本項ではファミコン版『第2次スーパーロボット大戦』について解説する。
プレイステーション移植版は『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』を参照。


第2次スーパーロボット大戦

【だいにじすーぱーろぼっとたいせん】

ジャンル 一般 シミュレーションRPG
公称 シミュラマ
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売元 バンプレスト
開発元 ウィンキーソフト
発売日 1991年12月29日
定価 8,446円(税3%込)
判定 なし
ポイント シリーズ第2の原点
スーパーロボット大戦シリーズ


概要

コンパチヒーローシリーズから派生した『スーパーロボット大戦』シリーズの第2弾。
シナリオのクロスオーバー性やパイロットという概念を取り入れ、前作から大きく進化を遂げ、シリーズの始祖とも言えるタイトルとなった。
シミュレーションゲームにキャラクターによるドラマ性を加えたということで自称ジャンル名は「シミュラマ」。
また、バンプレストオリジナルの元祖である『魔装機神』のデビュー作としても有名。

ゲーム作品の恒例ならば『スーパーロボット大戦II』『スーパーロボット大戦2』あたりが無難な線だが、そこは現実にあった「第二次世界大戦」に準えたネーミングがされている。

参戦作品一覧

+ ...
  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー(機体のみ)
  • UFOロボ グレンダイザー
  • ゲッターロボ
  • ゲッターロボG
  • 機動戦士ガンダム
  • 機動戦士Ζガンダム
  • 機動戦士ガンダムΖΖ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(機体のみ)
  • 魔装機神サイバスター

