【てぃんくるすたーすぷらいつ】
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ADKの対戦格闘ゲーム製作ノウハウを生かして開発された、異色の対戦シューティング。そして『ワールドヒーローズ』や『ニンジャコマンドー』など、異常に暑苦しいゲームと忍者に定評のあった同社が突如として放った
ロリ魔法少女ゲー
。
キャラクターデザインやインターフェース、特徴的な「連爆」システムなどに、パズルゲームで不動の地位を築いていた『ぷよぷよ』の影響が色濃く見られる。
連爆システムがあるため敵を引き付けてから叩くのが基本になるが、場面によっては安全性を優先して速攻を優先した方が良いこともある。
また、パーフェクトをきっちり取っていくには綿密なパターンの構築と撃ち分けが必要だが、「相手からの攻撃」という本作特有の要素がポイント。
妨害攻撃の軌道はキャラごとにある程度の法則性があるもののランダム弾に近いため、よりアドリブ避けのセンスや視野の広さが求められるゲーム性である。
特に対人戦ではこの傾向が強くなり、上級者同士の対戦になるほどリバースアタックを控えることや攻撃タイミングの読み合いが重要視される。
お互いフィーバー状態になると爆風が画面を埋め尽くすほどの凄まじい撃ち合いとなるのも、他のゲームでは見られない光景である。
対戦格闘やパズルゲームを意識して作られているだけあり、隠し4キャラを含めて全13キャラという2DのSTGとしては異例の多さ。
性能も多岐に渡り、好みに応じて持ちキャラを作ることができる。
名前の元ネタには電脳関係(LOADRUNやリアリティなど)の言葉が使われていたり、魔法のステッキなどはよく見るとコントローラーに類似していたりと、世界観にも拘った設定がなされている。
+ | 簡単解説 |
あらゆる意味であのムサ苦しいゲームを量産していたADKが作ったとは思えないゲームである。
ADKはこの直前にも『NINJA MASTER'S ~覇王忍法帖~』というむやみに濃いゲームを放っており、やはり本作は浮いている。
惜しむらくは本作が対戦台に置かれることが少なかったこと。
当時MVSの対戦台は格闘ゲームが大勢力を誇っていたため、本作の真骨頂とも言える対戦の奥深さがあまりプレイヤーに伝わらなかった。
そのため問題点に上げたように、スコアアタックを重視するSTGプレイヤーからは敬遠されてしまった節もある。
また置かれているとしても、格闘ゲームが人気を博す当時の時世において、本作のようなデザインは手を伸ばしづらい雰囲気であった。
そういう意味では本作は決して「気軽にプレイできる」訳ではなかった…。
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しかしゲームとしての質の高さは本物で、いまだにゲームセンターで現役稼動している姿や動画サイトなどで対戦の模様を見ることができる。
極限までやり込んだ上級者による、異次元の領域に踏み込んだ連爆の応酬は一見の価値あり。
諸事情によりADKは続編を製作できず、2003年に倒産。
この点について、一部では「中心人物の退社」が原因とされていたが、後に本作の生みの親である松下佳靖氏(*7)はTwitterで否定している。
その後、版権を買い取ったSNKプレイモアから2005年7月28日に正統な続編となる『ティンクルスタースプライツ ~La Petite Princesse~』がPS2で発売された。
キャラクターデザイナーの画風が大きく変化したことなどもあり、全体的に淡い色合いとなっている。
製作にかかわったオリジナルスタッフはプロデューサー(アドバイザー)・元プログラマー(原案&アドバイザー)・キャラクターデザイナーのみ。また外注がナウプロダクションと危険視されていたが、良続編・良移植としていい意味で評判を裏切った。
詳しい事は後述。
また、2007年2月1日には携帯アプリで『ティンクルスタースプライツ外伝 -ツインスターメモリーズ-』がリリース。
こちらは対戦シューティングではなく、ステージクリア型の一般的な縦スクロールシューティングになっている。
【てぃんくるすたーすぷらいつ ら ぷてぃっと ぷらんせす】
前作から長い期間が空いてようやく発売された続編。
ゲームシステムやゲームの雰囲気はほぼそのままにグラフィックの3D化、キャラの入れ替えが行われている。
余談だが、長期間空いた現実とは逆に、ストーリー上は前作の3日後の話になっている。
+ | 本作の新キャラ解説 |
+ | 前作からの続投キャラ |
前作の出来の良さから、長らく続編を求めていたファンの期待に見事に応えてみせた作品。
単体のゲームしての出来はもちろん、ギャラリーモードや前作まで収録されている事でサービスも満点。
前作のファンはもちろん、本作が初という方も機会があればぜひプレイしてほしい。
*1 実際に流れるのは「Love me」「Love so」のうちどちらか片方だけ。なのだが、実は両方を重ね合わせて流すことで完全な曲になるという、所謂「分割合体曲」である。
*2 なお、チャチャがマジカルプリンセスに変身するのは『美少女戦士セーラームーン』の人気を受けて創られたアニメ版オリジナル設定であり、原作漫画にマジカルプリンセスは存在しない。
*3 まぁ『スーパーリアル麻雀 PIII』のカスミは中3だったりしたが。
*4 相手にリバースアタックを送ることは、エキストラアタックの機会を提供するに等しい。リバース返しによるエキストラアタックと貯め撃ちによるエキストラアタックをほぼ同時に行って、お邪魔キャラの飽和攻撃を喰らわせるのが勝ちにいくための基本行動の一つである。
*5 名古屋の「GAME BOX Q3」(旧Q2)は熱心な上級者プレイヤーが多く集まる店として知られている。
*6 店舗側による難易度設定値、MVS作品共通で8段階あり数字が高いほど難しい
*7 ADKを離れた後はSNKプレイモアを経て現在はM2に在籍しており、『戦刃アレスタ』のキャラデザを手掛けている。