Xák. - The Art of Visual Stage.

【さーく じ・あーと・おぶ・ゔぃじゅある・すてーじ】

ジャンル ARPG
対応機種 PC-8801mkIISR以降、PC-9801VM/UV以降、X68000、MSX2
発売・開発元 マイクロキャビン
発売日 1989年5月
定価 8,800円
配信 プロジェクトEGG
【PC-8801】2016年4月12日
【PC-9801】2008年2月19日
【X68000】2013年2月19日
【MSX2】2002年7月1日/上記共に500円(税別)
判定 良作

概要

 直裁に言ってしまえば、「マイクロキャビン製イース」。体当たり戦闘、お使いの繰り返しで進むストーリーなど、典型的なイースの類型ARPG。それゆえに、イース経験者には非常にプレイしやすい作りではあった。


ストーリー

人間とモンスターが共存するウェービス国。この国は250年前、巨大な力を持った怪物に襲われた。その怪物はバドゥー*1と名乗り、ウェービス国を支配しようとしていた。しかし人々を救わんと、戦いの神デュエルが現れる。バドゥーはデュエルに敗れ、魂は永久氷壁へ、そして身体は王家の聖域へ封印された。

そして現代、長らく永久氷壁に封印されていたバドゥーの魂を何者かが解放してしまった。魂のみでもバドゥーの力は猛威を奮い、モンスター達を凶暴化させた。国中は荒れ果て、国王は苦悶の表情を浮かべるしかなかった。やがて国王は、250年前に神としての寿命を手放し人間になって子を成したデュエルの子孫に助けを請う事を決意する。国王の意を受けた伝令妖精メッセンジャー・ピクシーは、デュエルの子孫が暮らす町へと飛び立った。

ウェービス国の小さな町フェアレスで、デュエルの子孫である戦士ドルク・カートを訪ねたピクシーだったが、ドルクは半年前に行方不明になっており、弱冠16歳のその息子ラトク・カートが旅立つことになった。王家の聖域には多くのモンスターが集結しつつあり、身体の封印を解くのも時間の問題であった。完全に復活してかつてのように国中に破壊を振り撒く前に、ラトクは王家の聖域へと急ぎバドゥーを葬り去らねばならない。


特徴とシステム

  • トップビューのARPG。キャラクター等身が上がったイースハイドライドと思えば、大体合っている。
  • 敵に体当たりしながら、攻撃するのもこれらと同じ。ただし、剣を装備するモードと通常モードがあり、これらを切り替えながらプレイする。前者は攻撃力が上がり後者は防御力があがる。この点はハイドライドに似ている。
  • 魔法はあるがアイテム扱い。使えば無くなる。システムとしてはない。
  • パラメーターは基本的なものだけ。また毒など特殊な状態になるようなものもない。体力は何もしないでいると勝手に回復する。
  • 武装やアイテムの選択など全てビジュアル的。
  • VRシステム*2という表現方法を用いている。どういったものかというと、要はガラスや木陰など、向こうが透けて見えるというような表現ができるようになったというもの。等身が上がったのもこのシステムのおかげ。一見なんでもないようだが、それまではプログラム上これが難しかった。当時のキャラクターに二頭身が多かったのもこのせい。ゲーム性にはあまり影響はない。
    • 本作発売時、やたらとこの表現方法を推していた。
    • クォータービューで奥行きや高さを積極的に表現している。
    • なお続編では噴水に空の雲が映り込む等、さらにビジュアル表現が進化していく。ゲーム画面で、キャラクターが動き、時に細かいながらも手足の動きを入れ、演技をすることにもこだわっていく。*3
  • ストーリーはまさに王道。悪の魔王に立ち向かう、少年剣士の話である。

評価点

  • 難易度は低く、非常に遊びやすい。まず、つまずく事なくプレイできた。だからと言ってすぐクリアできてしまう訳ではなく、ボリュームも十分。
  • 多彩なモンスター。
    • プレイしやすいコンセプトなので、モンスター側の攻撃も限られる。特に飛び道具がないため、体当たりのみとなっている。これではどこに行っても似たような敵になりそうだが、動きと体格の差でうまく違いを出している。さらにゴーストなど装備に魔法を帯びさせないと攻撃できないモンスターもおり、この点もモンスターを多彩にしている。
    • ボスも様々なものがおり、それぞれ特徴が出ている。ARPGらしいアクションが楽しめる。
  • STG要素やパズル要素など一風変わった面もある。特にARPGの中で縦STGをやる事となるのは、当時のプレイヤーを驚かせた。
  • グラフィックは当時としてはレベルが高い。
  • 独特なベースの効いたBGMもいい出来。
    • メロディーラインは同じものの、各機種独自のアレンジがなされており、かなり印象が違う。
  • スピード調整や画面サイズの調整など、当時のゲームにしては珍しくプレイ環境周りのオプションが充実している。

問題点

  • 壁でキャラクターが見えなくなってしまう。ダンジョンなどでは壁が高いため、キャラクターが手前に来てしまうと、壁に完全に隠れる。もちろんモンスターも隠れてしまう。このため手前に来たときに、不意にダメージを受けるという事がある。
    • 但しCapsLockキーで透過を切り替えればちゃんと見えるため、さほど重大な問題でもない。
  • ストーリーが少々雑。
    • ライバルらしきキャラが途中から出てくるのだが、大したこともしない内に退場してしまう。またバドゥーが復活した理由が説明不足且つ唐突。ラストバトルでの告白なので、少々拍子抜けしてしまう。
    • 他にも雑な面がいくつかあるが、それほど凝った話でもないためあまり気にならなかったりする。
    • イース同様、続編で決着が付くように設計されたストーリーなので、いたしかたない面もあるが。
  • セーブ個所が一箇所しかない。このため、ある場所でセーブすると詰んでしまう可能性がある。
  • 特に『イース』と類似している点があること。
    • 当時のゲーマー達で流行した有名な言葉に「サークはいーすね」というのがあった。これは「サークは良いですね」というのと「サークはイースそっくりね」という、ダブルミーニングの評価なのである。

総評

 ハイドライドから生まれイースで一つの完成を見た、PC用トップビューARPGのフォーマットを、そっくりそのまま受け継いでいる。
 プレイしやすいのはもちろんのこと、完成度も高くボリュームも十分。イーステイストなARPGで、イースに並ぶ出来のソフトが他に無かったこともあり、当時のPCゲーマーから好評を博した。
 続編や外伝も製作された本作は、マイクロキャビンの看板ソフトへと育っていくことになる。


移植

  • 後に発売されたコンシューマー機版はSFC版・PCE版ともに出来の悪い移植で、芳しい評価は得られなかった。

余談

  • マニュアルイラストは幡池裕行(漫画家の伊東岳彦)。パッケージイラストは別で、画家やアニメの美術スタッフとして活動していた田中資幸という人。
  • 3年後が舞台になっている続編『XakII』でXakIは「聖歴753年(3年前)」と年表が設定されたが、バドゥー来襲は「聖歴553年(253年前)」というおかしな数字になっている。
    • そして『XakIII』で「聖歴753年」「聖歴553年」という数字のほうが残ったため、バドゥー来襲は200年前だったことになってしまった。