前作からの変化

  • パイロット
    • 前作ではコンパチシリーズと同じく「意思を持ったロボット」という扱いだったが、今作では原作どおりに搭乗者が描かれるようになった。
    • パイロットのレベルアップでロボットの能力が上がっていく。ある意味「ロボットを装備している」という感じかもしれない。
    • 基本的にはパイロットとロボットはセットであり乗り換えることはできない。ただし機体はシナリオ進行に合わせて変更される場合も(ガンダム→νガンダム等)。
    • 各員の能力や精神コマンドも、原作を意識したものになっている。
    • HPが0になるとロボットは破壊されるが、パイロットは脱出するという設定で死にはせず、ユニットの修理費と引き換えに次の面で復活する。
  • シナリオ
    • 原作のパイロットを取り入れたことにより、参戦作品の原作シナリオ間のクロスオーバーが始めて採用された。
    • シナリオ数が前作の倍になりより多くのステージをプレイできる。
      • 全26話と2クール分の話数であり、それもシミュラマのドラマの部分を意識しているのだろう。
    • シナリオ展開が前作はマップ攻略前後の解説文のみだったのがパイロット同士の会話で進行するようになりストーリーを盛り上げる一つの要素になっている。
      • 今後のシリーズ定番となる特定条件で発生するイベントもいくつか存在し、「シミュラマ」の名に偽りはない内容である。
  • 戦略性
    • 勝利条件と敗北条件が多様化し、それに沿った戦略が必要になった。
      • 敗北条件によってゲームオーバーのメッセージが変化するという細かい演出もある。
    • 自軍NPCがシリーズ初登場。敗北条件に絡んでくることもある。
    • シナリオの展開上、一部ユニットが出撃や移動が不可能などの制限を受けるステージもある。
    • 上述のシナリオ展開も含め前作よりやや複雑になった分マップセーブが追加され、やり直しがしやすくなった。
    • チュートリアルこそないものの、勝利条件を満たすために精神を意図的に使用させるようなシナリオを組み込んだりと、プレイヤーへの配慮もされている。
    • 間接攻撃時でも対象の所持武器が射程範囲なら反撃可能になったため、それを踏まえた戦略が必要となる。
    • 敵の増援出現方法が「毎ターン1機ずつの出現が数ターン継続」というパターンから、シナリオによって出現パターンが変化するようになった。*1
  • ロボット
    • ホワイトベースをはじめとする「戦艦」の追加。ロボットを格納しての移動が可能。さらに格納中のロボットは毎ターンHPが回復する。
      • 設定上は母艦なのだが、本作では撃墜されても(特定ステージを除き)ゲームオーバーにはならない。ただし修理費は非常に高い。
    • 「修理装置」を持つユニットが登場。上記の戦艦の格納とともにHP回復手段が増えた。敵側にも存在するため、せっかく削ったHPを回復されてしまうこともある。
      • 本作で所持している自軍ユニットはアフロダイA&メタスのみで、さやかが早期に離脱するため基本1機しか自軍には存在しない。(例外として特定シナリオに登場するNPCのミデアがいる)
    • 「マップ兵器」の追加。ただし本作では「サイバスター」が持つ「サイフラッシュ」のみである。
    • 武器の最大所持数が3→2へ減少。1つしか武器を持たないユニットもあるため、敵味方問わず反撃不能に陥りやすい。とくに序盤は自軍側が機体に恵まれていないため一方的に間接攻撃を受ける状態になってしまう。
    • 武器のパワーアップは進行に応じて自動的に変更される。
