聖剣伝説 LEGEND OF MANA

【せいけんでんせつ れじぇんど おぶ まな】

ジャンル アクションRPG

対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 1枚*1
発売・開発元 スクウェア
発売日 1999年7月15日
価格 6,800円(税抜)
プレイ人数 1~2人
セーブスロット 4個
レーティング CERO:A(全年齢対象)*2
周辺機器 アナログコントローラ
PocketStation対応
廉価版 スクウェアミレニアムコレクション
2000年9月28日/3,800円
PS one Books
2002年2月21日/2,500円
アルティメットヒッツ
2006年7月20日/1,500円
配信 ゲームアーカイブス
2010年7月28日/600円
判定 良作
ポイント 多種族が織り成す独自の世界観
オムニバス型のシナリオと喋らない主人公
多方面な育成・作成要素と周回要素を導入
良くも悪くも既存の聖剣伝説と異なる構成
聖剣伝説シリーズ

本項目ではオリジナルのPS版について主に解説する。HDリマスター版については参考記述扱いで後述。



概要

スクウェアを代表するアクションRPG『聖剣伝説』シリーズのスピンオフ。通称は『聖剣LOM』や『LOM』等*3。PS用ソフトとしては唯一の作品である。

『聖剣伝説』の名を冠したアクションRPGではあるが、様々な新システムが導入されている。
本作の開発には、プロデューサーの河津秋敏に代表される、『サガ』シリーズの開発に携わったメンバーが関わっており、システム部分の作風はサガシリーズと通ずる部分がある。
やり込み要素についても従来シリーズとは一線を画すものとなっている。


ストーリー

主人公は夢を見る。夢の中には神々しい大樹が浮かびそして、声が聞こえる。

過去の戦乱の記憶が今の人々の心にも傷を残し、そのために愛を求めることを恐れ、愛の化身であるわたし=声の主=マナの女神を目指そうとはしない、と。
そして女神は、その現実を乗り越えて自分へと歩いてほしい、そう主人公に呼びかけて消える。

夢から目覚めた主人公は、その声に従うように、目覚めたばかりの世界へと足を踏み出す。


ゲーム内容

ランドメイクシステム

  • 何も無いワールドマップ上にプレイヤー自身でオブジェクトを配置し、箱庭のように世界を構築していくシステム。
  • 本作の舞台は「ファ・ディール」という世界の一地方。プレイヤーはゲーム開始時にワールドマップ上から冒険の舞台とする6*6マスの範囲を指定し、そこに「アーティファクト」と呼ばれるオブジェクトを配置する。すると、アーティファクトは町やダンジョンなどの「ランド」に変化し、プレイヤーはそのランドを冒険できるようになる。
    • 一部のアーティファクトは置ける場所のタイプが決まっており、山の上に港町のランドを出現させたりはできない。
    • モンスターの強さや店の品揃えは、ランドの配置順やマイホームからの距離によって定められる。
    • アーティファクトは基本的にイベントのクリア報酬で入手可能。入手難易度は低く設定されており、ランドに入ってすぐに発生するイベントをクリアすれば大抵は次のアーティファクトが手に入るので、素直にイベントをこなしていけば順調に世界が広がっていく作りになっている。
  • 各々のランドには属性の強弱「マナレベル」が設定されており、それが隣接するランド間で互いに影響する。
    • マナレベルは特定のイベントの発生条件、モンスターの強さ、魔法の威力、果樹園での果実の成長速度といった多くの要素に影響を与える。

シナリオ

  • 本作は『ロマンシング サ・ガ』のフリーシナリオのような形式を採っており、「イベント」と呼ばれる全68種のエピソードの集合によって構成されている。
  • どのイベントを発生させるか、といった順番は基本的に自由。
    • 「宝石泥棒編」「エスカデ編」「ドラゴンキラー編」という特殊な一連のシナリオ群が存在し、これら3系統のうち、いずれかのシナリオを最後までクリアすると、ゲームクリアのための最終イベントを発生させられるようになる。
      • 宝石泥棒編は、「珠魅」という種族の存亡に関わるストーリー。珠魅は宝石を核として生きる種族であり、宝石を失うと死んでしまう。本来人を傷つけない泥棒だったはずだが珠魅殺しをする様になった宝石泥棒サンドラ、珠魅である瑠璃や真珠姫がメイン。サンドラが珠魅殺しをする理由や珠魅が滅び行く意味の核心に迫っていく。テーマは「相手を思いやる気持ち」。
      • エスカデ編は4人の幼馴染の関係を巡るストーリー。アーウィンによって急激に年をとる事になってしまったマチルダを中心に話は進む。力を取り戻させマチルダの老衰を食い止めたいダナエ、正義感が強く悪魔族であるアーウィンの所業が許せない聖騎士エスカデ、立場を縛られたマチルダを開放したアーウィンとマチルダを巡って3人の心の対立やエゴが表れていく。事実上、アーウィンとマチルダが物語の中心。それでもエスカデ編と銘打たれているのは、彼が旧世代の思想・信条を持つキャラクターだからである。
      • ドラゴンキラー編は自らの復活のため、ドラゴン殺しを命じる竜帝に仕えるラルクと彼を止めようとする姉・シエラを中心に進むストーリー。他2つのシナリオに比べ、展開が早いので分かりにくいが「絆」がテーマでドラゴンとドラグーンの絆や姉弟の絆などが表れている。
    • これら以外にも多くのシナリオが用意されている。攻略本では登場人物などでそれぞれ「○○編」と分類されている。
  • イベントをクリアすることでアーティファクトを入手して新たなランドに行けるようになったり、新たなシナリオが出現する場合もある。

グラフィック

  • 既に3Dポリゴンのゲームが主流になりつつあった1999年のゲームだが、本作はドット絵の2D画面であり、CGムービーなどもごく限られた部分でしか使用していない。
    • 特に、97年に『ファイナルファンタジーVII』を成功させて以降3DCGに傾倒しつつあった当時のスクウェアにとっては比較的珍しい作品である。
  • そのドット絵も大変に緻密で繊細なものとなっており、亀岡慎一のキャラクターイラストをはじめとした独特な美術デザイン・イラストレーションをかなり正確に再現している。
  • 全体的に絵本のような雰囲気で、表現力は聖剣シリーズの中では高い評価。

