バーチャファイター

【ばーちゃふぁいたー】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 アーケード (MODEL1)
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1993年9月
基板 MODEL1
判定 良作
バーチャシリーズリンク

概要

世界初の3D対戦格闘ゲーム。
それまでメジャーであった2D格闘ゲームに代わり、「3Dで表現された立体空間内で繰り広げられる、3Dグラフィックによって表現されたキャラクター同士のリアルな殴り合いと駆け引き」というテーマをシリーズ初作ながら高いレベルで実現し、後年の3D対戦格闘ゲームブームの礎を築き上げた金字塔である。

特徴

斬新なコンセプト・システムの数々。

  • 3D格闘ゲームであること 」。現在では何ら珍しくなく、格闘ゲームには2Dと3Dがあると当たり前のように思われている、その3D格闘ゲームの概念を創り上げたオリジネイターが本作である。
    • ゲームにおいて……否それ以外のメディアにおいてもポリゴンに触れる機会がそれほど多くなかった当時、そのポリゴンで描かれたキャラクターが大画面で殴り合う絵面はインパクト大だった。
      • 初期のプレイ感覚は2D寄りだったが、シリーズを経る毎に「奥行き」という概念もゲーム内容に組み込まれるようになっていった。
  • 「初心者でも熟練者と戦える」「操作の上手さではなくセンスで勝負する」がコンセプト。
    • パンチ、キック、ガードのみのシンプルな操作と駆け引きの面白さはシリーズ通しての基礎。
    • 「間合い」と上中下段、「打撃」「ガード」「投げ」の3すくみというように、基本的なゲーム性は駆け引きを重視したものとなっている。
    • 技コマンドはレバー1方向+ボタンが大半で覚えやすい。コマンド入力が苦手な人にもやさしい構成。
      • 技数が少なかった初期は技のバランスについても疑問を呈される点はなくはなかったが、これもシリーズを経るごとに洗練されてゆく。
      • 「鉄山靠」などのヒットさせれば状況限定ながらすさまじい威力を出す技も存在した。体力の減りに魅せられた人も多いが、続編が出るにしたがってそういった「一撃必殺技」は減っていった。
      • これに合わせてか、本シリーズは技表は攻略本以外では一切公開しないという方針を取っていた。「アキラのPPPKやヒザ蹴り」「スプラッシュマウンテン*1」などのバグによって使える技も存在していた。
  • キャラクターの格闘スタイルに八極拳やジークンドー、続編では蟷螂拳等の、他ではあまり採用されていなかった拳法を採用した点。
    • 実在の格闘技を基にしたモーションキャプチャ(始めはセガの社員が担当していた)による動きのリアルさはさることながら、あえて飛び道具などの現実離れしすぎた技は一切取り入れなかった点も斬新であった。
      • 初期は大ジャンプがあまりにもゆったりと高くしてたり、人が吹っ飛ぶ距離が物凄かったりと、完全にリアルというわけではない。
  • 両端に壁が無いリングも特徴。当時としては珍しいリングアウトを標準採用している。

評価点

  • 本作がインパクトだけの作品に終わらなかったのは、単純ながら奥深いゲームバランスが一作目にして出来上がっていたことにある。
    • 接近した状態で先に動ける(フレーム的に有利)側が攻撃側、後から動く(フレーム的に不利)側が防御側となり、攻撃がヒットしなかった時にお互いのターンが入れ替わるような構造となっており、また先の3すくみに象徴されるように技や防御行動の相性がきちんと作られている。
      このように「高速ジャンケン」とも例えられる接近戦での連続した駆け引きによるテンポの良い展開や密度の濃い対戦が本シリーズ、ひいては3D格闘ゲームの特徴である。
    • 対戦が進むにつれ、技の発生フレームや技後のどちらが何フレーム先に動けるかという知識を理解し、確実にダメージを取れる場面を把握するといった「フレーム単位の攻防」も形成されていった。
      • ただし初期作は「しゃがみパンチ」というリアルさから見てもイレギュラーな存在が強すぎる嫌いがあり、しゃがみパンチの扱いは3D格闘ゲームの積年の問題となっていく*2。本作はしゃがんでいれば(一部技を除き)投げられないと言う利点もある(一応、中段技があるので無敵ではない)。
      • 補足として初代作は30分の1秒でシーケンスを回しているので、なんだかんだもっさりしている。
    • プロデューサーは相手を殴る際の動きや殴られた時の痛みといったリアルな格闘の感触を実感してもらうため、スタッフ同士で殴り合いをさせたという逸話がある。この逸話は少年マガジンの「ゲームクリエイター列伝」で漫画化されている。
  • 3D格闘ゲームの基盤となる、それまでになかった数々の要素。さらにこれらは、2D格闘ゲームにも、影響を与える事となる。
    • 中段を積極的に採用する事により、2D格ゲーでいうしゃがみ安定のような状態が存在せず、駆け引きがより濃く出るようになった。
    • 空中やダウン時でも当たり判定が存在する。特に空中コンボは、以後の3D格闘ゲームの大きな魅力の一つとなる。またダウン中には専用のダウン攻撃を使える。
    • 技は単発なものだけでなく、一連の連携として構成されている。さらに派生もある。これも読み合いを深くした。
    • 技の出かかりに攻撃を当てると、同じ技でも攻撃力が上がる。つまりはカウンターダメージ。
    • ジャンプが大小の2種類ある。もっとも本作では、大ジャンプがそれほど生かされる事はなかったが。
  • ラスボスのデュラルは他のキャラクターと一線を画するグラフィックとなっており、当時としては表現が難しい滑らかな丸みのあるデザインをしている。
    • 歴代を通じて女性型であり、銀色の身体などといった特殊な質感を用いるなど*3、グラフィック実験的な側面を持ったキャラとなっている。プロデューサー曰く「難しい技術だからこそ、あえて挑戦したい」との意図。

