ツインビーだ!!

【ついんびーだ!!】

ジャンル シューティング
対応機種 ゲームボーイ
発売・開発元 コナミ
発売日 1990年10月12日
定価 3,500円(税3%込)
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2012年6月20日/400円(税5%込)
判定 なし
ポイント 携帯機唯一の新作ツインビー
あっさりとした低難易度趣向
ツインビーシリーズ

概要

ゲームボーイが登場した翌年に、コナミからリリースされた『ツインビーシリーズ』の一作。
シリーズ通算4作目であり、新作シリーズとしては唯一の携帯機作品でもある。

ツインビー達が悪の科学者、ドクターニッキに立ち向かうというストーリー設定。


主なルール

  • GB通信機能による2人同時プレイ可能*1
  • 全6ステージ構成で、初回4ステージまでのステージセレクト機能搭載。
    • どのステージを選んでも、必ず6ステージ分のプレイを攻略しなければならない。
  • 操作系統。
    • 自機の基本操作は以下の通り。
      • 十字ボタンで自機の八方向移動。
      • Bボタン押しっぱなしで、射程制限のない直進型の"ショット"を放つ。空中敵のみに有効。
      • Aボタン押しっぱなしで、射程制限のある"ボム"を放つ。地上敵のみに有効。
        自機前方にはサイトが表示されており、ボムはそこへと投下される。
  • ベル・アイテム・ミラクルボールについて。
    • ステージ中に浮遊している「雲」を撃つと、効果音と共に本作のメインアイテムである「ベル」が出現する。
      • 出現したベルをそのまま放置すると、放物線を描く感じで下位置へと落ちる。この時、ベルをショットで撃ち込む事により、上位置へと押し上げられる。
      • ベルは5発撃ち込む度に変色を起こす。基本色は"スコアベル"だが、撃ち込む回数によって色が変わり、取得したベルの色の状態によってアイテム効力が変わってくる。
      • ベルを限界まで撃ち込むと、敵である「ハチ」に変わってしまう。こいつを破壊すると多めのスコアボーナスが得られるが、再度ベルへと戻す手段はない。
      • ベルを見逃がさずに連続取得すると、スコアベルの入手スコアに倍率がかかる。最初は500点から始まり、最大で10,000点までのスコアボーナスとなる。
        但し、一回でもベルを逃してしまうと、倍率が元に戻ってしまう。なお、ベルのハチ化・及び自機がミスしても、他のベルさえ逃していなければ、倍率は途切れない。
        ステージクリアする事でも倍率が強制初期化されてしまう。よって、オールクリアまでに倍率を永久持続させるのは不可能となる。
    • ベルの種類・及び効果は以下の通り。
      • 「スコアベル」…スコアアップの効果。上記の通り、連続取得するとスコア倍率がかかる。
      • 「スピードベル」…黒い。自機のスピードアップ効果。最大で3段階までスピードアップできるが、ミスする以外でスピードダウンする手段はない。
      • 「ツインベル」…白い。自機のショットが攻撃判定の大きいツインショットになる。3WAYとの併用は不可。
      • 「分身ベル」…上半分が白く、真ん中に◎模様がある。自機にトレースする形で動く分身(無敵オプション)を2機付け、自機と同じショットを放ってくれる。バリアの併用は不可。
      • 「バリアベル」…縞模様。自機に特定回数のダメージを無効化してくれるバリアを付ける。
  • ベルとはまた別のアイテムとして、地上の敵を"ボムで破壊する"事で「地上アイテム」が出現する。
    • ベルとは違い、アイテムは固定配置される形となる。また、アイテム効力はベルとはまた別物である。
  • 地上アイテムの種類・及び効果は以下の通り。
    • 「フルーツ」…スコアアップの効果。スコアベルのそれとは違い、倍率によるスコア変動はない。
    • 「キャンディー」…自機のショットが3WAY弾になる。ツインとの併用は不可。2回以上取得するとミラクルボール(下記)が現れる。
    • 「☆」…画面内にいる空中敵を全滅させる効果(地上敵には無効)。
    • 「???」…画面内にいる空中敵すべてをスコアベルに変えてしまう効果(地上敵には無効)。
    • 「牛乳」…1UPの効果。
  • キャンディーを2回取得すると、お助けキャラである「ミラクルボール」が出現する。
    • ミラクルボールは画面内を動き回り、触れた空中敵を倒してくれる。敵を破壊する度に500点のスコアボーナス。
    • ステージクリア・自機ミス時でもミラクルボールの活躍は継続される。出現から一定時間経過すると自然消滅する。
  • 手のダメージ・ミス条件について。
    • 本作の自機には「両手」が付いており、敵弾に触れると片手づつが消失してしまう。
      • 両手すべてがなくなると、一切のボムが放てなくなる。そのまま放置していると、地上敵の破壊はおろか、地上アイテム入手機会も逃してしまう。
      • 両手消失後は一回だけ「救急車」というお助けキャラが登場し、それに触れる事で両手が再生できる。しかし、再び両手がなくなってしまうと、ミスするまで二度と救急車は現れない。
    • 残機制を採用しており、ミス後は1人プレイ時・2人同時プレイ時を問わずに途中復活となる。残機がすべてなくなるとゲームオーバー。
      • ミス条件は「バリア効果なし状態の自機本体に敵機とボス本体との接触、又は自機本体の手が消失した側に敵弾が当たる」事にある。
      • ミスすると、それまでに得ていたパワーアップ(スピードアップや分身など)がすべて失ってしまうペナルティ。
      • 何かのパワーアップ効果を得た状態でミスすると、「自機の魂」が上方向へと流れていく。復活時に"これ"に触れると、ミス前のパワーアップ効果すべてを得る事ができる。
    • プレイ人数に関わらず、一切のコンティニューは不可能。