バトルシステム

  • 『3』から踏襲されていることであるが、移動モードと戦闘モードが明確に分離している。
    • 本作では、敵からは逃げられない。エンカウントした全ての敵を倒すことで勝利となり、戦闘モードが解除されてキャラクターのHPが全快する。
    • 戦闘に負けた場合は、戦闘の直前からコンティニュー可能。
  • 戦闘は従来と違って縦方向への武器攻撃は出来ず、横方向のみ攻撃可能のベルトアクション方式。
    • 『2』『3』にあったリングコマンドシステムは、バトルシステムでは採用されず、下記の育成・作成要素で使われている。
  • クイックアタック(弱攻撃)、パワーアタック(強攻撃)、アクションアビリティ、必殺技、魔法を駆使して戦う。
    • 弱攻撃は威力・リーチが短い代わりに隙が少なめで連続攻撃ができる。強攻撃は隙は大きいが大きく踏み出すためリーチが長く威力も高い。方向キー入力+強攻撃ボタンによるコマンド技も存在する。
    • アクションアビリティとは、「ジャンプ」「ダッシュ」「スライディング」などの動作で、攻撃よりは移動や回避、妨害をメインとして使えるコマンド。
      • 全26種が存在するが、戦闘中に使えるものは事前にセットしておいた2種類までとなっている。
    • 必殺技と魔法は事前にステータス画面でL・Rボタンにセットしておくことで4つまで使用できる。
    • 必殺技は『3』同様相手に攻撃を当てるとアタックゲージが溜まっていき、満タンになると発動できる仕様。今作ではどの技を使っても全てのアタックゲージを消費する。必殺技は武器種ごとに異なり、1つの武器種につき12~20種存在する。
    • 魔法はセットしておいたボタンを長押しすることでその魔法の攻撃範囲が画面上に表示され、ボタンを離すとその範囲に魔法攻撃が開始される仕様。長くボタンを押していると攻撃範囲も広がっていくが、威力は変わらない。
    • アクションアビリティや必殺技は、特定の武器やアビリティを付けて戦闘をこなすことで新しいものを覚えられる。
    • 必殺技と魔法以外の行動はタイミングよくボタンを押すことで行動同士を繋いでいくこと(コンボ)が可能。コンボが繋がると青色の残像が発生し、行動後の硬直を発生させずに連続して動き続けることができる。
  • 武器種は「短剣・片手剣・両手剣・片手斧・両手斧・ハンマー・槍・ロッド・ナックル・ヌンチャク・弓矢」の11種類。
    • 攻撃技の性能や移動速度は装備している武器の種類によって異なる。
    • また、レベルアップの際のステータス上昇値はレベルアップ時に装備している武器によって変わる。
  • 全てのキャラには固有の「シンクロ効果」が設定されている。戦闘中に味方キャラ同士が接近すると画面上部にある各キャラのステータスバーの間に青白い光が走り(シンクロ状態)、この状態になると自分のシンクロ効果シンクロ先のキャラに作用する。
    • 例えば主人公(シンクロ効果:HPの自動回復量が増加)とラルク(シンクロ効果:ドラゴン系への攻撃力が1.5倍になる)がシンクロ状態になった場合、主人公のドラゴン系への攻撃力が1.5倍になり、ラルクのHPの自動回復量が増加する。
  • HPが0になると戦闘不能状態になり一定時間行動不能となる。戦闘不能状態ではHPゲージの部分に灰色のバーが溜まっていき、これが満タンになるとHP全快状態で戦闘に復帰できる。戦闘参加者全員が戦闘不能になると敗北となる。
  • 2Pコントローラーによる協力プレイ対応。操作できるのは仲間NPCのみで、ペットやゴーレムは不可。
    • 特定の条件を満たすと他のメモリーカードから主人公のデータを読み込みNPC扱いとして仲間にすることができる。
      • 先述の通り、戦闘では誰か1人でも生き残っていれば全滅扱いにはならないため、片方のプレイヤーが戦闘不能状態になった時にもう片方が逃げに徹して復帰までの時間を稼げる協力プレイでは継戦能力が飛躍的に向上する。
  • 『3』で見られた必殺技や魔法の演出時の画面の停止が無くなり、『2』同様、シームレスに戦えるようになった。
    • これに伴い、『3』で問題視されていた回避不能の攻撃も無くなった。理論上は初期レベル・初期装備でクリアすることも可能。

育成・作成要素

  • 「マイホーム」と呼ばれる主人公の自宅は拠点となっており、ストーリーを進めると各種施設が備えられる。
    • ペットを飼うペット牧場、果実を収穫する果樹園、武器防具や魔法やゴーレムを作成するための作成小屋といった施設があり、それぞれ独自のシステムを持つ。
  • ゲーム中に登場するアイテムは、インゴットや木材などの主原料アイテムと、それ以外の副原料アイテムに大別される。
    • プレイヤーはこれらのアイテムを用いて、ペットの育成、果実の栽培、武器・防具・魔法楽器・ゴーレムの作成を行える。
+ 各種育成・作成
  • 果樹園
    • 特定の条件を満たすことで、マイホームの果樹園が利用可能になり、種子アイテムから果実を栽培できるようになる。
    • 果実は果樹園のマナレベルを基準に日数を経ることで自動的に成長し、成長が終わると収穫が可能となる。
    • 種子は全8種、果実は全37種。種子は同時に2つまで渡すことができ、その組み合わせで収穫できる果実の系統が決まる。
    • 果実の収穫を繰り返すと入手できるアーティファクト「黄金の種」を使用すると、マイホーム以外にもう1ヶ所果樹園を設置できる。
  • ペット育成
    • ランドではモンスターのヒナを捕獲できることがある。捕獲したヒナは牧場で孵化し、成長すると戦闘に連れていける。
      • 食品系の副原料アイテムを、エサとして与えられる。エサによってレベルアップ時のパラメータ変動が変わるほか、性格の変化が起こる。
      • 性格とは戦闘中の思考パターンであり、性格がないとペットは殆ど行動してくれない。複数の性格を付けたり、性格を消すことも可能。
    • 一部のモンスターは「亜人種」と呼ばれており、通常のペットとは違い、条件を満たすとランド内を歩いている。話しかけると勧誘することができ、成長した状態で仲間に加入する。
      • ペット化した後は、他のペットモンスター同様にエサを与え、育てることが可能。
  • 武器防具作成
    • 1. 主原料を使って武器防具を作り出す。
      • 武器防具の性能を決定するときには「性能基準値」という隠しパラメータを使用しており、主原料が同じでも装備の種類ごとに性能が変化し、装備の種類の特徴が主原料の性質と合致するほど実用的な装備ができる。
      • また、主原料には副原料での改造による属性レベルの上がりやすさなども細かく設定されており、これを理解することが強力な装備を作る鍵となる。
    • 2. 副原料を使って武器防具を改造(強化)する。
      • 改造した時にどのような効果があるのかは全く表示されず、裏では膨大な隠しパラメータによる処理が行われている。副原料は改造してすぐに効果が出るものだけでなく、武器防具に属性レベルを上昇させるためのエネルギーを蓄積したり、多彩な効果を持つ「シークレットパワー」を宿らせるなど、非常に奥が深い。
  • 魔法楽器作成
    • 主原料と属性精霊のコインを使い、魔法を行使するのに必要な魔法楽器を作成する。
      • 精霊のコインは各属性ごとに金貨・銀貨の2種類が存在する。ダンジョン内の特定のスポットに確率で精霊が出現するので、手持ちの魔法楽器を演奏して興味を持たせて近づいてもらい、話しかけることでおひねりとして受け取ることができる。
    • 楽器には「ハープ・マリンバ・フルート・ドラム」の4種が存在し、主原料・使用するコイン・楽器種の組み合わせによって奏でられる魔法と威力が決定する。
    • 魔法は全112種が存在する。
  • ゴーレム作成
    • ゴーレムとはマナの力で命を吹き込まれた戦闘用ロボットで、ペット同様の扱いで連れ歩ける。作成時に能力が決定され、レベル・成長の要素はない。
    • ペットと大きく違うのは、能力値や使う技のみならず距離などに応じた行動パターンを、プレイヤーがかなり自由にカスタマイズできるということ。
    • ただしゴーレムは故障率が存在し、行動するたびに最良でも15%の確率で行動に失敗して一時停止してしまう。
    • 作成行程にはボディの作成、ロジックブロックの作成、ロジック構築、といったステップがあり、武器防具や楽器を材料に作成する。
  • どの要素も法則は非常に複雑であり、なおかつその要素のほとんどが隠しパラメータであるため、全てを把握するのは非常に困難である。
    • これらの要素は、特に活用しなくてもゲームクリアは十分可能なバランスになっている。

その他

  • 本作では主人公の名前はもちろん、ペットや武器防具・魔法楽器の名前も自由に変更可能。ひらがな・カタカナ・アルファベットの他に漢字も使用可能で、その種類も非常に豊富*4なためネーミングの自由度は高い。
  • いくつか設定されたものから「AUTO」(自動)で付けてもらうこともできる。
    • 特に主人公のオート名称は、多くは過去の聖剣シリーズに登場したキャラクターの名前が使われている。
    • また、「エレナ」(『新約聖剣伝説』のヒロインの半公式名称)や「リチア」(『聖剣伝説4』のヒロイン)など、本作より後のシリーズに登場したキャラクター名も見られる。
  • 別セーブデータの主人公を召喚して一緒に冒険できたり、お互いの作った武具を売買できるなど、1つのセーブデータに留まらない行動も可能。
  • 周回要素があり、プレイヤーの成長状態や装備品などを引き継いだ、いわゆる「強くてニューゲーム」で遊べる。
    • 2周目限定イベントはないが、敵のレベルが大幅に上昇した「ヘル・モード」と、敵のレベルが全て99になる*5「ノー・フューチャー・モード」が遊べる。