賛否両論点

  • 初の試みである以上仕方のない事なのだが、初代当時はポリゴンキャラクターに拒否反応を示す人も少なくはなかった。
    • 当時の技術の限界とは言え*4、慣れ親しんだドット絵キャラクターと比較されて「キャラクターが段ボールの工作みたい」「マネキンが動いているみたいで不気味」という意見があった。
  • 格闘ゲームとして地味。
    • これも3D格闘ゲーム自体が今までにない物だったため、既存の派手な格闘ゲームと比較され、「派手な必殺技が無い」等と言われた。
    • ただしこの事がリアルに近い(前述した通り近い止まりだが)、格闘ゲームとしてヒットしたとも言える。そのため以後のシリーズでも他シリーズと比べると地味気味である。

問題点

  • 3Dである意味。
    • 能動的な横移動が出来ない為、演出的にはともかくゲーム性は2D格ゲーのままである。ゲーム的に意味があるのは回し蹴り等で横方向にリングアウトさせた(させられた)時ぐらい。
      • 一応、ダウン後の起き上がり方や技の使い方によっては、軸を変える事ができるが、とても自由に動けるとは言えないだろう。
      • VF1のポリゴンである事の意義については鈴木裕氏は「位置関係の正確さ、モーションの動き」と答えている。
  • 1プレイあたりのプレイ料金が高い。
    • それまでの筐体ではモニターの性能が足りないとして専用筐体とのセット売りしかされなかったため、それが価格に反映されて1プレイ200円と言う『スペースハリアー』や『アフターバーナー』の様な大型筐体並みの値段設定である。*5
    • 1ラウンド30秒。さらに本作はダメージがかなり大きい上にリングアウトの概念もあるため、1ラウンド10秒以内に終わってしまう事もある。プレイヤーにとっては理不尽な設定である点が否めなかった。

総評

格闘ゲームと言えば2Dが常識であった世に放たれた本作は、世界初の3D対戦格闘ゲームという斬新さで絶大なインパクトを与えた。

業界初にして初代作ということもあり、ゲーム性自体は2次元の範疇を脱しきれていないが、それまでの格闘ゲームにはなかった3Dグラフィックならではの駆け引き要素を入れ込み、後の3D対戦格闘ゲームの基礎的な部分を1作目にしてしっかりとした形で作り上げている。

この存在は業界に大きな影響を与え、後に様々な展開が生み出されると共に、後続の3D対戦格闘ゲームの始祖となった。


バーチャファイター(移植版)

【ばーちゃふぁいたー(いしょくばん)】

対応機種 セガサターン
メガドライブ(スーパー32X)
メディア 【SS】CD-ROM
【MD(32X)】ロムカセット
発売元 セガ・エンタープライセス
発売日 【SS】1994年11月22日
【MD(32X)】1995年10月20日
定価 【SS】8,800円
【MD(32X)】7,800円(各税別)
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント ハードの制約の中で、しっかりした移植
ゲーム性も安定
バーチャシリーズリンク

セガサターン版

概要(SS版)

基本的にはシステム上の大きな変更や追加要素のないベタ移植となっている。

問題点(SS版)

  • ハードの都合でロード時間が長め。
  • サターンはハード性能上、ポリゴン描写が不得手なためポリゴン欠けが多い。
  • ボタン配置をアーケードにした場合はファイティングスティックでの操作がやりにくいという欠点もある。
  • 追加要素の類はない。
    • 無論、世界初の格闘ゲームの移植ということで、そこは致し方ない点ではあるが。

