この項目ではPS2用ソフト『THE 地球防衛軍2』と、移植版であるPSP用ソフト『地球防衛軍2 PORTABLE』及び、PSV用ソフト『地球防衛軍2 PORTABLE V2』及び、Switch用ソフト『地球防衛軍2 For Nintendo Switch』の紹介をしています(判定はいずれも良作)。



SIMPLE2000シリーズ Vol.81 THE 地球防衛軍2

【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむはちじゅういち ざ ちきゅうぼうえいぐんつー】

ジャンル 3Dアクションシューティング
対応機種 プレイステーション2
発売元 D3パブリッシャー
開発元 サンドロット
発売日 2005年7月28日
定価 2,000円(税別)
判定 良作
SIMPLE2000シリーズ
地球防衛軍シリーズ


「特別報道です。巨大生物が、再び出現しました!!」



概要

SIMPLEシリーズ最高傑作の呼び名が高いシューティングゲーム。
その完成度から、約20万本とSIMPLEシリーズの中でもかなり上位の売上*1を記録した『1』の続編である。

豊富な武器とミッション、サクサク進めるものから手ごたえのあるものまで揃った難易度と2,000円とは思えないボリュームとクオリティ。
群れをなして襲い来る巨大生物の演出や、ステージ中のあらゆる物を破壊できる爽快感はサンドロットならでは。


特徴・評価点

システム

基本事項は前作とほぼ同じなので、そちらの記事も参考。

  • ジャンルはいわゆるTPS(サード・パーソン・シューティング=3人称視点STG)。操作方法に少し癖はあるが、慣れれば精密射撃もお手の物。
  • ステージ総数は71。前作の2倍以上。前半は地球に再来した前作のラスボス・マザーシップと対決するのだが、後半は……?
    • CD媒体という都合もあり、似たようなマップや似通った展開も見受けられるが、それでもバリエーション豊かと言えるレベルではある。
  • キャラクターは前作から続投の“陸戦兵”の他、新しく“ペイルウイング”が追加された。それぞれ使用可能な武器などの特性が全く異なるため、同じステージでもプレイ感覚や攻略法が違ってくる。
    • 陸戦兵(正式名称・EDF陸戦歩兵部隊隊員)
      • 実弾兵器主体の男性隊員。豊富な爆破武器やスナイパーライフルを駆使した中~遠距離戦が身上。
      • ペイルウイングより機動性は劣るが、その分アーマー取得による体力増加量が大きい。
      • 戦車・戦闘ヘリ・エアバイクの3種の乗り物を操れるため、ステージによっては空中移動や高速移動も可能。乗り物にも耐久力があり、搭乗中に受けたダメージは乗り物が引き受けるため、「防具」代わりに利用することもできる(超巨大爆発を起こす隠し武器を至近距離に撃ち、すぐに乗り物に乗って身を守りつつ敵群を一網打尽にする戦法など)。
      • 敵の死骸の仕様変更(後述)などにより、近距離での乱戦は苦手。また陸に逃げ場のない爆撃機ステージも苦手。
      • ステージとの相性もあるため一概には言えないが、多様な状況に対応できる武器と高い体力、さらに乗り物の存在により、本作の入門用としても勧められる兵種。
    • ペイルウイング
      • エネルギー兵器と飛行デバイスを駆使して闘う女性隊員。侵略者のテクノロジーを応用したエネルギーユニットを装備しており、攻撃と飛行にはユニットからのエネルギーを使用する。
      • 飛行はエネルギーがある限りどんな状況でも可能で、速度もそこそこ。陸戦兵よりも動き回りやすく、アイテムも回収しやすい。
      • 射程は非常に短いが猛烈な瞬間火力を誇るレイピア・ランス系武器、やはり射程に限りはあるが地形や障害物で反射するビームを放つ雷撃系武器*2が代表的な武装。それらに自在な飛行移動を組み合わせた近~中距離戦を得意とする。一方で遠距離兵器は性能が低く(最強の遠距離武器ですら、HARDESTの後半でもはや力不足というありさま)、遠距離戦は不得手。
      • 雷撃系武器のビームは射程限界まで反射して伸びるため、単発ヒットでは少々頼りない狙撃用雷撃兵器も、閉所では高い殲滅力を発揮する。
      • エネルギーは自動回復するが、使い切ってしまうと緊急チャージ状態となる。この間は飛行できなくなるうえ、発砲時にエネルギーを消費する兵器*3も使えない。そのため、エネルギー管理には常に気を配る必要がある。
      • 空中移動は大きな長所だが、体力が上がり辛いので無理な特攻は厳禁。その割に交戦レンジが中距離以下になりがちで、攻撃と回避のエネルギー配分にも悩まされる。そうした特徴から比較的上級者向けとされているが、レイピア特攻で大物を瞬く間に沈められるなど、相性のいい敵にはとことん強い。
  • それぞれ全く違う性能を持ち、ステージごとに相性の差はあるが、どちらかの兵種でなければクリア不可というミッションは存在しない。序盤や低難度ミッションではペイルウイングの方がやりやすいという声もあるが、高難度及び終盤ミッションになるにつれて両者の差は縮まっていく。このあたりの調整は見事といえる。
  • 豊富な武器。陸戦兵は全7種類133個、ペイルウイングは全8種類157個。
    • ステージに持っていける武器は一度に2つだけ。この制約が戦術性を高めている。
      • 同じ武器を装備し、即座に持ち替えることで一度に連射できる数を2倍に引き上げるテクニックも。
    • 数多くの武器の中にはネタ武器もある。「重すぎて遠くに投げられず自爆するグレネード」「水平八方向に弾を発射するが、敵は立体的に襲ってくるためほとんど意味がないレーザー」「頼りない煙を発射する殺虫剤」など。
      • しかしそう見えて縦に長い(深い)ステージや、ヘリ等に乗り超高度からの爆撃、稼ぎプレイによって増えた体力にものを言わせた自爆巻き込みなどに使用可能で侮れない。
    • 非常に強力なレア武器もあるが、それらは出現率が極めて低い。このレア武器の収集も楽しみの1つである。
    • 各難易度をコンプリートするごとにおまけ武器が入手できる。
      • 「威力が凄まじすぎて自分すら死にかねない武器」「敵に満足に攻撃が届かない」「攻撃力100万」…と基本的にネタ武器が多いが、実用的な武器もある。
  • 難易度は易しい順からEASY・NORMAL・HARD・HARDEST・INFERNOの5つ(+ IMPOSSIBLE)。
    • EASYはお手軽に無双感を味わえる。
    • HARDEST以降は別次元の難易度にがらりと変わる。
      • 正確な操作、効率的な立ち回り、適切な武器選択、アーマー・武器稼ぎ、そして何より綿密な作戦が要求される。
      • ザコ敵の攻撃1発で耐久力を4桁も奪われるほどの信じられないほどの高難度に多くのプレイヤーが魅了され、100時間どころではすまないほどこのゲームにのめりこむこととなった。
      • INFERNOは慣れてくるとHARDESTが簡単に思えるほどの、文字通り地獄のような難易度である。
      • またINFERNOでは単にステータスが上昇するだけでなく、攻撃の方法が変わる敵もいる。ムカデはその最たる例でHARDEST以下では正確な狙いの攻撃を行うため動いていればほとんど攻撃が当たらないのだが、INFERNOではめくら撃ちを行うため遮蔽物に隠れなければ体力がガリガリと削られる難敵と化す。
      • ちなみにINFERNOをクリアするなら体力が5000以上、(それなりに)安定してならば10000程度が目安とされる。まさに生きるか死ぬかの世界。
    • さらにINFERNOを2キャラとも全ステージでクリアすると、更に上位の難易度である「IMPOSSIBLE」が登場する。
      • 敵の能力値がINFERNO以上に強化される上、プレイヤーキャラのライフが陸戦兵は1000、ペイルウイングは500に固定される。
    • 本作は高難度で有名だが、HARDまでなら手軽に楽しめる。そして武器を除けば別に無理をして高難易度にチャレンジする必要はないので、ライトゲーマーからヘビーゲーマーまで、あらゆるゲーマー層が楽しめるアクションシューティングゲームとなっている。
  • 画面分割による2人同時プレイと対戦プレイに対応。難易度の高いミッションを協力してクリアすることもできる。
  • 前作と異なり、敵の死骸にも接触判定がある。また敵の死骸が長時間残り続けるようになった(一定時間経過で消滅)。