      • ストーリー上で明確に言及されるのはごく一部。あとはメンテナンスなどで出撃不可だった次の話から強化されていたり、まったく情報がない場合もあるため、次のマップでいきなり武装が変化していてビックリすることがある。
      • ユニットによっては間接攻撃が可能になりうれしいサプライズとなる。
      • 名前が変化せずに数値のみ強化することもありパワーアップに気づけない場合もある。
      • このため前作で一部ユニットでできた武器のカスタマイズは不可能になった。(例:ガンダムにメガバズーカランチャー装備など)
    • 敵味方ともに特殊能力を持ったユニットや武器が登場し、発動すれば被害を少なくできるが、敵が使えば当然こちらが不利になることも。(一定確率or100%発動のいずれか)
      • 詳細は賛否両論点にあり。
    • ゲームオリジナルキャラクターの登場
      • 前作は既存のロボットアニメに登場したロボットのみでのストーリー展開がなされていたが、自軍敵軍にオリジナルロボットおよびパイロットが登場するようになった。
      • ストーリーもオリジナルキャラクターの起こした事件が発端となっており、要所要所でストーリーに絡んでくる。
      • 完全オリジナルのキャラクターもあれば既存キャラのアレンジ、一点に特化した兵器など数は少ないがバラエティに富んでいる。
  • 精神コマンドの仕様変化
    • 「リストに並ぶのはランダムで3種類」「ウインドウを開けるとポイント消費」となっていた仕様が改められ、各員ごとに個別に設定され使用するまではポイントは消費しない。
    • その後も、この仕様で長く続いていく。
    • まだ各精神の名称と効果が定着していないので、お馴染みのものから以降のシリーズでは違う名称/効果だったり、パイロット技能になっていたり、はたまた本作にしか登場しない精神もある。
  • 説得コマンド
    • カリスマ(及びちゅうぎ)がなくなり、説得はイベント扱いになった。特定の機体同士が隣接すると、コマンド欄に表示される。
    • 仲間になるほとんどのユニットは味方専用のグラフィックになる(従来は左右反転で表示)。これは本作のみの仕様。
    • 説得コマンドが発生する組み合わせはステージ内の会話でわかりやすく知らせてくれる。ただし条件を満たしていないと説得が失敗するケースがあり、その条件についてはノーヒント。特にプルツーはやや複雑となっている。
    • それで仲間に出来るが、後述のような問題点が存在している。
  • ショップの導入
    • 強化アイテムは、敵を倒して得た資金を使って、マップ上にあるショップで購入する仕様になった。HPやSPを回復するアイテムなども登場。
    • 改造はまだないため、資金を使うのはここと修理費のみ。修理費は不足しても修理自体はしてくれるので、資金はなるべくショップで使い切るのが望ましい。
  • ハード変更による進化
    • 前作のGBからFCに移り表現の幅が広がった。ゲッターロボの合体アニメも、前作ではゲットマシンが重なるだけだった。本作では光の演出でごまかしている部分こそあるものの、各形態に合体前に原作通りのマシンの並びが表示される。
    • 版権BGMも前作は一部カットされてしまっていたが、今回はTVOPサイズくらいの長さで作られているため不自然さは減った。
    • その他様々な面で変化・進化を遂げている。
    • しかし戦闘画面で攻撃のヒットorミスがメッセージでしか確認できなかったり、爆破演出がカットされる(マップ画面で爆破)といった前作より劣っている点もある。
  • 対戦モードの廃止
    • これはハードの違いや仲間にできるユニットの自由度が下がった分、仕方のない点ではある。(PS版のコンプリートボックスで復活)

