ガチャフォース

【がちゃふぉーす】

ジャンル 対戦アクション
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
発売・開発元 カプコン
発売日 2003年11月27日
定価 6,800円(税別)
判定 良作


概要

  • ガンダムVS.シリーズ』の企画スタッフが、コンシューマ専用に開発した3D視点のロボットアクションゲーム。システムやプレイ感覚はガンダムVS.シリーズと共通している部分が多い。
    • ぶっちゃけて言えば「オリジナルキャラクターによる、ガンダムVS.の一人遊びバージョン」である。
  • 平和な町に突如現れた小さなロボットと少年の出会いから始まる、キッズ向けアニメ的な導入も特徴的。
  • 戦うのはガチャボーグ、縮めてボーグと呼ばれる、意思を持つロボット。基本的にはおもちゃサイズであり、戦う舞台となる場所は教室の中や公園など。
  • キャラクターはGFコマンダーと呼ばれ、ガチャボーグを駆り戦う。
    • キャラクターはすべて小中学生。GFコマンダーが戦闘中具体的に何をしているかは描写がないが、戦いを終えたガチャボーグを迎えるような場面があるので乗り込んだり憑依したりはしていない模様。また、GFコマンダーのエナジーが、ガチャボーグが戦うための力である事が作中で述べられている。

ゲームシステム

戦闘システム

  • 基本的な部分は『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン』とほぼ同一。
    • 連ジという言葉を使わずに説明するなら、常に何らかの敵をロックオン状態で、その相手を基準に上下左右で前進後退右まわり込み左まわり込みと操作するタイプの3Dアクションシューティングである。
    • 射撃、格闘は距離によって自動選択(ロックオンマーカーが変化する)。メイン攻撃&サブ攻撃があり、それぞれ一つのボタンと一対一対応し、面倒な同時押しはない。
      • ボーグの種類によってはか片方、もしくは両方でタメ攻撃可能、またはタメ攻撃専用、サブ攻撃なし、攻撃の代わりに変形や特殊移動になっているものもある。
    • 当時同じシステムの連ジと比べて、ゲームスピードもキャラの動きも軽めに設定されている。
    • 格闘は回避行動やジャンプでキャンセル可能なものが多く、それを利用したコンボが奥深い。
  • あらかじめ指定されたコスト(GFエナジー)内で出撃オーダーを組み、撃破されるとオーダー内の順番に従い次のボーグが出撃する。オーダーは20まで保存可能。
    • ただし、20番目は危険なバグの温床とされるためボーグを置かないほうが良い。
  • ボーグの「所有」という概念がある。一つのボーグはオーダーにつき1回しか入れられない。
    • 「そうこ」内に2,000体、オーダーに編入可能なガチャボックスに200体保持可能。撃破されても失われるわけではなく、次のオーダーで使うことが可能。

