三國志V

【さんごくしふぁいぶ】

ジャンル 歴史シミュレーションゲーム
対応機種 PC-9801、Macintosh、Windows、
プレイステーション、セガサターン、プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 光栄
発売日 1995年12月15日
定価 14,800円
判定 良作
三國志シリーズリンク


概要

三國志シリーズの5作目。

人物

  • 黄巾の乱シナリオが本格的に登場。関連する人物が追加された。
    • 黄巾族三兄弟(張角(君主)、張宝、張梁)は演義準拠で妖術等を使用できる為、これまでとは違った戦略を立てられる。一方、討伐軍の総大将である何進*1は最初から玉璽持ち、曹操と袁紹を筆頭とした有力な武将が配下にいるなどのアドバンテージを持ち、人材を駆使した従来のような戦略で立ち向かっていける。
  • 仙人達8人が特殊武将として参戦するようになった。
    • 全体的な傾向として「武力は微妙だが知力・魅力が高い」「最初から全陣形習得」「経験値がMAXで全ての特技が開放されている」「レアスキル(術系や治療等)持ちが多い」と言う、準チート級の武将である。実際、敵に回せばかなりの強敵。しかし戦闘時に捕らえてアイテムを奪えば今度はこちらにレアスキル等の恩恵が得られる上、倒した際の陣形習得も期待できる。
      • ただし彼らは基本的に一時的に力を貸しているだけ。ターン終了後一定確率で在野武将に戻るうえ、長期滞在すると在野に戻る確率が段々高くなっていき、一定期間が過ぎると確実に出奔してしまう*2。また登用してから持っているアイテムを没収する事も不可能。
      • この仕様により弱小勢力であっても油断できないようになっている。いつの間にか仙人を配下にし、術乱発で大勢力をボロボロにする事もありうるからである。逆に言えば弱小勢力であっても彼らの力を借りる事で強国に対抗する事も可能。

システム

それまでのシリーズで登場した要素(外交・担当官・武将の特技など)の集大成となっている。新要素としては名声によるコマンド総数の増減と、戦争における陣形の導入がある。

内政

  • 金、兵糧が一括管理
    • 内政や軍備の為にわざわざコマンド等で物資を運ぶ必要が無くなった。と同時に、相手を完全に滅ぼさなければ金や兵糧などの物資を奪うことはできなくなっている。
      • 兵士だけは武将、都市毎に配備される為に兵力管理だけは必要。
  • 内政コマンド
    • これまでは開墾、治水、商業発展、防衛…これらをコマンドの実行で各個に行っていたが今作は担当に配置されている武将が一括で行うようになっている。月毎に一回しかできなくなったが一つの命令で全都市まとめて実行でき、各都市の担当の武将の能力に応じて全てのパラメーターが上昇する
      • 各数値の上昇は武将の各パラメーターに影響するので、単純に政治力だけ高ければよいと言うわけではない。また担当が多ければ効果が上昇するので、政治力が無いから内政が不向きとはならない。
    • 特徴的なのが、「民忠誠度」(民忠)について。今作では通常の内政では民忠を上げることはできない。ではどうするのかというと、武将に民の話を直接聞かせる「巡察」をまず行う。その上で起きる様々なイベントに対応することにより、民の心を掴むのである。
      • 選択と武将の能力、運次第によって結果は変動する。逆に民忠や名声が落ちてしまうことも珍しくない。後述の名声にも関わってくるし、公式スローガンにも謳われているぐらい大事なことだが、民の心を掴むのは一筋縄ではいかないのだ。
  • 担当官システム
    • 各季節の初めに人事で各部署の担当を決める。武将は配置された担当の仕事しか行えないので配置が重要となる。なお、命令数には数えられないので人事や外交を行ってから内政担当にする事も可能。
    • 毎年1月には評定が行われるのだが、各担当に1人も配置していない部署があると評定が発生しない。今作の評定は名声を上げる数少ない手段の一つなので、冬季には各部署に武将を配置する必要がある。
  • 名声システム
    • 名声は君主自身が持つ評価であり、一年の最初に行う評定での目標達成・民忠誠度の上昇・歴史イベントなどで上昇し、評定での目標失敗・徴兵・略奪・歴史イベントなどで下がる。
    • 名声が一定量に達すると1か月の命令回数が増える(最大10回)、巡察などでプラスになるイベントが起きやすい、武将の登用が成功しやすいなどの効果がある。
    • 新しく手に入れた都市の民忠誠度は名声によって変動するが、よほど名声を上げない限りは住民反乱が発生する60以下になってしまう。なので序盤から迂闊に領土を広げると住民反乱を連発されて手に負えなくなる。最初は地元の民忠を上げながらじっくりと内政に努めるのも大事である。
      • ただし住民反乱は説得に成功すれば防げる可能性があり、大金を払えば確実に防げる。反乱の発生を覚悟しつつ序盤から速攻をかける事も可能であり、序盤の行動をいたずらに制約するシステムにはなっていない。
    • 徴兵・略奪などは名声を大幅に下げるが、名声0でも命令回数は3回確保できるので暴君に徹することも可能。ただし武将の忠誠度が下がり続ける、城を占拠すると不利なイベントが起こるなどマイナス面が多くなるので、かなりリスキーなプレイを要求される。