評価点

  • 当時のアーケードとコンシューマの関係を考えればしっかりとシステムを移植できている。
  • バックアップメモリにも対応しており、CPU戦のランキングが記録されるため、ちょっとしたやりこみにもつながっている。

総評(SS版)

ハード性能の制約上からやや劣化している点はあるが、大きく質を損ねることはなく業務用の迫力や醍醐味をしっかりと再現できている。
ゲームセンターの花形タイトルが自宅で遊べる、という事もありセガサターンタイトルの中でも「最初のキラータイトル」として名高い。

メガドライブ(32X)版

概要(32X版)

基本的にベタ移植だったSS版に対し、若干の追加要素が存在する。

問題点(32X版)

  • ハード性能もあって、サターン版からかなり劣化している。
    • ポリゴンは更に劣化し色数も減ってしまい、キャラクターサイズがオリジナル版よりも一回り小さい。
    • BGMやボイスの音質もやや貧弱。

評価点(32X版)

  • 視点変更やトーナメントモードなどの追加要素。
  • ROMカセットなのでロードが全くない。
  • AC版の操作感覚や感触もそん色なく再現されている。
    • 技や動きのパターンの削除などもない。
  • BGMやボイス演出もしっかり再現されている。

総評(32X)

ハード性能上、先行して出たサターン版よりも劣化が著しい部分は否めない。
しかし、肝心の移植具合は、ハード性能を考慮すれば驚異的と言って差し支えない程に高く、サターン版に劣らない程の評価を得た。
ビジュアルの劣化にさえ目をつぶれば、十二分に遊べる良作である。日本市場におけるスーパー32X最後のソフトでもあり、併せて有終の美を飾るにはふさわしいとも言えよう。


シリーズの展開

+...

バーチャファイター2

  • 1994年稼働開始。グラフィックが大幅に強化され、テクスチャーマッピングの活用によりキャラクターの自然な質感を実現した。描画速度も上昇(60分の1秒)し動きも自然なものになった。
  • キャラクターが2人追加され、システムに大きな変化は無いが、優れたゲームバランス(アキラが強すぎるとの声はあったが)まさに正当進化といえる完成度でシリーズは全盛期を迎え、社会現象に発展する。その盛況ぶりは「設置2週間で元が取れる」と言われたほど。
  • その後セガサターンに移植され、セガ初の国内ミリオンを達成する。
  • なおバーチャファイター2といえば、修正版の『バージョン2.1』の事を指す場合が多い。(オリジナルは稼働後しばらくして入れ替わったため)
    テレビドラマ「ノーコン・キッド ~ぼくらのゲーム史~」でも題材になり、ドラマ放送に合わせて稼働を開始させたゲームセンターもある模様。

バーチャファイターリミックス

  • 1995年稼働開始。セガサターン互換基板「ST-V」にて作られた『VF1』のリメイク。テクスチャ効果で若干グラフィックが2に近くなっていたり、キャラ選択画面のイラストが寺田克也氏のものになっていたりという変更があるが、基本的にはVF1と同じ。SSへの移植も最初はセガサターンの100万台記念パッケージに同梱される形でリリースされ、その後単体版が発売された。
  • だが、すでにVF2が稼働している時期で、しかもVF2の使用基板である『MODEL2』よりも能力的に劣るST-V基板作品で、アーケードではあまり長期間稼働していなかった。

バーチャファイターキッズ

  • 1996年稼働開始。『~リミックス』と同じくST-V基板。VF2をベースに2等身にリファインされたキャラで戦う。

バーチャファイター3

  • 1996年稼働開始。新型基板「MODEL3」採用によりさらにグラフィックが進化。当時はその画質に多くの人が驚愕した。キャラクターは2人追加。
  • 3D特有の「奥行き」を活かすため軸をずらす「エスケープボタン」が追加、レバー+4ボタンとなるなど、操作には大きな見直しが入った。
  • ステージリングには段差が付いたり広さが異なる等多様化し、リングごとに独特な戦略性ができた。
  • 新技はもちろん「投げ抜け」をはじめ特殊な操作が多く追加され熟練者の研究と対戦が盛り上がる一方で、ハードルが上がっていく傾向も見られ始めた。
  • その後バージョンアップ版の『バーチャファイター3tb(チームバトル)』が登場。ラウンド制から3VS3のチームバトル制にしたものだが、元の出来の良さに加えて1回のプレイで3人のキャラが使えるお得さからロングヒットとなった。家庭用(DC)に移植されたのはこのバージョンである。

バーチャファイター4

  • 2001年稼働開始。グラフィックがさらなる進化を遂げ、現実と遜色なくなった。
    • カードシステムとネットワークサービス「VF.NET」の採用により、名前、連勝記録、段位、アイテム*6などの管理ができるようになった。
    • 3で追加されたエスケープボタンが廃止され、『鉄拳』などと同様の、レバーによる軸移動が導入された。
    • 「3」で初登場した鷹嵐が本作ではリストラされている。力士特有の肉体が「NAOMI2」やPS2で表現できなかったのが理由と思われる。

