実況パワフルプロ野球10

【じっきょうぱわふるぷろやきゅうてん】

ジャンル スポーツゲーム(野球)

対応機種 プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ
(パワプロプロダクション)
発売日 2003年7月17日
定価 7,140円
レーティング CERO:全年齢対象
判定 良作
ポイント サクセスはオリジナルプロ球団編
「マイライフ」初登場
名モード「対決!伝説選手」
ゲームの難易度は全体的に上昇
友沢亮・橘みずきが初登場
実況パワフルプロ野球シリーズ

概要

言わずと知れた人気野球ゲームの10作目。PS2シリーズにおける4作目。PS2版では今作からDVD-ROMを起用。容量を増してボリュームが上がっている。
GC版では『パワポケ5』(超決定版では『パワポケ6』も含む)の選手をパスワードでやり取りできる。
マイライフの初登場、次世代の主要キャラである友沢とみずきが主人公の後輩で登場する。
日本ハムファイターズ(現北海道日本ハムファイターズ)は、2003年を最後に本拠地を北海道の札幌ドームに移転したため、東京ドームを本拠地としていた日本ハムファイターズの登場する最後のパワプロとなった。

本作以降、『2009』『NEXT』まで実況は河路直樹氏が担当。河路氏は安部憲幸氏に続くパワプロ実況の代名詞となった。
細かい点だが、「ストライク」「ボール」といった球審の音声も変わっている。 その代わり、「チェンジ」の音声が何故かなくなった。


評価点

  • 各種モードの利便性が上がった。
    • PS1版『2001』で搭載された一軍・二軍入れ替え機能が逆輸入され、アレンジモードを使わずに対戦できるようになった。
    • データあれこれでデータ消去や移動が可能。
      • インターネットへの接続環境があれば、オンラインサービスを利用してオリジナル選手の獲得が可能であった。
    • アレンジでオリジナルチームを作る事が出来た。
      • チーム名やユニフォームの配色などをカスタマイズ出来る。ただし本作と『11』ではオリジナルチームはペナントモードに参加出来ない。
  • 狙い打ちシステムの搭載。
    • 今回の野球部分は基本的に『9』をベースにしているが、バットを振る時、あまりカーソルを動かずに打つとカーソルの色が黄色からオレンジ又は赤色に変わりパワー値にボーナスが与えられ強い打球を打ちやすくなる(赤色が一番強い)。 これによってパワーの低い選手でも強い打球が打ちやすくなったりこれまで弱かったミート打ちが『11』以降ほどではないが強くなった。
  • ペナントは外国人枠が導入。
    • アレンジで外国人枠を超える人数を一軍に登録してセーブしようとすると、ペナントに登録した際に外国人枠が設定できなくなる。
      • なお近年のPS3シリーズでは外国人枠はなくなっており、公式Twitterで「外国人枠はあるでやんす」と言ったにもかかわらず実はなかった事を謝罪するなどの事件が『2013』で起こっている。
  • ドラフト会議にサクセスで作ったモードの選手が登場しなくなった代わりに、サクセス選手を好きな時期で入れ替えれるようになった。

マイライフ

  • 一人の新人野球選手となってペナントレースを消化していくモード。
    • 後のパワプロではサクセスと並んでお馴染みのモードとなるが本作ではまだ粗削り。それでも中毒性があるモード。
      • 練習を指示して試合を消化するだけの簡素なもので、趣味での能力入手やチームメイトとの連絡などはない。
    • マイライフ用選手を作るかサクセスのオリジナル選手を選択。本作はまだ実在選手でのプレイは出来ない。
    • 試合でホームランを打ったり勝利投手になるなどの条件で商品がもらえるが、ただのコレクション。
  • まだ粗削りのモードではあるが、ひたすら豪華な本作で後のパワプロに影響を及ぼすほどのモードの原型が出てきた事は大きい。

