チョコボの不思議なダンジョン

【ちょこぼのふしぎなだんじょん】

ジャンル ローグライクゲーム
対応機種 プレイステーション
発売元 スクウェア
開発元 スクウェア、バンプレスト
発売日 1997年12月23日
定価 6,800円(税別)
配信 ゲームアーカイブス
2012年08月28日/600円
判定 良作
ファイナルファンタジーシリーズリンク
不思議のダンジョンシリーズリンク


概要

スクウェアのマスコット的なキャラクター「チョコボ」を主人公に据えたローグライクゲーム。
『トルネコの大冒険』『風来のシレン』に代表される「不思議のダンジョン」シリーズは開発会社のチュンソフトの名を知らしめた名作であるが、
本作はそのチュンソフトの中村光一氏が監修した作品である。 本作は「不思議ダンジョン」ではなく「不思議ダンジョン」と名称が変わっており、ライトユーザー層に合わせた作風に仕上がっている。 「不思議のダンジョン」と同様のシビアな作風を期待したユーザーからは落胆の声も聞かれたが、最終的には117万本もの好セールスを記録した。


評価点

  • ローグライクのシステムとファイナルファンタジーの融合。レベルアップや装備強化などのやり込み要素。
    • ファイナルファンタジーシリーズのファンや、純粋なローグライクの客層から離れた女性、低年齢層といったライトゲーマーに好評。ローグライクゲームの新たな可能性を見せ、新規ユーザーの取り込みに一役買った。
  • ダンジョン内の豊富なギミック
    • ダンジョン内のギミックは、本作以前の「不思議のダンジョン」シリーズよりもバラエティに富んでいる。
      • 乗ると何らかのメリットが得られる魔法陣、武具を自分で合成できるかまど、アイテム以外にもトラップや敵が入っていることがある宝箱や額縁、空の瓶で薬系アイテムを入手できる泉など、探索を単調にさせないようなアイディアが盛り込まれている。
      • 第3ダンジョンでは特定の階層で以前のダンジョンのボスがいたり、カジノがあったりとお遊び要素もある。
        深い階層には隠しボスともいえる『FFV』の「神竜」「オメガ」も登場。今作でも超強敵な彼らは、不思議のダンジョン層にもそこそこ好評だったと思われる。
  • チョコボの活躍に合わせた町並みの成長
    • 舞台となる村は最初は寂れた農村だが、特定のアイテムを売り続けていると変化が起こってくる。
      • たとえばサンダーの本を売り続けていると町の街灯に明かりが灯るようになる、ドレインの本を売り続けていると病気の子供チョコボが元気になる、といった具合。
  • 隠しパラメーター豊富な武器強化
    • 武器に設定されている隠しパラメーターが非常に多く、全部上げようとするとかなりのやりこみ要素になる。途中で力尽きても武器が失われることは無いため、長期的に一つの武器を強化できる。
  • 派手な演出の魔石や宝玉
    • FFシリーズおなじみの召喚獣を呼び出し大ダメージを与えられる魔石、同じくFFおなじみの上級魔法を封じ込めた宝玉の演出は当時のレベルとしては圧巻。
    • 召喚獣達は本作に合わせたデフォルメがなされており、本家とはまた違った雰囲気の演出が楽しめる。
    • 魔石自体の希少さや、入手方法の特殊性はコレクター魂に火をつける。
  • 底なしの第三ダンジョン
  • 聴きごたえのあるBGM
    • 曲数は少ないが、世界観に合った落ち着いたダンジョンBGMは高い評価を受けている。またボス戦のBGMも非常に好評。
    • 作曲者は後に『サガ フロンティア2』、『FFX』、『FFXIII』などを手がける浜渦正志氏。