バーチャファイター4 エボリューション

  • 2002年8月稼働開始。
    • J6から送り込まれた暗殺者の柔道家・日守剛と、好色家なキックボクサーのブラッド・バーンズの2キャラを新たに追加。
    • ゲームバランスの調整・新技の追加をした。

バーチャファイター4 ファイナルチューンド

  • 2004年7月、VF4の最終形として業務用にてリリース。
    • バランス調整における最も大きな変更点としては、特定のコマンド入力に対して複数の技の中から一つを任意で割り当てられる「技切り替えシステム」が挙げられる。また、対戦だけでなく一人用の楽しさも追求するための要素として「チャレンジモード」が追加され、CPUの思考パターンもより手ごたえのあるものに強化された。さらに、段位システムとは異なる視点からプレイスタイルを評価する「通り名システム」、キャラクターの外観を別人と言えるまでに変化させるような新アイテムの追加など、プレイヤーの個性をよりキャラクターに反映できる作りとなった。後にリリースされた
    • 『バーチャファイター5 R』とともに、家庭用に移植されることのなかったバージョンでもある。

バーチャファイター5

  • 2006年7月稼働開始。セガが独自で開発した新基板「LINDBERGH」によりさらにグラフィックが華麗で美しくなった。
    • 新キャラはパイに憧れる猴拳使いのアイリーンと、ウルフをライバル視するルチャ・リブレ使いのエル・ブレイズが追加された。
    • ゲーム面では軸移動システムがさらに進化し、相手の側面に回りこむ「オフェンシブムーブ」が追加、従来の避け行動は「ディフェンシブムーブ」となり、2種類の軸移動が使えるようになった。
    • カードデータの閲覧・編集や大会運営支援などの機能を提供する「VFターミナル」、専用モニターを使用して随時対戦動画などが放送される「VF.TV」、VF.NETでの対戦動画作成サービスといったホスピタリティ面も強化されている。

バーチャファイター5R

  • 2008年7月稼働開始。
    • 『4』からリストラされていた鷹嵐が復活し、剛と同じく暗殺者として活動しているジャン紅條が新規追加。
    • 対戦バランスのさらなる調整と、ゲームバランスの大幅な変更が施された。
    • VERSION Aからはビンゴフェスタが復活、新たに2部構成となり、前半の1週間は全国のプレイヤーがビンゴを揃えることでビンゴパワーを集める「ビンゴデイズ」、後半の1週間は集めたビンゴパワーに応じて様々な特典が付いた状態でプレイできる「ハッピーデイズ」が実施される。VERSION Bからは、新たな期間限定イベントとして、全国のプレイヤーが4つの軍に分かれて所属軍ごとの戦績を競い合う「四神大戦」が追加された。

バーチャファイター5 ファイナルショーダウン

  • 2010年7月稼働開始。2013年以降ゲーセンで稼動しているのはほとんどが本作。
    • 「初心者にもわかりやすいシンプルさ」「側面攻防の奥深さ」「読み当てた時の爽快感アップ」を掲げ、ゲームシステムを一新。
    • 複数投げ抜けに加えVF5最大の特徴だった0フレーム投げと相殺を撤廃、さらに全キャラクター共通して投げコマンドの対応方向がニュートラルと前後のみとなった。これにより、防御行動に関しては汎用性の高い「ガード投げ抜け」が主体となり初心者と中上級者の格差が縮んでいる。成功避けやオフェンシブムーブ後に必ず敵側面に移動できるようになり、側面攻防の機会が大幅に増えた。このため、ディフェンシブムーブは純粋な防御ではなく攻撃を意識した行動になったといえる。また全体的にコンボダメージが上昇していることに伴い、体力値が若干引き上げられている。

シリーズ登場キャラクター

+...

基本的にゲーム内でストーリーが表示される事は無く、説明書や公式資料のキャラクター設定などで提示されている。
なお、公式大会・上位プレイヤーの使用キャラなど、そのバージョンで活躍したキャラは次回作でも「元優勝/決勝進出者」とする設定もある。

