ここでは「龍虎の拳」及び、その移植版であるSFC版についての紹介する。判定はいずれも良作



龍虎の拳

【りゅうこのけん】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(MVS)
発売・開発元 SNK
稼働開始日 1992年9月24日
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年10月9日/926ポイント
アーケードアーカイブス
【PS4】2017年3月23日/823円(税8%込)
【Xbox One】2017年3月23日/823円(税8%込)
【Switch】2017年9月21日/823円(税8%込)
判定 良作
龍虎の拳シリーズ
龍虎の拳 /龍虎の拳2/龍虎の拳 外伝

概要

SNKが放ったスーパーリアルドツキ合いゲーム。ネオジオの名キャッチコピー「100メガショック」を冠したシリーズ第1弾である。
「パワーゲージ」「超必殺技」「ダッシュ」「掛け合い」「挑発」「画面の拡大縮小」など数々の斬新なシステムを生み出し、後のゲームに大きな影響を与えた。
決して完成度が高い作品ではないが、異様なまでに濃い作風と独特すぎるプレイ感覚による高い中毒性を持ち味としており、現在も根強い人気を誇る。

特徴

  • 基本操作
    • 1レバー+4ボタン。Aボタンでパンチ、Bボタンでキック、Cボタンで特殊動作、Dボタンで挑発。A+Cでボディブロー、B+Cで立ちガード不能のローキック。
    • Cボタンは間合が遠いと強攻撃(直前に押したボタンがAなら強パンチ、Bなら強キック)、近いと投げ。
      ジャンプ中にCを押すと後方に蹴りを繰り出す。空中の画面端でCを押すと三角蹴り、レバー↑+Cで三角跳び。
  • 画面の拡大・縮小
    • 対戦相手との距離に応じて画面が二段階にズームする。ズームイン時はキャラクターが画面の2/3程度の背丈という凄まじい大きさとなる。
  • 気力ゲージ
    • 必殺技を出す時に消費するパワーゲージ。A・B・Cいずれかの長押しによる「気力溜め」や時間経過で増加し、「挑発」を行うと相手の気力を減らす事ができる。
    • 気力が足りないと必殺技が弱体化、技によっては出す事すらできなくなってしまう。
  • 史上初の超必殺技
    • 巨大な飛び道具を放つ「覇王翔吼拳」、瞬時に何発もの打撃を叩き込む乱舞技の元祖「龍虎乱舞」が存在。
      • 覇王翔吼拳に限り、CPU戦では2面クリア毎に移行する「ボーナスゲーム」の「超必殺技伝授」をクリアすると使用可能。龍虎乱舞は稼動当時非公開の隠し技扱いで、コマンドを発見してSNKにハガキを送ると景品がもらえるというキャンペーンが行われた。
      • 今では瀕死時にコマンド入力で行う後者の「龍虎乱舞」形式の超必殺の方がメジャーとなり、ボーナスゲームで技を覚えるという形は珍しい。
  • 飛び道具打ち消し
    • タイミング良く飛び道具に打撃技を当てるとノーダメージで打ち消すことができる。超必殺技の覇王翔吼拳も消す事ができる(『2』では、超必殺技を消すには超必殺技を当てる必要があるように変更された)。
  • ストーリー仕立てのCPU戦
    • アメリカの架空の街・サウスタウンを舞台に、主人公のリョウ・サカザキと彼の親友ロバート・ガルシアが何者かにさらわれた妹、ユリを助け出すというストーリー。
      • 試合前に相手と掛け合いを交わし、次のステージに向かう際には必ず中間デモが入る。
    • 2面クリア毎にボーナスステージをプレイする。
      • 単なる点数稼ぎではなく、プレイヤーの強化といった目的を持っている。ボタン連打で体力の上限を上げる「氷柱割り」、ボタンの目押しで気力の上限を上げる「ビール瓶切り」、コマンド入力により超必殺技の覇王翔吼拳を解禁する「超必殺技伝授」から一つを選択。パーフェクトを獲得できれば成功となり能力がアップする。
    • 本作は1人プレイがメインに据えられており、リョウ・サカザキとロバート・ガルシア以外のキャラクターは2P対戦でしか使用できない。