合戦

  • 一部要素の撤廃
    • 前作までの攻城戦はなくなり、野戦において各城を占拠する形に先祖返りした。
    • これまで各部隊に持たせていた弩や軍馬などの軍需物資関連もカット。移動能力や間接攻撃等の性能差は陣形(後述)や特技、兵器(後述)等で差がつくようにされた。
  • 負傷兵の要素追加
    • 戦争で兵士が減っても、(一部の計略を除き)5~9割程度の兵士が負傷兵としてカウントされる。
      • これらの兵は「戦争終了後」「治療系の計略を使用する」「城や関に待機する」事で、再び兵士として復帰し戦闘を行ってくれる。このため、いかに城を利用するかが重要になった。
    • 捕らえた武将への対応も重要になる。うまく登用できれば兵力(負傷兵)をそのまま運用できるが、基本的に勢力を滅亡させるまでは登用に応じにくい上に、相性によっては勢力を滅亡させても登用を拒否する武将もいる。登用できなかった時の対応が問題となる。
      • 逃がすと名声は上昇するものの、負傷兵はそのまま兵士として復帰してしまう為に、再び攻めこまれる危険性やこちらが再度攻める際に何度も脅威に晒される恐れがある。登用を期待して何度も逃がしても、その武将が最後まで登用に応じてくれるかは分からない。結局最後まで登用に応じてくれず、兵力を無駄に消耗させて終わってしまうことも。
      • 武将を斬首すると負傷兵ごと消滅。特に君主は斬首すると代替わりが発生し配下の忠誠度がリセットされるため、引き抜きや作敵等が通りやすくなり形勢逆転のチャンスである。確かに兵力を確実に減らせるのだが、名声が低下する(特に君主を斬ると大幅減)ため今後の行動に悪影響が出る可能性が高い。ジレンマに悩まされる事になる。
  • 戦争時の舞台の概念に「陣形」が追加。
    • 武将によってそれぞれ使える陣形は違っており、平地型・山岳型・水上型の全12陣形が存在する。
    • それぞれの陣形には様々な特色があり、例えば「突撃」・「一斉」が可能なもの、特定の地形で機動力・地形防御力の高いもの、兵士が死亡せず「負傷兵」にとどまる率の高いものなどがある。これらを上手く用いるのも戦いのコツとなり、武力が高い武将だけでなく、陣形を多く持つ武将を起用するなどの手も肝心。
    • また同盟を結んでいる他国と共同で新兵器を「開発」することにより、陣形の基本性能を強化することも可能。
    • 戦場で敵の部隊を撃破する、「修行」で在野武将から陣形を教わる、武将が寿命で死んだ時にその息子に伝授される、などで低確率ながら習得できることもある。
  • 特殊能力の概念が登場。三国志IVとは異なり、武将それぞれが6つずつ特殊能力を持ち、経験を積む事で随時覚えていく。
    • 特殊能力の覚えるスピードも武将の成長傾向によって異なり、郭嘉や周瑜などの早熟武将は所要経験値が低く、黄忠などの晩成武将は所要経験値が高めになっている。
    • 覚える特殊能力も、例えば馬騰や公孫瓚のように史実で騎馬に長けた一族は「速攻」「強行」*3などの高速移動系特技を覚えるなど、武将の個性を引き立てるものになっている。
      • このおかげで本作は、「水計」*4や「水神」*5、さらには「水陣」*6の陣形を有している武将が多い呉軍の武将が水系地形で一際手ごわくなり、従来では魏・蜀の割を食う形で地味だった呉軍が、他勢力武将に負けない存在感を見せている。*7
  • 各武将のステータスに「勇名」が追加された。これも「修行」や戦場での勝敗など、様々な行動・イベントによって変動していく。
    • これまでのシリーズと違い、配下武将は部隊兵士数に上限がある*8*9。デフォルトだとたったの8000しか兵を持てないため、戦場で最大限の働きをすることが難しい。「勇名」を稼ぐことにより「将軍位」に任命することができ、これによって持てる兵士数の上限が上がってゆく。
      • なお、任命できる将軍は数に上限があり、しかもかなりシビア(大体兵士が1000増えるごとに2~4枠)であるために、有能な武将が増えれば増えるほど壮絶な将軍任命争いが発生する。
    • 勇名や経験値が高いと部隊の攻撃力・防御力に有利な修正がかかったり、一騎打ちで有利になりやすいという隠れた仕様があり、先の「陣形」と合わせて「お気に入りの武将を育てて活躍させる」というやり込み要素が前作よりも増加している。
      • 前述の陣形・特殊能力などと相まって、どうやっても使えない武将と言う物が少なくなっている。以前までは強力だった武将も陣形が微妙で使いづらかったり、逆に弱かった武将が特殊能力や初期勇名の高さで序盤の牽引要員として主力になれたり…と、各武将毎の個性、用途が前面に出るようになった。
      • ただし関彝(かんい)*10のみスタッフの入力ミスなのか、陣形を一つも持っていない(=無陣状態で、戦場では一歩も動けない)。一応、修行のランダムイベントや武将を討ち取り*11、父からの継承で陣形を覚えるかもしれないがその道はかなり険しい。もっとも、パワーアップキット版では陣形が追加されている。