  • 結城 晶(ゆうき あきら)
    • シリーズを通しての主人公。袖の破れた胴着と鉢巻がトレードマークの、八極拳の達人。第2回優勝者。
    • 全シリーズ通して発生速度と威力に優れる打撃と、投げ技・返し技など、あらゆる戦局に対応可能な一通りの技を揃えるオールラウンダー。
      しかし手前・奥の動きに弱い上、コンボで難しい操作を要求されるケースも多く高性能を発揮させるには熟練が必要な、主人公格には珍しい上級者向けのテクニカルキャラとされる。
    • 決めセリフである「10年早いんだよ!」は彼の代名詞。
    • 他の格ゲーの主人公に近く、本作のストーリーの根幹に関係する悪の組織「J6(ジャッジメントシックス)」との関係が希薄な求道者。*7
  • パイ・チェン
    • ラウの娘で、燕青拳使いの女優。
    • 病気の母を省みず修行ばかりしていた父親・ラウを憎み、彼に勝つためにトーナメントに参加する。しかし後に彼が不治の病であることを知り、彼を止めるために参戦…と目的が変わる。
    • シリーズ初期から中期にかけては、非力さを優れたスピードで補う戦いが主体だったが、『5』からは打撃技・投げ技が大幅に強化され、返し技も習得している。
    • 『2』での決め台詞は「あなたには功夫(クンフー)が足ないわ」だが、それ以降は「あなたには功夫が足ないわ」となっている。
  • ラウ・チェン
    • パイの父であり燕青拳の達人だったが、それだけでは飽き足らずに禁断の虎燕拳の封印を解いた。しかし不治の病に侵されており、虎燕拳の後継者を探すために大会に参加する。第1回優勝者。
    • 威力に優れたラッシュを得意とし、必要なコマンド入力も高速だが、複雑な要素は少なく初心者にも比較的扱いやすい。
  • ウルフ・ホークフィールド
    • 悪夢の真意を突き止めるべくトーナメントに出場する。アキラとの戦いを毎回楽しみにしているプロレスラー。最近はエル・ブレイズにライバル視されている。
    • 発生は遅いが威力の高い打撃技と、豊富かつ強力な投げ技を持っているキャラ。特に「ジャイアントスイング」は全キャラ中最強の威力を誇るコマンド技。
  • ジェフリー・マクワイルド
    • 自称パンクラチオン使いの巨漢漁師。ライバルのサタンシャーク(巨大なサメ)を釣りあげることが夢。
    • 魚群探知機を買うための資金を得るために大会に参加する。『5』ではそのサタンシャークがJ6に捕獲された噂を聞き、真相を確かめるべく大会に参加する。
    • 隙は大きいが威力の高い技を揃えているハイリスク・ハイリターンなキャラだが、最近のシリーズでのキャラランクは上位に位置している。
  • 影丸(かげまる)
    • 葉隠流柔術使いの忍者。変則的な技を多数持っているが、安定したキャラ性能と使用人口を誇る。第3回大会優勝者・第4回大会決勝進出者。
    • J6の手によってデュラルにされてしまった母・月影を救うために大会に参加する。J6との因縁が深いキャラの一人。
    • 声を演じるのはセガ社員であり「日本一歌の上手いサラリーマン」の異名を持つ光吉猛修氏。
  • サラ・ブライアント
    • ジャッキーの妹であり、マーシャルアーツ使いの女性格闘家。
    • J6には拉致されたり洗脳されたりと、因縁が深いキャラの一人。
    • 優れた素早さを活かした攻撃型のキャラクター。操作が比較的簡単で、初心者にも扱いやすい。
  • ジャッキー・ブライアント
    • サラの兄で、ジークンドーの使い手のインディーカーレーサー。
    • J6に妹のサラを誘拐されたり、本業のレース活動でも妨害をされたりと公私ともにJ6に被害を受けているキャラ。そのJ6に業を煮やし、組織の壊滅のために大会に参加する。
    • 比較的簡単な操作方法ながら、トリッキーかつ破壊力の高い打撃技と性能のよい投げ技を併せ持ち、人気が高いキャラクター。
  • 舜 帝(シュン・ディ)
    • 『2』で初登場。酔拳使いの格闘家。行方知れずの愛弟子を探すために大会に参加。第4回大会・決勝進出者。
    • 腰にある酒を飲むと徐々にパワーアップし、攻撃力や使える技が増えていくという、シリーズでも屈指の変則的なキャラクター。
      トリッキーな動きで相手を翻弄し、隙をみて酒を飲んでいくことがポイント。勝利後に勝ちポーズをキャンセルして飲む事さえ出来る。
  • リオン・ラファール
    • 『2』で初登場。蟷螂拳の達人にして大富豪の御曹司。『5R』で参戦したジャンと幼馴染みである。
    • 素早さとトリッキーさが特徴のキャラクター。低い姿勢を活かしてチクチクと攻め、機を見て威力の高い投げ技を決めていく。動きにクセが強い。
  • 梅小路 葵(うめのこうじ あおい)
    • 『3』で初登場。合気柔術使いの京都出身の高校生。
    • 『5』では女性と見れば口説くような軽薄な振る舞いをするブラッドを許せないでいるとともに、ライバル視しているという因縁ストーリーがついた。