評価点

  • シナリオ性の高さ
    • 前述のようにパイロット登場に伴って原作再現のクロスオーバーが初めて行われ、物語に深みが増した。
      • マ=クベとマジンガーチームのやり取りなど、作品の垣根を越えたクロスオーバーもある。
    • 以後もこの設定で物語が続いていくことを考えると、システム導入初作品ながらさすがである。
  • 戦闘バランスのよさ
    • 前作では、単機に経験値を集中させての無双プレイが有効だったが、今作では敵とのレベル差によって大きな補正がかかる。
      よって、1体に経験値を集中させるほど経験値が無駄になりやすい。
      また、マップによっては特定ユニットの一時離脱などもあるため、様々なユニットをバランスよく育てることが求められる。
    • その後のタイトルに比べれば少々難度は高めだが、クリアが厳しいほどでもなくちょうどいい。
    • 機体数の少なさもあってか、いわゆる2軍と呼ばれるような役立たずのユニットがいない。
      • シナリオ上の制約(戦艦は屋内に入れない等)を除けば、基本的に所属するユニットは全員出撃する。
      • 最弱能力のボスボロットでも便利な精神コマンド「げきど」を覚えるなど差別化されており充分役に立てる。
    • ゲッターや各スペイザーなどの得意な地形が明確に差別化されていて使い分ける楽しさがある(ゲッター1は海に攻撃できない、ゲッター2は空に攻撃できないなど)。
  • やりこみ要素
    • 倒さなくてもクリア可能だが非常に強力な敵ユニットがいくつかのステージに出現する。
      撃破に成功すれば大量の経験値を獲得することができる。
    • いわゆる「全滅プレイ」による経験値や資金の引継ぎや周回プレイもできないので、最終的なパラメータを高くするにはいかにして強敵を倒し、なおかつ資金を温存して強化パーツを買いそろえるかというのが重要となる。