その他

  • 支配都市と太守
    • 従来は都市を自国の領土とするためには最低でも1人の武将が太守として在所していなければいけなかったが、今作からは太守が不在でも都市を支配できるようになった。
      • このシステムにより武将の数が足りないせいで全国統一ができなくなるということはなくなり、武将の数が少ない後期シナリオへの救済にもなった。
  • 兵器の共同開発
    • 同盟相手と共同で兵器を開発することが可能。兵器は陣形の効果を常に強化してくれて開発後はコストなども一切消費せず使用が可能。
      • 仕様上、同盟相手にも伝わるというデメリットはある。また、これにより同盟以外に生き残る道がない勢力でも軍事力を整えやすくなり、大勢力となっても兵器開発で他勢力との戦いに備える為に弱小勢力と同盟を結ぶメリットがある。
  • 武将フラグの追加
    • 本作から「特定の君主が存在する限り絶対登用されない」「一定条件を満たすと当該武将がプレイヤー君主に絶対に仕えなくなる」という、いわゆる「君主への義理立て」「嫌いな武将フラグ」が登場する。本作は当システム初採用だったこともあり、中盤が人材不足になり易い等まだまだ未成熟だったが、後年の作品では定番の要素として洗練されていく。
  • 兵士数や都市情報など、ほぼ全ての敵情報が常に公開されておりいつでも閲覧が可能
    • ややご都合主義のような気もするがゲーム中のストレスを軽減させ、プレイをスピーディーにする事に一役買っている。
  • ドットアニメによる演出
    • コマンドの実行や外交等に武将のドットアニメの演出が挟まるようになった。
      • それまでのシリーズで何気なしに行っていた「徴兵」も実行すると、「街中を歩いている民を強制的に連行する」というショッキングなアニメで演出される。
      • このアニメ演出は本作以降も継承され、シリーズの定番要素となった。
  • こっそりと入れられている、奥深い隠し要素
    • 本作の一騎打ちでは、特定の武将はクリティカルヒット時に固有の必殺技名を言うようになっている。見ると、なんとなく嬉しくなる。
    • 実は特定の複雑な条件を満たした時のみ使える、隠し計略が存在している。
      • スタッフの中に某ゲームのファンがいたのか、中には「大蛇薙」なんて隠し計略も…*12
  • シナリオ面
    • 黄巾の乱の他に、「III」「IV」では採用が見送られた劉備入蜀後の三国鼎立シナリオ(五虎大将軍が揃った時期)が「II」以来久しぶりに再登場した。
    • PK版では『初期君主が先述の仙人達8人のみ(+新君主)』という「放浪の賢聖」と、『北半分が張角領、南半分が何進領*13に二分されている』ところに新君主でこの二大勢力に挑むことになる(何進と張角ではプレイできない)「黄巾と南漢」の2本の仮想シナリオの他、200年1月「官渡の戦い」と213年5月「劉備入蜀」のシナリオが追加された。どちらも有名な戦いながら、実は両方ともシリーズ初登場のシナリオとなる。
      • 「官渡の戦い」は袁紹配下の顔良・文醜が健在の時期であり、袁紹軍の最盛期を味わうことができる。これまでの過去作では「白馬・延津の戦い」が終わった後のシナリオが採用されてきたため、袁紹ファンにはなかなか嬉しいところ。劉備は袁紹の配下、関羽は曹操の配下、張飛は君主として独立しているなど珍しい光景もあり、条件を満たせば全6回に及ぶ「関羽千里行」のイベントも発生する。
      • 「劉備入蜀」は劉備が荊州を領土にしているが、劉備自身は劉璋と張魯の仲裁のために梓潼おり、荊州から分断されている…という状況からゲームが始まる。