爽快感

  • このゲームの醍醐味は爽快感の一言に尽きる。
    • わらわらと群がる巨大生物、大挙して飛来するUFO、地を揺るがす怪獣をたった1人(2人)で、あくまで人間の視点からなぎ倒していく。クリア時の達成感もひとしお。
    • マップ中のオブジェクトはほとんどが破壊できる。敵の攻撃で破壊されるのはもちろんのこと、こちらからの攻撃でも破壊できる。
      • 遮蔽物としても活用できるし、爆発系武器でぶっ飛ばして視界を確保する戦略も可能。あくまで“地球”防衛軍なので、地球さえ守れればそれでいいのだ。
  • 何よりミッション攻略の自由度が非常に高いため、上記の爽快感を阻害する要素が少ない。
    • サンドロットの過去作品では護衛対象になる建物や自動車等の破壊でミッション失敗になったり、あるいは建物を護衛することができればプレイヤーキャラ強化の資金を獲得できるため実質的に被害に配慮する立ち回りを強いられることになるという形式が取られていたが、本作(前作も)にはそういった要素が一切存在しない。
    • ミッションの成功条件は敵の全滅・特定の敵撃破・時間内生存だけである。その目的のためなら何でもしてよく、ストレス発散に建物を壊しても、戦略のために建物を犠牲にしようが、市民を攻撃したり囮にしたりしようがペナルティは一切無し。無駄なストレスを感じることなく破壊活動…ではなく地球防衛に挑むことができる。
      • 壊れた建物も以降のミッションで何事も無かったかのように謎の復活を果たすし、市民も絶対に死なないので、負い目を感じることが一切無いこともポイントである。
      • ちなみに市民を戦車でハネても、吹き飛ぶだけですぐ立ち上がって元通り逃げ始める。それどころかバイクの場合バイクの方がダメージを受けて進路から外れる。ホントに人間なのだろうか…?
  • 一回当たりのミッションの所要時間は短いものが多く、気軽にプレイすることができる。そしてさっくりクリアできるため、つい次のミッションも遊びたくなるという絶妙な中毒性を持っている。
    • さすがに高難易度・終盤になるにつれて敵の供給回数や敵戦力の強化に伴い所要時間も長くなることが多いが、そこまでプレイする頃には戦略の立案など別のことにハマっていることが多く、気が付けば思った以上に時間を使ってしまっていたというパターンになりがち。
    • 高難易度のバランスの悪さなどは問題点として挙げるが、ミッション番号と難易度・所要時間増加の関連は割合しっかりとできているために、上記のようなハマるプレイヤーを多く生み出している。

演出・デザイン面

  • 後続作に比べると街の小物は少ないが、形状の豊富なビルや山岳地帯の線路など町の作り込みはなかなか細かい。
    • ステージ1はロンドンが舞台であり、ウェストミンスター・ブリッジ・ロード上が開始位置。目の前にビッグ・ベンがある立地上、プレイヤーの試し撃ちや八つ当たりで破壊されやすい。これほどビッグ・ベンに敬意を払わないゲームもないだろう。ちなみにスタート地点で右奥を見るとロンドン・アイもある。
    • 住宅街では電線が風に揺れているという表現もされており、細かい仕事が光る。
    • 一部のビルは玄関部分にちょっとした隙間があり、建物を破壊しないタイプの武器と多めのアーマーさえあれば籠城も可能。下記の『2PV2』では、「近衛兵団」に機関砲×2とパーソナル シェルターを持ち込めば手軽に荒稼ぎ可能。
  • 効果音もかなり強烈。蜘蛛を撃破した時の破裂するような断末魔、UFOに攻撃を当てた際の金属音、ショットガン「ガバナー」の次弾装填の「ジャキイン」という音など、安っぽいながらもインパクトの強い音が多数ある。
  • 皇帝都市出現の空間の歪みやムービーでのソラス紹介のいかにも怪獣映画なカメラワークなど、演出全般に気合が入っている。
    • ミッション中でもカメラ演出が入ることがあり、輸送船の撃墜など映画的演出はインパクト抜群。
  • ミッション中の仲間の無線も力が入っている。
    • 本作の場合は「熱い無線」よりは「ネタとなる無線」が多い。突然発狂する隊員、たった1人で圧倒的戦力を誇るプレイヤーを人外扱いする者、「敵の罠です!」に代表される無能な上層陣などなど…。勿論、ネタばかりではなく士気高揚するような無線も入る。

