ケツイ ~絆地獄たち~

【けつい きずなじごくたち】

ジャンル 弾幕シューティング

対応機種 アーケード
販売元 【AC】エイエムアイ
発売元 【360/PS3】5pb.
【PS4】M2
開発元 ケイブ
【360/PS3】タキオン
【PS4】M2
稼働開始日 2003年1月(著作権表示では2002年)
移植版 【360】 2010年4月22日/6,800円
【PS3】 2013年7月25日/6,800円
【PS4】 2018年11月25日/DL版3800円
    リテール版6800円(含むDLC)
判定 良作
ポイント 接近戦重視のスリリングなテクニカル弾幕STG
グラフィック&BGMも高品質
硬派な世界観も好評
歯応えはあるが、慣れるまでが辛い
2周目がかなり調整不足
ケイブSTGシリーズ


ストーリー

西暦2054年。地球温暖化による海面上昇は、国の領土を巡る騒動へと発展。人類を再び「戦争」という愚かな道へと誘った。
そしてその裏には「EVAC Industry(以下EI)」という企業の暗躍があった。EIは先進国に武器兵器を大量に売りさばき、戦争を激化させていたのだ。
国連はEIに武器の売買停止を要請するも、交渉は決裂。国連はやむなく特殊部隊を結成し、「無国籍のゲリラ部隊」を装ってEI殲滅に乗り出すのであった。

作戦内容:

  1. EIの施設・研究所・そして全世界に散らばった兵器を全て壊滅せよ。
  2. 「国連が殲滅主導をした」という証拠を絶対に残してはならない。その証拠の中には「当作戦に参加した者の命」も含まれている。
  3. 作戦が成功した暁には、当作戦に参加した者の望みを一つ、国連が責任を持って叶える。

この「100%生きて帰れない任務」に、四人の若者が志願した。世界の命運が託された四人を待つ運命やいかに…?


概要

一時は『プロギアの嵐』『怒首領蜂大往生』『虫姫さまふたり』と合わせて「ケイブ四天王」とも言われた高難度縦スクロール弾幕STG。
ロックショット、およびそれが密接に関わる倍率チップシステムや、張り付くと撃ち返し弾を封印できる2周目といった独特の攻撃的なシステムが特徴。
これにより、画面全体に動き回りつつ接近戦を挑むという「STGを極め尽くした人間」のような常識外れなプレイが存分に楽しめる。
ケイブとしては意外に珍しく硬派な現代ミリタリー風の世界観や悲壮なストーリー、登場人物が全部美形男性といった様々な要素から、ファン人気も大きい一作。

タイトルの由来に関しては、メインプログラマーの池田恒基氏曰く
「いくら自分の願いが叶うとはいえ、死を前提とした任務は並々ならぬ決意があってのもの。そんな思いを秘めた奴らの、そんな地獄まで行っても切れることはないだろうと。そんな意味を含んだ上でのタイトル『ケツイ~絆地獄たち~』です。」
とのこと。


