ソウルがアビリティタイプに変更された事によって、水中でも様々なエンチャントタイプのソウルを使用した戦いを行う事が出来る様になったと言える。
    • 前作まではモンスターのソウル及びアイテムのドロップ率について図鑑では一切表示されなかったが、本作で遂に星の数でドロップ率が表示される様になった。
  • BGMも好評。
    • 本作では山根ミチル氏と木村雅彦氏が参加。静かな落ち着いた曲もある一方で、激しい曲やスピーディな曲も増えた。ボス戦闘曲「闇夜の激突」を中心に高い評価を得ている。
    • また、過去のシリーズ作品で登場した楽曲も5曲ほど収録。探索型では珍しく三大名曲「Vampire Killer」「Bloody Tears」「Beginning」が揃えられている。

賛否両論点

シリーズタイトルの変更

  • 本作は概要にもある通り、シリーズタイトルが『キャッスルヴァニア』から『悪魔城ドラキュラ』に元に戻ったのだが、シリーズの名義変更については案の定ではあるが混乱が起こる事になった。
    • 2001年の『サークルオブザムーン』以前からプレーを続けている古参ファンにとっては「やっと元の悪魔城に戻った」と歓迎されていた反面、GBA版から始めたファン歴の浅いプレイヤーにとっては「ようやくシリーズに馴染み始めたのに、何故元に戻したのか」という否の意見も生じていた。
    • なお、『キャッスルヴァニア』名義の作品の次回作は2010年の『ロードオブシャドウ』まで待つ事になったのだが、その後は続編の『2』でまたしても『悪魔城ドラキュラ』名義に戻された事から、『キャッスルヴァニア』名義はIGA氏の発言の通り、日本では馴染まなかったのかも知れない。

その他

  • 難易度が前作より大幅に上昇。
    • DSの表現力を活かしてボスの行動パターンが非常に多様化していたり、雑魚の配置が量的に激増しているのもあって厄介な場面が多い。
    • 相変わらず厄介な軌道に加えて物量が前作の倍近くまで激増したメディウサヘッドが襲いかかってくる「呪縛の時計塔」エリアは本作の名物で、被ダメ量以外は過去の面クリア型に勝るとも劣らない難易度に仕上がっている。被ダメージを軽減するソウルを装備し、ダメージ0に抑える(GUARD表記になる)ことで通行を楽にすることもできるが…
    • 本作初出のボス「ゲーゴス」は狭いエリア内で広範囲に渡る攻撃を連発してくるため、多くのプレイヤーを苦しめた。おなじみのデス(死神)も行動パターンが非常に豊富であり、非常に強敵。また、後述の魔法陣に失敗するとHPが25%回復してしまうため、これが苦手だと長期戦を強いられてしまう。
    • 『暁月』では特殊なソウルを使わないと倒せなかったアイアンゴーレムも、今作ではしっかりHPを0にする必要がある。HPは低くなっているが相変わらず1ダメージしか通らないので、(特に前作プレイ済みのプレイヤーほど)「特殊な攻略法があるのでは」と試行錯誤するハメになりがち。手数の多い武器やソウルを使う、「敵のHPとMPを一時的に入れ替える」効果を持つソウルを使うこで必要な攻撃回数を半分に抑えるなどの対策はできる。ただ、後述の武器合成に複数使ううえにソウルのドロップ率がとても低くこの敵を何度も倒すことになる。
    • PSの『月下』やGBAの『白夜』~『暁月』がヌルすぎたためこれくらいがちょうどよいという意見も少なくないものの、低年齢層の取り込みを意識したゲームデザインとは噛み合っていない。
  • ストーリー
    • 前作『暁月』ではシリーズ全体で見ても新展開となった重要なストーリーだったのに対し、本作では単なる「前作の後日談」的な、あっさりしたストーリーになっている。加えてラスボスもとってつけたようなもの。構成する要素からスペック的には驚異となる存在と考えられなくもないが…。
    • 前作同様、時代設定が近未来の日本ということもあり、従来のドラキュラシリーズらしい世界観ではない。蒼真の物語を展開させるとどんどん従来の悪魔城ドラキュラから離れていってしまう恐れがあるため、本作のあっさりしたストーリーは逆に無難な内容とも言える。
    • 何よりもはや本編でドラキュラをラスボスに据えることが叶わないことが大きい。
      • 一応、ユリウスモードでドラキュラを彷彿とさせるラスボスと戦えるが…
      • とはいえ、これまで断片的にしか出てこなかったドラキュラや力を望む者の存在をクローズアップする事で設定面でより深みが増した面もある。
  • アニメ調になったキャラクタービジュアル。
    • ドラキュラらしくない、以前の絵の方が良かった、など批判内容は様々であるが、一方でアニメデザインの方が親しみやすいとの声もある。次回作のように単独作品であるならまだ良かったのだが、ストーリー的に続編に位置する本作で前作からキャラデザを変更したのはいくぶん混乱を招いたといえる。
    • そもそも低年齢層の取り込みを目的としている割には、斬撃のダメージの演出に出血表現があったり、一部見た目がグロテスクで怖い敵キャラが出てきたり、「女の子の敵キャラのスカートをめくることができる」といった、明らかに低年齢層にはそぐわない点がいくつかあり、矛盾を生じてしまっている。現に全年齢対象だった前作から12歳以上対象へと上がっているし。
      • なお、本作より5年後に出たXbox LIVE『ハーモニーオブディスペアー』では本作のキャラである蒼真、ユリウス、ヨーコも登場しているが、こちらはアニメ調ではなく暁月同様小島氏によるシリアスタッチのキャラデザとなっている。