「対決!伝説選手」

  • プロ野球のOB選手たちと対決するモード。
    まさに伝説の最強選手との夢の対決というシチュエーションであり、日本プロ野球の歴史を垣間見る事が出来る。
    • 二リーグ制移行の1950年代から1990年代までの時代が大体10年ごとに4つに区切られ、その中から遊びたい時代を選ぶ。
      • 特に有名な選手については、名前だけではなく称号など専用の選手紹介が実況される。
    • プレイヤーは12球団の現役選手、サクセスで作成したオリジナル選手、隠し選手を使用可能。
    • 「投手に挑戦」は野手で3打席の内に安打を放つこと、「野手に挑戦」では投手で1打席勝負を行いアウトを取ることでプレイヤーの勝利となる。
      • 野手操作時の走塁、投手操作時の守備はオートで、純粋な投打対決となる。
    • 本作はホームラン競争やシナリオのクリアでOB選手は獲得できず、このモードでOB選手を獲得する。
    • 数人ごとにセーブポイントがあり、失敗すると最後のセーブポイントからのやり直しとなる。
  • 隠し選手も他のモードに比べて入手しやすく、セーブポイントで中断・再開も出来るので手軽に遊べるのも嬉しい。

ボリューム満点のサクセス

  • 本作は「頑張パワフルズ」「キャットハンズ」「猪狩カイザース」「極亜久やんきーズ」の4球団から選べる。(超決定版では「サクセスオールスターズ」含めて5つ)。どれもが個性的な球団かつ、ボリューム満点。
    • 時間軸は『9』の設定を引き継いだ上で、猪狩兄弟やあおいが高卒4年目から始まる設定なので『7』の翌年になっている。
  • お馴染みの友情タッグ練習は勿論、コーチ評価を上げるとコーチとの師弟タッグ練習が可能。
  • 1年目の2軍に居る時、2軍監督やコーチの評価が高ければアメリカへ海外留学させてもらえる。
    • シングルスター・ダブルスター・レギュラーリーグの3ランクがあり、活躍すれば上位リーグへ移れるが活躍出来ないと強制帰国。だがきっちり居残っていると大きな旨味がある。
    • 2年目オフの時にも海外留学を持ちかけられる事があるが、この時は最初からレギュラーリーグスタートで強制帰国がない。
    • アメリカでしか出会えない彼女キャラも居る。
    • アメリカでの試合の実況は英語であり、後の『実況パワフルメジャーリーグ』に先駆けてアメリカベースボールの雰囲気が味わえるものとなった。
      • ボールカウントもBSO方式になるなど、細かいところにも拘っている。
        後の決定版では球審のボイスも現地風のものに変わる。
  • 「頑張パワフルズ」は最初に選べる球団で、昔は強豪だったが今は低迷している球団。
    • 1年目と2年目は主人公の活躍にかかわらず順位が固定しており、3年目は球団存続を賭けて優勝を目指す。
    • 継承選手が他チームで育成した選手を含めて登場する人数が多いのが特徴。
  • 「キャットハンズ」は2番目に選べる球団で、初の女性プロ選手・早川あおいが居る。2年目では高卒ルーキーとして橘みずきも初登場。
    • 監督が気まぐれで、どれだけ成績を残してても気まぐれで2軍降格させられる事がある。
      • 監督に気に入れれば強化選手になり、秘密の特訓を受けられるが成功するかしないかは運次第。
    • シーズン中に何度も身売りさせられ、主人公が新しいオーナーを求めて交渉する必要がある。オーナーに応じて練習レベルやアイテムなどが変わってくる。
    • 橘みずきは主人公の後輩で、彼女の姉に似ている早川あおいに苦手意識を持つがイベントで和解する。以降の作品に比べて性格がかなり大人しいが、これらの謎はパワプロ13で分かっていく事になる。
      • 後のおてんばで明るい一面が強調されるみずきよりも、本作のどこか陰がある後輩みずきが好きという人もいる。