基本システム

  • デフォルトで3機の残機制を採用。
  • 機体は2種類からの選択式。移動速度が遅め・ショット攻撃範囲が広い・ロック速度が速いType-A「ティーゲルシュベルト」と、移動速度が速く・ショット攻撃範囲が前方直線型・ロックショットの自機本体レーザーの射程が長いType-B「パンツァーイェーガー」。
    • Aチームのパイロットは無表情な青年「アリス=ブラックバーン」と冷徹な変態鬼畜眼鏡男「ロイド=エヴァンズマン」。
      • 「ティーゲルシュベルト」は小型敵に滅法強いワイドショットだけでなく素早いロックにより安定感が大きく、敵の出現パターンを覚えることで攻略パターンを組みやすい。
    • Bチームのパイロットは気前のいい兄貴分「スティール=ユレク」とアリスの異父弟「ユウマ=ナナセ」。
      • 「パンツァーイェーガー」は移動速度と直進ショットによる遠距離火力に優れ、ロックショットを使いこなせなくても火力が落ちにくく、アドリブに強い。
  • 機体はパワーアップアイテムの取得によりメインショットとオプション(後述)の数が増える。最大4段階まで強化できる。
  • 操作形態は8方向レバーとショット・ボム・オート連射の3ボタン制。
    • ショットボタンを連打する・またはオート連射ボタンで広範囲を攻撃する通常ショットが出る。
      長押しすると自機後方に展開するオプションの制御が切り替わり、中央の短射程弾が命中した敵を(破壊するか通常ショットに戻すまで)オプションが攻撃し続ける「ロックショット」へ移行する。
      • ロック数が増えるほど本体ロックショットの射程が短くなる・自機が敵と近いほどロック速度が短縮されるなど、ゲームシステム自体が全面的に「接近戦」を推奨しているのも特徴で、
        特に中~大型機などの耐久値が高く、危険度も高いターゲットに素早くフルロックを確保できるかが生死を分ける場面が多い。
      • ロックオンというと『レイフォース』等を想像する未経験者も多いと思われるが、今作では「蜂シリーズのレーザーが短くなった代わりにオプションの集中砲火が追加されたもの」というニュアンス。
    • ボムはオプションから耐久値のある敵に当たると炸裂する火球状の大型弾を発射。通常ショット中・ロックショット中で攻撃が若干異なり、ロック中は対象にダメージを集中させやすい。どちらもボタンを押した瞬間から画面内全ての敵弾を除去し、自機が数秒間無敵となる。
  • 得点システムはケイブ作品の中でもかなり特徴的。
    • 通常ショットで敵を倒した場合、自機が近いほど出現する得点アイテム「倍率チップ」が高価になる。倍率チップの取得数と大きさに応じた合計が「倍率カウンタ」になる。
      一方、ロックショットでは「倍率カウンタによって撃破点が倍増するが、その後カウンタは下がる」「ロックショットで出現する倍率チップは、一定時間内に通常ショットで出現/取得した最も大きなチップと同じものになる」という特性がある。
    • こう書くと複雑に思えるが、要は接近して通常ショットで敵を破壊すれば、その後すぐにロックショットで倒した敵も高得点になると思えばよい。
      得点アイテムのドロップ数は敵によって固定なので、まず小さいザコから[5]チップを出し、その直後に中型以上の敵をロックして破壊すればドロップする得点アイテムが全部[5]になる。つまりいかにして小型ザコを近距離撃破→中型以上へのとどめというコンボを繋ぐか重要になる。
    • 通常ショットで倍率チップをセットした後、攻撃せずにいることで事で倍率タイマーを早く減らすことができる。
  • クリア時に「1人プレイ」「ノーコンティニュー」「ミス数とボム使用回数の合計値が6以下」の条件をすべて満たせば高難度の「2周目」を開始できる。
    • これに加えて本作では超上級者向けの「SPECIAL ROUND(裏2周目)」も存在。こちらは「1人プレイでノーミスノーボム」「1周目最終スコア1.2億点以上(ノーミスノーボムを安定できる腕前なら自然と達成できる)」という非常にシビアな条件をクリアする必要がある。ケイブ恒例の真のラスボスはこちらで登場するほか、専用の突入演出が用意されている。
    • 2周目では仕様が大きく変わり、得点アイテムの代わりに撃ち返し弾が出現し、それに応じて倍率カウンタが増える。ただし、敵を近距離や画面下部で破壊すると撃ち返し弾が発射されない。
      • 撃ち返し弾は通常の2周目だと赤色、裏2周目では青色かつ増量。またステージクリアボーナスは裏2周のみ2倍。
      • 表2周目で弾封じすると倍率カウンタが増えないが、裏2周目では弾封じした分も倍率カウンタが増える。ただし打ち返し封じ距離は表2周目の方が広い。
      • 裏含む2周目突入後もコンティニューと途中参加は可能。ただし、裏2周目の真のラスボス戦突入後のみいずれも不可能になる。

評価点

アクロバティックな爽快感

  • とにかくこれに尽きる。ゲーム自体の難易度故に簡単に実感できる物ではないが、エクストリームスポーツゲームを思わせる様々な要素がプレイヤーの挑戦意欲を掻き立てる。
    • ケイブ史上最高と言われる抜群の操作性。画面を縦横無尽に動き回る、他にはないアグレッシブでスリリングなプレイスタイルが余すことなく楽しめる。
      • いわゆる広範囲・鈍足タイプのType-Aことティーゲルシューベルトですら、従来のケイブSTGの同タイプに比べると動きが軽くて使い易い。
    • 敵は戦車や戦闘機、ヘリなどを主とした重厚で壊しがいのあるものが揃っており、攻撃的なプレイスタイルと効果音が相まって破壊の爽快感を存分に味わえる。「ピッピッピッピ」とオプションが敵をロック、「ドカーン!!」と大爆発、特大のアイテム『[5]チップ』がジャラジャラと現れる頻出シーンはアドレナリンを湧き出たせてくれること間違いなし。