評価点

  • 難易度的にも遊びやすく、システムも複雑すぎず簡単すぎない程度でバランスが良い。間口の広さと奥深さが両立されている。
    • 新要素の陣形、名声はそれほど意識しなくても、よほどの弱小勢力から始めなければ十分クリアは可能。逆に言えば陣形や名声を意識しながら動く事で弱小勢力でも勝機が掴める。
    • システムそのものも比較的シンプルな割にはメリハリがきいており、戦略性を従来作品よりも高めている。
  • 多数ある陣形や特殊能力、勇名の補正、将軍位による兵力増強などの要素により武力が低い武将でもやり方次第で戦争で活躍できるようになった。
  • 服部隆之氏による音楽も秀逸。これまでとは気色の違う音楽ながらクオリティは高く、通常戦争時の「竜戦」、対蜀戦BGM「華龍進軍」はシリーズ屈指の名曲とされている。
    • また初期の方のシナリオから始めないと聴けないが、対董卓戦BGM「鬼道の将」、対呂布戦BGM「狼将」も人気である。
  • シリーズで初めて184年「黄巾の乱」のシナリオが登場した。
    • 「幻術」「妖術」の特技を使いこなす張角三兄弟、曹操・袁紹などを配下にしている何進、劉備三兄弟を配下にしている劉焉など、このシナリオしか見られない君主と配下は一見の価値あり。
  • 歴史イベントが多数追加された。
    • 特にシナリオ2の「反董卓連合」「長安遷都」から連動して起こる「連環の計」全4回は見もの。
  • レスポンスやグラフィック、インターフェースなどその他の面も高いレベルでまとまっており、全体的な完成度は高い。