  • 敵は一昔前のB級SFのノリであり、うさんくささ爆発のデザインが特徴。
  • 前作から引き続き登場の巨大生物はどう見ても蟻。虫嫌いが見たら鳥肌が立ってしまうほどリアルでデカくて気持ち悪い。
    • そんな巨大生物、前作では蟻呼ばわりされていたが本作では呼ばれない。
    • また本作では、空中を自在に飛び回る「羽蟻」が登場。UFOとは違った空中戦を繰り広げる。耳を澄ますと羽音が聞こえてきたりする。
  • 更に本作では新たな巨大生物として蜘蛛とムカデが登場(蜘蛛については後述)。
    • ムカデはさながら歩く迫撃砲。体節ごとに強酸を曲射してくる。が、見た目の気持ち悪さの方が凶悪。しかも本来は無数の巨大生物が連結した敵であり、ダメージを受けた部位から分裂するという特性を持つ。特に最前部と最後部は千切れると光沢からゴキブリにも見える。
  • 本作から、巨大生物の巣が登場。ステージに点在する巣からは巨大生物が無限に現れる。中には「塔」としか言いようのない巨大な巣も。
    • ただ巣の発生場所は固定のため、次の巣が発生する場所に待機しておけば巣を一瞬で破壊できてしまう。このうち巨大な巣は瞬間火力に欠ける陸戦兵では倒すのに非常に時間がかかるという欠点がある。
  • 宇宙怪獣ソラスはまるっきり昔懐かしの着ぐるみ怪獣。上位種の圧倒的なデカさ(出てくるだけで処理落ちを起こす)は語り草。
    • 見た目のインパクトに騙されがちだがその実巨体故に小回りがまったく利かず、慣れると稼ぎプレイに活用されてしまう。人呼んで「カワイソラス」。
    • 一方で最上位のキングソラスはかなり素早いうえにマップ広範囲を火炎で焼き払う難敵と化している。カワイソラスの愛称が気に食わなかったのだろうか?
  • 敵の新メカも登場。特に巨大兵器ディロイは、圧倒的な耐久力・高火力かつ障害物が無いと避けるのがほぼ不可能なレーザー攻撃・奇怪な動きによる高い回避力と、多くのプレイヤーを苦しめた。
  • ラスボス「浮遊都市アダン」は超巨大UFO。推定数キロにも及ぶ巨体で、マップ全域よりさらに大きい。下面に配置された砲台からおびただしい数の砲撃を加えてくる。もちろん処理落ちも完備。
    • だが何より恐ろしいのは、こんなものすら1人で倒してしまう主人公である。上述の市民といいこの世界の住人は本当に人間なのだろうかと思いたくなること必至だろう。

問題点

全般

  • ミッション数が多い上に敵やマップは使い回しも多く、だれやすい。イージーをクリアするまでに概ね10時間程度はかかるほど。
    • 評価点で上げた通りハマりやすくなる構造にはなっているのだが、ある程度遊んだら単調で飽きてしまうというプレイヤーも少なからず存在した。
  • 処理落ちが非常に多い
    • 前作でも処理落ちはあったが、本作の処理落ちは誇張抜きで「紙芝居」状態になるため流石に擁護はできない。状況によってはプレイに支障を来すレベル。
    • 特に巨大爆撃機の爆撃・超巨大怪獣の処理落ちがとても酷い。PS2本体への負担を軽減するための仕様であるらしいが、ラスボスが発狂パターンに入ると本来のゲームスピードが分からなくなってしまう。
    • 評価点に「殆どのオブジェクトを破壊できる」とあるが、攻撃範囲の広い武器でそんな事をしようものなら盛大な処理落ちに見舞われる事となる。協力プレイなら尚更。
    • そのあまりに豪快な処理落ちっぷりはまた「一種の演出」「映画のようでカッコイイ」とプレイヤー間でネタにされ楽しみの一つになってしまう程。
      • サンドロットの過去作でも処理落ちはつきものであり、ハードを移した次作『3』『4』でもやはり処理落ちしたことから「メモリが余ったら処理落ち改善より先にオブジェクトと演出を増やす会社」などと揶揄されることも。それでも本作ほどのレベルは流石に無くなってきているが。
  • 無線では友軍の会話が聞こえるが、実際の戦場では自分以外のEDF兵士は一切登場しない。
    • ハードの制約など開発上の都合と思われるが、さすがに不自然だったのか、次作『3』以降は多数の友軍兵士が登場するようになった。
    • なお、本作の無線の中で「ペイルウイング指揮官」の声だけは何を言っているのかわからないほど音が割れている
  • シナリオ『重装鉄球』では、敵の一部が画面の外に飛び出して行ってしまい、倒せなくなるというバグが起こり得る。そうなったらクリアできないので再出撃するしかない。
  • アイテム回収
    • 前作からの問題で、敵の落としたアイテムを回収することでプレイヤーが強化されるのだが、敵を全滅させるとマップ上に残ったアイテムは回収されない。そのためわざわざ敵を少数だけ残し、マップ上のアイテムを自力で拾い集めることになる。足の遅い陸戦兵だと特に面倒。
    • 洞窟内の高い壁など、陸戦兵では取れないような場所にアイテムが引っかかってしまうことがある。
    • プレイヤーの耐久力はアーマーを拾うことで上昇するが、下げる方法は無いため、縛りプレイがしづらい。
  • 音楽面
    • サンドロットの前身であるヒューマンのスタッフだった高田雅史氏が担当。楽曲としての個々の質は低くはないが、総じて単調なメロディの繰り返しで絶望感を煽る曲が多く、派手で格好いい曲が少ないため地味な印象が強い。特に地底ミッションのBGMは使われるミッションの少なさもあって印象に残りにくい。
      • 曲自体、一部を除き、大半が前作の使い回しである。
      • 音質そのものも全般通じて高くはない。
    • あるBGMのイントロ(の出だしのほんの一部分)が「君が代」に似ているとネタにされることがあるが、その曲全体の質を評価する声は少ない。
    • スタッフロールの曲は明るいものの何故かオシャレな雰囲気の明るさで、前作や『3』のようにしんみりした余韻を残すものでも『4』のように勇壮さを出すものでもなく、長いミッションの末にこの曲で脱力したという意見もある。
    • 例外は最終ミッションのクライマックスでも使われる曲*4で、他のBGMと比べて重厚で派手な曲調になっており、使われるミッションの展開にもマッチしていることから評価が高い。
      • 『3』でもサプライズ的に使われ『4.1』ではDLCミッションで採用されるなど、シリーズを代表する曲として定着している。
    • 音楽を使用した演出という点でも、浮遊都市の初登場や超巨大怪獣登場、最終ステージなどごく一部を除きステージの進行状況でBGMが変化することはなく、大抵は開始時のBGMがクリアまで流れっぱなし。この点も単調な曲が多いという印象を強くしてしまっている。
    • 余談だが『3』ではBGMを一新しつつも基本的に本作の方針を受け継ぎ、『4』以降はメロディアスな曲が増加、最低一曲は派手で勇壮な曲が採用されるなど方針転換とも言えるほどBGMの方向性が変化している。また進行状況によってBGMが切り替わる演出も増え、全体的にメリハリがつくようになった。
    • なお、前作と同様サウンドトラックは未発売だったが、2023年にシリーズ20周年記念として当時のナンバリング最新『6』までの全曲を収録したサウンドトラックが発売されることになっている。
  • 本作は「いかにも36面が最終面であるかのように見せかけて、実は71面まで続く」というサプライズ演出があるのだが、それまでの面に登場しない敵がパッケージで紹介されているため、続きがある事が予想できてしまう。
  • 操作方法は1本のスティックで移動・照準は自動でボタンで射撃の「ノーマル操作」と、2本のスティックで移動と照準操作を行う一般的なTPSスタイル「テクニカル操作」が用意されているが、はっきり言ってノーマル操作は使いづらくテクニカル操作一択である。
    • 照準が一番近い敵に勝手に向くため合わせにくく、弾道や弾速や敵の移動速度を考慮してくれないので撃った後に移動されて当たらないことも多く、視覚的にも酔いやすい。「ノーマル操作の方がテクニカル」と言われることも。
    • 『4』までノーマル操作は続投したが、『4.1』以降は兵科の増加でそれぞれの操作形態が異なることもあってかついに廃止されることになった。