敵の面白さ

  • 印象的な敵がボス、雑魚問わず多い。
    • ケイブSTGとしては珍しい船型の中ボス「ヴィノグラドフ」や数々のパーツを換装しながら戦う4ボスの大型車両「シンデレラアンバー」、5面道中に複数存在する自機と同タイプの戦闘ヘリ「ドッペル」こと「ティーゲルハーケン」「パンツァーシュナイダー」等。ビジュアル的に印象深い敵機が非常に多い。「自機も敵もヘリコプター、あとはだいたい戦車*1」とまで称されるケツイだが、その中でも多彩な形のヘリと戦車が登場し、本当にこの2つで大多数なのかと思うぐらいバリエーションが豊富である。
      • 戦車とヘリはIKDの趣味だが、敵の攻撃としてビット系の攻撃が多いのは、IKDと共にゲームデザインを行った市村氏の趣味が反映されたため。
    • 特に裏2周目限定の真ラスボスである光翼型近接支援残酷戦闘機「エヴァッカニア・ドゥーム」は、特徴的な弾幕とBGMが相まって非常に高い人気を誇る。加えてボスの形態変化のタイミングとBGMの転調が大体合うような耐久力に調整されており、ボスの発狂とともにBGMも盛り上がっていく構成の妙が素晴らしい。
  • 本作は大半の攻撃を「等速直線運動で飛ぶ弾」で構成していた怒首領蜂シリーズなどとは異なり、小型以外の耐久力を持つ敵に「旋回・加速する弾」を繰り出してくるものがかなり多い。赤と青のカラフルな弾がグネグネと画面を飛び交う様は幻惑的で美しく、鮮やかに回避したときの快感も格別。
    • パターンとアドリブのバランスも丁度良く、極端な覚えゲー、気合ゲーになっていない点もポイントが高い。

2種類の自機の性能バランスが良好

  • 本作の機体は前述の通り2機のみ、しかも『怒首領蜂』のような強化タイプ選択に相当する要素もないため本当に2通りだけである。が、その「ティーゲルシュベルト」と「パンツァーイェーガー」はあらゆる場面で一長一短が適度にある絶妙な調整を施されている。
    • 年単位でプレイしている数多の熟練プレイヤーや熱心なファンの間でも、いざ性能面について語ると「どっち派か?」について意見が真っ二つに割れるレベル。歴史の長いケイブのシューティングでも、ここまで自機性能バランスが絶妙なゲームは珍しい。
      • 両方触ってみて、最終的に好みで選べる差に落ち着いている。ロックショットの扱いや接近戦を難しく感じる人なら、ショットでも遠距離の撃ち合いに耐えうる「パンツァーイェーガー」を選ぶのが無難かもしれない…という程度。