評価点

  • ド迫力の演出
    • 当時のハードの性能上キャラクターは小さく表示されるのが基本であった中、ネオジオのスペックをフルに生かした本作の巨大なキャラクターは衝撃的であり、サイズの大きなキャラクターが殴り合う迫力が十分に多くのゲーセンユーザーの目を引いた。
      • ズームイン・アウトがスムーズかつスピーディー。これも画面に迫りくるかのように大きなキャラクターを良く演出している。
  • 斬新なアイデアの数々
    • 本作は多くの「史上初」の要素を持つ、革新的な作品であった。
      格闘ゲームの枠組みを超えて他のジャンルに飛び火したシステムも数多い。パワーゲージと超必殺技、しゃがみガード不能の地上技である「中段技」はその最たるものである。
      • ただし、厳密には今作に中段技の概念は無い。立ちガードが足元を狙った攻撃で崩されるように、しゃがみガードは頭のあたりにガードの穴があるので崩されることもあるという仕組み。なので同じ技でも身長差や距離によってガードできるかどうかは変わる。
    • 演出面においても、小技や削り程度のダメージで倒した場合は、力尽きてその場に崩れ落ちるといったように、細かい演出が光る。
  • 面白いストーリーや魅力的なキャラクター
    • 本格的なボイスや中間デモシーンで送られるストーリーが面白い。
      • 道着に下駄でバイクを走らせるというシュールな姿のリョウが「武器をもった奴が相手なら、「覇王翔吼拳」を使わざるを得ない」と言うシーンはネタ人気も高い。
        「ふたば☆ちゃんねる」にてお覇王と呼ばれるコラ画像が多数製作され、これらを詰め合わせた動画がニコニコ動画でもブレイクした。
      • 上記以外で印象的なセリフ・ボイスも数多い。藤堂竜白の「お前のその拳で聞くが良い」、ロバート・ガルシアの「こうなったら、そこら中で派手にやったる」、Mr・カラテの「覇王翔吼拳を会得せぬ限り、お前が儂を倒す事などできぬわ!」などはその代表例であり、ネタとして弄られる事も多い。
      • 第4ステージの対戦相手「キング」は一見、二枚目の優男に見えるが、最終ラウンドにて必殺技でトドメを刺すと脱衣KOとなり、膨らんだ胸が露わになり、女性である事が発覚する演出が話題になった。ユーザーの評判が良かったのか『2』や『外伝』では男性を含め全員に実装(倒れ方が違ったり、元々露出度の高いタクマは胸の古傷が裂けるなど芸が細かい)。さらにはザ・キング・オブ・ファイターズ(女性のみに)や風雲黙示録(なぜか男の方がとてつもなく派手に脱げる)といった作品にも導入。SNK作品以外では「アルカナハート」など後年の作品にも多く取り入れられ、格闘ゲームではスタンダードな演出の一つとして定着した。
      • またロバートのキャラクターも、イタリアの財閥の御曹司でイケメンだが何故か関西弁でしゃべり*1、恋愛に対してはラテン系な情熱家というギャップが人気を博した。
  • 爽快感重視の作風
    • 対戦メインの格闘ゲームではなく「アクションゲーム」であるため、バランスは緻密さよりも爽快感重視である。
      • 一撃が非常に重い。通常技でもタイミングやヒット箇所が良ければ一発で吹っ飛んで気絶するような事もある。
      • 必殺技はさらに気力消費に比例してとんでもない威力。覇王翔吼拳に至ってはガードしても吹っ飛んで気絶する事があり、龍虎乱舞はなんとガード不能。バランス的な事はともかく、非常に爽快である。
      • 必殺技のネーミングセンスもイカしたものが多く、プレイヤーの記憶に残った。
      • 大技がヒットするとスコーン!とエコーの効いた独特のヒット音が飛び出し、さらに爽快感倍増。
        この効果音は「龍虎音」と呼ばれ、本作を象徴する「音」となっている。
    • 頭部付近にヒットするとどんどん顔が腫れていく(画面上部のアイコンではなく、リアルタイムでキャラクターの顔が腫れる)。
      • 男装のキングはもちろん、『2』ではユリでさえも容赦無く顔をボコボコにされる。
      • また、瀕死になるとニュートラル時の構えが息が上がりガードが下がったように変わるなど演出が細かい。
      • ミッキーは上段ガード時の流用で常に顔面のガードを固めている構えになる。