ガチャボーグ

  • 全206種類で、20の「種族」に分かれる。そして ラスボス以外全てプレイヤーが使用可能。
    • 種族が同じであれば、概ね近い感覚で操作可能。しかし多少武器のバリエーションが違う種族から、他の種族と全く違う物、全く別の種族に近いものなど多種多様。
      • 全体的に人型が多めだが、その中でもサイズ差や後述する様々なバリエーションがある。さらに戦車、怪獣、飛行機、果ては巨大怪獣、巨大戦艦まで、全て操作可能。
  • ストーリー中に敵ボーグを撃破するとそれぞれのボーグの隠しポイントが増加し、溜まりきるとそのボーグを一体入手できる。
    • ボーグ及び後述のデータクリスタルは別のメモリーカードと交換可能。
    • とくに貴重なボーグはデータクリスタルという形で最高5つのパーツに分けて入手する。データクリスタル5つのボーグの入手難度はかなりのもの。
      • このデータクリスタルは、一つのセーブデータではわざとダブりが出やすいようになっている。交換を促進するための仕掛け。
  • レベル制で10レベルまで成長する。レベルが上がっていくにつれ性能が微妙に上がったり射撃のリロード1回あたりの装弾数が増えるほか、一部のボーグはレベルが10に到達すると、格闘の斬撃に衝撃波が付いてリーチが伸びたり、同時攻撃してくれる子機が増えたりする。通常ほとんど気にならないが、対戦を突き詰めるなら重要か。
  • カラーバリエーションとして、限られたボーグにしか存在しないアナザーカラーと、全ボーグにブラック・ゴールド・シルバー・クリスタルバージョンが入手可能。
    • アナザー以外は能力も多少異なる。
  • 『ガンダムVS.シリーズ』と比較して、ボーグの能力は非常に極端かつ個性豊か。「格闘しかできない」、「射撃しかできない」などは当然として、
    • 時を止める
    • 自分自身が核ミサイル
    • 変身する
    • 変形する
    • 巨大化する(させる)
    • 小さくする
    • 味方の体力を回復する
    • 味方・相手の動きをスピードアップさせる
    • 味方・相手の動きをスローにする
    • 相手を変身させる
    • オブジェクトを建造する
    • 合体する
    • 戦艦サイズ
    • 戦艦よりでかいロボ
    • 全く移動できない
      • など、やりたい放題とはこのこと。現在では『VS.シリーズ』も様々なバリエーションが加えられているが、当時はより斬新に感じられた。
      • ボーグの多さも相まって対戦バランスはカオス。気がつけば死んでいた、なんてこともある。
      • 相手をひたすら無力化するなど不快感の強過ぎる機体や動きこそのろいが一撃必殺な機体もあるので、真面目に対戦したければ独自にレギュレーションを決めた方がいいだろう。
      • かといって機体同士の相性があるため、どんな相手でも常勝できる無敵の機体が存在するわけではない。上記のような特定の機体に対して非常に強い機体でも、それの攻撃に対して耐性を持った機体も存在し、それらに対しては無力である。そのためプレイヤーにはバランスの良いフォースの編成が求められる。
    • 開発者は「VS.シリーズでは100円分遊べないMSがあってもいけないし、100円分以上遊べてしまうMSがあってもいけない。そのくびきが外れたことにより弾けたキャラクター能力を設定できた」と語っている。

ストーリーモード

  • ストーリーに従って、提示されるいくつかのステージから選んで出撃していく。
    • ステージはすべてキルゼムオールである。自分が死なずに倒すことが全て。家庭用VS.シリーズのような厄介な任務はない。
  • 一緒に出撃する仲間がいる。
    • ステージにより、仲間の中から選べる場合と固定の場合があり。選べる仲間はストーリー進行で増える。
    • 仲間はそれぞれ自分の所有ボーグで出撃する。ストーリー進行に従い、より強力なボーグを使用する。出撃前の画面で確認可能。
      • コストもプレイヤーとは共有でなく、戦闘能力も高い。ほとんど「プレイヤーへの第二の時間制限」であるVS.シリーズの僚機とは一線を画した存在である。
    • それぞれの仲間にかなり明確な個性があり、使っていて楽しい。ちなみにエンディングで一緒に出撃した回数が表示される。
      • 回復、誤爆、質より量、重機、格闘、軍人などなど。
  • 周回プレイ可能
    • すべてのボーグの状態を引き継ぎ、ストーリー進行をリセットしてプレイを継続できる。
      • 主人公のパートナーボーグであるGレッドは途中でパワーアップするが、これもパワーアップしたまま。したがってパワーアップイベントは一周目限定のレアイベントとなる。
    • 周回数で敵のAIやボーグのレベルが強化される。また、レアなボーグの入手確率が上昇する…と言われている。真相は未だに不明。
    • 周回周はスタート時、1からこれまでにこなした周回数+1までの間で選択可能。望むなら簡単なままで遊び続けることもできる。
    • 2周目以降は敵の幹部も仲間に出来る。

マルチプレイ

  • 対戦モード
    • メモリーカードを読み込んで4人まで対戦できる。
  • チャレンジモード
    • 2人で数ラウンドのバトルを勝ち抜いていく。
    • ゲームそのものが良く出来ているのでやれば楽しいが、チャレンジモードのスコアの記録やルールエディットなどがなく、割と簡素。

後に『ガンダムVS.シリーズ』に吸収された部分

  • チャージショット(エウティタDX以降、ただし多くの機体で採用されたのは連ザ以降)
  • レバー入れによる格闘のバリエーション(連ザ以降)
  • いつでも可能なサーチ切り替え(連ザ以降)