    • 合気道よろしく、ゲーム中の全ての技に対する返し技を持つ。
  • 鷹嵐(たかあらし)
    • 『3』で初登場した横綱力士。裏世界のアメリカ人との勝負がきっかけで第3回トーナメントに参加するも惨敗。第5回トーナメントではその屈辱をバネにリベンジに挑む。
      • 『4』と『5』ではリストラされていたが(ストーリー上では本職の力士として活躍しており、九場所連続優勝という大記録を果たしたという設定になっている)『5R』で復活を果たした。
    • 巨体ゆえに打撃技・投げ技共に非常に高い破壊力を持つが、その代償として通常動作の緩慢さと当たり判定の大きさも目立つ、両極端なキャラクターである。
      • 『3』では一部のダウン技を受けても倒れないという特性を持ち、そのため他キャラクターでは決まらないような連続攻撃を受けてしまうという弱点もあったが、『3tb』以降は通常キャラと同様にダウンするようになった。また、『3』ではジャンプが不可能であったが、『3tb』以降では可能となった。
  • 雷飛(レイフェイ)
    • 『4』で初登場した少林拳使いの僧侶。ラウが解いた禁断の虎燕拳を封印する任務を受けてトーナメントに出場するも成し遂げられず。
      虎燕拳に未練を無くし、自分に対立する者達を倒して行く事により、自分が所属していた組織から再び評価を貰おうとする為に、再びトーナメントへ参加する。
    • 様々な構えからトリッキーな動きで相手を翻弄する。強力な捌き技が印象的。
  • ベネッサ・ルイス
    • 『4』で初登場した私設SPの一員で、サラの警護を務めるバーリトゥード系ファイター。
      幼少時にJ6の研究施設から特殊部隊によって救出され、以後その隊長を養父として育つ。成人後、養父がJ6の手によって任務中に殺害されたため、犯人を突き止めるべく大会に参加する。
    • 「ディフェンシブ」と「オフェンシブ」の2種類のスタイルを任意で切り替えて戦うという、『ストリートファイターZEROシリーズ』の元のようなキャラ。
  • 日守 剛(ひのがみ ごう)
    • 『4エボリューション』で初登場。J6から送り込まれた柔道・古武術家の暗殺者。
    • 柔道使いらしく強力な投げ技を主力とするが、打撃技も得意とし、相手の打撃技を捌きつつ攻撃できる技や、打撃から投げに繋がる技を数多く持つ。
    • 性格は凶暴そのもので、オーバーキルな勝利ポーズを持っているキャラでもある。
  • ブラッド・バーンズ
    • 『4エボリューション』で初登場。好色家なキックボクサー。『5』では葵とライバル関係になっている。
    • 特殊移動からの素早い動きとリーチの長い足技で攻める、打撃攻撃に特化したキャラクター。
      投げ技は物足りないが、難度の高い操作はさほどないため初心者でも扱いやすい部類に入る。
  • エル・ブレイズ
    • 『5』で初登場。ウルフをライバル視する、ルチャリブレ使いの覆面ジュニアヘビー級プロレスラー。
    • 走りや前転からの選択が重要なダメージ源となる、メキシカンプロレス系統のキャラ。軽い部類だが空中コンボが入りにくい。
  • アイリーン
    • 『5』で初登場。パイに憧れる猴拳使い。
    • 軽量級ならではの素早さにシュンのようなトリッキーさを加えたキャラ。キャンセル行動と呼ばれる、特定の技・構えから派生する2Dコンボゲーのような連携技を持つ。
  • ジャン紅條(ジャン くじょう)
    • 『5R』で初登場。リオンの幼馴染みで、彼が蟷螂拳を習得するきっかけを作った人物でもあるが、その直後にJ6による拉致洗脳を受け、現在はゴウと同じく暗殺者として活動。第4回トーナメント(VF4EVO)でゴウが任務に失敗したため、新たなる刺客として第5回トーナメントに送り込まれた。
    • 連携の途中で技の動作を溜めることができ、そこから中段・下段への派生、また連携を中止することで相手を翻弄しつつ、威力の高い単発技や連撃を決めていく戦い方を得意とする。
  • デュラル
    • シリーズを通して1人用モードの最終ステージに登場する、銀色の女性型サイボーグ。J6の主力兵器として開発が進められており、『3』以降は月影(影丸の母親)を素体としながら、サラやベネッサのデータも取り込んでいる。
    • 金属製のため、非常に重く、空中コンボが決まりにくい。各キャラクターの強い技を少しずつ使用できるという、まさしくボスに相応しい良いとこ取りのキャラクターだが、オリジナルのコンボ技はさらに強い。
    • 『2』のみ水中で戦うため、彼我のモーション速度が遅くなった状態となっていた。
      『4』では体が透明になっており、非常に見づらい戦いを強いられる。『5』では石像などといった複数の体色が登場。
      • メタ的にはこのキャラはシリーズを通して、基板のベンチマークやグラフィックデモといった実験成果の役割を担っている。