賛否両論点

  • 初期の格ゲー故の特殊さ
    • 前述の通り、本作はあくまでもCPU戦を主体としたアクションゲームの延長である。ダウンすればランダムで発生する気絶、クセのあるボタン割り振り、必殺技が出にくいなど、大味な作りが目立つ。
      また、キャンセルや連続技の概念も存在せず、基本的に全ての技は単発で出していく事となる。
      あくまで1人プレイを前提としたゲーム性で、同時期の『ストII』シリーズや『餓狼伝説』シリーズなどと比べて対戦の面では見劣りする感が否めない。
      • しかし、この大味さが逆に「龍虎ならではの味」と肯定するユーザーも多い。多分にある爽快感やCPU戦が前提のゲーム内容も考慮すれば、細かいことは考えずに大雑把に遊ぶのにはこれくらいが良いという見方もできる。
  • 大きなキャラクターが売りだったが、中割りの数は他の作品と変わらないため、隙の大きい技ほど動きのぎこちなさがかえって目立つ事に。

問題点

  • 対戦で隠しキャラクターを使いにくい
    • 中ボスのMr.BIGとラストボスのMr.カラテを使うには、CPU戦を彼らのステージまで進めてから乱入する必要がある。
      • なおボスだけあって両者とも性能は凄まじい。特にMr.カラテは龍虎乱舞が使えないものの、ほとんどの技がリョウのアッパーバージョンだけあって強力。
      • そのステージに留まってさえいればよいので、メモリーカードを活かせばデータの上書きや消去さえしない限りすぐに使用できる。
      • Mr.BIGの方は武器を持ってるだけあってリーチが長く強力だがジャンプができず、扱いにクセがある。対戦で生かすには慣れが必要となり、簡単に有利になる訳ではない。
  • 一部敵キャラが即死コンボを使う。
    • 本作は前述の通り一撃が重く、かつ気絶しやすい。そのため、一部の敵が気力満タン時に使ってくる10割コンボを喰らって即死、ということもある。
      • 例えばリー・パイロンの百裂旋風脚(気絶)>起き上がりに重ね百烈拳、やMrカラテの暫烈拳(気絶)>起き上がりに重ね暫烈拳>起き上がりに重ね暫烈拳(ガードしても削りダメージで)で即死する。
      • リーと対戦する前のボーナスで氷柱割りを成功していない、Mrカラテとの対戦前に氷柱割り成功が一度までの場合では上記コンボで10割。
  • 中途半端に終わるエンディング
    + ネタバレ注意
  • 本作のエンディングは最終ボスを倒した後、彼にトドメをさそうとしたところで、誘拐されていたユリがそれを止めに入るというものになっている。
    • が、そこで唐突に「TO BE CONTINUED」となり、エンディングは多くの謎を残したままぶつ切りの形で終了してしまう。
  • 本作の顛末については次作『龍虎の拳2』で補完されている。また、後述する本作のスーパーファミコン移植版では独自のストーリーが追加されている。

総評

超必殺技などの数々の近代的なシステム、脱衣KOなど大がかりでドラマチックな演出を盛り込んだ本作は、後発の格闘ゲームに大きな影響を与えることになり、格闘ゲームブーム初期の代表作として名を連ねることとなった。
SNKにとっても、『餓狼伝説』とともにその後の方向性を決定づけた存在となり、後の躍進へと繋がっていくこととなる。