評価点

  • 前述の通り、ボーグの性能はいい意味ではっちゃけているのでバトルそのものは豪快で楽しい。
    • ボーグのデザインも『宇宙刑事ギャバン』を意識した『メタルヒーロー』というキャラに始まり『トランスフォーマー』『超時空要塞マクロス』をイメージしたと思われる機体も存在している。勿論正統派や色物もいるため、コレクション要素も高い。
  • 基本システムがしっかりしているのでやり込み要素が強く、奥の深いバトルを生み出すことが出来る。
  • 仲間達も一人ひとりに強い個性が与えられており、協力プレイでは感情移入しやすい。
  • 要所で流れる熱血ソング。

問題点

  • シナリオ
    • このゲームにはシナリオ途中に特定のステージをクリアするとランダムで出現するステージが複数あるのだが、厄介な事に一度出なかった場合改めて元のステージをやり直す必要がある。
      • 2周目をクリアすると「エキストラ」という好きなステージを選択して何度も遊べるというモードが増えるのだが、これで選べるのは「周回内(2周目なら2周目、3周目なら3周目)でクリアステージのみ」である。
      • 結果、その周回においてランダム出現のステージが出なかったor見逃した場合、また1からやり直さければプレイできない。
      • 他のステージで「負けたらダメ」の様に単純な条件がある為、ランダムにしか出来ないというわけではない。
      • 変化を出そうとするのは悪くないが、ただ運頼みで繰り返すしかないのでは変化とは言えないだろう。
  • 機体が揃うまでがつまらない
    • この手のゲームでは避けられない運命だが、やはり機体が集まるまでが長い。
    • 大体今の手持ちで強い機体を使う事になるが、このゲームは機体が手に入るかどうかがランダムな上、被りも存在する為ほかのゲームよりもこの欠点が目立ってしまう。
    • 特に1周目などは、ある程度集まってても殆ど被りで実際の種類数は非常に少ない。よっぽど意識しても一周だけではほとんど集められない。
      • 同じボーグでも編成に組み込める為決して無駄ではないが、やはり同じボーグばかりではマンネリ化は防げないだろう。
    • 動かすのが面白いゲームで数が少ないならまだしも、これほどの種類があるにも関わらずランダムにする必要性は感じられない。
  • 対戦バランスの悪さ
    • 前述の通り対戦はユーザー間で調整が必須。
  • 機体数に比べて実際に使用できるのはごく少数
    • 上記した様に事前に決めてやるのであれば問題ない。
    • しかし全ての機体でとなると途端に全く戦えないor勝ち目がない機体の方が遥かに多くなる。
    • 全て合わせて200近い機体があるにもかからず性能差のせいで本当に使えるのはたった数機、最悪ミラーでもないと張り合えない機体すらある。
    • 数が多くても使う場面が局所的過ぎては意味が無い。
  • 敵との戦闘
    • 敵側が圧倒的に多い「数の暴力」と性能に物を言わせた「ごり押し」の2つしかない。
      • ボス戦ですら雑魚の嵐。ボスキャラのボーグを瞬殺して残った雑魚を倒す方が楽という有様。
    • また数が多いだけでルールは常にキルゼムオールな為とにかく飽きやすい。
    • 物語後半などは怯まずに高性能な技を連発してくるだけのAIボーグ複数と戦闘をやらされる為更に面倒になる。
      • 全く怯まず、移動が早く、威力射程に優れ硬直も殆どないビームを敵が連発してくる等これでもかという程やる気を削いでくる敵ばかりである。
      • 敵に囲まれ四方八方から弾幕で撃ちまくられる。銃が使えない機体は使うなとでも言うのだろうか。
    • また下記する問題点も一因である。
  • プレイヤーへの集中攻撃
    • 乱戦がメインで目の前に味方が居るにも拘わらずそれを無視してひたすらプレイヤーキャラだけを狙う。
    • ただでさえ敵が多いのにその敵全てがプレイヤーをひたすら追いかけまわして攻撃してこられてはまともに攻撃していられず、ここでも足の止まる近接キャラは不遇である。