賛否両論点

  • 戦争時における、防御側援軍の優遇
    • 本作の戦争では、隣接する都市から5日毎に援軍を呼ぶことができるが、「攻撃側は戦場の端に配置される」のに対し、防御側は城や関の周辺といった激戦区に最初から配置できる。
    • しかも配置したその日に行動が可能であるため、攻撃側が城を囲んだ状態で援軍が来た場合、そのまま援軍に背後を突かれて壊滅的被害を受ける可能性がある。
      • 援軍が来る前に城から距離をとることである程度は対処できる。初見殺しとも言えるかもしれないが、この程度の「経験しないとわからない」要素は多くのゲームにあるものであり、特に大きな問題ではないだろう。
    • ただしこれは、プレイヤーが強国であり攻める側に立った時の不満。逆にやや弱小な、かつ敵勢力に囲まれている様な状態にプレイヤーが置かれた際には逐次到着する援軍で相当に粘れるし、一発逆転も一応は期待できるわけだ。
    • 「テンポが早い」と「じっくりプレイ」はどちらが良いものとも悪いものとも言いがたいものである。
      • 攻め取りがたいと言うことはある時点までは、各国の版図が大規模に入れ替わったりしないと言うことである。少なくとも見た目や雰囲気はヒストリカルな気がする。
    • もとより戦争とは、守る側が有利、攻める側は(最低でも)3倍の戦力を用意しろと言われているものであるから、防御側有利の設定はどちらかで言えば順当とすら言える。結局のところ好みの問題でしかないだろう。

