バットマン

【ばっとまん】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売・開発元 サンソフト
発売日 1989年12月22日
定価 6,200円(税別)
判定 良作
バットマンシリーズリンク


概要

今作は映画『バットマン』*1を元に作られたゲームである。ちなみに発売日はあの『悪魔城伝説』と同じである。

ストーリー

「バットマン…月夜に悪魔と踊ったことがあるか?」 欲望渦巻く、犯罪都市ゴッサム・シティの人々に闇の支配者、ジョーカーの魔手がのびる……。 消息を絶ったビッキーを助け出し、宿敵・ジョーカーを倒せ!!

特徴

  • 3つの武器と三角ジャンプを駆使してジョーカーを倒しに行くのが目的。
  • 十字キー+ABセレクトで操作。各種ボタンはジャンプと攻撃の2つ。
    • Bボタンを押すと基本攻撃のパンチを繰り出せる他、道中で獲得出来る武器パワーアイテムを消費する事で「バットラング」「ガン」「ダーク(手裏剣)」の3種類の特殊武器を使用する事が可能。ちなみに武器はセレクトボタンで切り替えられる。
    • Aボタンはジャンプ。壁に向かってジャンプすると「三角ジャンプ」を行う事が出来、方向キーとAで壁に張り付き飛び移る。
      • ジャンプ中は空中制御が効かず、空中を移動する際には壁はりつきの組み合わせで移動する場面も多い。
  • ステージは全5面。いずれのステージもボスが待ち受ける。

評価点

  • 綺麗なグラフィック
    • とても渋くて格好良く、映画の世界観に良く表現している。
    • 特にタイトル画面とデモムービーのグラフィックはファミコンとは思えないほど。
  • 完成度の高いアクション
    • 操作感は良好で滑らかに動き、プレイヤーが出来るアクションも非常に多く自由度が高い。
    • 難易度が高く不条理と言うほどではない死に覚えゲーなのでやり応えがある。
    • ステージマップも敵配置が巧みで攻略する面白さがある。
      本作のステージは基本的に入り組んでいるが、三角ジャンプの面白さを十二分に生かした構成になっていて、ショートカットを見つけ出したりと遊び方も豊富。
    • 本作には「穴」の概念が無く即死ポイントに相当するトラップは全て「ダメージ床」で統一されている。
      要するに本作では「穴に落ちて即死」というアクションゲームにありがちなミスが存在しない。「トラップを喰らった際の無敵時間で無理矢理難所を突破する」という芸当も可能。
    • 無限コンテニューの採用や、武器のパワーアップの概念も無いので、途中で諦めなければ必ず最終ボスまでたどり着けるバランス。
  • ファミコン後期のサンソフトらしい高レベルなBGM
    • 残念ながら原作の楽曲は使用されず、ダークさに定評のあるティム・バートン作品らしからぬ明るさの曲調の楽曲が中心。だが曲自体はいずれもハイレベルで、近い時期に発売された『グレムリン2 新・種・誕・生』や『raf WORLD』と負けず劣らずと言える。
    • 特に2、5面BGMは哀愁漂うメロディで、本作を象徴するどころか数あるファミコン音楽の中でも人気が高い。海外版では1面と使用ステージが逆転していることから、本来の1面BGMを差し置いて実質本作のメインテーマ曲にも当たる。

賛否両論点

  • 敵キャラクターについて
    • 本作の敵キャラクターは原作に登場しないオリジナルが多いが、いずれのキャラデザも機械的でダークなバートン版バットマンの世界観とはミスマッチ。
    • もっとも、これはキャラゲーではありがちな点ではある。

問題点

  • 概ね映画と同じ流れだが何故かビッキーが登場しない。説明書のあらすじには登場しているのに。
  • 高い難易度
    • 今作は覚えゲーだが、覚えても難易度が高く厳しい。
    • ライフ制なのにライフ回復アイテムが滅多に出ない事や敵やボスが強い事が関係している。
    • 加えて、ボス戦で武器パワーが減少すると回復が不可能な点も難易度の高さに拍車を掛けていて、最終ステージでの問題(後述)にも繋がっている。
      • 一応、全ステージにアイテム集めのためのポイントが用意されているのが救い。
    • 最終ステージは、ステージボスとラスボスの連戦なのだが、どちらも、こんなのを連戦にしていいのか、というくらい強い。ステージボスを倒しても、ラスボス戦では回復するのはライフ(しかも4メモリ)だけで、武器パワーは減ったまま。たとえ武器パワーが満タンでも、連戦となると足りなくなることもある。しかも、負けると、武器パワーが減ったままで再戦になるため、ほぼパンチで戦うはめになり、勝ち目はほとんど無くなる。
    • 残機が一切増えない。つまり、コンティニューがあるとはいえ、最初の3機でずっと進まなければならない。
  • このゲームでは、一定スコアで残機アップ、なんてシステムが存在しないため、スコアに意味がほぼ無い。1000点のB(ボーナス)アイテムも同様。

総評

今作はキャラゲーではあるがファミコン後期のサンソフトらしくグラフィック、アクション、BGM等が高いレベルにまとまった、完成度の高いゲームになっている。 ファミコンのアクションゲームの中でも傑作と呼べる一本である。

余談

  • これまでオリジナルタイトルを展開してきたサンソフトにとって初めてのキャラゲーである。
  • 日本では海外映画のキャラゲーということもありややマイナーな存在だが、北米では映画のヒットを背景にミリオンセラーを達成した。

その後の展開

  • 本作で味を占めた結果なのか、発売元のサン電子はバットマンのキャラゲーを量産する事になった。以下概要。
  • 『ダイナマイトバットマン』
    • FC版バットマンの直接の続編となる作品。前作とは打って変わって『ロックマン』に近いタイプのアクションシューティングに変更されている。
    • こちらは海外のみマルチハード展開が行われていたらしく、SNES版は開発中止になったものの、ジェネシス(海外MD)版は無事に発売された。
  • バットマン
    • バットマンゲーの殆どが横スクロールでリリースされていた最中に、何故か縦スクロールのドットイートゲームで発売された一作。ちなみに発表当初は他機種同様横スクロールになる予定だった模様。
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最終更新:2024年01月31日 21:38

*1 所謂『バートン版』と言われる89年公開のティム・バートン監督の実写版、版権が違うので漫画・アニメ版の要素はない