ゲームバランス

  • 雑魚敵「蜘蛛」の火力が別次元。下手すればボス級。
    こいつのせいで本作の難易度は、前作と比較にならないほど飛躍的に上昇している。
    • 蜘蛛の攻撃手段である糸吐きが大問題。吐かれた糸はすぐには消えず一定時間残り続け、糸が体に触れていると常にダメージを受け続け、動きも鈍る。糸1ヒットだけでもそこそこ痛いのに連続で受け続けるのはきつい。
      • おまけに糸は一度に数本発射されるため、本数分だけ威力も増加。大抵の場合は糸だけで他の雑魚からの数発分、下手をすれば十発分を超えるダメージというデタラメな威力になってしまっている。
      • しかもこの糸は壁や建物などの地形を貫通することがあるので、思わぬ場面で体力を削られることも。
      • 調整ミスではないかと言われていたが、次回作『3』でも相変わらずの性能だった。一応他の巨大生物よりも蜘蛛本体の耐久力が下げられ、バランスはある程度取られた。
    • 体力は普通に雑魚なので、近づけさせず殲滅するのが一番の対策になる。ピョンピョン飛び回るせいでそれも結構難しいのだが…。
    • 蜘蛛だけでなくディロイのレーザーも似たようなものだが、こちらは登場ミッションや数が少なく、蜘蛛ほどの機動性も無いのでそれほど問題視はされない。
    • 以上の事から、高難易度では「蜘蛛」だけは絶対に近寄らせないのが鉄則となっている。至近距離まで来られたら基本その場でTHE END
      • もっとも近寄らせなければ脅威ではない、と言い換えることもできるのだが。熟練隊員にとっては最高難易度の終盤ミッションでは戦車やバイクに追いついてくる空爆や羽アリ、降車時に乗り物を破壊してくるムカデや大蜘蛛などのほうが脅威とされている。
  • 武器の性能
    • 武器の種類は豊富だが、実用性という点では武器選択の幅は広いとは言えない。
      • 特定の系統の最上位武器が他の系統の最上位武器に色々な点で劣っており、最終的にはその系統の武器がほぼ使われなくなってしまうなど、武器の種類間のバランスも良いとは言えない。
      • 特に高難易度になるほど選択の幅は狭くなり、攻略に適したごく一部の高性能武器のみに絞られやすい。
    • 前作では敵が死骸になると即ミサイルの追跡対象から外れたが、本作では死骸となってもしばらく反応が残り、死体めがけてミサイルが飛ぶという現象が起こる。これによりミサイルの信頼性が低下しており、特に集団の敵には不向き。ミサイルの性能もロケットランチャーに喰われているものが多い。
      • また前作からの特徴で、「ミサイルは撃った瞬間にプレイヤーから一番近い敵を追尾する」という仕様になっている(任意にロックオンができない)。敵から逃げながら撃てるというメリットもあるが、扱いづらいというデメリットも大きい。
    • 凶悪過ぎたレイピアの火力
      • ペイルウイングの装備「レイピア」はリーチが短い代わりに、その火力は非常に高い。
        初期装備のレイピアでさえ、最高難易度の最序盤の敵くらいなら何とかなってしまう。
      • 後のシリーズでは多くで威力を下げられており、その調整を嘆く声も多いが、バランスという点では本作のレイピアの性能がぶっ壊れていたと言わざるを得ない。
  • ステージの攻略法
    • 陸戦兵はエアバイクに乗ると敵を振り切ることができ、かなり安全に攻略できる。エアバイクでステージの外周を逃げ回りながら敵を殲滅するという作業的な戦法が半ばセオリー化しているため、その辺りのバランスが悪いと言われている。
      • 無論、乗ったからといって余裕でクリア確定とはいかない。高難度では追い付いてくる敵も存在するため、常にエアバイクが壊れないように細心の注意を払いながら戦う必要がある。そもそもエアバイクが存在しないステージや、配置場所が遠くて乗るのが困難というステージもある。
    • 高難度になるとザコ敵の一撃でも極めて危険なので、とにかく敵を近寄らせない戦い方が基本になる。
      • 爆発系武器や、汎用性の高いスナイパーライフルなどへの依存が強くなり、多くのステージで同じような武器を選択することになる。アサルトライフル等はほとんど使い道が無い。
      • 前述のエアバイク逃げ回り戦法に頼らざるを得ない場面もある。
      • 耐久力の上がりづらい近距離戦特化型のペイルウイングにとっては「近距離戦はなるべく避けるべき」という皮肉な事態が起こる。
    • 自爆戦法*5や地形すり抜けバグといった、不当な攻略法が存在する。
      • ただしこれらは遊びの幅を広げている面もあり、一概に問題点とも言い切れない。
    • 高難易度を実力だけで突破するには限界がある。
      • 特定のステージではノーダメージ攻略は実質不可能であり、アーマーの耐久力に頼らざるを得ない面が出てくる。あるいは運で切り抜けるか、自爆戦法やすり抜けバグなどを利用するか。
      • 主人公の体力が低いほど運要素が強くなる(敵の包囲網を運良く潜り抜けられるかどうか、など)。長い時間を掛けてアーマーを稼ぎまくれば余裕は出てくる。
      • このようなゲームにもかかわらず、難易度IMPOSSIBLEでは「体力が貧弱な値かつ固定」という過酷な仕様。あまりの無理ゲーさ故に、IMPOSSIBLEではバグ利用もやむなしといった見方も少なくない。
      • 一応、IMPOSSIBLEではINFERNOクリア特典の強力な武器を活用できるが、それでも限界がある。
    • 陸戦兵の移動中は、緊急回避を連発して転がりながら高速移動するのが基本であり、見栄えの問題がある。乗り物は必ずしも乗りたい時に乗れるものではなく、長距離を延々転がり続ける場面も少なくない。
  • やり込み要素の廃人仕様
    • 各難易度をクリアするとステージの説明文に勲章が付きクリアの証となる。だが、高難易度をクリアしてもそれより下の難易度の勲章は付かない。しかも陸戦兵は左半分・ペイルウイングは右半分と勲章が別個なので、勲章を完成させるためだけにわざわざ数十時間かけ両方の兵種で低難易度をクリアしなければならない。
      • 「協力プレイ」モードにて両方の兵種でミッションに挑めば、それぞれの勲章を一度に達成することはできる。単独プレイ時よりも遥かに時間効率が良いので、1人でプレイする場合であっても、「協力プレイモードにて片方のキャラは放置でプレイする」という奇妙なプレイスタイルも引き起こされている。
    • シークレット武器と呼ばれる武器の入手確率は、具体的な確率は明らかではないが、「最高難易度の最終ミッションで1/1000の確率」程度と極めて低い。インフェルノを制覇した人でも、シークレット武器は制覇できなかったという人も多い。
      • 前作でも武器入手に関するマゾい仕様があり、批判され気味だったが、総数が少なく、割と安易な稼ぎパターンがあったため多少気になるレベルだった。
      • シークレット武器の獲得のための涙ぐましい稼ぎは後を絶たなかったが、遂に2009年に電源パターンを利用したシークレット武器の入手方法が完全に確立された。
    • 高難易度をクリアするためには、低難易度で延々アーマーを稼ぐ作業をこなすことが半ば前提になっている。
      • 一応稼ぎポイントはあるので、詰まったら有効活用しよう…と言うか、HARDESTあたりで否が応でもやらなければならなくなるが。
      • 効率の良い自動稼ぎも存在するが、それでも十分な量まで稼ぐには何時間、十時間以上ものプレイ時間が掛かる。一度放置すれば良いというわけでもなく、一度のミッションで上昇できる量には限界があるので、何度もやらなければいけない。
      • 前作に比べてアーマーの強化率が下がっているのも辛い。陸戦とペイルで別々だし、装甲が薄いペイルは特にキツい。1周が伸びたためのバランス取りだろうか?
      • ステージ数に対するアーマーの耐久力上昇量の比率は『1』と『2』でさほど変わらないのだが、実際の上昇量の低下・前作とは比べ物にならない本作の敵の攻撃力を考えると、本作のアーマーの強化率は明らかに低いと言える。
    • もっとも、本当に上手い一部の人間はそれらの要素を逆手にとり縛りプレイ要素の一部として難易度INFERNOを稼ぎ無しでクリアしたりしている。動画サイトなどに多くの動画がアップロードされているので興味があるなら見てみるといいだろう。
      • ただし、ポンポンとクリアしていく動画を見ただけで「簡単だ」等と思ってはいけない。
  • ムカデ型の敵との戦闘中に「爆発系の武器を使うと敵を分裂させてしまうから使用を控えろ」という通信が入るが、実際はどの武器で攻撃しても条件を満たすと分裂する
    • ムカデ型の敵は爆発系のダメージを半減するという特性と、爆発系ダメージを与えると分裂しやすいという特性を持つ*6
      相性が悪いことは確かだし、詳しくデータを晒すわけにはいかない事を考慮すれば、それ程間違ったアドバイスを送っているわけではないのだが…。