問題点

  • 一部の特技が反則的な性能。
    • 「幻術」*14・「妖術」*15・「仙術」*16が凶悪。どの術も場所を選ばない上、幻術と妖術によるダメージは回復できず、更に士気が(妖術は訓練度も)低下するので戦闘力もガタ落ちとなる。仙術は負傷兵を全員回復してしまうので、せっかくそれまで兵力を減らしていたのに元の木阿弥になることも。
      実際、これらの特殊能力は数倍程度の兵力差なら簡単に覆してしまうほどの強力さである。
      • 先述されているが、特殊武将(左慈・南華老仙など)は強すぎる。かなり便利な(敵に回せば「ズルい」)仕様である。
        一応弱点はあり、「消耗が激しく連発はできない」「仕様上負傷兵が少なくなるので捕らえたあとの登用後の旨味(回復した負傷兵)が減少」「武力が非常に低いので攻撃を食らうと脆い」などを最大限についていくことで、撃破は狙える。
      • 特殊武将程露骨ではないものの、これらの一部を使用できる黄巾族首領三兄弟*17や木鹿大王*18も強い。
        しかも彼らは在野武将になる事は(計略などを除き)無い為、配下としては特殊武将よりも使いやすいと言う点で厄介。
  • 水計もかなり厄介。こちらは地形を選ぶものの「水神」を持っていなければ確実に成功してしまうので戦力差を簡単に覆されてしまう。
    • 呉の武将たちは大半が水計と水神を習得しており、水陣を組めることも多い。「水上又は海岸に陣取り、敵が水上へ移動したら水計連発」でかなりの大軍相手であろうと皆殺しにできる。
      進路を考慮して一気に水上を突破しようにも、水陣以外の陣形では水上では思うように動けない。その上「水陣」は水上では無法なまでの攻撃力・防御力修正を受ける。結果、容易に突破できず餌食になることが多々。今作では呉の地域を攻め落とすのは容易ではない。
  • 陣形の仕様
    • 陣形が合戦における肝であるが、使える陣形についてはかなり限られており、初期では大抵の武将が精々2~3個程度しか持っていない上に、覚える条件も厳しい*19。陣形の習得数は武将の使い勝手に大きく影響を及ぼしてしまうため、たとえ能力値が高くても、陣形に便利なものがないと戦で活躍しにくい。
      • 合戦中においての陣形変更については、君主か軍師が出陣している必要が有り、かつその部隊から指示を出さねばそれを行えない。合戦における君主・軍師の重要性が際立つ仕様となっている。ただしライトなプレイヤーには難しい仕様だったのか、後述する様に移植版ではこの要素はオミットされ、ほとんど無際限に陣形変更が可能となってしまった。
      • これらの仕様は移植版で変更されており、「高確率で地域ごとの陣形が覚えられる修行イベントの追加」、「陣形変更の仕様変更*20」と言った調整がされている。
  • 敵からの計略がかなり煩わしい。
    • とにかくCPUは流言(民忠誠度&武将忠誠度低下)やら作敵(戦場での寝返り約束)やら駆虎(次季節に武将が100%反乱*21)やらを、行動回数のあらん限り吹っかけまくってくる。「官渡の戦い」シナリオあたりでは、開始後しばらくすると、場合によっては曹操・袁紹がお互いをそっちのけでプレイヤー君主目掛け、計略を何ヶ月にも渡って連続して続けてきたりする。もう滅茶苦茶。
    • 今作のCPUは少しでも兵力が拮抗すると全く戦争を仕掛けず計略や引き抜きを連発して足を引っ張ってくるので、陰険極まりない。
    • 一応、流言の忠度誠低下はその都市で最も忠誠度の低い武将の忠誠度しか減らないので、自軍に所属する一番パラメータの低い武将の忠誠度を下げて避雷針代わりに配置する事で防げる。内政にも戦力にも使えない武将も一応活用できるようなシステムになっている、のかもしれない。
      • 逆に言えばその様な避雷針武将がいない間は忠誠度を100にしても安心できない。上記の流言地獄で忠誠度を下げられたうえで登用されたり駆虎を食らったりしてしまうからである。
    • また敵対度が高くないと流言は使わないので、進物をしたり敵対勢力を1つに絞ったりすれば一応頻度は減る。
    • 後述の『三国志DS3』において他の問題点は概ね対策されているが、この計略連発だけはイマイチ解消されていない。
  • 「武将引き抜き」時の仕様が非常にシビア。
    • 今作では引き抜かれない忠誠度、及び相性差の条件・範囲が非常に狭く高く設定されている。余程相性が近くない限り、忠誠度100以外の武将は(親族や、先述の嫌悪武将等でない限り)登用できる可能性がある為、引き抜きが非常に強力。人間だと成功するかしないかは軍師の助言に頼るしかないのだが、CPUはこの仕様を悪用して「絶対に成功する時のみ」「ほぼ確実に」引き抜きをかけてくる。
    • しかも忠誠度を上げる「褒美」コマンドを行えるのは一命令の度に一人ずつのみ。序中盤は少ない行動回数を割いて褒美をあげる事になるのだが、上記の計略乱発も相まって褒美が追いつかなくなるのがほとんど。加えてCPUは戦争後に登用した武将を狙って片っ端から武将を引き抜きするため、中盤は武将の頭数が不足しやすい。
      • CPUの戦略画面で馬が自国に走ってくる度に絶望感を覚えた人も多いのでは。
      • 一応、親族武将に対しては上記の計略が効きにくく、引き抜きも無効化できる。新君主を作成し配下の新武将を全員親族関係にしてしまえばある程度計略に関してのウザさは軽減される。…勿論三国志の雰囲気ぶち壊しになるのは明らか。しかも問題はこれだけではなかったりする…
  • 出奔が多すぎる
    • 上記の計略や引き抜きの多さで目立たないが、今作の武将はかなり出奔しやすい。忠誠が80以上でも平気で下野してしまう。
      • これは相手が親族であろうとも発生してしまう。血縁武将は上記の計略や引き抜きを無効化するからと言って、忠誠に無頓着でいると出奔者が続出する様になる。
      • どんな武将であろうとも、引き止めたければすかさず忠誠度を100にしなければならない。人の心を掴むのは真に厄介なことである。
      • 上記のような仕様のため、武将が所持しているアイテムを没収した場合は高確率で出奔する。
  • 育成要素と能力解放のジレンマ
    • 本作では武将の経験値が溜まることによって能力が解放されていくという育成要素があるが、余程計算して万遍なく武将を使わない限り、殆どの武将の全能力を解放する前にゲームは終わる。
      • この武将の能力は前作同様にそれぞれの武将の個性付けにもなっているのだが、通常のプレイではその個性を味わい尽くす前にゲームが終わってしまうのは育成要素とやや噛みあっていない。

総評

これまでのシリーズで随時追加され複雑化したゲームシステムを一新。わかりやすく纏め新規プレイヤーへの敷居を低くし、かつ戦略性の高い展開が臨めるように調整された。
バランスの取れたシステム、印象深いBGM、様々な陣形を駆使したテンポの良い戦争などから、未だに「シリーズ最高傑作」の声が多い名作。


PC版と家庭用ゲーム機版との相違点

  • 今作品では,PCで発売されたバージョンとPS・SS移植版(その後に発売されたPSP版やDS版も含む)で,システムが大きく変わっている。
    • 移植版では,陣形の使い勝手の改善,評定が開きやすくなっている,担当の変更が一年に4回可能,忠誠度が100なら担当に関係なく修行に出せるなど,全体的によりプレイしやすいようにアレンジされている。