難易度

  • しばしば難易度が高いと評される本作だが、実際には1周目ワンコインクリアのハードルは怒首領蜂大往生など他の高難易度STGと比べ格段に低い。それでいて上記のような操作性や爽快感を備えているため、カジュアルなアーケードシューターにも十分にオススメできる塩梅となっている。
    • 基本値は店舗設定にもよるが、普通は残機2とミス復帰時に+3ボムに加え、スコアによるエクステンドが2度あり、道中ステージに隠し1UPが計2個も用意されている。
    • 加えてボムが強力なためゴリ押しが利く上、硬い敵の出現地点に待ち伏せしての火力集中が極めて有効な事と、それがそのままスコア稼ぎに繋がるため得点エクステンドが自然と達成しやすい。隠し1UPの入手方法も工夫でき*2、少しの腕の上達に伴って安定度がグングン伸びていく。
    • 大往生の反省によってか難易度の上昇曲線も優れており、序盤は気楽に、2面中ボス辺りから油断ならない弾幕に変わり、3面は物量が顕著になる。4面からは敵出現位置の把握が必須となり、5面はその集大成といった趣。
      • トリッキーな弾幕が多いので向き不向きはあるが、1周目であれば「フルロックが確保できればその後ちょっと下がって避けても良い」塩梅になり、[5]チップを狙えずともスキを見つけて画面中央近くをキープする程度でもそれなりには戦える。「パンツァーイェーガー」なら本作の特徴ともいえる接近戦をショットだけで拒否できるような場面も多い。
      • 5面道中(特に中盤以降)がやや難しいが、最後に待つ5面ボス(1周目ラスボス)は弾幕があまり濃くない上に誘導やパターン化が容易で、プレイヤーによっては4面ボスや5面中ボスより楽という声もあるほど。辿り付けさえすればクリアまでの道のりは僅かといえよう。
    • プレイ中に変動する難易度ランク要素は本作では事実上ないようなものとなっており*3、ランクによってパターンが狂わされる事がない、逆に言えば小細工が通用しないガチンコ勝負な作りである。
      • 一方、テストモードで設定できる難易度設定を変えると道中での敵弾速の高速化に加えてボスの弾幕が分かりやすく変化するケイブとしては珍しい調整。VERY HARD設定での後半面ボスの強化ぶりはある意味で必見。
  • ただし、これらの特徴は「 2周目の存在を無視した場合 」である。詳しくは後述。

メカデザイン

  • メカデザインの良さに定評のあるケイブだが、現代ミリタリー風の世界観である本作でもそのセンスが遺憾なく発揮されている。
    • 自機と上記の同型機ザコの外観は現実の軍用ヘリがモチーフではなく、「SF風の戦闘機にローターをくっつけた」表現がしっくりくる斬新なデザインであり、その存在感は抜群。
      • 後の『怒首領蜂大復活』にてヘリコプター型の自機が復活した際も本作の路線を継承したデザインとなっている。
    • 一方、敵兵器の方は現代ミリタリー風のリアルさを重視しつつも所々でゲームらしいケレン味を効かせたものが多い。4面中ボスの「ブラックドラフト」、5面ボス「エヴァッカニア」、そして上記の「エヴァッカニア・ドゥーム」は架空色の強い非現実的なデザインではあるが、自機も含めて「水面下で開発中の新型兵器」「従来兵器の価値観に囚われない異形な存在」の雰囲気を醸し出しており、世界観から浮かないバランス加減は見事といえよう。

BGM

  • さんたるること並木学氏が手掛けるBGMはノリノリのアップテンポな曲から悲壮感溢れる曲まで揃えている。楽曲はSTG史の中でも特に評価が高い物も存在する。
    • 並木氏曰く「ステージ構成のみならずボス撃破後のリザルト表示のタイミング等まで徹底的にシンクロに拘った」と述べている通り、ステージ展開とBGMのマッチング体験は『怒首領蜂大往生』以上に絶妙。
    • デトロイトテクノが中心だった『バトルガレッガ』『怒首領蜂大往生』と比較すると、エレキギターの音色を多用したデジロック調の楽曲とシンセサイザー中心の無機質なハードテクノ調の楽曲が増えている。
    • 大往生と同様PCM8和音のみという、ガレッガのFM8和音+ADPCM4和音を下回る音源性能に頭を悩ませたとのこと。
      大往生の時はそもそもサウンドドライバの不具合で「音が出ない」所からのスタートだったが、その経験値で「最初から音が出る」所からのスタートだったので、少しはマシだったようだが。
    • 特にステージ5BGM『EVAC INDUSTRY - 審判の日』は、テクノ系でありながらどこか悲愴で物悲しい雰囲気が特徴。自力で初めて辿り着いたプレイヤーの心を揺さぶるような音色と、激しい攻撃を捌きながらの盛り上がりで評価は高い。