総評

値段の割にかなり遊べる良作。
問題点も多い荒削りなゲームであり、前作より悪化している部分もあるのだが、ボリュームの多さと基本的なゲーム内容の魅力は大きく、SIMPLE2000シリーズにしては異常なほどのクオリティと言える。

これだけのボリュームで2100円は安すぎる。「金返せ!」と言いたくなるゲームは珍しくないが、「金大丈夫か?」と言いたくなるゲームは珍しい。


その後の展開

  • 「金大丈夫か?」という声に応えてか、360で次回作となる『地球防衛軍3』がフルプライスで発売。独立したタイトルとなったため"THE"と"SIMPLEシリーズ"を冠していない(詳しい内容は当該項目で)。
    • それ以降『地球防衛軍』シリーズは長らく出ていなかったが、2013年にやはりフルプライスで『4』が発売。その後、外伝作品含め数々の作品が続く人気シリーズとなった。
  • 「ファンタジー版地球防衛軍」と形容できる作品も2010年にWiiで登場。それが『斬撃のREGINLEIV』である。
    • Wiiリモコンを武器に見立て巨人たちをなぎ倒すという、Wiiの性能を十二分に発揮した傑作である。取得が非常に難しい、みんなのニンテンドーチャンネルでの最高評価であるプラチナを発売から半年経っても維持し続けていることからも、評価の高さがうかがえる。
  • 2010年12月にPSPへの移植作『地球防衛軍2 PORTABLE』が、海外版の『Earth Defense Force: Insect Armageddon』が制作された。
  • SIMPLEシリーズとしては初めて、単独で攻略本が発売された。
    • しかし僅か80ページと薄く、内容にしても「攻略」と呼べるほどのものではない。また開発元の公式ではない「非公式設定集」なる、意味不明なコーナーまである。装備品リストは役には立つ。
  • 2021年7月15日に3度目の移植である『地球防衛軍2 for Nintendo Switch』がSwitchで発売された。

地球防衛軍2 PORTABLE

【ちきゅうぼうえいぐんつー ぽーたぶる】

ジャンル 3Dアクション・シューティング

対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 D3パブリッシャー
開発元 サンドロット
クラインコンピュータエンタテインメント
発売日 2011年4月7日
定価 通常版:5,040円
ダブル入隊パック:6,279円
廉価版 PSP the Best:2012年7月5日/1,890円
判定 良作

概要(PORTABLE)

PSPへの移植作品。移植に当たり様々な変更が加えられている。

ちなみにPSP版の通常版は値段が5,040円もする。
その理由として、PS2版は以前サンドロットが開発した『ギガンティックドライブ』のエンジンを流用したことで開発コストを抑えられたのだが、PSP版は移植の際に多数の手直しをするコストが嵩んだことで、フルプライスでなければ開発費を回収出来なかったという。

初回生産限定でソフト二本を同梱した『ダブル入隊パック』も6,279円で発売。こちらは一本あたり3,000円程度になる。
あまりにも謎すぎる販売戦略だが、一応過去にはこんな例もあった。


変更点

  • 新たな敵の登場
    • 黒蟻の強化版である通称「金蟻」や、蜘蛛の強化版である通称「鎧蜘蛛」に加え、赤蟻の強化版である通称「紅蟻」が登場する。
  • ミッション追加
    • 71だったミッションにさらに7追加され78となった。
  • 武器の追加・一部武器の仕様変更
    • 陸戦兵にはスナイパーライフルと一部特殊兵器を除き上位種が追加。たとえばロケットランチャーには『3』のスティングレイMFに近いゴリアスEMが追加されている。INF終盤の蜘蛛などは一撃で倒せないが、体力の低い航空戦力は最後まで一撃で撃破できるのでGランチャーとの差別化が図られている。さらにリペアスプレーがリバーサーという武器に変更、種類によっては自分の回復も可能になった。
    • ペイルウイングにはルオンノタルなど一部に『斬撃のレギンレイヴ』の武器と同じ名称の武器が追加されている。また、プラズマランチャー系の武器の威力などが見直しされ遠距離でもある程度の威力を出せるようになった。
  • 自爆の仕様変更
    • 自分や味方の攻撃で倒れた場合には倒れている間に無敵時間が無くなった。徹底的に自爆戦法をつぶしに来たと言える。
  • 協力が4人まで可能になった。
  • 回復アイテムのデザインが「白地に赤十字」から「赤地に白十字」に変更され、ゲージ類のデザインも変化した。
  • 陸戦兵で、ある武器を使ったバグが修正されている。当然、そのバグを利用した戦法は使えなくなった。
  • 一部のミッション説明文が変更されている。
    • ミッション55「奈落の罠」は、PS2版では「敵の数はそれほど多くない」「全て倒すことができれば作戦は成功」という説明文だったのだが、追加ミッション「金色の闇」(ミッション56)に説明文が流用され、「先行した部隊が待ち伏せを受けた」というものに変えられている。
    • なお、「奈落の罠」はミッション説明文に反して 狭い地底ステージで四方八方を蜘蛛に包囲される状況から開始しそれを本部オペレーターが「敵の巧妙な罠」扱いする というツッコミどころ満載の内容で、説明文とのギャップとクリア時のオペレーターの更なる酷い発言から「本部の罠」ネタとしてプレイヤー間では有名だったのだが、この変更により若干ネタ性が薄れている。
      • 説明が流用された「金色の闇」も、簡単そうな内容に見せかけて新しい敵の登場という罠を仕掛けている内容だが。