余談

本作が与えた影響

  • 3D格闘という新しいジャンルを作った今作は様々な影響を与えた。
    • ナムコの『鉄拳』や、テクモの『DEAD OR ALIVE』、3D格闘ゲームが続々と作られ、さらにそれら派生作に影響を受けたゲームも増えていった。
    • 2D格闘の雄である『ストリートファイター』、『サムライスピリッツ』などにも3D作品が出るようになった。
    • バーチャファイター4からだが、JAMMAから新JAMMAに変わる過渡期が重なり、急速に新しいインターフェースに変わるきっかけになった。
      • 当時、バーチャファイター4が大きな店にもかかわらず数日遅れたりした所があるのは、この新JAMMAインターフェースパーツが間に合わなかった所が多々あったのも原因。*8
    • また、ネットワークの導入を広めたのもバーチャファイター4から。因みに当時はADSLもあったがISDNでの導入も多かった。*9
  • このゲームの優秀なプレーヤーは一時期、かつての高橋名人のような有名人となった。
    • 「新宿ジャッキー」「柏ジェフリー」「ブンブン丸」「池袋サラ」「キャサ夫」「ちび太」等がそれであり、全盛期にはTVで彼らのドキュメンタリーが放送されるほどだった。
      • 今のようにネットで気軽に攻略情報や対戦動画を見ることができなかった時代であったため、トッププレイヤー達の存在場所や攻略法など、このゲームにハマった人々が求める「情報」への情熱はすさまじいものがあった。
        対戦格闘ゲームゆえの負の側面も多々あれど、ゲーセンのコミュニティを進化・発展させ、様々な場所への交流を促したという点においても、本作は無視できない影響力を持っていたといえる。
  • 人気を背景に後にアニメ化もされた。本作の前日談を描いた作品で、オリジナルキャラも多数登場する。
    • キャラクターデザインはゲーマーにはスーパーリアル麻雀でお馴染みの田中良氏。
    • 後期主題歌「愛がたりないぜ」は本作で影丸役を務めている光吉猛修氏が歌っており、氏の代表曲のひとつとなっている。
    • アニメ冒頭のナレーション「人は彼をバーチャファイターと呼ぶ!」という、作中全く呼ばれない呼び名がネタ的な意味で有名。
  • アキラの勝利セリフである「10年早いんだよ!」は一般層にも有名な名台詞*10。『2』からアキラ役を務めている三木眞一郎氏はこのゲームから一気に知名度を上げた。
  • 世の中の有名人に与えた影響も大きい。
    • 一例として『そばかす』で有名なJUDY AND MARYが発表した楽曲『The Great Escape』に「あたしのボディはまるでバーチャファイターのZone2」という歌詞がある。
    • VF2が出た当時、人気ヤンキー漫画『カメレオン』を連載していた「加瀬あつし」氏は本作の熱狂的なプレイヤーであり、著名な大会にわざわざ自分で出場するほど入れ込んでいた。
      • 漫画の中にもバーチャファイターが登場している。また、漫画の中で「坂本」というキャラが「ブラストシティ筐体に入ったバーチャ2を所有している」シーンがあるが、これは 「実際に作者の加瀬あつし氏が自宅に筐体を持っていた」 ことから*11描かれたシーンであることを、後年の作品のあとがきで記している。
    • イラストレーター・漫画家として有名ないのまたむつみ氏も、本作の熱狂的なファンであった。VF2の全盛期に筐体を自宅に所持し、ゲーセンに1日中入り浸って対戦することも珍しくなかったという。
  • 1998年に本シリーズが「コンピュータソフトウェアとして歴史的な足跡を残した」ことを評価され、各種資料が米国スミソニアン博物館に展示・保存されている。