評価点

  • 独特で魅力的な世界観・シナリオ
    • 登場するキャラクターで純粋な人間は主人公のみ*6。大部分は亜人や言葉を話す動物に魔法生物、果ては正体不明の種族であり、独自の世界観を構築している。
      • 海賊船に乗るペンギンたち、歌えば船を沈めるというセイレーン、人間に似ているが宝石の核を持つ珠魅、植物の精である草人や花人、魔法生物…など非常に多様。また、ワッツやニキータなどシリーズの共通キャラも登場する。
      • 名無しのモブが非常に少ないことも特徴のひとつ。大半のキャラにイベントが用意されており、愛着を感じやすい。
    • シナリオはギャグもシリアスも電波もなんでもござれで実に多彩。
      • 「まぁ、あなたってウソツキちゃん」「したらな!」「ぐま!」など独特の言い回しが多い。
      • 「鳥たちが僕の教師だから、この広い空の下全てが、僕の学校なんだ」、「学校にも行こうと思います。学校に行くんではないんです。学校にも行くんです」、「過去は人の心の中にだけある。過去も未来もどこにもない。人が望む時、過去の全てと未来の全てを自在に変えることが出来る」、「人は誰も愛さなくても、生きていける。けれど、愛すれば豊かになる」など、もはや哲学的。
      • 他にもある生物の名前を挙げたり、某元力士の名言だったり、某有名タレントの口癖まで色んなネタが仕込まれている。元ネタはアルティマニアでのスタッフの発言により明かされている。
    • イベントの内容もバリエーション豊かでプレイヤーを飽きさせない。
      • ダンジョンの奥まで進みボスを倒すだけのシンプルなものから、集団ボイコット中の学校の生徒達と話して登校を促す話のように会話と選択肢だけで進行するもの、お邪魔シンボルに触れないように立ち回ってダンジョンを脱出するミニゲーム風のもの、「アナグマ語」という独自言語を勉強してアナグマたちを相手に商品を売るといった凝ったものまで多種多様。
  • 高い自由度とゲームバランスの両立
    • アーティファクトの入手手段の関係上 大まかに序盤のランド/後半のランドという傾向はあるものの、基本的にランドの配置や順番、イベントの発生・攻略はプレイヤーの任意であり、プレイの自由度は高い。慣れてくると効率の良いチャートを作って短い時間で周回することも可能。
    • 先述の通りアーティファクトの入手に関わるイベントは見逃しづらくなっているため、「自由度が高すぎて適当に遊んでいたら新しいランドが全然配置できなかった」ということはまず起こらない。最初はマイホームしか無かった地図でも、クリアする頃には沢山のランドが広がっていることだろう。
    • 一方で、敵の強さおよび店売りアイテム・イベント報酬の豪華さが「マイホームからの距離とランドの設置数」によって決定されるシステムも秀逸で、どのような進め方をしても一定のゲームバランスが保たれるようになっている。
      • 例えば極力マイホームの近くにランドを設置していった場合、敵も弱いが入手できる武器・防具もそれなりであり、反対にマイホームから遠くなるようにランドを配置していると敵は強くなるものの主人公の強化もしやすくなっていく。
  • サボテン君
    • 自宅2Fの鉢に植えられている、言葉を喋ることができるサボテン。顔と腕がある。また、主人公には秘密にしているが足もあり、実は自由に動き回れる。
    • 普段は話しかけても無言だが、各シナリオのクリア直後に話しかけるとそのシナリオの感想を一言述べる。そして主人公が階下に降りると、鉢から出て日記帳にまとめを書く。このセリフおよび日記が非常に カオス コミカルで、後から主人公が読むこともできることから、コレクション要素もある。中には哲学的なものもある。
    • このサボテンくんがメインとなるシナリオもある。
    • その独特なキャラクターが人気を呼んだのか、以降のシリーズでも頻繁に登場している。
  • 主人公
    • デフォルト名は「YOU」であり、プレイヤーの分身的な位置付け。無口で過去の経歴もなく、家族や友人と言える存在は上記のサボテン君のみである。シリーズ旧作や看板作である『FF』シリーズなど喋る主人公が多い中で、このような特徴は異例だった。
    • たった一人で冒険が始まり、様々な出来事に巻き込まれることで仲間が増えていく。それと同時にプレイヤーにも感情移入がしやすくなっている。
    • 基本的に、各地で出会ったキャラ達が抱える問題の解決のため主人公が助力する展開が多い。豊富な選択肢も、プレイヤーの意思をゲームに反映させる意図であろう。
  • 美麗な2Dグラフィック
    • PS最高峰のドット絵。SFC時代では出来なかった新たな表現力が表れている。3Dは極力使われておらず、ごく一部の演出や表現に見られるのみ。
    • ゲーム容量の増大をふんだんに生かしており、キャラクターのモーションも増えてぬるぬる動く。
    • とりわけ戦闘中の魔法・必殺技は大変豊富かついずれもハイクオリティ。美しいエフェクトとキャラの多彩なモーションをフルに生かした演出によって戦闘を大い盛り上げてくれる。
    • ボスキャラも圧巻の一言で、多彩なアクションや大迫力の必殺技を繰り出せるようになった他、画面を埋め尽くさんとする巨大なボス*7や、オブジェに乗り移って攻撃するといった変り種も生まれた。
    • 「海賊船バルド」の船揺れも海平線の背景を除けば画面ごと揺れる。これも容量の増大の賜物である。
    • 「魔法都市ジオ」の屋敷に過去作品のキャラクターのオブジェがずらりと置かれていたり、セーブポイントが「ポポイ像」であったり、各種アイテムや必殺技の名前に『3』のものがあるなど、シリーズファンへのサービスも見られる。
  • 下村陽子氏による良質の音楽
    • 「懐かしき歌」「ホームタウン ドミナ」「滅びし煌めきの都市」や、Annika Ljunberg氏が歌うED曲「Song of MANA ~Ending Theme~」などを筆頭に名曲が多い。
    • 「Pain the Universe」をはじめとするボス戦BGMも、熱い曲揃いで広く支持されている。その理由は余談にて。