評価点(PORTABLE)

  • シリーズ最大のウリである爽快感は変わらず。PS2版の特徴はきれいに受け継いでいる。
  • さらに携帯機なので持ち運び可能になりプレイできる機会も増えた。
  • 4人までの通信協力プレイの搭載。
    • アドホック通信によって協力プレイ4人で地球を守るのはとても楽しい。
    • PS3のアドホックパーティーなどを利用すれば顔を合わせずオンライン協力プレイも一応は可能である。
    • ミッションクリア後の僅かな時間に殺し合いが始まったりする。それもまた楽しい。
  • PS2に比べ処理落ちが減った。それでもかなり処理落ちはするが。
    • 爆発エフェクトの処理落ちは酷くなったという意見もある。
    • 少なくとも「巨大怪獣の登場だけで処理落ち」というギャグのような現象はなくなっている。
  • PS2の「地底ミッションで画面外に落ちた敵を倒せなくなり再出撃しなければならなくなる」というバグに対し対策が取られている。
    • ただしバグの発生自体をつぶしているわけではなく、むしろ発生頻度は増えている。

問題点(PORTABLE)

  • グラフィックが劣化している。
    • 蟻などはPS2版だと無駄にリアルで細部まで書きこまれたグラフィックだったのだが、PSPではポリゴンがカクカクになりテクスチャもあまり細かくないものとなり生々しさが減っている。
      • ビルも、PS2版ではポリゴンモデルが割と細かく作られていたのが、本作では直方体のモデルにテクスチャでビルの形に見せるというものになっている。
    • もともとゲーム性が売りでグラフィックについてはあまり問題とされないシリーズではあるが、本作の場合ここに見過ごせない問題が存在する。
      ビルの形状が単純化したことで、PS2版で有効な戦術とされていた「ビルの玄関にたてこもる」戦法が使えなくなっているのである。
  • 凶悪なバランスは変わらず、むしろ悪化。
    • 武器に一部強化が施されるなどバランス調整の痕跡は見られるが、それでも不十分。PS2での戦法の一部が通用しなくなったことと新しい敵が凶悪なことなどが原因。
      • 前述の金蟻は酸の量と速度と単発の威力・高い耐久力によって低い難易度でも高難易度の黒蟻レベルの強さを誇る。鎧蜘蛛も同様。なお紅蟻は単発威力と耐久力こそ高いが、移動速度が遅いためむしろ赤蟻の方が強いとされ、武器稼ぎの対象にされる程。
      • 流石に批判が強かったのか、『地球防衛軍3PORTABLE』にもこれらの敵は登場したのだが耐久力と攻撃力が大きく低下している。後述の魔軍に相当するミッションもなし。
  • さらに、追加ミッション「魔軍」(通称:群馬)が本作のみならずシリーズ全体で最大難易度とされるほどの超凶悪ミッション。開幕と同時に絶望が見える(誇張なし)というとんでもないミッションである。
    • 開幕直後前方に雑魚敵を吐き出す巣(インセクトヒル)が三つも出ている上、このミッションに限り羽蟻だけでなく金蟻と鎧蜘蛛が湧く巣も混じっている。上記のように蜘蛛は単体でも危険な敵であり、しかも放出口が10個も用意されていて湧いた直後に潰すということが難しい。その上ファイターが上から撃ってくるという酷い配置になっている。これを単独で何とかしろという本部は頭おかしい。
    • 実のところ一見攻略不可能に思えるミッションであるものの、陸戦兵・難易度INFERNOでも戦車を利用した戦法を行うことで現実的な安定度で、かつかなりの低アーマーでもクリアが可能なことは確認されており、今作時点ではその戦法を取れる実力があり、低アーマー(1000程度)であるならば結局絶対包囲のほうが難しいとされがちではある。 ただし問題は、極端ではない程度のアーマー値でクリアしようとした場合、戦法の選択肢が上述した 『長時間戦車を止めること無く運転し、主砲によってインセクトヒルを叩き折る』 以外の方法がほぼ無いことである。*7その戦法では戦車が壊れてしまえば終わりであるため自身のアーマーが関係なく、かと言って徒歩攻略を取ろうものなら強力な敵があまりに多すぎるため、シリーズを通した攻略方法である「アーマーを上げてゴリ押し」が出来るアーマー値の要求が非常に高くなってしまっている。そのためどうしても戦車がうまく使えないプレイヤーの場合、 尋常でないほどのアーマー稼ぎ を要求されることになってしまった。
    • 協力プレイと一人プレイとのクリアマークは別個管理なので、相手にペイルウイングを選ばせ自分は陸戦兵で出撃することで両方のクリアマークを獲得ということができない。余計にマゾい仕様に。
      • しかも協力プレイで全ミッションクリアしても特典はない。
  • ロケットランチャーの仕様変更で自爆の危険性が上がった。
    • 弾の判定が自身の後ろから前に進むように出るため、壁や障害物に背中が張り付いた状態で発射すると自爆する。前述の自爆の仕様と合わせて非常に危険。
  • 自爆の仕様変更が原因で、対戦ではペイルウイングの誘導兵器が異常に強くバランスが崩壊している。
    • もっとも、このゲームで対戦をするプレイヤーは何かが間違っているのだが。
  • 追加ミッションには通信が一切なく寂しい。ミッション説明文も簡素。
  • 敵の攻撃(レーザーなど)をくらうと陸戦兵の前転がキャンセル(空中で回転)される。このせいで攻撃を回避できずに死ぬことも多い。
  • 操作性がやや悪い。
    • PS2と違いアナログパッドが一つしか無いのでテクニカル操作での照準移動などが難しい。いわゆる「モンハン持ち」に慣れないプレイヤーのためにボタンで照準の操作をするタイプもあるが、なかなか使いづらい。
    • キーコンフィグはできないので、用意されている3種類のテクニカル操作から選ぶしかない。
    • しかも戦車の時にはテクニカル操作の変更が適用されないので結局方向キーでの照準操作に慣れる必要がある。

総評(PORTABLE)