問題点

  • タッチパネルを利用した仕掛け。
    • 各地でタッチペンを用いないと進めない箇所があり、今作のようなアクションとは相性が悪い。
      • DSが発売されて間もない時期であった当時は、DSの新機能をゲーム内で無理に使わせようとしている感が否めない作品が多く見受けられたが、本作にもそうした傾向が表れてしまっている。
    • その中でも面倒な「魔封陣システム」は最大の問題とされる。途中まで問題無いのだが、陣が複雑になってくると苦戦するようになる。終盤は複雑さ、画数の量に苦戦するプレイヤー続出で「詰み要素にすら成り得る」。その凶悪ぶりに「100回以上やりなおした」といった声もある。
      • ある程度暗記が必要だったり、失敗するとボスが復活する等の要素、抜け道が無い事も凶悪さに拍車をかけた(とくに終盤ともなればボスもかなり強い筈なので…)。
      • 事前に魔封陣を書く練習ができたり書き始めるまでタイマーはスタートしないなど親切ではあるが、やはりボタン操作からいきなりタッチペン操作に切り換えるのはとても面倒。邪魔扱いするプレイヤーも多く、本作の評価を下げる一因となっている。
      • 円上の6つの炎を通る六角形をまず描くよう例示された場合でも、炎を順番通りにさえ通れば問題ないのでサッと丸を描いて済ますなど素早く書くような短縮方法もあるが、あくまで例示とは異なる方法である。
      • その為か次回作以降はアクション面でタッチペン操作を強要されるのはおまけキャラのみとなり、タッチペンに関する機能もアクション性を損ねないようなものになっている。
    • ちなみにユリウスモードでは魔封陣そのものが全てカットされている関係で探索の自由度が向上している為、従来のハイテンポなプレーや探索型ゲームの醍醐味のシーケンスブレイクを行うのなら、そちらで行うしかない。
      • 魔封陣システムが不評だったのか、あるいは魔封陣自体がカットされたユリウスモードが好評だったのか、次回作以降は削除され、従来のプレー感覚に戻る事になった。
  • ソウル・装備関連
    • 前作に比べるとやや手に入りやすくなったが、ソウルが相変わらず手に入りにくい。しかも今回は複数のソウルが必要となるため、人によってはさらに苦痛となる。
      • ソウルの入手確率が上がるソウルイーターは今回も健在だが、値段が前作と全く変わっていない300000Gなのでやはり資金稼ぎに苦労する。しかし、付加される入手確率上昇率は前作よりは上がっている模様。
    • 強い武器は基本的に武器合成をしなければ入手できない。そのため、買ったり拾ったりしているだけだと終盤辺りで苦労することになる。
      • 合成は基本的に一本道の進化。なので全種類の武器を所持しようとすると、より弱い段階の武器合成に使うソウルは多く要する。
      • さらに一部の武器はゲーム中に一度しか出ないボスのソウルが必要で、最強段階以外の合成に使うものがあるため、武器の全種コンプリートには最低でも3周、武器とソウルの両方コンプするには最低でも4周しなければならない。
    • 武器モーションが刷新されたが、若干使い勝手の差が大きい。
      • 全体的に行動後の隙が大きい傾向が強い。バックステップでキャンセルできるものの、それを前提としているのではないかと思わせるほどである。
      • 大剣・斧は隙の大きさを補って余りある攻撃範囲の広さで、ジャンプしながら出せば1段上の足場を貫通して攻撃が届く。攻撃力も群を抜いて高い。
      • 逆に刀は出こそ抜群の速さだが、納刀モーションがやけに長くバックステップキャンセルを駆使しないと異様に使いづらい。
      • もっとも、どの武器種を中心に使っても攻略に支障をきたすというほどではない。ソウルの集まり次第で特定の武器種を使わざるを得なくなる場面も多いため当然といえば当然だが。
  • スキップの出来ない細かい演出
    • ゲーム後半で発生するイベントシーンの多くがスタートボタンでスキップ出来ない。スキップ出来ないイベント多さから周回プレーの際には煩わしく感じやすい。次回作では改善されている。
      • 前作ではほぼ全てのイベントシーンがスタートボタンでスキップ可能なのに対して、続編である今作では劣化している部分である。納期の問題で後半戦のイベント仕様に対して手つかずになった可能性があるか。
    • 武器合成の際にソウルが武器に吸収される演出が挟まれるが、演出の内容が少し長めの割にはスキップが出来ない。作る武器の数が少ない場合はともかく一度に大量の武器を作る場合は煩わしく思いやすい。
  • その他の難点
    • 通常攻撃音が「ぺちん」と軽い。
    • 『月輪』の再来を思わせるほど画面が暗く、見づらい。前作や前々作での教訓はどうした。
    • AボタンでMPを消費して武器によって異なる必殺技が出せるのだが、消費MPが多いわりには大して強くないのでほとんど使う機会がない。
    • ハードモードクリアの特典で入手できる隠しソウルが弱く、高難易度モードをクリアした見返りとは言いづらい。
    • ユリウスモードの後味の悪さ。
+ ネタバレ注意!
  • セリアの策略で魔王となってしまった蒼真が、彼女を殺害する、というのが、本編のバッドエンディング。そしてその彼を倒すため、ユリウスがヨーコ・アルカードとともに立ち向かう、というのが、ユリウスモードのストーリーになる。
    • しかし、ラスボスが蒼真なのは仕方ないにしろ、ラストは崩れ落ちる城をユリウス達3人が見つめるだけ。結局蒼真は助からず、何の救いも無い終わり方になる。