評価点

  • 紛れもなき『ツインビー』の系譜。
    • GBという低スペックハードでありながらも、そのプレイ感覚は『ツインビー』そのもの。
      • 画面比率の関係上、過去作に比べると密閉率が高い節もあるが、プレイする分にはさほど気になる問題ではない。むしろ「GBでよくぞここまで」と思える程に、快適なプレイが楽しめる。
  • グラフィック・BGM周りに関しても"初代"のそれを意識した作りとなっている。
    • モノクロカラーではあるものの、キャラクターデザインは"初代"のものを可能な限り表現しており、過去作と比べても"さほど"違和感のない外観となっている。
      • ステージ5の最後は「"初代"に登場した5体ボスが連続で襲ってくる」というファンサービス展開となる。アレンジはされているものの、大方"初代"と行動パターンも同じ再現がされている。
      • GBなりに"初代"テイスティなBGMが再現されており、その楽曲クオリティはなかなかに高い。道中戦における「パワーアップの有無によってBGMが変わる」演出も健在。

賛否両論点

  • 原点回帰な新作。
    • 本作のゲームデザインは『初代ツインビー』のそれに近く、新作というよりは「"初代"をGB向けにチューニングしたアレンジ作」といった趣旨が強い。
      • 前々作『もえろツインビー』は「3人同時プレイ可能・横縦スクロールステージが交互に挟まれる」といった新要素が追加されているが、本作にはそういったものは取り入れられていない。
      • 前々作・前作からの引継ぎ要素は「ミス時の"自機魂"発生」位で、それ以外は"初代"のシステムをほぼ完全に流用している。
      • 敵キャラ・使用BGMにおいては、"初代"からの再登場(もしくはアレンジ)されたものが目立つ。特にステージ1全般は"初代"をリスペクトした内容となっている。
    • "初代"をプレイした者にとっては「あまり新作という感じがしない」という批判も若干あり、新作という意味では"やや"魅力に欠ける作品である感は否めない。
      • 逆にいえば、「GBで"初代"ライクなツインビー」がプレイできる」と好意的に見る者も多く、シューティングが少ないGB作品における貴重な一作として見られていた。
  • 携帯機向けの低難易度。
    • 本作はシリーズ全般からみても、難易度が低い部類に入る。
      • 過去作に比べると敵の攻撃が大人しめであり、自機魂の恩恵もあってミス後の復活も比較的楽に収まりやすい傾向にある。ボス戦も全体的に弱めである。
      • GBという事情もあるのか、各ステージの構造は短めで"さくっ"とクリアできやすい。最終ステージに至っては、道中抜きで即ラスボス戦が始まる。
      • スコアエクステンドの頻度が非常に多く、「倍率維持状態でのスコアベル連続取得」を繰り返すと短期間で残機が溜まってくる為、そう易々とはゲームオーバーになりにくい。
      • 良くいえば「さっぱりとクリアさせてくれるお手軽さ」、悪くいえば「簡単すぎて即効で制覇できてしまう」難易度というべきだろうか。