賛否両論点

  • 奥深いが複雑で難解な育成・作成要素
    • 先述の通り、奥深いカスタム要素が多数用意されているのが本作の特徴。
      • 例えば自分で武具を生成できるシステムでは、やりようによってはゲーム製作者すら予期していない4桁の攻撃力*8を持つ武器も作れる。
      • 強くてニューゲーム機能による周回要素があるので取り返しのつかない要素も少なく、一つのセーブデータで深くやり込みを行いやすい作りにもなっている。
    • 一方でそれらの仕様については非常に複雑。各要素は解禁時のイベントで一応のチュートリアルはあるものの、ごく基礎的な内容*9しか説明されないため、何をすればよいのかが分からずとっつきづらい。
      • 本作の登場人物にはこうしたシステム面について話す者は基本的に存在しないため、チュートリアル以上の情報を後から学ぶこともできない。「今はまだ難しいから」と思って放置していると触れることのないままゲームを終えることになる。
    • 数少ない不可逆な要素である主人公のステータスについても、こだわりたい場合はボーナスを無駄なく取得できるようレベルアップの度に装備する武器を絞らねばならずやや面倒。
  • 繰り返しになるが、これらの戦闘関連の要素については、一切手をつけなくても 主人公のレベルを上げ、武具を町で売っている物に買い換えていくだけでも十分クリアできるバランスにはなっている。
    • ただし、当然その場合は使用する武器も防具もほとんどが店売り品、ペットもあまり戦力にならない…と、やや味気ない冒険になってしまう。
    • 実装されているシステムの奥深さをプレイヤーが楽しめるようにするための導線づくりが十分に成されておらず、悪く言えば「作り込みの割に空回りしたやり込み要素」となってしまっていることが惜しまれる。
  • デザイン面での大幅な路線変更
    • 王道ファンタジー的な癖の無い世界観だった前3作とは大幅に異なり、今作はマップ・キャラクター共に良くも悪くもデザイナーの個性が色濃く現れた独特なビジュアルとなっている。
    • 町はパースが湾曲したような奇妙な建築物が立ち並び、登場人物達も没個性的な容姿ではなくなり、獣人や、既存の物体をベースにした怪物に近い姿のものが大半を占めるようになった。
      どちらにせよ正統派なアニメ調の画風では無く、同時期に発売した『ポポロクロイス物語』や元スクウェアの開発陣が携わった『moon』等に近い可愛らしいが毒気の強いマニアックな画風となっている。
      • 特に『2』と『3』で可愛らしい猫獣人の姿として登場していたニキータも今作から大幅に姿が変更され、 猫と兎を合成した姿の様な巨漢の獣人 と言う過去作とは別物のキャラへと変貌した事に対しては既存ファンの困惑・批判は大きかった。
  • モンスターの体色
    • 本作の雑魚モンスターは亜人種系とその他の一部のものを除き、敵として登場する時とペットとして登場する時とで体色が異なる。
    • 過去作からの続投モンスターはおおむねペット時の色の方に従来の色が適用されているのだが、最初のダンジョンで毒々しい青色をした敵のラビやマイコニドを見てギョッとしたシリーズファンは多いだろう。
    • 「敵の時にかわいかったからペットにしてみたらイメージに合わない色でガッカリした」というケースも。
  • 精霊の変更
    • 本作では「イメージ的にわかりづらい」として、木(ドリアード)の対属性が月(ルナ)から金(アウラ)になった*10。これについても「旧作を尊重しろ」「LoMグラでルナの魔法が見たい」という声から「対比がわかりやすい」「アウラの魔法もきれい」といった声まであり賛否両論に分かれている*11

問題点

全体的にシステムが説明不足

  • 本作の複雑なシステム群については賛否両論点の項で述べたが、それ以前の基礎的なシステム面においての説明の少なさ、及び各種UI面の不親切さについては明確に問題点として挙げられる。
    • 一例を挙げると、ゲーム開始後最初のダンジョンでは宝箱から「うつろな瞳」「コウモリの黒焼き」といったアイテムが取得できたり、イベント報酬で「草ムシまんじゅう」といった品を貰えるのだが、これらが何に使う物なのかはこの時点では一切説明が無い。アイテム欄を眺めて首を傾げたプレイヤーも多いだろう。
    • 実際のところ、これらは先述の武器防具改造で使う「副原料」なのだが、これが分かるのはゲーム中盤に武器防具作成が解禁される時のチュートリアルが初。本作の宝箱から手に入るアイテムの大半はこういった副原料なので、「宝箱は一応拾うけど手に入るものはわけのわからないアイテムばかり」という状況が非常に長い期間続くことになる。
    • 上記の「うつろな瞳」等のアイテムにしろ、改造に使う副原料であることが分かったところで「それで鍛えると何が変わるか」等は一切解説が無く、実際に試したところで内部でマスクデータが変動するだけで終わることも多々あるため独力での仕様の理解は困難を極める。
      • 様々な副原料を使った改造を地道に試していけばぼんやりと「この副原料を使って鍛えていけばある程度までは攻撃力が上がる」程度は分かっていくだろうが、まともな理解を行うには最低でも外部書籍であるアルティマニアの参照は不可欠と断言できる。
    • 本ページでここまでで紹介した要素の中でも「レベルアップ時に装備していた武器によってステータスの成長率が変わる」「ランドの配置順やマイホームからの距離で敵の強さが変わる」「2周目以降は高難易度モードが遊べる」等の攻略上重要な要素についてもゲーム内では特に解説・アナウンスが無い。
    • 先述の通り、本作ではゲームシステム面について話す登場人物がほぼ居ないため、分からない要素を後から理解する機会がかなり少ない。マイホームの書斎で確認できる図鑑には多少の説明は載っていたりするが、まめなプレイヤーでなければ存在に気付かないことも多いだろう。

不親切なUI

  • 武具作成やペットのエサなど情報量の多い作業が必要な場面で、必要な情報を得られないことが多い。
    • 武具作成や改造では、素材にする武具の攻撃/防御力と、副原料の名前だけしかわからない。
      • 対象の武具にどんなシークレットパワーが宿っているのか、属性レベルはどの程度か、改造でどう変わったかなどを確認するためには一々鍛冶をやめてメニューを開く必要がある。
      • 装備品のステータス(性能)画面に関しては改造システムの仕様上複数ページにわたって情報が記載されているものの、そのせいでかなり煩雑なことになってしまっており、かつ それでも確認できない内部情報も多い。
    • ペットのエサの選択画面でもエサの名前しか表示されず、変動するパラメータなどは確認できない。
      • 一応果実・野菜系であればリングコマンド内で図鑑を開けば確認できるが、エサの効果一覧表示などはないため個々のページを捲って確認することになる。
    • エサの並び順も五十音順ではないので、やりたいエサがどこにあるのか探す手間もある。
  • その他の具体的な点については下記の各項目にて解説するが、システム面で遊びづらさ・分かりづらさを感じる仕様が所々に見受けられる。