    • 野手育成において、友情は矢部と継承選手しかいないので野手育成に向かないと言われがちだが、練習でもらえる経験点は4球団中で一番多いので(親会社次第では)強い野手も作ることもできる。
  • 「猪狩カイザース」は3番目に選べる球団。元々は「たんぽぽカイザース」だったが猪狩コンツェルンが買収した。猪狩兄弟の他、2年目では高卒ルーキー友沢亮も初登場。
    • いわゆるあかつき系の「実力主義」チーム。実力さえあれば2年目の開幕戦からキャプテンになる事も出来る。
      • また、契約更改で出される抱負を達成すると、練習レベルが上がったり能力が上がったりする。
    • 本作の友沢は、この時点で「高校時代は投手だったが遊撃手に転向した」という設定がある。そのため投手としての能力も高い。
      • 猪狩を目標としてライバル意識を持つようになるが、猪狩に似てるようで違うベクトルを意識したライバルキャラとしてはそれなりに存在感を出すようになる。
    • 練習でもらえる経験点は4球団の中で一番少ないが、充実した友情タッグや早期になれるチームリーダーによる試合経験点や抱負達成のご褒美で補うことができる。
  • 「極亜久やんきーズ」は4番目に選べるチーム。パワポケの極亜久高校とは関係ない。ヤクザのように見えて根はツンデレの男たちが多く、阿畑やすしも参加する。この球団は呼び方が特殊でただの1軍選手を『兵隊』、レギュラーを『番格』、チームリーダーを『番長』という名で呼ばれている。番堂曰く「番格はとにかく偉く、兵隊以下は基本絶対服従」らしい(ただし、下記の不満度システムにより、限度はある模様)。
    • 実力を見せていくと「番長」として格が上がり、下っ端に命令して他球団から選手や練習道具、キャットハンズで手に入るアイテムを借りる(というか強奪する)事が出来る。上手く行けば猪狩兄弟や友沢・あおい・みずきのようなキャラも借りることが出来る。アイテムの場合はキャットハンズと違って永久的に所持する事が可能。
      • ただし選手の場合はふとした拍子で正気に戻って元の球団に帰っていくことがある。また、不満度というものがあり、借りる度に悪い反応をひき続けると不満が溜まる。その不満が爆発寸前で監督から警告が入り、爆発すると番格(番長)から引きずりおろされて降格する。
    • 阿畑は『9』の茜と交際しており、彼女の妊娠を知り改良してきたナックル「アバタボール」の名前を「アカネボール」と名付け引退試合へ臨む。
    • 立場変動は基本的に評価だけで、怪我や不満を爆発させない限り、降格する事は一切ない。そのため普通にクリアしていくと最後に選べる球団でありながら、クリア難度は評価だけで決まり一番クリアしやすい。
  • 後輩から意識される猪狩・あおい、子供が出来た阿畑など全体的に「世代交代」を匂わせる作風となっている。
  • 各シナリオの絶妙なバランス
    • 先にも後にもパワプロシリーズの多くはこのシナリオはガチ育成には向かないというのは一つはあったが、今作では決定版で追加されたオールスターズを除きそのようなシナリオは存在しない。
    • どのシナリオにも育成でのメリットデメリットがありそれのバランスがよく、ガチ育成ならこのシナリオ一択というのもない。
    • 人によって育成しやすい球団が違うのは今作ではよくある話である。
  • イベントも豊富
    • 今回もランダムイベントが豊富で何周しても飽きが来ないようになっている。
    • イベントも「年俸交渉」「ファンイベント」「オールスター」などプロが舞台のイベントが多い。
  • 彼女イベントが強化された
    • 後述の通り彼女候補が減少した一方、一人一人のイベントのバリエーションは増加。
    • 会話のパターンが前作より増え選択肢も多くなっており、単純に飽きにくくなっている。