賛否両論点

能動的に前へ出て敵に接近する事を求められるゲームデザイン

  • 積極的に前に出て、速やかにフルロックを確保して硬い敵を潰さなければ敵の物量にどんどん押されるという調整になっているため、2~3面以降はチキンプレイでは完全に手のつけようがなくなる。
    半ば強制的に前のめりな立ち回りが求められる点が受け入れられないと、余計に難易度が高く感じやすい。
    • ロックショットが自機からのメインビームに射程制限がある上に『怒首領蜂』シリーズのレーザーのように低耐久値のザコ敵を貫通する性質もなく、ザコ敵を一掃しにくいのも立ち回りを誤ると押されやすくなる原因の一つ。
      ロックショットで倒そうにも周囲のザコ敵に阻まれて対象にロックショットが届きにくくなる場面もあり、場面に応じた通常ショットとロックショットの使い分け、又はロックショットを当てやすくするように攻める立ち回りの構築が大事となる。
    • 本作も『怒首領蜂大往生』と同様に、当時としても性能の低い基板を採用しており、その制約から「弾数自体は抑えめで弾速で攻める弾幕」が主となっている。更に本作ならではの硬い敵の変化球、変速弾を主としたトリッキーな弾幕は、道中・ボス戦問わず息もつかせぬ攻撃の激しさであり、アドリブでの回避能力とパターン構築能力の両方が高水準で求められる。
      近距離からの弾にさらされやすい立ち回りを要求される割に、弾速が速めで事故率が高い。また、敵に近づくと弾を撃たなくなる「弾封じ」が出来ない敵が多いのも難度を上げている。
  • そして本作を象徴する高難易度が2周目と、その進出条件である「ミス+ボム回数を合計6以下、または0で完走」の困難さ。
    • ボム連発スタイルでは永遠に2周目に辿り着けないし、いざ表2周目の条件を突破しても敵の攻撃が更に激しくなった上に撃ち返し弾まで加わり、そうやって温存してきたボムを2面からつぎ込むことになる猛攻が待ち受ける。
      • 上述の通り「スコアを稼ごうとすると事故率が跳ね上がる」ゲームデザインの中で「緊急回避にボムを一切使えない」「完璧なパターン化とアドリブ避け」を1周丸々こなさなければならない厳しさは推して知るべし。
        下手をすると裏2周目そのものよりも 1周目ノーミスノーボムの方が難しい可能性もある
    • 比較的近い時期にリリースされた『大往生』や『プロギアの嵐』と合わせて、ケイブSTGの難易度高騰のピークとなった作品とされており、以後のケイブSTGの開発コンセプトの変化(底辺難易度の低下・初心者救済システムの充実など)の契機にもなった。

問題点

2周目の作りが粗い

  • (エヴァッカニア・ドゥーム以外の)2周目の作りが非常に粗いのが本作の最大の難点。
    • 地面に敵味方の影が映らなかったり、敵を破壊しても得点アイテムが出なかったりする。1周エンドのつもりでメモリ容量ギリギリまで敵弾やスプライトのオブジェクトを表示していたため、泣く泣くオブジェクトの数を削らなければならなくなったからとのこと。
    • 裏2周目は開始前に専用演出があるのに対して表2周目はインターバルがなく、いきなり2周目が開始される。
    • 撃ち返し弾の追加や敵の攻撃の激化によりゲームバランスにやや無理が生じており、上記の通りボムなしでは突破困難といった理不尽といってもいい場面もある。
    • 一方、1周目の時点でキャラオーバー寸前までオブジェ・敵弾が詰め込まれていたのに、さらに敵弾を増やしたせいで案の定キャラオーバーに直結し1周目より弱体化しているザコ敵やボスもちらほらいる。
      • 裏2周4面ボス「シンデレラアンバー」第2形態の「画面端バウンド→Uターン赤弾」が、弾速が速すぎUターンする事なく画面外に旅立ってしまう、2周4面中ボス「ブラックドラフト」の「炸裂弾撃ち返し&両側の青大弾シャワー」の炸裂弾撃ち返しがway数が減少してスカスカに、2周最終面の表ボス「エヴァッカニア」第1形態の全方位バラ撒き系攻撃の一部が画面左下に全く飛んでこない…等。
    • 裏2周目のエヴァッカニアにボムでトドメを刺すと、エヴァッカニア・ドゥームが登場する事なくエンディングに突入するという致命的なバグが存在する。

