ちっぽけラルフの大冒険

【ちっぽけらるふのだいぼうけん】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 ニュー
発売日 1999年6月3日
定価 4,800円(税別)
配信 ゲームアーカイブス:2007年7月26日
判定 良作
ポイント 超正統派ながら作り込まれたアクション
やたらグロい死亡シーンも話題
体験版における謎のコラボ(へろへろくん)も語り草


概要

当時のゲームジャンルの流れとしては珍しい、レトロゲーム(昔のアーケードゲーム)的なステージクリア型の純粋な2Dジャンプアクションゲーム。
ファンタジー世界を舞台としたオーソドックスな横スクロールアクションゲームであり、プレイステーションというハードながらスーパーファミコン時代を思わせるシンプルなドット絵グラフィックとシンプルなアクションの作りを特徴としており、マイナーながら隠れた名作として評価されている。

ストーリー

冒険の始まり
突如として人間界に侵略を開始した魔族たちに人間たちは為すすべもなかった。

そんな中、魔族に立ち向かう一人の少年がいた。彼の名はラルフ。
しかし彼は戦いのさなか、魔将軍バルゴの手により子どもの体にされ、
幼なじみのルテイシアもさらわれてしまう。

失意のラルフの前に伝説の聖剣が現れる。聖剣の真意とは? 魔族の計画とは?
さまざまな思いを胸に聖剣を手に取るラルフ。

遥かなる失われし大地へ、今少年が旅立つ!

ゲームの特徴

  • オーソドックスな横スクロールアクションゲーム。ステージ4以降の大ボスのステージでは主人公が本来の青年の姿に戻り、対戦型格闘ゲーム形式でボスと対決する。
  • スコアアタック的な要素が作り込まれている。
    • ハイスコアを狙うなら、点数アイテムの効率的な収集の仕方や隠し部屋探し、隠し得点フィーチャー探し、敵の倒し方等を戦略的に練る必要がある。
  • 難易度は高い。
    • 序盤こそヌルめの難易度だが、次第にトラップの配置などが際どくなり、即死要素も多くなってくる。
      • 特に最終ステージの「死の十三回廊」と呼ばれる箇所は、鬼畜な即死トラップの数々を紙一重で切り抜けていく最難関で、本作の名物と言われている。
    • 敵の攻撃をまともに受けると一撃でミスになるので油断ならない。
      • ただし、シールドアイテムを取得していればダメージを受けても1回だけ耐えられる。
    • コンティニュー回数は無限であり、死亡後の復活地点もステージの最初からやり直しではなく、何箇所にも細かく分けて設定されているので、再挑戦はしやすい。
    • イージーモードなら最初からシールドを標準装備しており、敵の配置なども比較的簡単になっている。
      • ただしイージーモードでは、全8面中の5面クリアでエンディングになる。エンディングの内容もノーマルモードとは異なる。
  • スコア以外の記録要素も豊富。
    • タイトルメニューの「DATA NOTE」にて、これまでのプレイ時間や最短クリア時間、クリア回数、アイテム別の取得数など様々な記録を閲覧できる。

評価点

  • 作り込まれた良質の2Dアクション
    • 敵やアイテムの配置などのステージ構成が巧妙に練られており、遊び応えがある。クリアを目指すだけでも十分楽しめる。
    • 慣れればテンポ良くサクサク進んでいける。
  • スコア稼ぎの楽しさ
    • 敵を連続で吹き飛ばしたり、得点アイテムのフルーツなどを連続で取得したりといった、快感を得られるポイントが随所に存在する。
      • 隠し通路やフルーツの出現箇所などを発見したり、稼ぎのパターンを構築していく過程は面白い。
  • 昔懐かしいテイストを感じさせるグラフィックやBGM
    • 昔懐かしい2Dアクションゲームの世界観やアクションのテンポにぴったりマッチしている。
    • 特にグラフィック面ではやたら作り込まれた死亡パターンの多彩さが話題になった。
  • 各ステージのボス戦ではボスとの会話イベントが用意されている。
    • ボスのキャラは妙に個性的で、対する主人公の不敵な態度も相俟って掛け合いはなかなか面白く出来ている。
    • 勿論、スキップも可能。勝てなくて何度も再挑戦する羽目になっても障害にはならない。