問題点

  • 画面濃度の設定によってはベルの識別がし辛くなる。
    • モノクロカラーのGBではカラフルなベルカラー表現が行えず、濃い画面や薄い画面でプレイしているプレイヤーには一見では何のベルが落ちているのかが理解できないという事態は避けられないだろう。
      • 他のシューティングであれば「アイテムの形状を変える」といった手段が行えるだろうが、ベルの形が1つしかない*2本作においては無理がある訳で…。
  • 難易度選択や周回プレイがない
    • オールクリアしてしまうと、ハイスコア記録以外での目的が見当たらなくなる。この辺は大分物足りなく感じてしまう。

総評

GBというハードでは幾らかの表現上の制限はあるものの、ちゃんと『ツインビー』らしさを持ち、リリース当時の評価は決して悪くなかった模様。
シリーズの中ではマイナーな目でみられがちな本作ではあるが、PSPリメイク・3DSのバーチャルコンソール配信がされ、日の目を見る機会が増えてきているのは嬉しい限り。


オムニバス移植

  • コナミGBコレクション Vol.2 (ゲームボーイ、1997年12月11日、コナミ)
    • 4タイトル収録の1つとして本作が収録されている。スーパーゲームボーイ対応。2人同時プレイは削除され、一人プレイ専用となっている。
    • 海外版は他のGBコレクション同様にカラー化が行われている他、タイトルも『Pop'n TwinBee』になっている。
  • ツインビー PORTABLE (プレイステーション・ポータブル、2007年1月25日、コナミデジタルエンタテインメント)
    • 5タイトル収録の1つとして本作限定のリメイク版『ツインビーだ!!』が収録されている。なお、収録されているのはリメイク版のみで、原作(GB版)は未収録。
    • 原作との相違点は以下の通り。
      • 一人プレイ専用(自機選択は可能)。2段階の難易度設定が可能。
      • 色が付き、キャラクターデザインが『出たな!! ツインビー』以後の"それ"に近いものに書き換えられている(パイロットキャラは登場しない)。
      • ステージBGMの変更・及びアレンジ化。BGMのはAC版"初代"を意識した音源を採用している。
      • 自機のやられ判定の縮小化。原作よりも敵弾の密度が高くなり、弾幕シューティングの趣旨が強くなっている。
      • 原作のステージ4とステージ5が連結され、総ステージは5つとなっている。
      • 画面両端に「今取得しているベルのストック」が表示される(『ツインビーヤッホー!』同様の表示)。

余談

  • 本作は"初代"の世代による続編らしいが、設定に矛盾が発生している。
    • 本作説明書によるとドクターニッキは、"初代"ラスボス「スパイス大王」の他に、前作『ツインビー3』のラスボス「ポコポコ大魔王」も生み出している。しかし『3』の時代は"初代"の孫世代の時代であり、この設定は辻褄が合わない。
  • 海外版は国内版より4年も遅れた1994年に発売されたのだが、SFCと同名の『Pop'n TwinBee』名義に改題されている。
    • パッケージイラストも『Pop'n』の物を流用していて、ライトやパステルといった『出たな!!』以降に登場したキャラクターも描かれた物になっているのだが、当然ながらゲーム内には一切登場していない。

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最終更新:2023年02月23日 10:19

*1 3DS VC版では1人プレイ専用となる。

*2 一応、「模様が描かれたベル(分身ベル・バリアベル)」といった視覚的な差別が図られている"もの"もあるが、ベルの形自体はどれも同じ。