その後の展開

  • 後にパワーアップキットが発売された。
    • 定番の編集機能やアイテム作成、シナリオの追加、歴史イベントの追加(「桃園の誓い」もPUKでシリーズ初めて採用された)など更に遊びこめる内容となっている。
      • 特にシナリオ終了条件の変更は初期の作品にあった準クリア条件(そのまま終了するかプレイ継続か選べる)を自分で設定できる為にちょっとだけプレイしてみたいときでも気軽にプレイできるのでかなり良い追加要素であった。
  • Win・PS・SSなどにも移植された。
  • DSの『三國志DS3』もこの作品が基になったリメイク作品となっている。
    • 凶悪だった計略の弱体化*22、「英雄バトルロード」(武将を編成して、様々な条件下の戦いを勝ち抜いていく。武将の強化も可能)、「英雄集結」シナリオ、各種SP武将の追加など、良質な移植ともなっている。
    • 3DSの『三國志』はDS3の改良版というべき作品であり、新陣形追加、バランス調整、戦国時代の武将追加、「名君チャンピオン道場」モードなどの要素が追加されたほか、都市・勢力データのエディット機能も追加されている。
    • 一方で武将への褒美や民への施しなどは一度に渡せる上限額が低めに設定されてしまい、オリジナル版と比べると忠誠度や民忠が非常に上げにくくなってしまった。

*1 玉璽持ちの為気づかれにくいが素の魅力も91と高い。しかしその魅力を含めて武力以外は張角に劣っていて君主としては落第レベルの能力。また皇帝の外戚と言う点が考慮されているのか劉一族との相性も良好である。

*2 君主にしてしまえば逃げられなくなる

*3 「速攻」は戦闘中の移動力上昇、「強行」は離れた都市から援軍として出撃した時に戦場到着が5日早くなる。

*4 広範囲の水上の敵に確実にダメージを与える。

*5 「水計」を確実に防ぎ、さらに雨天の時に防御力が上昇。

*6 水上型陣形で、水上と沼地を普通に移動可能で「水計」の効果半減。適応地形では攻撃力・防御力・機動力いずれも非常に強い。

*7 更には呉の武将は山岳型の陣形持ちも多く、これにより史実でも検討されていた蜀攻めを非常に有利に進めることができる。

*8 君主と軍師だけは「勇名」の値に関わらず、最大20000の兵を持てる。故に文武両道で軍師の資格を持つ呂蒙などはかなり使える武将になっている。

*9 兵士数の多寡は攻撃力・防御力の両面に直結してくる重要要素。

*10 関羽の孫、関興の子。蜀滅亡時の混乱の中で殺害された。

*11 こちらから移動できないので篭城戦で敵が寄って来るのを待って迎撃するか特技で倒すしかない。一見簡単そうだが、特技は一般的なものしか無いし全能力最低の無陣では碌なダメージを与えられないので…

*12 しかもご丁寧に、実行時の掛け声も「喰らいー」「やがれぇー」である。

*13 実際は張角領の方が多い

*14 広範囲の敵に大ダメージ(全員即死)+混乱。

*15 広範囲の敵に大ダメージ(全員即死)+訓練・士気低下。

*16 味方全部隊の負傷兵を全回復し士気上昇、時折再行動も可能。

*17 ただし首領(君主)の張角は寿命が短い。また、全員シナリオ1にしか登場せず活躍できるシナリオが少ない

*18 他の術持ちと比べ知力が低く、隣接国が蜀(孔明健在)であることを考慮すればたいした強さにはならないのが救いか

*19 修行や敵将を倒すことで覚えることがあるが、共にランダム要素があり確実に覚えられるわけではない。

*20 陣形変更が誰でも使用可能に、 陣立などの技能は陣形変更後の再行動可能効果へと変更された。

*21 太守から外したり配置を変えても叛乱してしまう。 解雇する(名声低下)か次季節までに忠誠度を100にして修行させるしか防ぐすべは無い。

*22 特に術系は範囲減少、効果半減など大幅に弱体化され、更に設定で使用不可能にすらできるようになった。