賛否両論点

  • 武器が強化されて逆に弱体化することがある
    • メタスのMA形態の武器が遠距離攻撃のみになり、近接戦闘ができなくなったり、マジンガーZやグレートマジンガーはパワーアップ前の方が命中率が高い。マジンガーは命中率に常に悩まされるためつらい。
      • メタスは敵の布陣から変形することである程度対応でき、マジンガーも甲児が命中系の精神コマンド持ちのため、偏ったレベル上げをしていなければ両者共にフォローが入っている。
  • テキストの量にムラがある
    • 第23話「逆襲のシロッコ」はなぜか開始時のシロッコとの会話が一切ないため、重要キャラとの決着シナリオにしては少々味気ない。
      • シロッコは初登場時からよく喋り、味方との会話もあるキャラのため若干不自然。
      • ターン経過でイベントが発生しその際に会話があるのだが、その前にマップクリアも充分可能なので気づかないプレイヤーも多い。
    • 一方でロザミアがらみのイベントでは進め方次第でインターミッションの会話が大幅に変更されるシナリオもある。(大体は新キャラ加入→会話追加くらい)
  • 自軍オリジナルユニット「サイバスター」の性能
    • 初のバンプレストオリジナル自軍ユニットとして登場したが、初登場もあってかステータスは極端を通り越してピーキー。
    • メリットとしてはシリーズ初のマップ兵器所持かつ移動後にも使用可。ユニット自体も移動力が高く攻撃範囲がかなり広い。
      • 飛行形態へ変形も可能。その状態でもマップ兵器は使用可能で空属性で移動力も10にまで増えるので*2、攻撃範囲はさらに広がるが近接武器は使用不可能になる。
    • しかしHPが自軍最低レベルでレベルアップによる伸びしろも少なく、他の自軍ユニットが終盤HPが平均700台なのに対し、サイバスターは500に到達すればいいところである。このため、1ターンで敵からの攻撃を2発受けるだけで瀕死か撃墜される。
      • HPの低さを"ぼうぎょ"や"すばやさ"等、他のステータスで補っているということもない。
    • 近接武器も所持しているが弱い。二桁ダメージもよくある。
      • パワーアップもするが、サイフラッシュより威力は低く使われる頻度は低い。存在感が薄かったかは不明だが、日の目を見る機会は『魔装機神』までお預けとなってしまった。
    • パイロットのマサキが修得する精神は有能なものもあるため育てる価値はあるが、上述のリスクが常に付きまとい、敵の布陣をかなり気にしなければならないため経験値稼ぎはしづらい。*3
    • 次回作以降はステータスも武装も大幅に強化され、十分すぎるほどの活躍をする。リメイク版『G』やPS版も後のシリーズを参考にした仕様になった。
  • 一部マップの難易度調整が微妙
    • 最強の敵・グランゾンが1ターン目敵フェイズから7ターン目味方フェイズまで居座るマップ。
      • ラスボスに次ぐHPで、ラスボスよりもはるかに防御が高く、さらに間接攻撃が無効にもかかわらず、当のグランゾンは長射程の「ブラックホールクラスター」で間接攻撃をしてくるため、防御にほとんどスキが無い。ステータスの上限やキャラ強化の限界、回復手段の少なさなど、システム上の都合もあって第3次のネオグランゾンすら凌駕する強さである。
      • 追い打ちをかけるように素早さもトップクラスのため、自軍の半数近くが攻撃をかわされやすい上に再攻撃を受けてしまう。このため、こちらから攻撃を仕掛けようものなら反撃は倍以上というケースはザラで1ターンでボコボコにされ回復を追いつかせるのは難しい。
      • 隣接すればダメージを与えられるのだが、相手の防御より高い攻撃値でないと命中しても0ダメージとなる。さらに今作ではグランゾンの近距離武器「グランワームソード」がブラックホールクラスターより威力が高いため、挑む際の苦戦は免れない。
      • 少し前のマップに、似たようなシチュエーション(桁違いに強いラスボスが登場するマップ)があるが、そちらがこちらのキャラと接触する前にさっさと撤退するのに対し、コイツはしつこく居座るので、どうあがいても戦闘は避けられない。登場を見越してオトリを置いておかないと味方が壊滅しかねない。
      • 宿敵として追い続けていたマサキ+サイバスターで挑もうものなら、ステータスが比較にならないほどグランゾンに差を付けられているので相手にすらならない。HPの低さ(約1/10)は致命的で前準備なしで攻撃を仕掛けたが最後、オーバーキルさせられる。
    • もっとも、本作は改造などの要素がないためやり直しがさほど煩わしくないのが救いではある。
  • 特殊能力が半ば隠しステータスになっている
    • 「シールド防御」などの特殊能力がステータス覧や説明書に記述がないので実際に戦ってみないとわからないようになっている。
    • このゲームで一番強力でポピュラーな特殊能力である「間接攻撃無効」はまさに初見殺しとなっている。
      • もっとも間接攻撃無効を持っているユニットはグランゾンをのぞきみんな射程1なので攻撃が1回失敗する程度の被害で済む。また、残弾やエネルギーの概念もないので、ほぼ問題ない。
    • 前作でもあった「再攻撃」も発動条件が明記されていないので、初見では出たらダメージを多く与えられてラッキーくらいの能力になっている。発動は前作同様敵味方の素早さの差で決まるという単純なもの。
      • 攻撃力アップなどの戦闘用精神コマンドが再攻撃にも反映されるため非常に強力。
  • F-91の前作からの仕様変更
    • ヴェスバーが近接武器となり、完全白兵戦仕様の機体となった。
    • 前作では間接攻撃が可能だったため、同じスタイルの戦略ができなくなってしまった。
      • 一応ビームライフルのカテゴリーなので射程を統一したという考え方もできる。
    • 本作のF-91は移動力の高さとシールド防御を活かした切り込み隊長役ができるのだが、攻撃力+素早さが今一つなのが難点。ヴェスバーのグラフィックおよびSEも迫力があるだけに、少し勿体無い。
      • だが、基本全機出撃の本作では個性付けは十分できている。習得する精神もバランスがいい。
  • 一部ユニットの原作と一致しない仕様
    • ウェイブライダーやメタス(MA)がメガりゅうしほうを装備していたり、グレンダイザーの各種スペイザーとの合体を変形でまとめられていたりと原作に完全一致した仕様ではない。
      • バランス調整や容量およびハード上の都合のための措置として仕方のない部分でもある。次回作からはかなり原作に寄り添った仕様になっていく。
    • ジ・オの武器名称も差別化のため実際とは異なっている。