賛否両論点

  • シリーズの中でもかなり長いサクセス
    • シナリオによっては二年目からチームリーダー(キャプテン)になることができるので、全試合操作するとなると3時間以上かかる事もある。
      • キャラに愛着が持てていいという意見もあれば、長くてダレるという意見も。
    • プロ野球編のため『7』と同様に、シーズン中は毎月という高い頻度で試合をすることになる。チームリーダーの場合は毎試合7回表から全員操作になるので非常に時間がかかる。更に後述するパワフルスポーツの報道も試合が終わる事に挟まって来る。また、PS2版は試合ごとに入るロード時間も他の作品に比べて長い。
      • チームリーダー就任は断ることもでき、そうすればあまり時間をかけずにクリアできるが、試合経験点や特能などの面でチームリーダーになるメリットが大きいので悩みどころ。
      • 本作の影響か、次回作の『11』以降は途中から全員操作をする場合8回からのスタートになった。
    • パワフルスポーツの報道や猪狩ドームの建て替えなど、ショートカットで省略できないイベントも多い。超決定版ではいくつかのイベントが追加で省略されるようになった。
  • 各サクセスも一長一短。
    • 「パワフルズ」は最初に選べる球団でありながら確実なクリア条件が「ペナント優勝決定戦でカイザースと戦う事」であり、ただの2位じゃダメなんです(カイザースと戦って負けて3位か4位になり球団消滅になっても猪狩守がなんとかしてくれるため)。初心者や子供が遊ぶには敷居が高い。
      • また「パワフルズ」の特徴として「継承選手が他より多い」という特徴があるが、最初に選べば継承選手もへったくれもないので噛み合っていない。
      • 『9』の継承選手チームだった恋恋高校は4番目に選べる高校で、普通にプレイしてても他のパワフル・あかつき・そよ風で作った継承選手が助けに来てくれる可能性はあった。
      • さらに、継承選手が複数出現する確率はそれほど高くないので、継承選手を複数出現するというメリットを活かすならある程度の厳選も必要に…
      • そして1位、または2位でのリーグ戦最後の相手はカイザース。お馴染みの猪狩兄弟は相変わらずの高ステータスで、他にも脅威のパワーを誇るドリトン、能力に一切の隙が無い友沢、他の球団より強めのモブ選手と、層がかなり厚く初心者には厳しい。
      • ただし優勝できなくても順位に応じて一定確率でクリア扱いになり、最終戦まで首位をキープし続けていればほぼ確実にクリア出来る。初心者救済用アイテムもあるため、ある程度慣れればクリアは何とかなる。日本一は大変だが。
  • 逆に普通に遊ぶと4番目にプレイ可能な「やんきーズ」が最もクリア難度が低く、初心者向けという逆転現象が起こってしまっている。
    • 隠しコマンドでサクセスを全部出す事も可能なため、初心者はコマンドで「やんきーズ」から進めて行くのも悪くない。
  • 「キャットハンズ」は運が非常に絡む。特に監督の「気まぐれでの2軍降格」はストレスが溜まる。
    • またオーナー企業に突然撤退され交渉可能な企業が交渉難易度が高い1つしかなく、そこで交渉に失敗しゲームオーバーと言う突然の大事故が起こる可能性もある。
    • サクセスの話は1軍にいないと進んでくれないので、見たいイベントがある場合は非常に厄介。特に本作のイベントは後のシリーズに関係する重要な伏線もあったりするので更に問題である。
    • とはいえ、上手くオーナーや監督の特訓がハマれば強い選手が作れるという利点はある。
  • 「カイザース」は実力主義はいいが、一軍ベンチ時に代打で二試合連続無安打で二軍落ちというのは理不尽で非現実的という声もある。
    • 二軍から一軍に上がるためには二試合活躍しないといけないが、野手育成でベンチのときは基本的に味方が負けているときの代打でしか出場できないので早期に一軍に上がるのを意識すると実力というよりも運要素のほうが大きい。
    • カイザースはうまくいくと二年目の開幕戦からキャプテンになれるが、全員操作で試合時間が伸びて更にサクセス時間が長くなるという欠点もある。
  • 裏を返せばどの球団にも特徴があり、バリエーションがあるという事でもある。
    • そのため『14』で本作に登場したオリジナル球団で操作出来ない事を残念がる意見も多く出た。
  • 投手育成でのオート操作
    • 今作までのパワプロは投手育成での操作は非チームリーダー時は同点かビハインドので塁にランナーがいるとき、チームリーダー時は7回から出来るが、今作はこれまでの作品以上に「対左打者2」という赤特殊能力が付きやすく、オート操作時に勝手にヒットを打たれて「対左打者2」が付く自体がよく起こる。除去するための要求経験値も高く「対左打者4」を持っていても上書きされてしまうのも困りもの。
      • 同様に野手育成時の「対左投手2」も非常につきやすくオート操作時に無安打で条件を達成してしまう事が良く起きる。
      • チームリーダー時はオーダーを自由に変えられるので主人公を先発にしない(野手時はスタメンにせず操作可能になったら交代させる)ことで対策になるものの、非キャプテン時は祈るしかない。
  • 猪狩カイザースで投手を作成する際に、PS2版の開幕版のみ「精神バグ」という筋力・敏捷・技術が異様にはいるバグがあり、オールA選手を簡単に作れてしまう。使用は自己責任で。
  • 野球部分は順当に強化されているが、前作『9』と比べて応援歌の音質がかなり落ちている。
    とは言っても『8』以前と比べると差は歴然であり、前作のクオリティが飛び抜けすぎていたが故に物足りなく感じられる程度ではある。
    • 代わりに一部の選手に固有の応援歌が導入されており、全体の曲数は増えている。総じて一長一短といったところである。
    • 全体的に臨場感は薄れたが、『12』の応援歌作成機能の布石であったとも取れる。
      以降、PS3『2013』まで実に10年に渡り本作の応援歌のフォーマットが使われることとなる。中には『9』初出のまま11年間使われ続けた応援歌もある。
  • 休むと監督の評価が下がる仕様が復活。
  • 減少幅は非常に軽微らしいのだが、単純に煩わしくなっている。
    • デートでの回復にデメリットはないので、裏を返せば彼女を作る重要性が高いという事でもある。
  • 第二世代の新キャラは本作ではやや影が薄い。
    • OPなどでは大々的に登場しており目立っているが、実際の本編では台詞数があまり多くなくほぼ顔見せ程度といったレベルで肩透かしを感じる。
    • 結局まともに各キャラの過去が明かされるのも『13』でようやくであり、この第二世代の掘り下げの無さはシリーズ通しての難点となってしまった。
    • 橘みずきは描写不足ではあるもののストーリー内で適度に目立っているためまだマシなのだが、友沢亮に関してはイベントが選択肢次第でスルー可能なため人によっては謎のキャラという印象を抱いてしまう。
    • 既に定着したメンバーにいきなり新キャラを絡ませるのは慎重にならざるを得なかったのだろうが、もう少し出番を増やして良かったのではないだろうか。