禁断の秘技「ケツイボム」

  • 本作の自機のボムは少し特殊な仕様があるが、初期版に限りその仕様の穴を突いたグリッチとして通称「ケツイボム」が発見されている。
    • これが成功すると、発射したボムが炸裂せずに画面内に残り続けるというバグが発生し「自機も無敵のまま」という弾幕STGのバランスを崩壊させる状態となる。
      • 難易度が非常に高い高等テクだが、理論上はそのステージ内で永遠に無敵状態を維持する事が可能。
    • 更にバランス崩壊の極みとして、このバグはドゥーム登場前でも再現する。ドゥームは発狂形態でボムバリアを張るので、これをやると死ねず殺せずの自爆待ちになってしまう。
    • 時期が時期ならスコア集計が打ち切られていた可能性のあるバグ技である。なおPS3/XBOX360版はトロフィー/実績の1つとなり、また設定でオンにしないと実行できないようになっている。PS4版でもケツイボムはOnOff可能、こちらはトロフィーではなくなったが、戦績の一つとして成立回数がカウントされるようになっている。

5面道中のザコ敵「ティーゲルハーケン」「パンツァーシュナイダー」の挙動

  • このザコ敵は画面上部をうろうろしつつ自機狙いのミサイルを連射して攻撃するのだが、時々攻撃を開始した直後*4に画面外へ逃げてしまう事がある。
    • このバグの影響をモロに受けるのが5面中ボス前の1UPアイテム。「この2機が出現する区間をノーボムを維持した状態で2機を倒す」と1UPアイテム出現となるのだが、このバグが発動するとこちらがミスしている訳でもないのに1UPのチャンスを失う理不尽な事態が発生する。
      • クリア狙いや持てる残機を全てつぎ込んでクリアするのがやっとなプレイヤーにとっては厄介なバグである。発生原因は不明であるため、バグが発動しないのを祈るしかない。

総評

高い難易度や調整不足な2周目は厳しい部分もあるが、それらを補える操作感・システム・BGMの魅力が本作にはあると断言できる。
死を恐れつつも二度と生きて帰れない運命を自ら背負った主人公たちが、その願いや世界のために、自分たちの大事な者のために戦って散る…。
そんな彼らの生き様を是非、哀愁溢れるエンディングにたどり着き、共に感じ取って欲しい。


移植版

基板の性能を限界まで駆使して作られたためか、同じ基板でPS2に移植された『怒首領蜂大往生』『エスプガルーダ』と異なり、長い間家庭用移植版は発売されなかった。
移植された物としてはフィーチャーフォン用のJavaアプリぐらいであった。
ちなみにこのアプリ、前後編に分かれた40KB版と、前後編を統合した256KB版が存在するのだが、問題なのは前者、実は実容量19KBだったという。
残りの21KBは何に使っていたかというと、ボス出現ワーニングのボイス「Approach your target and attack! Are you ready?」に投入されている。
当時のアプリではサンプリングボイスはWAVで持つ必要があるのでどうしても容量がかさんでしまい、本来の「Approach your target and attack! Your mission starts now. Are you ready?」から途中をカット、録音ビットレートもギリギリまで下げてもこの容量が喰われたとか。
こちらのアプリは256KB版がG-MODEアーカイブスDXシリーズにてSwitchへと移植されている。

当初、上記2作品のPS2移植を担当したアリカがPS2への移植を計画していたが、PS2のメモリ性能では5面が完全再現できないという理由で断念している。
初の家庭用版は稼動開始から5年、アーケード版の忠実移植版は7年待つこととなった。