賛否両論点

  • ボス戦の格ゲー部分
    • 基本的にジャンプアクションゲームなので、好みが分かれやすい部分である。
    • 何か特別なシステムが搭載されているわけでもなく、格ゲーとしての出来は平凡。
    • 一応ゲームのアクセントにはなっているし、格ゲーのシステムにより「ボスとの一騎打ち・押しつ押されつの攻防」というシチュエーションが表現されている。
    • 慣れた格ゲープレーヤーなら問題なくボスを倒せて高難易度のステージとのギャップを感じるほどだが、一方で運の要素が強いのでパターン化しにくく、格ゲーが苦手なプレイヤーは逆に躓きやすい。
    • 特にラスボスは戦法が異なる第二形態との連戦であり、HPも回復しないのでプレイヤーの腕前で露骨に難易度の差が出てしまう。
      • 得意な人ならあっさり倒せてしまい、数十回のコンティニューの末もあって拍子抜けするが、不得意な人はなかなか勝てず何度も挑む羽目になり、ステージと併せて二重の苦難を味わう事になる。いずれにせよバランスは良くは無い。
      • タイムアタックやスコアタックなどもやや運に左右されてしまう。
  • 難易度が高い
    • 即死要素が多くほぼ死んで覚えるゲームといえ、そうした作風が肌に合う人には楽しめるが、そうでない人や初心者には楽しみ辛い。
      • イージーモードでは最後までプレイできない点も苦手な人には厳しい作りである。
    • ラストステージの「死の十三回廊」は本当に難しいので、本作の名物であると同時に人によってはトラウマ級の恐ろしさである。クリアした時の達成感はひとしおだが、そこまで折れずに行けるかはプレイヤー次第。

問題点

  • ステージセレクト機能はあるのだが、ステージセレクトで開始した場合は、主人公のパワーアップなどの状態が初期状態からの開始となる。このため、パワーアップ状態を踏まえてのパターン作りが容易ではない。
  • スコア稼ぎの問題点
    • ステージ5-2の一部の稼ぎ要素が極めて深刻な問題になっている。
      • 簡単に言えば、残機一杯・時間一杯まで敵の飛び道具を斬り続けてスコアを稼ぎまくるというもの。
      • 残機一つあたり5分程度の時間を要し、究極的には32機= 約160分 ほどもの長大な時間を延々稼ぎに費やすことになる。
      • この稼ぎがゲーム全体のスコアに占める割合は極めて大きく(クリア時点での総合スコアの半分ほどの割合を占める)、稼ぎを突き詰めるならやるしかない。あまりにもダルい稼ぎなので、断念した人も多い。
  • しゃがみ続けていると画面が下にスクロールする仕様の弊害
    • 下に空間がない場所でも無駄に適用されるので、そういう場所でしゃがみ続けると、画面スクロールにより上方の空間が見えなくなってしまう。このせいで一部プレイしにくい場面がある。

総評

2Dアクションゲームの隠れた秀作。
スコア稼ぎの欠陥や格ゲー部分等、多少の問題もあるが、往年のジャンプアクションゲームが好きな人、即死ゲー上等な人であれば十分楽しめる。
クリアを目指すだけでも難易度が高いので気軽に手を出すのはお勧めしないが、我こそはという自負のある方はスコア稼ぎまで含めて是非とも挑戦して頂きたい。


関連商品

  • へろへろくんとラルフの大冒険
    • 児童誌『コミックボンボン』および、その連載漫画『へろへろくん』とのタイアップによる体験版。同誌の読者応募サービスとして販売された。
    • ステージ1-1~3-2までをプレイできる。
    • ゲーム中の一部のキャラクターや得点アイテムが、へろへろくんの登場キャラクターに置き換えられている。
    • 漫画の主人公であるへろへろは最初から最後までラルフに同行しており、得意の鼻水を飛ばして一緒に戦ってくれる(製品版のフェイリオと同様の性能)。
      • いくつかの台詞なども、へろへろに合わせたものになっている。ステージクリア時には漫画同様、ラルフとへろへろが「う~んとってもへろへろ~」というポーズを取る。
  • ちっぽけラルフの大冒険 オリジナル・サウンドトラックス
    • 2009年12月1日、ゲーム音楽配信サイト EGG MUSIC よりリリースされた。メーカーはアーテイン名義。

余談

  • 本作は元々X68000向けに開発されていたらしい。
    • 得点アイテムの「パソコン」のグラフィックはX68000に酷似しており、得点も68000点。
  • 後に発売および開発元のニューは分社化しアーテインをパブリッシャーブランドかつ親会社とした。
    • しかし残念ながらアーテインは2011年頃に行方をくらまし、ニュー自身も2013年4月18日に破産手続を開始し、倒産してしまった。
    • また分社化のひとつであるボクシングゲームを多く手がけたグランプリも2012年に倒産している。シンク・アンド・フィール、娯匠は健在の模様。
    • 本作の権利は株式会社コラビエに移った。

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最終更新:2021年12月30日 02:46
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