    • 狙われるなら避ければいいと思うかも知れないが、このゲームは「カメラを自由に動かせない」という乱戦には最悪としか言えないカメラワークの劣悪さがあり、ターゲット変更を戦闘中に何度もガチャガチャ動かすハメにはる。
      • しかしこちらの行動は全て敵のターゲットを基準として決まるので思い通りに動かせなくなるという問題点が出てくる。
    • ただでさえバランスが崩壊している上に、出てくる数が多いこのゲームでカメラを自由に動かせない中で集中攻撃では避けようがない。
  • 戦闘中にボーグ切り替えが出来ない
    • 戦闘中は並び順でしかボーグの使用が出来ず、次のボーグを使うには「死ぬ」以外に無い。
    • このゲームはボーグによって得手不得手は勿論、耐性等が設定されている為相性次第では不利であったり全く手出しできない状態になる事も珍しくない。
    • その為、基本的に汎用性が高くどんな敵でも大体対処できる射撃ボーグとは対照的に近接ボーグはかなり不遇な立ち位置になっている。
  • 味方攻撃システム
    • これは基本的に敵味方共通なのだが、味方から攻撃される割合が比較的高め。
    • 特に射撃を主にするキャラクターはほぼ確実に当てられ、攻撃が中断される為ストレスがたまる。
    • 制限や上限の様な物は無い為、味方の攻撃で状態異常になったり最悪倒されてしまう事もある。
    • オンオフ等が無く、基本システムとして導入されている為味方によっては戦い方や使うボーグまで制限されてしまう。
  • ボーグ獲得のシステム
    • 基本的に戦闘に勝つとランダムで貰えるといった感じなのだが、これが厄介もの。
    • 機体を手に入れる為には「高いスコアで自分で敵を倒す」というのが必要不可欠。
      • しかし、味方がいると誤射されるわ、トドメを取られるわ、勝手に死ぬわでスコアがどんどん下がってしまう。
      • これらから味方(敵)といった状態で味方は基本的に邪魔な事が多い。勿論そうでない味方もいるにはいるが、邪魔にならないとは活躍もしないという事でいる意味がない。
      • 結果的に味方システムは完全に蛇足と化してしまっている。
  • ボーグの管理が面倒
    • 最低限のソートはあるのだが、選択して纏めて移動などは出来ない。
      • ソート出来るのが倉庫内のみで肝心のフォース編成(所謂パーティー)をする画面では一体一体動かす事しかできない。
      • そのため、折角沢山のボーグがあってもある程度の使用するボーグ以外は倉庫に仕舞いっぱなしという事態になりやすい。
  • ゲーム音量
    • BGMに始まり非常に音が大きく設定されておりオプションで各種音量を最小にしてもうるさいと感じる場合がある。
      • 特に戦闘中はそこらで音が鳴りまくるので凄まじくやかましい。
      • テレビ自体の音量を下げれば解決するが、遊び始め、遊び終わりのたびに設定するのはやや手間か。

総評

想像の斜め上を行くような非常に個性豊かで種類豊富なガチャボーグの数々に加え、数の多さ故のカオスな戦闘バランスと正にやりたい放題。
作業的な要素が強いが、数多くのガチャボーグの収集といったやり込み要素もあり、いわゆる「強くてニューゲーム」状態で周回プレイを楽しむこともできる。
多人数プレイであれば圧倒的な力で相手を薙ぎ払う豪快なプレイからルールを決めたプレイヤー同士の熱いガチンコ勝負まで楽しめる。

しかし全く取れていない対戦バランスがそのままシナリオ戦闘になっていたり、カメラワークが劣悪だったり、手に入れたガチャボーグを管理するのに手間がかかるなどプレイする上で無視できない等々の問題点が多いのもまた事実であり、ただストーリーを追うだけのソロプレイではすぐ飽きがくるという欠点は否定できない。
この為一緒に遊ぶ相手がいてこそ楽しめるゲームであると思われがちだが、タイトル通りのハチャメチャな「ガチャ」プレイは一人でも十分に味わえるため、爽快感のあるアクションゲームを求める人にも安心しておすすめできる作品である。