一部元から劣化・変化している部分こそあるがPS2版での面白さはほぼ変わらない。また、旧作で言われ続けていたオンライン協力に対応しているのは非常にうれしい。
元が安すぎたせいもあり5,040円はやや割高感がするかもしれないが、これだけの完成度とボリュームがあるならばむしろ値段相応だろう。
なお、現在はBest版が出ているためSIMPLEプライスで買える。
操作が難しいものの、慣れてしまえば多少の粗は目を瞑れるほど楽しいゲーム(ましてやBest価格でこのボリュームは安すぎる)なので、是非遊んでみてほしい。


地球防衛軍2 PORTABLE V2

【ちきゅうぼうえいぐんつー ぽーたぶる ぶいつー】

ジャンル 3Dアクション・シューティング
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
発売元 D3パブリッシャー
開発元 サンドロット
クラインコンピュータエンタテインメント
発売日 2014年12月11日
定価 通常版:5,200円(税別)
ダブル入隊パック:6,980円(税別)
ダウンロード版:4,980円(税別)
判定 良作

概要(V2)

PSVへの移植作品。PSP版と同じく、初回生産限定でソフト二本を同梱した『ダブル入隊パック』を発売。
略称は「EDF2PV2」または「PV2」「V2」など。 基本的にPSP版の移植だが以下の変更点がある。


変更点(V2)

  • 新たな兵科「エアレイド」
    • 『4』のエアレイダーを2の仕様に合わせて逆輸入した格好となる。以下のような特徴を持つ。
      • エアレイダーと同じく、設置爆弾やセントリーガン、ワイヤーなどを使用。トーチカや強化設備などのサポート装備もある。
      • 爆撃などの支援要請も同様に使える。こちらは一部が時間リロードとなっており、使いやすくなった。
      • 武器は3つまで装備可能だが、同じ武器を装備することはできない。
      • 乗り物はマップに設置されているものしか使えないが、陸戦兵で使用した場合よりも能力が向上する。
  • 武器の追加・一部武器の仕様変更
    • 『4』と同様に任意リロードが追加された。
    • 陸戦兵には『3』『4』に登場したC型爆弾やインパルス地雷が追加された。仕様は『4』準拠。
    • また、ショットガンには散弾せず射程が短いが高威力で貫通性能を持つ「スラッグショット」シリーズが追加。
    • ライサンダー2も威力が変更。2500ダメージから2200ダメージに弱体化した。
  • 一部敵の行動パターン変化、調整
    • ローラーロボット・ギリオラは難易度ハーデスト以上だとこちらから逃げるような動きになり、逆に倒しやすくなったのだが、今回の移植では積極的に攻撃してくるため、一部ミッションの難易度が上がった。
    • 金蟻などの体力に調整がされている。また、ミッション「紅の山」の金蟻はPSPだと黒蟻と同じ性能だったが、V2では通常の金蟻の性能に修正された。
    • 巨大生物の巣の出入り口発生地点に待ち伏せ待機しても、巣の中に潜ることができなくなった。
  • マルチプレイの仕様が『3P』と同様になった。
    • アドホックだけでなく、オンラインでのマルチプレイが公式にサポートされている。
  • PSP版からの追加ミッションにも、新規録音による音声が追加された。
  • プレイヤーキャラクターの色を用意された色に変更できるようになった。

評価点(V2)

  • グラフィックの質がPSP版から向上した。
    • 建物の形状がPS2版とほぼ同一になったため、立てこもり戦術も可能になった。
    • エフェクトなども修正されており綺麗になっている。
  • ハード性能の向上に伴い処理落ちが減少。PSP版よりも安定したフレームレートが出せるようになった。
    • 巨大爆撃機など、紙芝居レベルの処理落ちを起こしていた攻撃も非常に動きやすくなった。
  • PSP版と比べて、若干バランスがましになった。
    • 追加された敵の弱体化、強力な追加武装の追加により、陸戦兵の難所が攻略しやすくなった。
      • 特にC型爆弾の追加が大きく、かつて最大の難所と呼ばれたミッション「絶対包囲」すら安定する、とまで。

問題点(V2)

  • ましにはなったのだが、それでもバランスはなお凶悪と呼んでいいレベル。
    • 高難易度で通用する武器はやはり限られているため、必然的に武器選択は絞られる。敵が強化されるマルチプレイだと、より顕著。
    • 但し、これはあくまでハーデスト以上の難易度での話ではあるが……。
  • 操作性に難あり。
    • 同じアナログスティックを2つ使える『3P』よりも、照準の動作反応が悪い。PSP版の仕様をそのまま移植したためと推測されている。
    • また、射角もPS2版準拠なので『3』以降の作品よりも狭い。
    • テクニカル操作のボタン配置変更ができない。『3P』とは配置が違うため、困惑するプレイヤーも多かった。
    • エアレイドの支援要請について、投擲して信号を送るタイプは投擲の仕様が陸戦兵のグレネードと同じ。しかし同じ角度でもかなりの距離を飛んでいくので、必要な地点に投げられるようにするには練習が必要となる。
  • エアレイドにはクリア特典武器が用意されていない。
    • 他にもエアレイドの武器であるローラーボムが地底だと地面をすり抜けてしまう、セントリーガンの起動ギミックが存在しないなど、細かいところの粗が多い。

総評(V2)

陸戦兵の武器変更など、いくつか変わった部分はあるが面白さに変わりはないと言っていい。
また、PSP版と比較すると、武器バランスの調整や処理落ちの減少、グラフィック向上などかなり快適に遊べる作品に仕上がっているのは間違いない。
今まで遊んだプレイヤーでも、二度目の移植かつフルプライスということで敬遠されるかもしれないが、エアレイドという新たな兵科の追加もある。そこに価値を見出せるかどうかでも変わってくるだろう。


地球防衛軍2 for Nintendo Switch

【ちきゅうぼうえいぐんつー ふぉー にんてんどーすいっち】

ジャンル 3Dアクション・シューティング
対応機種 Nintendo Switch
発売元 D3パブリッシャー
開発元 サンドロット
クラインコンピュータエンタテインメント
発売日 2021年7月15日
定価 通常版:3,980円(税込)
※パッケージ・ダウンロード版共通
判定 良作

概要(FNS)

Switchへの移植版。公式では「for Nintendo Switch」を「FNS」と略しているため、本作の略称は『EDF2FNS』となる。
『ダブル入隊パック』に相当する販売は行われなかったが価格が安く抑えられており単品でも十分にお得。


『V2』との差異点(FNS)