戦闘パート関連

  • マップの各所を通ると必ず戦闘になり、基本的に戦闘が回避できないにもかかわらず、戦闘が退却不可能
    • 戦闘が始まったら絶対に倒して進まないといけないので、マップ進行がやや面倒に感じることも。
    • 倒した敵も、マップを1回でも切り替えると復活(リスポーン)してしまう。
      • 特に分かれ道などでは、選んだ方の道の内容(開けているか、行き止まりか、宝箱があるか…)を見て戻って来るだけで行き帰りの2度の戦闘を行わなければならず、いちいち面倒。
    • エリアは限られるが、どこを通ると戦闘になるかの厳密なエンカウント範囲を把握していれば、できるだけ戦闘を回避することは可能。
  • 戦闘システム面
    • 使用できる武器種や取れるアクションの数が増えたことで戦闘のアクション性自体は過去作から向上しているものの、ARPGとしての正統進化を果たしたと評するにはやや大味でバランスの悪い面が目立つ。
    • 過去作で存在した戦闘中に魔法やアイテムを使用しての回復・補助行動が廃止されている。MPの概念もなくなり、HPは戦闘終了ごとに全快するように。これ自体は単に本作の特徴であり一概に改悪とは言えないが、過去のシリーズや当時の一般的なARPGの仕様から見てもやや異質であり賛否が分かれる。
      • 戦闘中の主な回復手段は「立ち止まる*12」「長いコンボを決める or 敵を倒して回復アイテムを出す(後者はランダム)」「戦闘不能から時間経過で復活する」の3つ。過去作における「隙を見てアイテム・魔法で任意回復」ができないため、高威力の武器・必殺技でやられる前にやるスタイルになりがち。
    • 本作の雑魚敵は一部を除いて何故か異様に移動速度が遅く、攻撃もあまり激しくない。ノロノロと近づいてきて隣接したら立ち止まって攻撃…を繰り返すだけのものがほとんどのため、軽快に動けて連続攻撃を決められる主人公と比べると相手としての張り合いに欠ける。
      • この性質上、本作の武器はリーチの長い「槍」「杖」「弓」が使い勝手が良く、逃げ回って距離を取りながら相手のリーチ外から攻撃を繰り返したり、コマンドアッパー*13を連発して敵を寄せ付けなければ(ブレスなどの遠隔攻撃持ち以外は)ほぼ反撃を受けずに戦えてしまう。
      • モンスターの行動の緩さは味方のペットも同様で、育てたペットを連れていてもかなりモタモタと戦うためもどかしい。味方NPCは多少マシではあるものの、結局主人公1人で暴れて蹴散らして終わらせるのが手っ取り早い という結論に行き着きがち。
    • ボス敵は体躯が大きいものが多く、攻撃範囲の広さから攻撃モーションを見てから回避するのが難しいものが多い。攻撃をヒットさせると一瞬だけ怯む性質を利用し、絶え間なく攻撃を続けて動きを止め続けた方が結果的に被害が少ない。
    • ボスの必殺技の発動中は無敵なので、技が終了するまでは逃げ回る以外にすることがない。このため大抵のボスは「仲間と協力して絶えずタコ殴りにして通常攻撃を封じ込め、必殺技の予備硬直(無敵になり点滅する)が始まったら逃げ回ってやり過ごす」という、ARPGとしての駆け引きに乏しいせせこましい戦いになってしまう。
    • ボスの必殺技は通常攻撃と比べて威力が非常に高い上に初見では攻撃範囲を見切るのも難しい。回復が任意では行いづらく立て直しが難しい仕様上、ある程度は死にながら覚える面もある。
      • ただし、コンティニュー(ペナルティ無し+アタックゲージMAX)のおかげで敗北時のストレスは少ない。
  • 魔法の扱いが微妙
    • 敵を攻撃・弱体化するタイプのみが揃っており、味方の回復・補助はできない。
    • 魔法はグラフィックこそ派手なものの威力はお世辞にも高いとは言いがたく、たとえ弱点を突いたとしても高Lvの雑魚を掃討する用途には使い難いため、「レベルを上げて物理で殴ればいい」というゲームバランスになっている。
    • 一応ゲーム開始後しばらくの間は武器の性能も弱いため、(やや値は張るものの)店売りの楽器を買って魔法を使えばその時点では威力・殲滅力ともに目を見張るものはあるが…周回プレイとそれに伴う高難易度モードが存在する本作のゲームデザインを考えるとかなり短い活躍期間である。
      • 一部魔法でマヒや炎上などの状態異常を付与すれば、多少は戦いが有利になる…が、必殺技にも追加効果を持つものが複数あるため、結局「レベルを(ry」となってしまう。
    • 特にボス戦では威力不足が顕著で、装備する武器によって青天井な威力を持つ必殺技や短時間で放てる通常攻撃と比べると完全に蟷螂の斧。魔法使用中は無敵状態になることを利用して、敵の必殺技を回避する用途にしか使えなくなる。
  • 一方で、この「敵の必殺技を回避する用途」に関してはゲームバランス崩壊レベルの利便性
    • 本作の敵ボスの必殺技は一律で「3秒ほどの予備硬直&点滅→やや大きめの予備動作の後に攻撃判定発生」という形なのに対し、こちら側の魔法は「概ね1~2秒ほどの予備動作→ボタンを離して任意のタイミングで魔法発動」という仕様。
    • 魔法のエフェクト時間(=無敵時間)は3~4秒ほどもあるものも多いため、攻撃が飛んできたタイミングに合わせて魔法を発動させるだけであまりにも容易にボスの必殺技をやりすごせる。本作の魔法にはMPなどの概念が無いため、こんな強力な回避行動が完全にノーリスクで行えてしまう
      • このお陰で本作は一応「魔法が弱くて使い物にならない」というわけではないのだが…いくらなんでも明後日の方向での強さと言わざるをえない。
  • アクションアビリティ・必殺技
    • アクションアビリティ・必殺技の習得は「該当武器と特定のアビリティを装備して勝利した回数が累計一定数(技ごとに異なる)を超える」という攻略情報なしには分かりにくいもの*14
    • 敵ごとにさまざまなアビリティを使い分けて楽しむというよりは使いやすいアビリティ2種類をつけっぱなしにして進む形になりやすいため、上記の仕様を知った上で(使いづらいものも含めて)意図的に様々なアビリティをセットして戦わない限り、新しいアビリティ・必殺技が一向に習得できない。
      • アビリティの中には「前転」「バク転」などそれ自体にはあまり利用価値のないものや、「ジャンプ」に対する「二段ジャンプ」といった下位・上位互換の関係のものがあることも煩雑さに拍車をかける。
    • 必殺技は「使用キャラと武器が光り輝く3秒ほどの演出」の後にようやくモーションが始まるため非常にテンポが悪く、必殺技自体のエフェクトの派手さの割にスタイリッシュさに欠ける。
      • 一応発動後はモーション完了まで完全無敵になるため横槍は入らないのだが、無敵状態で輝くキャラの周囲で敵がウロウロする絵面になりやすくかなり間抜け。対ボス戦の場合は輝く演出中にボス側も必殺技を発動(こちらも発動中は完全無敵)してしまい無駄撃ちになりがち。
    • 一度に装備できるアクションアビリティは最大2つ、必殺技は魔法と合わせて合計4つまでという少なさ。これらは戦闘が終わるまで変更はできない。
  • ペット及び仲間になるNPCの育成がやや面倒
    • 本作の経験値は敵を倒した時に散らばる青色の結晶(ジェム)を拾うことで獲得できるシステムなのだが、ペットや仲間NPCはこれを積極的には拾いに行かないため、経験値がなかなか溜まらない。
    • 序盤の町で発生する特定のイベントをこなすと「主人公の拾ったジェムの経験値がNPCにも平等に分配される」効果を持つ装飾品が貰え、育成がぐんと楽になる。
      • ただし、イベントの発生フラグが若干ややこしく、宿屋の奥という気づきにくい場所を一定の短いタイミングで訪れなければならないためやや見逃しやすい。更にイベント発生前の会話の選択肢で否定的な態度をとったり、イベントの途中でマイホームに戻ったりすると即失敗になる。
    • イベントの内容自体は簡単なものだが、報酬を貰う際に上記の装飾品の仕様について説明があるわけでもなく、UI面の分かりづらさも相まって初心者には装備画面で効果を確認するのも難しい。とりあえず装備しておいて、主人公がジェムを拾った時に仲間がレベルアップしたことで効果に気づくかどうか、といったところ。
    • 同じ効果を持つ装飾品は後に作れるようになるが、それでもLv99まで育成するのは非常に面倒。仲間NPCのレベルは周回するとリセットされてしまうのも問題。
  • 高難易度モードの戦闘バランスに置いてけぼりにされる各要素
    • 2周目以降に解禁される高難易度モードの「ヘル・モード」「ノー・フューチャー・モード」は武器防具作成・改造による強化された装備が前提となるゲームバランスなのだが、それ故に強化の恩恵を受けることができない要素が軒並み戦力外になってしまう。
    • 仲間NPCはランドの配置数が増える(=敵が強くなる)のに従い装備している武器・防具の性能が上がっていく仕様のため1周目こそそれなりに戦力になるが、2周目以降の高難易度モードでは「敵のレベルは最初から非常に高いのに装備は貧弱&レベルもリセットされて初期レベル」という悲惨な状況になってしまう。
    • ペットもエサをしっかり与えていてもインフレについていくのは難しく、一部のステータス異常系特技を使えるものや「レアアイテムドロップ率アップ」「HP吸収攻撃」「ノーダメージ」といった強力なシンクロ効果だけを目当てに連れることになりがち。
    • ゴーレムに至っては「チュートリアルの説明からして複雑」「まともに動くゴーレムを1体作るのにも材料の武器・防具が大量に必要になる」という敷居の高さに加え、「どう作っても一定確率で故障し一時的に行動不能になる」「ステータスが戦闘に反映されないバグが存在する」という欠陥により、1周目ですら活用は困難。
    • 魔法の威力面に関しては先述の通り。魔法楽器作成は武器のように副原料で強化する要素が無いため作成要素の中では比較的シンプルで分かりやすいシステムなのだが、性能面ではそれが仇となってしまっている。
      • 以上のように、結局のところ本作の複雑なやり込み要素で労力に見合った見返りがあるものは武器・防具の強化くらい と言っても過言ではなく、やり込みを意識する頃にはやり込み要素のほとんどが活かせないというチグハグなゲームデザインになってしまっているのが実情である。
      • ある程度ゲームに慣れてきたら、あえて強くてニューゲームを使わずに最初から遊び、これらの要素を活かした攻略を試してみるのも一興かもしれない。