  • 2008年10月23日、DS版『ケツイ デスレーベル』をアリカ製作で発売。DSのスペック上完全再現は困難であり、ボスラッシュを中心としたアレンジが大幅になされた内容になった。
    初心者でもボスの攻撃をかわして倒すと言う弾幕基本の面白さに集中しているため評価は上々。
    • 完成度は非常に高いものの、厳密には「ケツイの移植」というわけではない。しかし、ゲーム内容だけでなく資料や裏話などのファンサービスも非常に充実しているため、「ケツイのファングッズ」としては文句なしに最高の評価である。
  • 2010年4月22日、360版『ケツイ ~絆地獄たち~ EXTRA』が発売された。開発は後に『バレットソウル -弾魂-』を手掛けたタキオン、5pb.が発売元となった。AC版の完全な移植ではなく、ゲームスピードが若干速かったり*5ロック音が違うなどの違いは存在するが、追加モードなども備え良好な評価を得ている。
    • 実は360への移植は2008年の時点で発表されていたのだが、同じく5pb.が2009年に発売した『怒首領蜂大往生 ブラックレーベル EXTRA』のソースコード盗用のスキャンダルが発覚。実際に移植作業を行ったのはアクアシステムズという会社だが、5pb.はこの件で管理不届きに問われ、交渉が凍結状態になった事で発売が大幅に遅れる結果となった。
      • ソースコード盗用元の大往生PS2版を開発したアリカの副社長・三原氏*6いわく「STGを開発した者ならすぐに分かるはずの、丸々盗用に気づかなかった5pb.側にも責任はある」とのこと。
    • アレンジモードは得点チップのシステムが大きく変更されており、普通に敵を倒しても返し弾しか出てこない。ではどうするのかというと、赤いカラーの敵をロックショットで破壊して着火・弾消し、着火中はどの距離で破壊しても対応したチップのみ登場するようになる。
      • 赤い敵は結構な数で配置されており、コンスタントに弾消しを行えるため難易度はそれなり落ち着いている。慣れれば気軽に[5]チップをジャラジャラできるので、爽快感も高い。
      • 着火していない時の返し弾はロックショットのレーザーで相殺可能。但し倍率カウンタは減少する。
    • また、EXオプションでは「処理落ちなし」などの他に「 倍率チップ増量 」「 敵弾なし 」といった後述のPS4版とはまた違った独自のオマケ設定も存在する。
    • 開発時の設定資料集を閲覧できるのも(現在のところ)このEXTRA版のみである。
  • 2013年7月25日には、上記『EXTRA』のPS3版が5pb.Games(MAGES)から発売された。ケイブのSTGがPS3に移植されるのはこれが初となる。
    • クレジット投入音の追加、2面ボスのグラフィックの修正*7等、多少の変更点はあるが、基本的には360版と同内容。
  • 2017年4月28日、ケイブ祭り17にてM2 Shot Triggers第4段として移植が発表された。プラットフォームはPS4に。
    • 2018年8月7日正式なタイトルが『ケツイDeathtiny ~絆地獄たち~』に決まり発売日が11月29日となった。M2 Shot Triggers初となるリテール版には、流通料金等の上乗せの代わりに2つのDLCが最初から収録されている*8
    • M2お約束のフルエミュレーションで、A-TYPE全一SPS氏とB-TYPE全一がん氏が監修を担当*9。アーケードの他にお約束の「スーパーイージー」、ケイブ祭りで使用された「IKD2007SPL」(DL版はDLC)、アレンジモード「Deathtiny」に加え、任意のポイントから20回まで戻り復活して練習出来る「アーケードチャレンジ」*10、アーケードでミスした部分をACチャレンジ式で復習出来る「絆育成モード」を搭載、「全人類対応済 弩推奨版」という看板を掲げている(命名はIKD)。
    • BGMも基板オリジナル、サントラ版、360/PS3に入っていたステレオアレンジ、ベイシスケイプアレンジに加え、スマホアプリ「ゴシックは魔法乙女」等のサウンドを担当している「松本大輔アレンジ」*11が新録*12。DL版ではDLC扱いになるが、「怒首領蜂大復活ブラックレーベルアレンジモード」で使用された「Jake "VIRT" Kaufmanアレンジ」でもプレイ可能。余談だが今回DL容量が上がったのは、ステレオアレンジ以降のストリーム収録分を可能な限り高音質で録音したためである。
    • Deathtinyモードはボムが使えない代わりに「発動時と終了時に弾消し+数秒間ショットパワーアップ」という大往生の「ハイパー」に近い時限パワーアップ「デストロイ」で弾幕を突破していくモード。デストロイ発動に必要なゲージは敵の早期撃墜やロックショットによる集中砲火で回収できる。1周エンドかつ必ずエヴァッカニア・ドゥームが登場。
      ボムより持続時間には欠けるが、デストロイゲージはボス戦でも高レートで回収可能なため、発動スパンが非常に短く、守りのために連発が可能、オートボムならぬオートデストロイも搭載されているため、見た目以上の硬さを誇る*13。逆に攻めにも使え、デストロイ終了直後にデストロイを発動させることにより、終了時の弾消し能力の消滅を代償として更に攻撃力が上がる「デストロイチェーン」が発生する。
      M2アレンジお約束の裏アレンジも「DIE-DEATH」として搭載。条件を満たせば攻撃がいきなり打ち返し無しの裏2周目準拠に化ける代わりに得点効率が爆発的に跳ね上がる。
      • ちなみにこのアレンジモードとIKD2007SPLでは、大量出現するチップをしっかり見せるためにスプライトの制限個数を解除しているため「実機で再現できない」とのこと。
        開発初期には実機でも再現できるように、Dチップのサイズが小さかったようだが、IKDからのアドバイスを経て実機再現を無視して巨大な箱を出すようになった。
        カスタムモードでは「倍率チップのちらつき再現」という項目で任意に切り替え可能。
    • カスタムモードは設定によってステージクリアボーナスに上方・下方の倍率がかかる。 特に下の余談で紹介されている、カスタムロケテ版と同じ組み合わせの設定にするとクリアボーナスが大幅に上がる「DIE-CUSTOM」になる。