移植・続編

  • アーケード完全移植のネオジオ版の他、スーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジン、ネオジオCDと多数の機種に移植されている。
    • ネオジオROM版(1992年12月11日発売) - アーケード完全移植。
    • スーパーファミコン版(1993年10月29日発売、発売元:ケイ・アミューズメントリース)
      • 詳しくは下記を参照
    • メガドライブ版(1994年1月14日発売、発売元:セガ・エンタープライゼス)
      • 拡大縮小をオミットしており見た目はかなりの劣化移植だが、その分遊びやすさを優先したアレンジ移植となっている。
      • 設定で強攻撃を強パンチと強キックに分離できたり、通常技キャンセル必殺技が可能になっていたりなど。その反面、気力最大でも必殺技があまり減らない、覇王翔吼拳をガードしてもピヨらない、龍虎乱舞が普通にガード可能など、アーケード版と比較すると大幅にゲーム性が変わっている点は賛否両論。
      • オープニングのリョウとロバートの紹介はアーケード版のようなダイナミックな演出ではなく、単にプロフィール紹介が表示されるだけに変わっている。他にもボーナスステージの背景差し替えやエンディングの背景カットなど、演出面では寂しくなっている点がいくつかある。
      • 何故かキングの脱衣条件が非常に厳しくなっている。飛燕疾風脚の2段目かビルドアッパーで倒したときのみ脱げるという仕様。
    • PCエンジン版(1994年3月26日発売、発売元:ハドソン、アーケードカード専用
      • SNKからの資料提供により、NG版ほぼそのままの拡大縮小を再現している(擬似的な拡大縮小なので滑らかではないが)。他にもCD-ROMの利点を活かして声入りナレーションを実現していたりなど、再現度の非常に高い高水準の移植である。
      • ただしローディングが遅く、その点での快適さではSFC版とMD版には大きく劣る。
      • 当然アーケードカードを使わずに起動すると警告画面が出て遊べないが、リセットしてこれを2回繰り返すと「大根切り」というミニゲームが遊べる隠し要素がある。
    • ネオジオCD版(1994年9月9日発売)
      • ネオジオCD本体のローンチソフトの一つとして発売。続編『2』も同日発売されている。
      • BGMは生音源。ネオジオCD移植は生音源になると印象が一気に変わるものが多いが、この頃はMVS版と大差ない。
    • その他、2006年発売のプレイステーション2用ソフト『NEOGEOオンラインコレクション Vol.4 龍虎の拳 ~天・地・人~』にネオジオ版そのままで収録、2007年にはWiiのバーチャルコンソールでも単独配信された。
    • NGのタイトルがPS3やPSPで遊べる「NEOGEO Station」(2010年12月スタート)でも配信されている。
  • 続編として1994年2月に『龍虎の拳2』、1996年3月に『ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝』が稼動。
    • 『2』は本作をベースにしつつ細部が洗練され、対戦格闘としての完成度が上昇。順当な進化を遂げたと言える。
      キャラクター数も増え、まさかの参戦を果たしたユリ・サカザキ、『餓狼伝説』から参戦の隠しボス・若かりし頃のギース・ハワードがファンを驚かせた。
      なお、初代からただ一人リストラされた藤堂竜白がよくネタにされる。
      • しかし異常に効きすぎてしまう先行入力による操作性の悪さ、さらに鋭さを増したCPUの超反応、キャンセル技を可能にしたせいで「足払いキャンセル龍虎乱舞を回避不可(本シリーズの龍虎乱舞は防御不可能なうえ、他作品の超必殺技の数倍の威力)」など、全体的にはやや賛否が分かれる。
    • 『外伝』はこれまでの方向性を捨て去り、大幅に入れ替えられたキャラクターとともに「3D格闘ゲームを2Dで再現する」という実験的な作品となった。
      • モーションキャプチャーによる不自然なキャラクターの動き、龍虎らしさが完全に消えた空中コンボゲー化によって酷評を受け、瞬く間に巷から姿を消した。
        あまりにも不評だったため、この作品のせいで龍虎シリーズは打ち切りを食らったとする説すらあるほど。
        実際はさらなる続編製作の動きもあったようだが、SNKの倒産によって開発チームが独立してしまったことにより、実現には至らなかった。
      • ただし、竜白の娘である新キャラクター・藤堂香澄は後の『ザ・キング・オブ・ファイターズ'96』などに登場しつづけるシリーズを代表するキャラクターとなっている。