問題点

  • サクセス2軍の守備がズタボロで投手育成時はほぼ無援護で戦わなければならない。
    • カイザースの投手育成ではいい成績を残せないと一軍に上がれないので死活問題である
    • 真正面の打球しか処理できないと言われるレベル。相手打者が釣り球に結構な頻度で反応してくれるので打球を飛ばさせない投球を心がけるしかない。
  • 彼女候補のバリエーションが少ない。
    • 攻略しやすい藍沢空、1年目でのアメリカ留学で出会うエミリ・池田・クリスティン(愛称はエミー)、お馴染みの姫野カレンしか居ない。
    • 空はクリスマスで一度別れなければ強力な野球超人伝の海外編をもらえない。よって2年目オフの海外キャンプは実質不可能。
    • エミーは攻略には有用なのだが海外留学で成績を残さなければいけなく攻略難度が高い。ただランダム要素がないため毎回チャンスはある。つまり出会うまでが大変。
    • カレンはこれまでは威圧感の取得のために我慢して交際する必要があったが本作は別に威圧感を取得する手段が結構あるため無理する必要がない。
      • ただし本作のカレンは比較的マイナスイベントが少なく、今までより付き合いやすくはなっている。
    • 空の双子の妹の藍沢海は開幕版では攻略出来ない。超決定版では攻略可能になった。
  • カイザースで全打席フォアボールやデッドボールでも活躍できなかった扱いになる。
    • カウントが早いうちに打つ、フォアボールやデッドボールになりそうならわざと振るなどある程度防げるのが救いではあるが。
  • 隠しパラメーターで勝手に上がるエラー回避
    • 今作のサクセスは精神練習をすると50パーセントの確率でエラー回避が上がる。
    • 一見ありがたい仕様に見えるが問題は継承選手を作っている時。継承選手の得意練習はそれに対応する基礎能力の高さで決まるため、精神練習以外が得意の継承を作りたいときに意図せず精神練習得意になってしまうことがある。
      • これを防ぐには精神練習を行う回数をカウントし計算して抑える必要がある。

総評

パワプロ10周年にふさわしく、ごった煮のボリューム満点な一作となっている。
人によっては『9』『11』を支持する意見もあるが、本作はとにかく新しい事を詰め込んでさらに進もうとする意思が見えるのが楽しい。
サクセスは全体的に前作より難易度が上昇しておりあまり初心者向けではないが、その分クリアした時の達成感は大きい物となっている。
「マイライフ」もまだまだ荒削りだが、新しい事を詰め込んで面白くしようという産物であり、功を成した一例と言える。