その他

  • ペット小屋関連
    • ペットを育てられる数が少なめ。64種類もいるにもかかわらず、最大で同時に5匹までしか育てられない。そして連れ歩いて戦闘に出せるのは1匹。
  • 前述のようにエサを与えておくとレベルアップの際にステータスの成長に補正がかかるのだが、エサはレベルアップ1回分しか投入できない。
    • レベルが上がる度に主人公の家のペット小屋までエサを入れに行くのはかなり手間。連れ歩いているペットでもエサやりができるのは変わらずペット小屋であり、徹底して育てようと思うとダンジョンに潜る際などには「1度に2レベル以上上げない」ことを厳守する必要がある。
    • ペットの能力にさほど拘らないのならエサ入れは不要だが、気が変わっても後で取り返しがつくことではない*15ので損な気分にはなる。
    • 牧場でモンスターを「放牧」しておくと主人公の得た経験値の一部が放牧中のぺットにも入るのだが、上記のエサの仕様との噛み合わせが悪く、レベルだけは上がっていくもののステータス面での強化は諦めざるをえない。
  • 精霊を呼び寄せる演奏の手間
    • 精霊のコインは魔法楽器の作成・武器防具の改造で使う機会が多いアイテムなのだが、先述の楽器を演奏してコインを貰う作業がかなり手間。
    • 演奏に使った楽器が多いほど近くに来てもらいやすいのだが、演奏のたびに 曲の種類→楽器→主旋律・副旋律 を毎回選ぶことになり、これが非常に面倒。
    • さらに精霊によって曲の好みが分かれるので、手間をかけて8つの楽器を選んで演奏させても、気に入ってもらえなければなかなか近寄ってこない。この場合また曲の種類から選び直しである。
    • 楽器を選択する際もメッセージを表示し切るまでは入力を受け付けず、些細な時間だが毎度のことなのでストレスになる。
    • 多数の楽器を使って精霊の好みの曲を演奏したところで取得できるコインの質や量に影響するわけでもない*16ため、やらされることの多さの割に面白味が無い
    • 精霊の出現スポットはモンスターのヒナの出現スポットと被っているため、コインが欲しくてエリアを出入りしているのにヒナが現れてしまうことも多く厄介。
  • 一部のシナリオの発生・進行条件が分かりづらい
    • ほとんどのイベントがNPCに話しかけることで発生・進行するのだが、そのフラグが難解なものがある。ヒントも乏しいので、場合によっては町やダンジョンを総当たりしなければならない状況に陥ることも。
    • イベントの発生については特定のランドに入ればすぐに発生するものや台詞で教えてくれるものも多く、続き物となっている一連のシナリオであれば関係人物に縁のある場所を探せば見つけやすいが、ごく一部のシナリオは攻略情報なしで発生させるのが困難で、コンプリートは独力では厳しい。
    • 先述の最終シナリオの発生条件となる「宝石泥棒編」「エスカデ編」「ドラゴンキラー編」の3大シナリオのうち、宝石泥棒編はイベントの発生条件・発生場所がやや分かりづらく、情報なしで最後まで読み進めることが難しい。
      • ドラゴンキラー編は次に行くべき場所が明確に示されるシンプルな構成のため、とりあえずこれを進めていけば本作のエンディングまでは行き詰まることなく辿り着ける。
  • 計画的に進めないとコンプリートが困難
    • サボテン君日記の歯抜けを防ぐには、イベントが1つ終了するたびにマイホームに戻る必要があり、これ自体がまず面倒。
    • 加えて厄介な点として、仕様上マイホームの中に入ると連れているNPCとは別れることになるのだが、イベントの発生に付随してNPCが加入している場合、この方法で別れるとイベントが失敗扱いになってしまうことが多々ある。
      • 「日記を書かせるためにサボテン君に話しかけたいが、そのためにマイホームに入ると別のイベントが失敗してしまう」という状況に陥るのを防ぐためには、なるべくイベントの平行進行を控えたり、イベント終了→すぐに帰宅してサボテン君に話す を心掛ける必要がある。
    • イベントでサボテン君が出歩いて家に帰ってこなくなることもある。すぐにイベントを終えて帰宅させないと、この間に進めた他のイベントの日記が歯抜けになってしまう。さらに、他のイベントを進めずに帰宅させることが不可能なケースもある。
    • 「武器防具作成」などのマイホームの施設関係のイベントは周回後も発生しないため、サボテン君日記を書くチャンスが一度きり。書き損ねた場合はそのデータでは二度と埋められなくなる。
    • ランドメイクに関しても「特定の属性のマナレベルが3以上、特定の属性が0以下」といった発生条件を持つイベントが存在するため、計画的に配置しなければ隣接する土地が埋まってしまい発生不可能になってしまう。
    • アーティファクトを一定以上置くと消滅するイベントがあったりと罠のような仕組みがあったりする。
      • 「強くてニューゲーム」が存在する仕様上、本作のコンプリート要素はある程度は周回攻略を前提としたものではあるが、上記のマナレベルに関するものなどは作中でノーヒントであり自力発見は困難なため、「攻略情報前提」となってしまっている節がある。
  • セーブポイントが少ない
    • 戦闘に負けても無限かつノーリスクでコンティニューが可能なので、それとの兼ね合いだと思われる。
    • コンティニューするとそのマップに入ったところから再開するため雑魚戦であれば退却もできるが、肝心のボス戦の場合は退却不可能。どうしても勝てない場合はそれまでの進行を諦めてリセットするしかない。
  • ロード時間がやや長い
    • 各ランドに入った時やイベントが起きるマップに入ると10秒~15秒程度のロードを挟む。
    • ランド内のエリア間切り替えに要する時間は2~3秒程度。本作はひとつひとつのエリアがやや小さめな構成であることを考えると若干気になる時間か。
  • ポケットステーションで遊べるミニゲームから以外では入手できない素材がある。
    • PSVitaを除き、ゲームアーカイブスで遊んでいる場合はポケットステーションが利用できない。
    • 一部の素材は宝箱からでも入手可能ではあるが、ミニゲームを利用せずに数を集めたい場合は、ゲーム本編を何周もしながら集めるしかない。
    • さらに高級な素材はLv30以上の強敵*17が極めて低い確率で落とすか、このミニゲームで手に入れるしかない。

総評

様々な新しい試みがなされた意欲作でありながら、多くの要素が高クオリティでまとまっており、全体的に優れたデザインのゲームである。
ある種シュールな世界設定やプレイヤーに委ねる部分も多いシナリオはシリーズでも独特だが、外伝ということもあって批判はさほどなく、一定の評価を得ている。
一部のシステムが複雑でとっつきにくい一面もあるものの、深く理解しなくても十分に楽しめる設計にはなっている。
新鮮なゲームや、やり込めるアクションRPGを求める人にお勧め。


おまけディスク「SQUARE'S PREVIEW Vol.5」

  • 最初に発売されたバージョンのみ2枚組となっており、おまけディスクが付属していた。
  • 収録内容は以下の通り
  • 後に廉価版が複数発売されているが、廉価版にはこのおまけディスクは付属していない。