余談

  • 「ゲーメスト」と「コミックボンボン」でコミカライズ化されている。
    • 前者はゲーメスト編集長も務めた石井ぜんじ氏が原作、天獅子悦也氏が作画を担当。基本的に原作に忠実なストーリーだが、相手サイドの視点も加わっており各々のキャラが原作以上に、かつはみ出ない範囲でありとあらゆる手段や行動を取っているのが見どころで評価は高い。
    • 後者はゴッセージ氏のコミカライズで、しょっぱなから「極限流師範代リョウ=ナガサキ」「マリちゃん」といった誤植が炸裂。さらに「毒猿の谷」などという場所でリー・パイロンが毒を塗った爪で攻撃して来たり、初めて使った技が「肝撃活」という自分の肝臓をぶっ叩いて肝機能を高めて毒を一瞬でろ過するという無茶苦茶なオリジナル技だったり*2、「MASK」などという原作にはない組織が登場したり…と、完全に原作を無視したボンボンクオリティな作品であった。詳しくは「ゴッセージ龍虎」で検索されたし。
  • また『餓狼伝説』と同じく、『バトルスピリッツ 龍虎の拳』というタイトルでアニメ化もされた。
    • これもストーリーは原作とは異なるオリジナルで、リョウの声が別所哲也だったり、ユリの声がかの浜崎あゆみであった。藤堂竜白が刑事だったり、キングがただの悪党でしか無かったりと突っ込みどころ満載であるが、極めつけはゲーム中の必殺技が1つも登場しなかったことだろう。ゴッセージ龍虎ですら覇王翔吼拳が登場していたというのに…。
      • 後年の『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』に藤堂竜白が再登場を果たした際のCVはこのアニメと同様の青野武となっている。
  • SNKの格ゲーで初めて女性キャラ(キング)が登場した作品でもある。
    • しかし脱衣KOさせなければ終始、男性口調であったり、対戦でしか使用できない事、直後の『餓狼伝説2』の不知火舞のインパクトが強すぎたためか、あまりこの面が強調される事はない。

龍虎の拳 (SFC版)

【りゅうこのけん】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 スーパーファミコン
発売元 ケイ・アミューズメントリース
開発元 モノリス
発売日 1993年10月29日
価格 9800円
判定 良作
ポイント オリジナルながらエンディングを補完
盟王武雷陣

同名のアーケード及びネオジオ用ゲームのSFC移植作。
シリーズとかかわりの深い『餓狼伝説』のSFC版は「必殺技が出ない」「デモは総カット」「貧弱なサウンドに加え、うおっほっほ!とKOする謎ボイス」とネオジオ版の魅力をまったく再現できていないクソ移植と化していたために
クオリティが危ぶまれたが、本作はクソゲー会社として悪名高いタカラではなく、ケイ・アミューズメントリースからの発売となる*3

特徴(SFC版)

  • ネオジオとは大きくスペックが劣るSFCでありながら可能な限り原作に忠実な移植を心がけており、アドバタイズデモも含めてネオジオ版をよく再現できている。
    • スペック的に表現が難しい画面のズームも不完全ながらに実装されている、
  • モードはストーリーモードのほか、「1P VS COM」「1P VS 2P」の対戦モードが存在。対戦モードではMr.カラテとMr.ビッグが最初から使用可能。
  • すべてのキャラに超必殺技が実装された。ほとんどは既存の技のグレードアップ版(基本的に「出が遅くガード不能」となっている)
    • これにより、Mr.カラテは龍虎乱舞が使えるようになっており、オリジナルより強化されている。また、プレイヤー使用時でも気力の溜まりが早い上に「一定時間ボタンを押しておくと、以後は自動で気力ゲージがフル回復する」という特性(バグ?)を持っているため、対戦では猛威をふるった(例:覇王翔吼拳をガードさせる→モーション中にボタン押し→硬直解消後、龍虎乱舞)。
    • ストーリーモードをクリアする際に難易度のレベルに応じて各キャラの超必殺技のコマンドを見る事が出来る。

評価点(SFC版)