番外編、客演

  • 『2』を子供向けにキャラクターをデフォルメした『バーチャファイターキッズ』が発売された。ゲームバランスも子供や格闘ゲーム未体験者向けに調整されており、適当に操作しても一定の技が繰り出せるようになっている。
    • 大塚ベバレジ(現・大塚食品)とのタイアップ広告があり、舜帝が飲む酒がジャワティーに差し替えられている。
  • 同じセガ・AM2研製作の3D格闘ゲームである『ファイティングバイパーズ』とコラボしたお祭りゲーの『ファイターズメガミックス』が発売された。
    『2』のキャラが全員参戦している他、隠しキャラとして『キッズ』仕様のアキラ、サラや『1』の没キャラクターである剣使いの「シバ」、挙げ句の果てに『デイトナUSA』からホーネット号(自動車)まで登場している。
    • また、逆にデイトナUSAにはジェフリーの像があるが、逆走すると逆立ちし、またスタートボタンで回るというお遊びがある。
  • セガサターンで発売されたプロレスゲーム『全日本プロレスFEATURING VIRTUA』にて、ウルフとジェフリーがゲスト出演。この縁で、全日本プロレスに参戦していたマスクマンのザ・ラクロスが「ウルフ・ホークフィールド」と改名しコスチュームやメイクもウルフになりきって実在のレスラーとしてリングに上がったことがある。
    • 続編のジャイアントグラム(DC)ではウルフとジェフリーに加え、影丸と上記のラクロス扮したウルフもゲストとして参戦。(続編のジャイアントグラム2000ではVFウルフ、ジェフリー、影丸は不参加)
  • スピンオフ作品としてPS2にて『バーチャファイター サイバージェネレーション~ジャッジメントシックスの野望~』が発売されている。
    基本的に登場人物は全員オリジナルでありジャンルもアクションゲームである。本編の格闘家たちはデータとして登場するがきちんと台詞があり、主人公にそれぞれの技を伝授する役割となっている。
    また、本編で断片的にしか語られない敵組織「J6」に深く関係するストーリーとなっている。
  • カプコン・バンダイナムコゲームス・セガの三社の作品が共演する『PROJECT X ZONE』にセガ代表としてアキラとパイが参戦し、敵として『5』のデュラルが登場した。劇中のモーションを忠実に再現している他、『ストリートファイター』、『鉄拳』との共演が実現した。
    • 続編である『2』には影丸も参戦している。
  • コーエーテクモゲームスの3D格ゲー『DEAD OR ALIVE 5』にアキラ、パイ、サラがゲスト参戦。続編の『Ultimate』にはジャッキーも参戦した。
  • 同社の2D格ゲー『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』のラスボスとしてアキラとパイが登場*12、家庭用版ではプレイアブルキャラとして使用できる。
    • バーチャファイターと電撃文庫が共に20周年なのに合わせてか「20年早いんだよ!」という台詞が追加されている。
  • 同社のショートアニメ『Hi☆sCoool!セハガール』にて第1回目のテーマとして本作が取り上げられた。前述の著名プレイヤーなどのネタが取り上げられている。
    • 特にジェフリーは謎のプッシュを受け、要所要所で登場するという異例の扱いを受けた。
  • バーチャファイターの開発時にプログラムで行き詰まった時に、就寝中に夢の中でその解決法が降りてくると謎のスピリチュアルな事を鈴木裕氏が語っている。この件はこれまでのゲームでも何度かあり、チーム内でも認められている。*13

現状

  • 3D対戦格闘ゲームの始祖と言える本作だが、2010年の『VF5FS』以降新作は作られていない。
  • よく指摘されるのが「5のシステムが不評」というのがある。たしかにセガにとっては思っていた売れ方では無かったのだが、そこからバッサリとチームを解散させてしまったのがカプコンやナムコとの社風の違いもある。*15他社の格闘ゲームと比較しても伸びしろが殆ど無いのと、新参者が生まれにくい育ち方をした等も指摘される所。
    • あと、鈴木裕氏が「バーチャファイターは5まで」と明言していたというのもある。

*1 本来はトーキックからの追加入力技であり、いきなりは出せないはずだった。

*2 尤もストII以降の格ゲーは大概しゃがみ状態が有利だったのだが…。

*3 直線と曲線では当然、曲線のほうが表現が難しい。そして男性は体のラインが直線的なのに対し、女性の体は丸みを帯びた曲線的な体型である。

*4 筐体の値段を度外視するなら当時でも不可能ではないが。

*5 初期出荷がメガロ50のみの為に「大型筐体扱い」だった事もある。

*6 いわゆるキャラに装備させるカスタマイズアイテム。

*7 リュウ、覇王丸、愛乃はぁとなど、敵らとの因縁が薄い主人公は一定数いる。

*8 中には、新JAMMA→旧JAMMA変換ボードが必要だと熟知していなかった店も多かった。特に導入でセガ筐体を使用しなかった店がその傾向。セガは他社より新JAMMAベースを先んじて出荷していた為。

*9 当時バーチャファイター4のネットワークは「ISDNも可」だった

*10 SS版のCMでこのシーンが流れた事も一因。

*11 当然、当時はかなりの金額で取引されていた。

*12 正確にはラスボスが作りだした分身。

*13 「ゲームクリエイター列伝」/少年マガジンコミックスより。

*14 本シリーズが始まったのが1993年なのに対し、『鉄拳』の方は1994年である。

*15 たしかに、セガにブランド力のある資産が残ってなさすぎという指摘は前々からされている。