他作品とのコラボ

  • 『FF』シリーズのマスコットキャラクター、チョコボがモンスターとして登場している。
    • シリーズ初作『聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~』ではその位置づけもあってチョコボが登場していたが、聖剣伝説というシリーズが独立してから逆輸入のような形で登場するのは初めて。
    • 敵モンスターとして登場するのは黒色のチョコボであり、おなじみの黄色チョコボはペットとして登場。
    • なお、メモリーカードに『ファイナルファンタジーVIII』『チョコボレーシング ~幻界へのロード~』『チョコボの不思議なダンジョン2』のいずれかのセーブデータが入っている場合、初回のペットイベントの対象となるペットのヒナが通常のラビではなくチョコボに変更される隠し要素がある。
      • チョコボ自体はこのイベント限定のペットというわけではなく、通常のデータでも鳥ヒナから簡単に仲間にすることが可能なため、後述の2作品の特典と比べるとちょっとしたオマケに近い。
  • 『サガ』シリーズのスタッフが関わったためか、「乱れ雪月花」「無双三段」など、サガシリーズの代表的な技が登場している。
    • さらに『サガ フロンティア2』のセーブデータがあれば追加イベントが発生するようになり、武器「丙子椒林剣」を入手可能。
  • レーシングゲームハイスピード・ドライヴィングRPG『レーシングラグーン』とも連動要素があり、同作のセーブデータがあるとそれにちなんだ追加イベントが発生し、装飾品「最速のホイール」を入手可能。
  • なお、これらのコラボイベントを発生させるにはプレイ中に一度セーブデータ選択画面を開き、該当作品のセーブデータが入ったメモリーカードを「認識」させることが必要。

余談

  • 同時期に発売された『ファイナルファンタジーVIII』の記録的売り上げに端を発する、スクウェアの戦略変更に反発した社員が、1999年から2000年にかけて次々に退社する。本作の開発スタッフも例外ではなく、メインスタッフだった亀岡慎一氏・穴澤友樹氏・津田幸治氏・井上信行氏らが退社し「ブラウニーブラウン」として独立した。数年ぶりに聖剣シリーズは復活を遂げたが結果として、本作以降の作品はいずれも評価が芳しくないものになってしまい、聖剣ブランドの衰退と凋落を引き起こしてしまった。
    • 本作発売後に続編の企画が承認されて開発がスタートするが、開発スタッフの一部が『FF11』に流れてしまった影響で中止となった。後に配信されたガラケー用のアプリゲーム『聖剣伝説FRIENDS OF MANA』では本作に登場したキャラや背景美術が流用されてるが、続編との関連性は明かされてない。
  • スタッフが共通するサガシリーズと同様に、本作にはプロレスを意識して作られた部分がある。
    • ハンマースルーや挑発といったアビリティもそうだが、グラブの必殺技の選定はまさに当時のプロレス技そのもの。ファンタジーな世界で「断崖絶壁喉輪落とし(田上明の持ち技)」や「タイガードライブ'91(三沢光晴)」が、それもドット絵の小さい主人公が必死にプロレス技をかける様は非常にシュール。
    • BGMを担当した下村陽子はどちらかといえばメロディックな曲調が持ち味だが、「ボス戦の曲はプロレスにしろ」と言われ、門外漢だった彼女はその雰囲気を掴むのに大変苦労したらしく、サントラのライナーノートにはそれに関する愚痴とも取れる内容が書かれている。
  • ドミナ村の教会のオルガンを調べると主人公が自動で演奏をするが、ゲーム開始時に8分の1の確率で主人公が「演奏下手」になってしまうという隠し要素がある。
    • 「演奏下手」になっていると、演奏時の曲がやたらとぎこちないものになる。サウンドトラックにも収録されている。
  • 本作から、シリーズタイトルが共通して『聖剣伝説 ○○ of MANA』というネーミング法則になっているが、これは本作が元というわけではなく、『聖剣伝説2』の海外版のタイトル『Secret of Mana』に倣ったものである。
    • このため、海外版は「聖剣伝説」の部分が省かれて『LEGEND OF MANA』のみのタイトルになっている。以降のシリーズも同様のネーミング法則に則っており、あちらでは「Manaシリーズ」として知られている。
    • 日本版は発売時期の関係からバランス調整が足りなかったとのことで、海外版にて大きく調整・変更が入っており、武器素材や果実の性能が日本版から全体的にナーフされるなどバランス面ではかなり異なる内容となっている。
  • 本作の公式攻略本『聖剣伝説 LEGEND OF MANA アルティマニア』は効率的なランドマーク設置方法やゴーレムの作成方法といった攻略内容以外にもゲーム内では語られなかったファ・ディールの歴史や、賢者の設定、人物図鑑なども載っており、ファンであれば持っておいて損のない一冊になっている。
    • 後述のHDリマスター版の発売に伴い、電子書籍版も発売されている。ただし、そちらは残念ながらスタッフインタビューページが未収録となっている。
  • 本作のファンは根強く、発売から20年以上経過しても「PSの名作は?」という問いに必ず名前が上がるほどだった。
    • 2018年12月に発売された「プレイステーション クラシック」にはラインナップから外れたものの、本作の収録を希望する声が多数上がっていた。
    • そして、2021年に後述のHDリマスター版として蘇ることになった。

メディアミックス

  • 月刊誌『ファミ通ブロス』(現在は休刊)で1999年~2002年まで、この作品のコミック版が連載されていた。作者は天野シロ。単行本は全5巻。2008年には愛蔵版(上下巻)も出ている。
    • 一作の漫画としては好評ではあるが、本来の哲学的な要素はほぼ切り落とされている為、ゲームファンには首をかしげる部分もある。
      • 後述するがギャグ描写が強烈である事と、主人公が熱血漢になっている事から、そう言ったテーマを絡め辛いという事情もあるのだろう。そこもやや人によって評価が分かれる部分である。
    • メイン3シナリオの中では比較的評価が低い「エスカデ編」は内容が大幅に改変され、特にラストの展開は原作と全くの別物となっているが、これが良改変として高く評価された。他方「ドラゴンキラー編」は、元々の展開がシンプルなためか1巻未満の短さでサックリと終了してしまう。
      • 宝石泥棒編もオリジナル描写が強いものの、原作通りの結末を迎えつつ原作を補完する部分もある。また、最終シナリオはほぼオリジナルで、特に本編で全くバックボーンが存在しなかった主人公自身の生い立ちも関わっており、結末も独自解釈によってゲームとは大きく異なったものとなっている。
    • 氏の作風から、(時には世界観を無視した)ギャグ成分も盛り込まれている。主人公が『ファイナルファンタジーVIII』のキスティスにぞっこんで、フィギュアまで持っているという設定は当時の読者には有名。
    • 主人公名には、本作オリジナルのオート名称のひとつである「トト」が使われている。これはディレクターの石井浩一氏が男主人公に付けていた名前でもある。
      • 終盤には女主人公も登場するが、こちらの名前はオート名称と無関係な「イム」となっている。
      • 「トト」「イム」はケータイ・スマホアプリ『聖剣伝説 CIRCLE of MANA』の主人公名としても採用されている。
    • 尚、「トト」は上述した通り正義感が強い熱血漢でボケもお手の物という王道少年漫画的性格な一方、「イム」はギャグ描写こそあれどキツイ性格&男口調と、かなり極端なキャラ付けになっている*18。本編中の選択肢は男女共通で女主人公だからと言って女性寄りになったりはしないので、そのイメージを持ってきたのだろうか。
      • ちなみに後のアニメ版では男主人公は「心優しく正義感に溢れ、世話焼き」。女主人公は「明るく社交的」と紹介されており、当然ながら漫画とは性格が異なる。
  • また、2000年2月3日にファミ通文庫より『あまたの地、あまたの人』のサブタイトルでノベライズ版も出ている。著者は細江ひろみ。
    • こちらは漫画版とは対照的に静観的な雰囲気の主人公で、哲学的な要素が色濃く出ている。ゲームでの顔無しキャラのイメージを踏襲したかのようで、そもそも主人公の性別すら明言されない。ただし一人称は「私」で、作中の言動からもどうやら女主人公の方ではないかと推測される。表紙に大きく描かれているのも女主人公の方である。
  • 『聖剣伝説レジェンドオブマナ カードデュエル』という対戦トレーディングカード(全150種類)が発売されていた。内容としては、アイテム・サポートカードを使用しながらランドメイク完成を目指し、モンスターで相手のランドメイクを妨害するというもの。
  • 2021年6月27日にはシリーズ30周年を記念して『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-』のタイトルでアニメ化されることが発表。
    2022年10月より毎日放送・TBS系列『スーパーアニメイズム』枠ほかにて放送開始された。
    • タイトルから想起させられる通り、本編のメインシナリオの1つ「宝石泥棒編」が題材となっている。
    • 主人公も漫画同様に男主人公が務めると思いきや、まさかの男女両方によるダブル主人公であった。
      • 尚、それぞれの名前と担当声優はスマホアプリ『聖剣伝説 ECHOES of MANA』から引き継がれており、男主人公は「シャイロ(CV:島﨑信長)」、女主人公は「セラフィナ(CV:早見沙織)」となっている。
      • OP曲もセラフィナ役の早見沙織氏の新曲、EDはというとSONG OF MANAの日本語歌詞版を早見沙織氏*19が歌唱という、原作ファンはもちろん早見氏のファンにとって非常に嬉しい選曲となっている。
  • 2022年10月7日には前述とは別のノベライズ版『小説 聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』が発売。著者は砂守岳央。
    • こちらは女主人公「セラフィナ」となっている。