『V2』を基本とした移植作のためにまずは『V2』との相違点から説明する。

  • ハード性能の向上による各種処理の改善。
    • 夜間などの特定マップが重くなる例もあるが、全体的には好転している。
  • HARDまでに限り、ミッションをクリアするとそれより下の難易度もクリアした扱いになる。
    • 達成度を埋めていくために3つの兵科で低難易度もチマチマとクリアする必要があったが、クリアできるならHARDから進めることで早く達成度を埋められる。ある重要な要素の解禁条件が達成度70%以上なのだが、V2でそれを狙った人なら有り難みがわかるだろう。
      • もちろんゆっくり遊びたい人や初心者はEASYからじっくりクリアしても良いので選択の幅が広がっている。
  • ハード機能に起因する要素が加除された。
    • PSVにあったトロフィーがSwitchにない関係上、トロフィーの要素がまるまる削除された。
    • ゲーム面では困らないが、人によっては劣化点に捉えられるかもしれない。逆にトロフィーの存在が煩わしいと感じる人には評価点とも言える。
    • 逆にPSVになかった振動機能がSwitchにあるためコントローラーの振動で臨場感が味わえる。
      • なおSwitchにはデフォルトでジャイロ機能があるがジャイロによるエイム機能は無い。
  • ごく一部のバランス調整の変化
    • ほぼ『V2』と同一だがわずかに変化した面もある。わかりやすい点でいうと描画距離の改善でより遠くから敵に気付くことが可能で対応も早くできることなど。また戦車の旋回速度が遅くなっている。

評価点(FNS)

  • 性能の向上に伴う快適なプレイが可能。
    • グラフィック解像度やオブジェクトの描画距離も改善し、処理落ちもさらに減少した(極一部でまだ発生する)。特にローディング速度はかなり早くなっていて、このシリーズはミッションをどんどん回すゲームだけにストレスなく遊べる。
  • 基本的な要素は変わりなく遊べる。
    • ノーマルまでは気楽にガンガン撃ちまくる楽しさが味わえ、高難易度になると地獄のような敵をどう戦術を構築して倒すか、という地球防衛軍シリーズの魅力が変わらず楽しめる。

問題点(FNS)

  • 内容が『V2』の完コピ
    • 過去の2作のリメイクはハード性能の都合による劣化点はあれどその代わりに何らかの明確な追加要素を入れていたが、本作は前述の差異点を除けば『V2』と変わっているところはほぼ無い。あったとしても間違い探しレベルの細かい違いで普通にプレイして変化を感じられるほどではない。
      • 例示していくと、蜘蛛の糸の凶悪さがそのまま…なのはまだしも「とある武器の上位版が下位と性能が同じ」というような明らかに設定ミスか不具合と思われる点も『V2』からそのまま移植している。キーアサインは固定で任意で変更できず未使用のボタンが余っている。
      • 攻略も『V2』の情報サイトのものがそのまま使える。ご丁寧に早期購入や特定店舗限定特典武器も『V2』の時と同じ入手条件で得られる。
    • つまり『地球防衛軍2 for Nintendo Switch』とは「6年半前に出た『V2』を忠実にSwitchに移植した」という意味でSwitch版独自の要素などを求めて購入すると期待はずれとなる。
      • 据置ハードに回帰したにもかかわらず、画面分割による協力・対戦プレイは実装されていない。Switchは携帯ハードとしての側面も強いとはいえ、せめて「TVモードに限り画面分割プレイ可」といった売りが欲しかったところ。
  • オンラインならばともかく、オフラインにおいても巨大生物の攻撃が虚空から飛んでくることがある。
    • 巣穴や輸送船の近くでは高い頻度で発生し、体力が低いと虚空からの攻撃で理不尽にやられてしまうこともある。
      • 今までの作品でも糸などの攻撃が壁を貫通することはあったが、まだ警戒しようがあった。しかし、レーダーとは全く違う方向から攻撃が飛んでくるのはいかがなものか。

総評(FNS)

16年前のPS2の『SIMPLEシリーズ』だから大目に見られていた粗い部分、10年前のPSPや6年前のPSVゆえにハード性能的に仕方なかった問題点の数々。
これらを含めての忠実な移植なので今から遊ぶとその粗が鼻につく可能性はある。
ただし、それらを踏まえた上で遊ぶ分には多少の粗を吹き飛ばす魅力がある作品である。 D3パブリッシャーは『地球防衛軍3 for Nintendo Switch』『地球防衛軍4.1 for Nintendo Switch』と『地球防衛軍』シリーズのSwitch移植を立て続けに発表している。
その第一弾である今作は、初心者が地球防衛軍に触れるきっかけとしても損はしない内容である。
リメイク元を遊んだ経験者も、追加要素が無くても気にならないのであればインベーダーを壊滅もしくはインベーダーに壊滅させられに是非どうぞ。


余談

  • 発売前に『2FNS』の公式PVが発表されたが、その内容は『V2』のPVとほとんど同じ。
    • ボイスも映像も新録だが、 構成がほぼ全て同じ な物に、音声読み上げソフト(ゆっくり音声)で要所に「フォーニンテンドースイッチー」という音声を加えただけというもの。そこまで『V2』と一緒にしなくてもいいじゃない…。
    • 当然ネット上では「手抜きかよ(笑)」「こんな手の込んだ手抜き初めて見た」という反応があったが、後日D3の岡島Pが前述した『3FNS』のPV発表時に「我々も『2FNS』のPVの反応を見て反省し、誰も文句が付けようが無いPVを作りました」と発言した。
    • その後に発表した『3FNS』のPVは、『3P』のPVとほぼ同じ内容で「フォーニンテンドースイッチー」の部分だけ超有名な声優を大勢集めて叫ばせたという力作である。
      • D3パブリッシャーは広報面でのおふざけをよくする会社なので、ここまで折り込んでのネタだった可能性がある。
+ 『V2』と『2FNS』のPV比較動画
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  • PS2
  • 2005年
  • D3パブリッシャー
  • STG
  • サンドロット
  • 地球防衛軍

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最終更新:2024年01月23日 10:57

*1 SIMPLE2000シリーズにおける売上は、『THE テーブルゲーム』『THE パーティーゲーム』に次ぐ3位。定番系の作品以外でこの数字は異例である。

*2 前作の無線通信から生まれたセルフパロディ。巨大生物の体液を浴びた隊員・結城が「なんだこれは、蟻の体液か?……うわっ、酸……!酸だー!」と叫んで絶命するが、その絶叫が「サンダー!」に聞こえるとして人気を博した。また、雷撃系武器の開発者は「結城博士」である。

*3 発砲時消費と、1マガジンを撃ち切った時点で消費の2タイプがある。

*4 ファンの間では解析データの名称から「円盤襲来」という曲名だと推測されており、その名称で定着していたが、2023年にサウンドトラックが発売決定したことで正式な曲名が「星戦」と判明した。なお「円盤襲来」は『1』『2』共に使われている別の曲のタイトルとなっている。

*5 低威力の武器で自爆し、ダウン中の無敵時間を利用して何らかのダメージをやり過ごす戦法。

*6 普通は撃破部位次第で分裂するが、残りHPが3/4以下の部分に爆発系ダメージを与えても分裂してしまう。

*7 最悪バイクの埋まっている左側のヒルだけ破壊し、後は手持ち武器とバイクでやる方法もあるが、それでも結局1本は戦車で破壊する必要がある。難易度INFERNOの場合、ヒルを破壊するために必要な戦車砲は100発以上