実況パワフルプロ野球10超決定版 2003メモリアル

【じっきょうぱわふるぷろやきゅうてんちょうけっていばんにせんさんめもりある】

ジャンル スポーツゲーム(野球)

対応機種 プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ
(パワプロプロダクション)
発売日 2003年12月18日
定価 7,140円
レーティング CERO:全年齢対象
判定 良作
ポイント 超決定版
『阪神優勝2003メモリアル』仕様
「待ってたんや! この瞬間を!」
10周年「サクセスオールスターズ」
『パワポケ』のキャラも一部参戦

概要(超決定版)

決定版ならぬ「超決定版」で、のロゴが阪神タイガースに似ており「当時のパワプロスタッフから猛虎魂を感じる」と揶揄されるレベル。

+ 参考画像

 

  • 2003年は阪神タイガースが優勝した年だが、阪神のシナリオが「待ってたんや! この瞬間を!」というタイトルであり、当時のスタッフの本音が滲み出ているという意見もある。
    • また2003年に日本一となったのはパ・リーグの福岡ダイエーホークスなのだが、対戦やシナリオでのチーム選択の初期カーソルは阪神となっており、セ・リーグのチームがパ・リーグの上に並んでいる。*1
    • この年のせいで「パワプロスタッフは阪神贔屓」というイメージがついてしまった。
      • ただし近年は「当時は阪神贔屓であっても野球でイチオシ球団が優勝して嬉しい気持ちがあった」という評価が一周して下される事もある。
      • 実際、その年の優勝球団が強めの調整になる事はなにもおかしくなく、力の入った決定版である事も事実である。

評価点(超決定版)

  • 守備操作のモーションに斜めジャンプが加わった。タイミングよく繰り出せば守備範囲が広がる。
  • サクセスモードでは隠しコマンドを入力しなくても最初から全球団が選択可能となっている。
  • やんきーズでもオールスターに出られるようになった。
  • 攻略できなかった藍沢空の双子の妹、藍沢海を彼女候補として攻略出来るようになった。
  • マイライフにファン人数などの追加要素が加わった。
  • 『パワポケ』の登場選手もサクセスオールスターズやホームラン競争で獲得できるようになった。

10周年記念にふさわしい「サクセスオールスターズ」

  • 本作で追加されたサクセスチーム。主人公は会社の社長だが社員の矢部の冗談を鵜呑みにしてしまい、全てを投げ打ってプロ野球界に挑む。
    • セ・パどちらかのリーグを選択し、7つ目の球団としてシーズンを闘う。最終的な目標はリーグ優勝・日本一で、リーグ優勝を目指す途中の試合で負けるか引き分けると破産する。
      • ただしペナントリーグで一度でも勝利していればその後の試合で負けても主人公がスカウトの目に留まり、その選手を登録することができる。
    • 「冥球島」や「球八高校」に近い試合進行サクセス。実在のプロ野球チームに9イニングコールドなしの対戦を行う。
      最初は最下位である7位からのスタートで、順位が一つ上の球団と試合を行う。勝利すれば順位が一つ上がり、これを繰り返す。
  • ただしチームの初期メンバーの能力は非常に弱く、成長もしない。また主人公が得られる経験点も初期状態では非常に少ない。そこで、初期資金10億円と試合で勝利するたびに得られる興行収入を使って、戦力の補強や練習機材のレベルアップを行うことになる。
    • 戦力として獲得できるのは歴代サクセス作品に登場した仲間・ライバル。文字通りオールスターチームを組む事が出来る。
      • ただし強い仲間を集めすぎると練習機材のレベルアップ資金が足りず、主人公のステータスは伸び悩む。
      • それでもむしろ主人公育成は度外視して好きなチームを組んだ方が面白いという意見もある。
    • リーグ優勝を果たすと、日本シリーズの勝敗にかかわらず、そのプレイ中に契約したサクセス選手を登録できるようになる。
      • 猪狩兄弟や半田を入れてクリアすると以降のプレイでは隠しキャラクターが追加される。
  • 開始時に秘書を選ぶことができ、お馴染み看護婦の加藤京子(調子が不調にならない)、パワポケの四路智美(プロペラ団のおかげか契約金・練習設備の投資が割引)、『2001』『2002』のなぎさ(試合に勝つとキスしてパワーアップしてくれる)、そして姫野カレン(ランダムでタダで選手・設備の強化することがある)の4人の中から選ぶ。
    • クリアするためなら加藤さんを選ぶのがおすすめである。
      全選手の調子が不調以下にならないだけでなく、投手がお休み状態にならない。そのため強い先発1人だけで抑えることが出来る。
  • パワプロサクセスキャラは多数登場しており、猪狩兄弟・あおい・阿畑は勿論、本作で登場した友沢・みずき・番長軍団・アメリカリーグの面々なども使える。
    • またあかつき大付属の先輩達、パピヨン、大豪月様、田中まさるなどの濃い仲間達、大西や山口、社長やアダムなどの強敵も使える。
    • さらにパワポケの選手までも多く参戦し、パワポケユーザーにもうれしい仕様となっている。