問題点

  • 宇宙マップがあるが、システム上は宇宙空間の概念がない
    • 宇宙空間なのに、地形適応はなぜか空と陸で判断される。つまり、相手が空タイプだと言う理由で、宇宙空間にいる敵にライガーミサイルが撃てなかったりする謎現象が起きる。
    • 移動タイプも、空タイプのキャラは暗礁を素通りできるなど、不可解な仕様になっている。
    • しかしというか当然ながらボスボロットは設定上出撃できない。
  • 仲間の永久離脱
    • 前作では撃墜されない限りユニットの離脱は発生しないが、本作ではイベントで離脱してしまうキャラが多い。一部メンバーはEDでフォローがあるが、「どうせなら全員分用意してほしかった」という意見も見られた。
    • 初期メンバーのさやかやジャックに加え、説得で加入するキャラはその後に説得できるキャラと入れ替わるようなタイミングで離脱してしまう。
      • 最終的にはプルorプルツーが仲間に加わったor二人ともいない状態となる。
      • ララァのエルメスなど強めのキャラもいるので、かなり惜しい。
      • セシリーは自軍加入までに2つのシナリオで説得が必要だが、その手間の割には扱いがぞんざい。*4
    • 当然、つぎ込んだ経験値ごといなくなってしまうので、彼らに頼ってプレイすると思わず泣きを見る事も。
      • とは言え、これらのキャラもいる間は戦力になるので、レベルを上げること自体は別に無駄ではない。
      • また、上述の仕様のため、経験値はある程度取り返しがつくので、そこまで致命的なことにはならない。強いと言っても1人で無双できるほど強いキャラはおらず、しかもほとんどの説得加入キャラは加入時の初期レベルが高いので、仮に離脱しなかったとしても、これらのキャラに経験値を一極集中するのは明らかに無駄な行為である。
    • ボス&ボスボロットは加入→宇宙のため出撃不能→1マップのみ再登場→クリア後一言もなく登場しなくなる。(武器がパワーアップする分まだマシかも?)
  • ロザミアの不自然な展開。
    • ロザミア(サイコガンダムMK-II)がカミーユに接触するとNPC扱いながら味方になる。そのまま次話の最初で自軍色で登場するのだがストーリーパートでシロッコに再び洗脳され敵となり敵側の色になり、その後は味方にはならないのであとは倒すしかない。
    • だが前話のうちに倒しているとストーリーパートでの洗脳の下りこそカットされるもののロザミアのサイコガンダムMK-IIが味方側の色で始まりゲーム開始と同時に敵になる流れは変わらないので、イマイチよくわからない展開になる。
  • 強化アイテムの弱さ
    • 強化アイテムはショップで購入できるが、大抵の敵を倒して得られる資金が100程度なのに対して、強化アイテムは非常に高く効果は低い。
    • 例として、HPを5ポイントだけ増やす「チョバムアーマー」の費用は2000である。最序盤ですら3桁のHPがあるのに……
      • 別に強化アイテムを一切使わなくともクリア可能なのが救いか…。あくまでちょっとした拘り要素やオマケと考えるべき。とりあえずどれか1体の何か1つの能力に集中してガッツリ強化すればそこそこの効果はあったと見られる程度の強化にはなる。
      • 再攻撃が攻略のカギになっているので、すばやさアップのマグネットコーティングがあれば多少は楽になる。
    • 余談だが店員は何故かガンダムシリーズの「ミライ」である。ファンとしてはホワイトベースのクルーとして登場して欲しかったところ。
  • ショップのアイテムラインナップが適当
    • ショップで売っているアイテムが違うのは2話と5話だけで以降は全て同じものしか売っていない。
    • また、初めてのショップである2話のショップにはなぜかこのゲームで一番高いミノフスキー粒子が売られている。
      • ここでしか買えないくせに18000とこの時点では絶対に貯められない値段なためほぼ没アイテムとなっている。「全ての敵の命中率が1ターンの間半減する*5」という非常に効果的なアイテムなのだが…。
  • 一部ユニットのグラフィック
    • νガンダムなどは太り気味に見える。
    • F-91は小型化を意識したのか、他のガンダム系と比べ上からつぶされたようなグラフィックである。
    • ラフレシアも側面からの全体像が詰め込まれたように表示されているので、F91同様に上からつぶされたようなグラフィックである。拡散ビームのグラフィックも他のユニットが使用するものより表示スペースが狭い。
    • シャア専用ザクは量産型ザクのグラを色違いにして使用しているため特徴的なツノが無くなっている。
      • ヤクト・ドーガも同様の処理でギュネイ機とクエス機が同じ形状をしており、クエス機はカラーだけ赤白。両機とも容量の問題もあるため仕方のない面もある(次回作でもこの問題は解消されない)。
      • 上述のように敵味方でグラフィック分けをしたり、こだわった部分もあったので徹底してほしかったところである。