問題点

  • ATBバーの仕様
    • 部屋から出ると大半の敵のATBバーは0にリセットされる。これを利用すれば一方的に攻撃することが可能。
    • また、チョコボ側のATBバーの長さがアイテムで短くできるのに対し、モンスター側のATBバーの長さは終始固定されている為、一度チョコボの強化が済めば、ボス級相手でも無い限り、逃げなくてもまず殴られることはなくなる。
    • そもそも完全ターン制であるローグライクと、リアルタイムのATBとの相性自体を疑問視する声も多い。『2』では改善された。
      • スタッフインタビューによると、上層部よりATBバーはFFの象徴として絶対に入れてほしいとの要望があったとのこと。
  • 攻略本などで情報を得ないと極めて気付きにくい、細かすぎる要素多数。
    • 上記の、街灯や病気の子供チョコボなどの解決・対処法も普通のプレイではなかなか気付かない。
      • ゲームが進行していればある程度自然に条件が満たせる可能性はあるが、やはりヒントぐらいは欲しかったところである。
      • 村の発展自体は面白いが、変化に地味なものが多く発展させた感触はやや足りない。
    • ゲームを進めると入手不可になるレア武器は、かなり意地が悪いやりこみ要素。
  • 「不思議のダンジョン」シリーズとの紛らわしさ。
    • 本作は「不思議のダンジョン」シリーズとは似て非なるもの。「不思議のダンジョン」と同様の作風を望んだユーザーから大きな批判を受けた。
    • 具体的には、「ダンジョンから出てもレベルが継続」*1「階層を進むたびにセーブ可能」*2「前述のATBバーの仕様によるアクションゲーム化」などである。
      • 特に、99F以降の繰り返しに飽きたという批判が多かった。
    • 前述の装備品もそうだが、システム上ほとんど使う必要のない死にアイテムが多い。
      • 「不思議のダンジョン」であればアイテム持ち込み不可のダンジョンがあり、生き残るためにあらゆるアイテムを活用する必要がある。
        システムは根本的に異なるにも拘らず、アイテムの効果や役割を中途半端に引きずっている面が多く、ちぐはぐな印象を与える。
  • エンディングがない。ストーリーに謎を残したまま投げっ放しな状態となってしまっている。
    • 一応第2ダンジョンクリアでスタッフロールが流れるため、第3ダンジョンはクリア後のおまけと捉えることも出来る。
  • がまんのツメ*3という武器が極めて強力。最終的にはこの能力が付加されていないツメは選択肢に入らなくなる。
    • 装備品のバリエーションは多いのだが、合成で付加できる能力が2つまでということもあり日の目を見ない装備品が多い。
      前述のように装備ロストが無いので、強いものを手に入れればそれだけを鍛えていけば良く、半端な能力のものを活用する機会が少ない。
      多彩な特殊能力を持つにも拘らずパラメータ補正のための合成素材としてしか扱われないのは寂しい。
  • 一部深刻なバグが存在する。
    • ツメとクラに設定されている多数の隠しパラメータだが、これをある程度鍛えたツメクラと首輪を同時に装備すると何故か数値に不具合が生じ極端にチョコボが弱体化してしまう。
      • 厄介なことに種類を問わずすべての首輪で発生し、少し意識して鍛えるだけでバグが生じるボーダーラインを超えてしまう。それなりにやり込んでいるプレイヤーにとって首輪はマイナス装備にしかなっていない。
    • 突入した瞬間にフリーズが多発するフロアがいくつか存在する。
      • 非常にまずいのが階段を下りると同時にセーブを行えるという仕様があること。運悪くセーブを行った直後のフロアでフリーズに遭遇してしまった場合二度とそのデータでプレイできなくなる。
      • また、第三ダンジョンであまり深く潜りすぎると、オメガ戦の階層で壁の中からスタートする場合がある。この場合フリーズはしないが、テレポカードを持っていない場合脱出出来ずに詰む。

総評

「不思議のダンジョン」を期待していた層からの批判は多かったものの、結果的にローグライクゲームのハードルを下げ、ライトユーザーの取り込みに成功した。
優しげな世界観とストーリーで彩られた、「低難易度でドラマ性重視のローグライクゲーム」という新たな方向性を打ち出した点も評価できる。
無論、第1作ゆえにゲームシステムの全体的な詰めの甘さは否定できないが、続編を重ねるに従って順調に完成度は上がってゆくこととなる。

その後の展開

  • 本作以降、『レーシング』や『スタリオン』など、デフォルメされたチョコボを主役にしたスピンオフシリーズがリリースされることになった。

余談

  • 本作に同梱された「不思議なデータディスク」の内容は「FFVII最強&特殊イベントデータ」「FFT特殊データ」「サガ フロンティア最強データ」「ゼノギアス体験版」「アインハンダー隠し要素解放データ」といった錚々たる顔ぶれであった。
    • 収録されているデータは通常プレーでは実現できない内容や没アイテム、通常だと達成が非常に困難な要素の開放などがあるものもあり、オマケながら当時はこれを目当てに本作を購入した人達も結構居たらしい*4
    • この「不思議なデータディスク」の内容の充実具合もあって、一時は「不思議なデータディスクが本編でゲーム自体はおまけ」とまで言われることもあった。

移植など

  • 1999年3月4日に、ワンダースワンのロンチタイトルとして移植。
    また2000年3月23日には、ワンダースワン本体との同梱版も発売された。