HDリマスター版(参考記述)

  • 2021年2月18日のニンテンドーダイレクトでHDリマスター版『聖剣伝説 Legend of Mana』が発表。
    PS4/Switchにて2021年6月24日、Win(Steam)にて同年6月25日発売となった。スマートフォン(iOS/Android)版も同年12月7日に配信開始。
    • 開発は『聖剣伝説コレクション』も手掛けた移植メーカーでおなじみエムツーが担当。
    • 背景グラフィックのHD高解像度化(キャラクターのみドット絵のまま)、背景やUIの描き直し、新規OPアニメーション、アレンジBGMの追加(オリジナルBGMといつでも切り替え可能)、エンカウントOFF機能などが施されている。
      • 背景が精細になったのに対し、キャラクターは当時のドットのままなので粗さがやや目立つ点はあるものの、これはキャラクターが背景に紛れて見辛くするのを防ぐために意図的に設定したものであるとのこと。
    • ゲームバランス(主に武具の改造など)はオリジナルの日本版ではなく後発の海外版に準拠しているため、実質インターナショナル版と呼べる内容になっている。
      • これにより、旧国内PS版の武具改造やペット育成の攻略チャートが通用しない箇所も多く、旧作をやり込んだファンからはこの点で批判されることがある。
      • ただし前述したように、かつての海外版における変更は日本版で調整不足だったゲームバランスを改めて調整し直した結果でもある。昔の国内版チャートが通用しない点についても海外版で代替できる他、リマスター版発売後より対応した攻略情報が出回っており事実上解決している。
    • ポケットステーションのダウンロードミニゲームであった「リング・りんぐ・ランド」は、当時の画面をそのまま再現してゲーム内ミニゲームとして実装。仕様も当時と同様でセーブデータが独立しているため、増殖技も一応使用可能*20
    • リマスター版独自の追加イベントこそ無いものの、当時『サガフロ2』『レーシングラグーン』など当時のスクウェアの他作品のセーブデータと連動して発生していた追加イベントはゲーム内に最初から収録され、標準で発生するようになった。
      • ただし、『FFVIII』等との連動で出現した「チョコボひな」のイベントだけは通常のイベントの差し替えとなっていた影響もあってか削除され、最初のひなは「ラビ」に固定されている。開発スタッフによれば、やはり聖剣の最初のペットはラビであって欲しいからとのこと。
    • オマケとしてギャラリーモードとミュージックモードが追加され、各種イラストやBGMを鑑賞できる。BGMについてはこちらもアレンジ/オリジナルを共に視聴可能。
    • ダウンロード版の他、PS4/Switch版はパッケージ限定版として「コレクターズエディション」も発売され、こちらはアートブック・サウンドトラック・サボテン君ぬいぐるみが付属している。パッケージ単品では販売されていない。
    • HDリマスター版発売と同日に、電子書籍版『アルティマニア』も配信開始。
      • こちらは国内PS版当時そのままの内容のため、一部パラメータが海外版準拠となったリマスター版では通用しない箇所もあるが、マップや攻略チャート等はそのまま使用可能。なお、当時存在したスタッフインタビューページは電子版では残念ながら削除されている。
    • HDリマスター版発売を機に、石井浩一氏&高井浩氏のインタビュー記事が掲載された。
    • 発表当初は原作からフォントが変更されたことについて「雰囲気が原作と違いすぎる」「文字そのものはくっきりして読みやすい」等ユーザー間で賛否があったが、発売直後の公式生放送で原作フォントをアップデートで追加する告知がなされ、発売から3ヶ月後となる2021年9月27日のアップデートで日本語設定時のみ原作をほぼ完全に再現したフォントが実装された。
      • オプション設定でデフォルトフォント、原作オリジナルフォントを選べる他、ペン字風のアレンジフォントも新たに搭載されている。
    • オリジナル版のレーティングはCERO:A(全年齢対象)であったが、リマスター版ではCERO:B(12歳以上対象)に引き上げられている。
    • ハード性能の向上等の恩恵もあってか、原作でやや長かったロード時間がある程度短縮され、原作より快適に遊びやすくなった。また、原作にあった幾つかのバグも修正されているが、リマスター版で新たに発生したバグも存在している。
+ タグ編集
  • タグ:
  • PS
  • 1999年
  • ARPG
  • スクウェア
  • 聖剣伝説

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最終更新:2023年11月14日 22:46

*1 初版のみ体験版ディスクがもう1枚付属。

*2 アルティメットヒッツ版で付与されたレーティングを記載。

*3 oを小さく『LoM』と書かれる場合もあるが、本作の場合はロゴの英字が全て大文字表記になっている。

*4 変換形式ではなく大量に並んだ漢字群から選択する形式のため、目的の漢字を探し出すのがかなり大変なのはご愛嬌。

*5 厳密には、属性の影響により数レベル変動するため必ずしもレベル99にはならない。

*6 主人公以外にも分類上は人間種とされているキャラクターはいるが、実際は他種族の特徴を備えている。

*7 『2』『3』にもあるにはあるが、『2』時点ではSFC特有の拡大縮小機能を使用した粗いドットだった。

*8 店売り品・モンスターのレアドロップを含め作中で通常取得可能な武器の最大攻撃力ですら3桁にも満たない。

*9 それこそ本ページの上記項目での解説に毛が生えた程度の情報量である。

*10 なお完全に排斥されたわけではなく、とある街にはルナの彫像がある。

*11 なお、アウラが登場したのはこの作品のみで、後の作品には登場しない。LEGEND OF MANAをベースとしたネットワークRPG「聖剣伝説 FRIENDS of MANA」にも登場していない。

*12 立ち止まっている間は「体力」のステータスの値に応じてHPが自動回復する。

*13 特定の移動コマンド+強攻撃ボタンで繰り出せる特殊な強攻撃である「コマンド技」のひとつで、武器を下から大きく振り上げて攻撃する。斜め下+強攻撃という簡単なコマンドながら、広い攻撃範囲・相手を吹き飛ばす効果・少ない後隙と非常に優秀。

*14 一応「特定のアビリティをセットして戦闘を重ねると新しいアビリティや必殺技を習得できる」ことに関しては最初のダンジョンの入口で任意のチュートリアルが聞ける。

*15 育成のリセットは不可のため、再度同じモンスターを仲間にして育てるところからやり直しになる。

*16 貰える枚数は3枚で固定、銀貨/金貨の抽選は1枚毎に銀貨7/8、金貨1/8の確率で固定。

*17 モンスターには1-5までのランクがあり、ランク5の敵しか落とさない。

*18 このような性格になった理由は作中で示唆はされている。

*19 「セラフィナ(CV:早見沙織)」名義。

*20 ただし仕様上、家庭用ハードでは手順がやや面倒。