    • マップグラフィックも同時期発売の戦略シミュレーションと比較してもややチープ。前作同様、四角の地形マスの組み合わせで構成されている。*6
  • 作品知名度の問題
    • 今でこそ手軽に原作について調べられるが、当時はまだ今のようにネットもなく、おまけに大半が放送終了後であったために参戦作品について調べることはマニアでもない限り厳しかった。
      • さらにキャラの口調などが原作と全然違う事もあり、スタッフすらも内容を把握しきれていない節も見受けられる。
    • そのため、マニア向けと扱われることも多かった。実際、原作を知っていればこそのくだりもあるので余計に……。これに関しては、それこそシリーズ全体についてまわる難点となった。
      • ゲームにあわせて改編した、いわゆる「スパロボ設定」を公式設定だと勘違いするプレイヤーも多かった。
      • 原作を知らないプレイヤーに「実際は早乙女ミユキの愛機であるはずのゲッターQは早乙女ミチルの乗機になっている。」「ジャック・キングはインチキ外人口調で喋る*7」といった誤解を植え付けてしまった事は否定できない。
  • 登場キャラがガンダムに偏っている
    • 元々のキャラストックの都合上でガンダム勢が多いのは当然なのだが、ただでさえ少ないゲッター勢・マジンガー勢が早期に離脱する。
    • グレートマジンガーは兜甲児がマジンガーZからの乗り換える機体として登場する。
      • 劇場用作品にはグレートに甲児が乗る場面があり、同ポジションのアムロやゲッターチームには原作で乗り換える機体が存在するため、甲児もそれに倣ったものと考えられる。
      • これにより、グレート本来のパイロットである剣鉄也は登場せず、次作『第3次』に鉄也が登場する際には、「俺も乗ったことあるのに苦情が来た」と甲児の台詞でネタにされている。
    • ゲッターチームも車弁慶が登場しないため、原作では乗れなかったゲッターポセイドンに乗る巴武蔵が見られる。
    • 『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』からはズゴックEとハイゴッグしか登場しない。
  • ガンダム系は基本優遇されている傾向に反してZZガンダムが顕著に不遇。
    • 主役級が3回強化される中、なぜか1回しか強化されない。
      • 9話で仲間になるため、皆が強化される12話で強化が受けられないのは仕方ないにしても、何故か19話でも強化されない。この時ZZ以外に強化されないのはブライトと仲間になったばかりのプルだけである。
      • そのため、代名詞ともいえる『ハイメガキャノン』が装備され使えるのが23話からとやたら遅い。それまでは最強が近接武器の『メガビームライフル』(しかも変形前のみ)というしょっぱさ。変形すると間接攻撃のミサイルが使えるが、その射程もたった4(後にハイメガキャノンが装備されると同時にこの射程距離は5に伸びるが、それでも短い方)。
      • 強化前は接近戦が強いが移動力不足。変形時は移動力がプラスされ、近接&間接攻撃可能だが共に威力も命中率もショボいとまさに器用貧乏。
      • 強化後も射程の短さから終盤の反撃にはあまり使えず、自分のターンで使うなら移動後に攻撃できる射程1の方が実質的な攻撃範囲が広いため足かせに感じる。さらに、武器の命中率が低い上素早さが低く命中率を上げる精神コマンドもないため攻撃を当てるのに苦労をする。火力も武器の基礎値は高い方ではあるがつよさが高いわけでもないのでそれほど優れているとは感じられない。
      • 射程を読んで一撃必殺ユニットとしての運用は可能。
  • 自軍水中仕様の機体が不遇
    • ゲッターポセイドンとマリンスペイザーが該当。ステータスとストーリー展開の関係上、攻略方法によっては日の目を見ることすらない可能性もある。
      • ポセイドンはゲッターロボGにパワーアップ後に水中戦となる機会はかなり少ないうえ、ほどなくして舞台が宇宙に移ってしまうため、使用機会はしばらくお預けとなる。
      • マリンスペイザー追加時もストーリーの舞台が宇宙のため、こちらも初登場時に使用されることはまずない。
    • とはいっても、後半の地上マップは水辺も多く水中戦となりうるマップ構成になっているので全く使わないということもない。待ち戦法をする場合は使う頻度が大きく減るという表現の方が的確。
    • もともとのアニメの時点で陸海空とかで別形態あるのは水中機の出番が少ないのは常ではあるが、せっかく機体として存在するので、もっと活躍の場を用意してもよかったのではないだろうか。
+ エンディングでの登場キャラ紹介に違和感がある。(ネタバレのため折りたたみ)
  • エンディングで自軍メンバー紹介があり、最終マップに出撃したメンバーは全員紹介されるが、出撃しなかったブライトは紹介されない。なぜメインキャラなのにハブられたのだろうか?
    • 最終マップに出撃していない途中離脱キャラも一部は紹介される。
    • プログラム上、キャラクターの区分が紹介されないグループの方に入ってしまうパラメーターセットをされた可能性がある。