賛否両論点(超決定版)

  • サクセスオールスターズで強い選手が作りにくい
    • 選手の補強を抑えめにしても野手はオールA止まりぐらいが限界となりガチ育成には不向き。
    • また、本編のサクセスとは違い打席や投球や走塁の結果で青特殊能力がつかないのもガチ育成しにくさに拍車をかけている。
      • その代わりというべき要素が秘書なぎさの効果なのだろうが、経験点か特殊能力のどれが選ばれるかは完全にランダムであり、たとえ特殊能力が選ばれたとしてもマイナス特殊能力をつけられることがある。

問題点(超決定版)

  • サクセスオールスターズでのキャラの選出のバランス
    • セカンド選手がやや人材不足であり、専門ではない友沢やパピヨンを起用する戦略も多い。
      • フォローするとであるこの頃までのサクセスはメインセカンドで強い選手はいなかったためこのようなことになった。
    • またパワポケからの参戦キャラは「極亜久高校(『パワポケ1』)」「火星オクトパス(『パワポケ3』)」の選手が大半を占めており、「モグラーズ(『2』『5』)」からはメガネの凡田を除けばドミオ(『3』の火星オクトパスにも所属)と大神(『4』の日の出高校にも所属)しか居ない。日の出高校出身は大神と黒野珠三郎、メガネの山田のみ。
      • 『6』の選手は時期的に無理があるとしても、水木・古沢・諸星など後のシリーズにも出てきたキャラを使えない事は少しさみしいものがある。
      • なおホームラン競争で獲得できるパワポケ選手には、倉刈仁志、球三郎以外の黒野兄弟、布具里も獲得出来る。倉刈さんと布具里は『6』にも仲間として出てるのに何故使えるようにならなかった。
      • それでもパワプロでパワポケキャラを暴れさせることが出来るのは魅力的であり、10周年にふさわしい良サクセスである。
  • サクセスで継承コーチを登録するためには開始時のシステムデータをセーブしますかの画面で「はい」にしないといけなくなった。
    • 開幕版では「はい」にしなくても登録できる仕様で、公式も仕様変更のことをいわなかったため、多くのユーザーが「何故超決定版では継承コーチ登録が登録できないのか?」って悩むことになった。
  • 試合経験点が開幕版よりも減った。
    • 何故か試合にもらえる経験点が開幕版よりも減っているため、強い選手は開幕版のほうが作りやすい。
    • バグを修正したわけでもゲームバランスを良くしたわけでもないので不満としてあがる。

総評(超決定版)

まさに超決定版と呼べる出来。
サクセスオールスターズは冥珠島とは別ベクトルで試合進行サクセスとしては面白く、『2016』で登場したパワフェスなどに通じるものがある。

サクセスオールスターズで勝敗にかかわらず日本シリーズ後に見られるエンディングでは3~10、98~2001、ポケ1~5のサクセスのプレイ画像が時系列順に並んでおり、これまでの10年の歴史を感じさせる。

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最終更新:2024年01月27日 17:17

*1 各モードのチーム選択画面において、日本一に輝いたチームに初期カーソルが合っており、日本一に輝いたチームが所属しているリーグが上に表示されるのが基本である。翌年発売の『11』開幕版ではこれまでの原則通り、前年度日本一のダイエーに初期カーソルが合っていてパ・リーグのチームが上に表示されている。