【どらごんくえすとしっくす まぼろしのだいち】
ジャンル | RPG | |
対応機種 | スーパーファミコン | |
メディア | 32MbitROMカートリッジ | |
発売元 | エニックス | |
開発元 | ハートビート | |
発売日 | 1995年12月9日 | |
価格 | 11,400円(税抜) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 3個(バッテリーバックアップ) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
転職システム復活 特技の台頭による呪文の価値の暴落 良くも悪くも考察の余地があるストーリー 粗削りながらもドラクエらしい佳作 |
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ドラゴンクエストシリーズ |
ドラゴンクエストのシリーズの第6作で、リメイクを除くとSFC最後のナンバリング作品。
「発見」をテーマとする本作では(*1)、自分の住む世界と「幻の大地」を行き来しながら冒険を進める。
開発元は前作までのチュンソフトからハートビートに変更され、この作品からチュンソフトが本編シリーズに基本的に関わらなくなっている(*2)(*3)。
「仲間たちと共に大魔王との決戦に挑むも、返り討ちにあう」…そんな悪夢を見た主人公は、ベッドから転げ落ちて目を覚ます。
山奥の村ライフコッドに妹のターニアと暮らす主人公は、村長の依頼でふもとの町まで使いに出かけることになった。
しかし、ふとした事故で主人公は「大地に開いた奇妙な大穴」に落ちてしまう。落ちた先にあったのは、自分の住んでいた世界と同じようでいて、同じではない奇妙な世界。
自分からはその世界の人々の姿も声も認識できるが、自分の姿が見える人は誰もいなかった。
どうにかライフコッドへ帰り着いた主人公は、それがこの世界とは異なるもう一つの世界「幻の大地」であることを知る。
本作は過去作で好評を得た要素を取り入れながら、進化したグラフィック・操作性・BGMによって、当時のRPGの中で高いレベルの完成度を誇る作品となった。
「2つの世界」を中心とする、シリーズ屈指の広大な世界
転職システム
仲間モンスターシステム
グラフィックの進化
ラスボスに関して
+ | ネタバレ注意 |
おまけ要素
本作はシリーズの中でも特に評価が割れやすい作品でもあった。
ストーリーに関して
職業に関して
その他
主に職業と特技のバランスに関して批判されることが多い。
いわゆる「特技優遇」の問題
登場人物に関して
+ | イベントの詳細 |
仲間モンスターに関して
その他(戦闘関連)
その他
難易度調整やストーリー解釈の大部分をユーザー側に委ねるという大胆な作りに賛否は分かれたものの、ゲームとしての完成度は高く、後のシリーズでも採用されるアイデアを多く輩出した高品質の作品である。
また、全体的な難易度が上がっているにもかかわらず安定しており、自由なキャラ育成や「ふくろ」なども相俟って遊びやすい。プレイヤー年齢層を幅広くとれた逸品であると言える。
しかし、本作の売りであった自由度の高さは、呪文・特技バランスの悪さを際立たせることにもなってしまい、また、仲間モンスターシステムが職業システムとうまくかみ合わずチグハグな出来になってしまった。
総じて、「従来のドラクエシリーズと比較すると荒削り」な出来ながら、「RPG全体で比較すれば十分な高水準」と言えるだろう。
また、仲間モンスターと職業と馬車から由来する高い自由度、ムドーやラスボス、裏ボスといったボスの強さ、一風変わった世界観や大きく進化した演出など、問題は抱えつつも「突き抜けた何か」を持つ作品と言える。
*1 当時各メディアで流行ったのが「自分探しの旅」だった。
*2 これ以降チュンソフトが関わっているドラクエシリーズは『トルネコの大冒険』シリーズのみとなっている。
*3 降りる際に、中村光一氏が語った理由が「割に合わない」であった。予算や収入の面もあっただろうが、どうやら開発の所帯が大きくなり過ぎて調整役だった中村氏は相当、辟易していたとされる。
*4 地域・ダンジョンごとに設定されている「熟練度上昇限界レベル」よりレベルが低ければOK。
*5 ばくだんベビーやくさったしたいなど。
*6 前作までは呪文やとくぎで光る演出のみだった。
*7 カガミ系の敵(それらが「モシャス」で仲間をコピーした状態も含む)と、某パーティメンバーが敵として出現した時はアニメーションがない。
*8 すぎやま氏も『イーハトーヴォ物語』をプレイしたことがきっかけでの起用だと語っている。
*9 敵全体に大ダメージを与える火炎系最上級特技。「燃えさかる炎」とは異なるが魔法ではない。
*10 右手も、蘇生呪文・ザオラルを唱えるのだが、左手と比べて優先順位が低く、成功確率も復活時のHPも半分なのであまり語られない。
*11 このとき注意しなければならないのは、高額な罰金を支払った直後の名前変更の際に、入力をキャンセルしたり、変更前と同じ名前を入力したりすると、「名前を変えないのか」と言われ、罰金だけを取られてしまう。
*12 スライム、ホイミスライム、スライムナイト、キングスライム、はぐれメタルのみ。
*13 ただし、ゲーム後半のエリアは上限が撤廃されるため「レベルを上げ過ぎて熟練度を稼ぐ場所がなくなる」ということはない。
*14 賢さも増加するが、賢さは意味のない数値である。詳細は後述。
*15 本作ではベホマズンは転職での習得は不可能。ホイムスライムとランプのまおうのみが覚えられる。
*16 前作の最高額はゴールデンゴーレムから得られる1,023G。
*17 職業特性によって獲得ゴールドが増加するが、それでもマスターで+25%(マスター4人で+100%)と微々たるもの。商人のステータス補正も低く、マスター状態で戦闘させると職業の成長が遅れてしまう問題点もあるので有用な手段とも言いがたい。
*18 職業特性の「敵が落とすアイテムを盗める」を使って、高く売れるアイテムを盗もうとしても確率が低いため効率は良くない。
*19 イオナズンのダメージは140前後だが、レッサーデーモン(イオ系に耐性なし)のHP116に乱数次第では到達しない。
*20 クリア後の冒険で仲間を鍛えていくと攻撃力も上がるので、比較的非力なキャラでもメラゾーマの威力を超えてしまう。
*21 「ギガデイン」の方が耐性が低い敵が多く攻撃範囲も広いが、最速で勇者に転職できる主人公が「やまびこのぼうし」を装備できず、装備可能な他のキャラクターを勇者に転職させる必要があるため、実用性に乏しい。
*22 他には特殊職業「はぐれメタル」を鍛えて習得するか、はぐれメタルを仲間にするしかない。
*23 この2名は互いに色違いであり造形自体は1種類で共通
*24 大抵の会話ではどちらを選択しても多少反応が変わるのみでストーリー進行に影響はない上、再び話かければ何度も選択肢を選べるケースが多い。
*25 モンスター闘技場については、自分の育てたモンスターを使って戦いたいという要望に応えてスライム格闘場として生まれ変わったとインタビューで述べている。
*26 先述の「あなほり」で大金を掘り出す方法。非常に低確率の運ゲーを要求されるが、どのみち運ゲーならばカジノよりは幾分マシ…といった具合。
*27 伝説の武具より性能が高い「メタル装備」は、この段階では盾しか手に入らない。その盾の入手条件もこの段階では非常に厳しい。