総評

原作再現によるクロスオーバーという一大要素を導入したことにより、後のシリーズの土台を確立すると共に、版権クロスオーバーものSRPGの先駆的な作品となった。
後のシリーズの実質的な初代作品ということで粗も多く、発売当時のメインターゲットである小中学生には難易度が高く感じてしまう部分も少なからず確認できる。
しかし、精神コマンドはもちろんだがステータス画面の各数値を戦略に組み込んだ上でプレイすると思いのほか有利に進められたり、上述の強敵撃破などのやりこみ要素等、充実している。
遊ぶ価値は十分にあると言っていい作品である。


余談

  • 『スーパーロボット大戦EX 熱血・幸運・必中ガイド』でのスタッフインタビューによると本来は『聖戦士ダンバイン』の参戦が検討されていたが没となり、その代わりにオリジナルの『魔装機神』が参戦する事になったらしい。
    • 2020年8月21日配信の「生スパロボチャンネル」の寺田貴信氏によると「『ダンバイン』の代わりに『魔装機神』を作ったというのは違う」らしく、『魔装機神』の企画自体は以前からあったようだ。
    • 当の『ダンバイン』は後の『EX』において参戦を果たしている。
      • 後にソーシャルゲーム『スーパーロボット大戦DD』で、サイバスターのパイロットであるマサキがビルバインに搭乗するというクロッシングパイロットイベントが実現した。
  • 本作のタイトルでのBGMは以後サイバスターをはじめとしたバンプレストオリジナルロボのテーマとして後に歌詞もついて「熱風!疾風!サイバスター」として引き継がれていくことになる。
  • 敵増援部隊が出現するシナリオで、名前ありパイロットが10ターン前後とかなりターンが経過してから登場するマップがある。
    • その前にマップクリアは充分可能で、増援イベントなしでもシナリオは整合しているので問題はないが、会話イベントが用意されているものもあるので敢えて待ってみるのもいいだろう。
    • なお早解きした場合はセリフが一部変更されたり、サイバスター初登場が少し間抜けなシーンに見えてしまったりなどの変化が起こる。
  • 本作は下手をすれば打ち切りタイトルになっていたらしい。
    • 上記のように内容がややマニア向けでさらに年末商戦に間に合わない年末ギリギリの発売であったことなどから、売上は前作の半分以下だったそうで、中止もやむなしと言う状況だったのだろう。
  • ウィンキースパロボ恒例のギルギルガンイベントだが前作とは舞台設定がかなり異なっているため、前大戦とのつながりは明確にせずギルギルガンが攻めてきた前大戦があった、もしくは原作の劇場版で倒したという過去の出来事として取り入れられている。
    • そのままではなく改造を施されており、変身形態であるメカギルギルガンは原作に存在しない本作オリジナルの形態(第一&第二形態は未登場)。
  • 火の玉を飛ばすサイフラッシュ
    • 上述のように武器の最大数の少なさやパワーアップの仕様により本作品のみ(リメイクも含まず)サイフラッシュは遠距離攻撃の兼用武器になっており、反撃時のみ「一体にしか撃たない三つの火の玉」というサイフラッシュを拝める。
      • もっとも本作のバランス上、サイバスターが敵の遠距離攻撃のターゲットになるという状況は非常に危険だったりするのだが。
  • 一部の名前あり敵パイロットが複数のマップに登場するが、前回より低レベルで出撃する場合がある。なぜ怠けてしまったのだろう…
  • 『ファミリーコンピュータMagazine』の裏技コーナーの名物「ウソテク(合成写真や加工画像で作った嘘の裏技)」でゲッターロボの変形アニメに纏わるウソテク「合体直前にズレてしまい変形に失敗する(変形前のまま)」が1992年4号に掲載された。
  • パッケージイラスト背景にて主役3機の戦闘シーンがモノクロで描かれている。ゲッター1が戦っている相手はメカザウルス・ズーなのだが本編には未登場である。容量の関係上削られた可能性もあるが、不遇な扱いを受けている。(他の敵ユニットは全て登場する)

移植・リメイク

  • 1999年にはプレイステーションで『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』として『第3次』『EX』と共にリメイク。
    • システムは『F』基準だが、ゲームバランスはさらに悪化してしまっている。
    • 同年に獲得資金増の調整を施した単品版も発売された。2011年にはゲームアーカイブスでも配信。
  • 2004年には『スーパーロボット大戦GC』の購入者特典の抽選プレゼント(2000名)として、非売品のゲームボーイアドバンス版(ファミコンミニ版)が登場。
    • 内容は原作ファミコン版そのままだが、『W』『K』とのダブルスロットでの連動要素に対応している。
  • 2015年には『スーパーロボット大戦BX』の初回封入特典として3DS移植版のダウンロード番号が付属。
    • こちらも原作ファミコン版そのままの移植。

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最終更新:2024年04月13日 17:39

*1 単機だったり部隊だったり何段階にも分かれて複数の部隊が出現する場合もある

*2 因みにこれは作中最高。移動力11を持つ機体もあるがいずれも陸属性。更に精神コマンド「はやて」で移動力を+5を加得ることも可能。

*3 本作は戦闘では敵撃墜時のみ経験値獲得。他に経験値を稼ぐ手段はアイテムのみだが値段が高くもらえる値も少ない。

*4 1回目の説得は成功せず、敵のままで撤退もしないため、間違って撃墜してしまうと二度と登場しなくなってしまう。2回目の説得(最終話直前)で加入してもNPC扱いな上に最終話には出撃しない。

*5 精神コマンドの「めくらまし」と同じ効果」なのでそちらで代用可能だが消費ポイントが100と結構重い。

*6 既に升目表示がないシミュレーションゲームはファミコンにもあった

*7 ジャックは本来クールな性格で本作のように妙なしゃべり方はせず、「第4次」のキャラクター辞典から故意犯であることがうかがえる。さらに後のOVA『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』にこの性格が逆輸入されている。