総評

プラットフォームがGBAからDSへと移ったことにより、全体的に大きなパワーアップを遂げた。DSの機能を無理矢理使った点がやや気にはなるが、基本的な部分が前作からさらに磨かれ完成度もより高まった。
ストーリー的には前作の続編という位置づけながらやたらあっさりしている点が賛否あるものの、その分、前作を遊んでなくても問題なく楽しめる内容となっている。DSのダブルスロット機能で前作『暁月』と連動することによりアイテムが貰えるが、そのアイテムは本編でも普通に手に入るので心配する必要は一切無い。
廉価版が何度か出ておりシリーズの中では中古でも比較的見かけやすい方なので、興味のある方は是非やってみてはいかがだろうか。


余談

  • 1枚の大きなマップ*1を攻略するというスタイルは本作で最後となり、次回作の『悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス』以降は複数に渡るステージを攻略してボスを撃破していくスタイルに変化している。基本的に探索型としてのシステムは引き継がれているが、一部かつてのステージクリア型に寄せられた形となる。
  • 本作の後日談を描いた小説として『悪魔城ドラキュラ 真淵の追想曲』が存在する。作者は『バッカーノ!』『デュラララ!!』などで知られる成田良悟氏。
    • 同小説では本作では未参戦だったグラント・ダナスティの子孫『ミシェル・ダナスティ』が登場する等、本作やシリーズを知ればニヤリとする物になっている模様。
  • 「嘆きの坑道」エリアのBGMの曲名
    • サウンドテストで本来ならばAC版悪魔城の「時計塔の恐怖」であるはずの曲名が、何故か同作の「地下室のメロディー」になってしまっている。これは恐らくAC版サントラの「地下室のメロディー」と「時計塔の恐怖」がメドレーで収録されていたため、両者を間違えてしまったと思われる。
+ タグ編集
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  • 2005年
  • DS
  • コナミ
  • ACT
  • 悪魔城ドラキュラ
  • メトロイドヴァニア

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最終更新:2023年08月13日 20:59

*1 『月下』と『白夜』は実際は2枚だったが、形状は上下反転、あるいはほぼ同じ。