  • ハードルが低くなった
    • CPUのアルゴリズムが易しめに変更され、さらにはレベルを下げる事で初心者でも手軽に楽しめるようになった。
    • ダメージが抑え気味になった為、あっという間に敵にやられる事が減った。
    • ネオジオ版では隠しキャラだったボスキャラも隠しコマンドなしで最初から使用できるようになっている点もありがたい。
  • BGMの良アレンジ
    • BGMはネオジオ版からすべて総アレンジされている。忠実ではなくなったもののメロディラインがハッキリした曲調となりバトルBGMとしての完成度が増したために評判は高く、音もパペパプー音ではない為、クオリティは高い。
  • ネオジオ版の雰囲気の再現度の高さ
    • 勝利画面デモにおける敗れた敵の顔グラフィック等、色々と変更されている箇所はあるのだが、ゲームの雰囲気を崩さずに変更されている為によほど注意して見ない限りは気にならない。
      • 頭部にヒットした際の顔面の腫れは削除されたが、瀕死時の構えの変化はきっちり再現されている。
    • ボーナスゲームを内容を変更することなく実装。ボーナスゲームが始まる際のボイスも含めてしっかりと再現できている。
    • ステージ間のデモを除いてはステージ開始時のデモやキングの脱衣も含めて再現できている。
    • バトルシーンでキャラクターの顔アイコンが表示されるのは完全移植版を除けばSFC版だけとなっている。
    • Mr.カラテに敗れた時の「覇王翔吼拳を会得せん限り…」をボイス付きで再現する力の入れよう。
  • エンディングが壮大なぶった切りだったネオジオ版とは異なり、独自ながらエンディングが存在する為、しっかりとストーリーが完結するようになり、達成感を得られるようになった。
    + レベル4以上でストーリーモードをクリアすると Mr.カラテに勝利し、とどめを刺そうとしてユリに止められるまではネオジオ版と同様の展開だが、続きが追加されている。
    この内容もゲームオリジナルの荒唐無稽な展開ではなく、後に『龍虎の拳2』で語られる、餓狼伝説の前日譚であり、ギースがタクマを利用するためにユリを誘拐させた事をAC版『2』の発売前に明かしている。
    ただし、『龍虎の拳2』発売以前の作品であるため、ギースが『龍虎の拳2』の若い姿ではなく『餓狼伝説』と同様の姿で出てしまっている*4他、事件の詳細についても後の『2』で語られたものとはやや相違点があるなど整合性が取れなくなっており、正式なものとは扱われていない*5
    一部では後の『KOFシリーズ』世界(龍虎と餓狼の人物が同世代になっているパラレル設定)における龍虎の歴史ではと解釈されることもある。
    また、タクマが妻を事故死させた犯人を見つけられず、リョウやユリを捨てて酒とギャンブルに明け暮れて借金を背負った挙句にギースに肩代わりして貰う(結果「事業の手助け」名義で子分にされる)というダメオヤジ(タクマ自身劇中で「(自分は)最低の人間」と言っている)っぷりは賛否両論。
    • なお、『龍虎2』やKOFシリーズのタクマは茶色い髪をしているが、今作のみ白髪のMr.カラテが面を外す展開からかタクマが白髪の老人になっている。

問題点(SFC版)

  • スペックの都合上仕方ない部分も多いが原作から劣化した部分が存在する
    • ステージ間のデモ(リョウやロバートがバイクや車に乗って移動するシーン)がカットされてしまい、「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」を見る事が出来なくなった
    • ダメージを受けると顔がボコボコになる仕様がカット
    • ボイスが一部カットされ、若干使いまわしが目立つようになった。
      • ロバートのダウンボイスがリョウにも使用されていたり、リョウの挑発の「オラオラァ!」が「オラッオラッ」とボイスの繰り返しで表現される等。ただし、必殺技のボイスは極力再現されている。
  • ストーリーモードで2Pが乱入した場合は、以降は対戦モードとして扱われてしまう為、その時点でストーリーモードが終了してしまう。
    • 対戦後に敗北側がコンティニューしなかった場合はタイトル画面へ戻されるため、ストーリーを続けたくとも出来なくなってしまう。
      • ただし、通信機能もないコンシューマ機で遊んでいる以上、乱入と言っても普通は1P側の方で承諾しているはずであり、そうでなくてもやるたびにコイン投入があるわけでもないので、アーケードのストーリーモード中断ほどの被害はない。

総評(SFC版)

完全移植ではなく、若干のバランス調整を施したアレンジ移植となっている。
やむを得ぬ劣化点は見られるものの、劣化点を感じさせないような変更が上手く働き、当時の移植作品としては健闘しており、
タカラ餓狼よりもずっと完成度が高い良移植となった。さらに超必殺技の追加やエンディングの補完といった独自の魅力もある。

余談(SFC版)

  • のちに本作と同じ開発会社モノリスが『タカラ版餓狼伝説SPECIAL』を開発するのだが、こちらは劣化移植になってしまった。
    • SFC『龍虎の拳2』でも同じくモノリスが開発し、良移植となった為、タカラ餓狼だけが微妙な出来になってしまった。
  • 裏技が多く、操作をCPU(またはプレイヤー)に切り替えるもの、超必殺技伝授の的がリョウになるもの、いきなりエンディングになるもの等、様々な裏技が存在する。
  • 原作では技が1つしか無かった藤堂に追加された「盟王武雷陣」(後の超重ね当て)は有名となり、恋愛ゲーム『デイズ オブ メモリーズ』でも藤堂が教えた技として登場している。