余談

  • 池田氏曰く「1周エンドで作成したのに、マスターアップ直前で販売元AMIのわがままで2周エンド+真ボス追加させられるという暴挙に振り回された結果作りこめないまま発売した」という旨の発言をしている。
  • 最終面で全ての敵が再び登場する、というここまでのケイブらしからぬ王道展開からも、制作過程ではノーミスノーボムでクリアすると最後にドゥームと戦う内容だったのではないかと推測するファンもいる。
  • 敵組織である「EVAC社」の由来はケイブ(CAVE)を逆読みしたもの。以降のゲーム作品(DODONPACHI MAXIMUMなど、主に携帯・スマホアプリ)の設定にもこの組織はちょくちょく姿を見せる。
    大復活でステージデザイナーがお遊びとしてEVACのロゴを入れてしまったが故に繋がってしまったとのこと。
  • キャラの名前などは映画『ブラックホークダウン』のオマージュと言われている。
  • ボス戦BGM「DARKENED」はケイブゲーBGM史上公式でアレンジされた回数が最多である。
    • 原曲、サントラ版(並木学氏)、ガラケー版アレンジ2種(CAVE SOUND TEAM*14)、家庭用ステレオアレンジBGM(並木学氏)、アレンジCD版(「兄貴」葉山宏治氏)、『ケツイEXTRA』版(ベイシスケイプ)、『大復活BL』版(Jake Kaufman氏)、『DDPM』版(Wasi303氏)、『DDPM』追加ステージ版(Wasi303氏)、『Deathtiny』版(松本大輔氏)。
    • いずれもアレンジャーの技が光る良アレンジ揃い。一部音源の入手が困難なものもあるが、聴き比べてみるのも楽しいかもしれない。ケイブ祭り08にてほぼ全部入り*15の「ケツイCD-BOX」が販売されたが、生産は一度きりで再生産の予定は無し、同年M2 Shot Triggers弩感謝祭で不具合交換対応分までも販売され、開始30分で売り切れたため、こちらも入手困難に。
  • ほとんど話題に上がっていないが、本作にもイメージソングが存在している。『絆さくら』と言うタイトルで、内藤那津子氏が作詞作曲歌唱を全て担当している。
    • 二度と帰る事の出来ない戦いに赴く四人の戦士達をイメージしたであろう物悲しい歌詞と曲で、ケイブ作品のイメージソングとしては珍しくまともな路線。そのせいか話題に上っていなかったとも言うが。
  • 主要キャラであるロイド・エヴァンズマンについて
    • 外見・設定ともにわかりやすく「危険な男」であること、エンディングで判明する彼の衝撃的な願いの内容から公式・ファン双方にそういうキャラとして扱われている。
      • 『デスレーベル』では有名な不具合を暴露しようとしてIKD氏にボコボコにされる等、ある種のオイシイ(?)ポジションになった。
      • ファンからは「オフィス」という謎の二次創作設定が付けられ、「エヴァンズマンに目をつけられると彼のオフィスに連れて行かれる」等散々な言われようとなっている。勿論公式にオフィス設定はない。
      • …が、『ゴ魔乙』のアプリ通知でエヴァンズマンのオフィスネタが使われ、公認と化した。
  • キャラクターデザインや各種イラストはかつて『超兄貴』や『美食戦隊 薔薇野郎』等を手掛けた斉藤智晴氏が担当したが、本作発売後の2006年に病没している*16
    • 氏の起用とエヴァンズマンのキャラクター設定の関連性が気になるところである。
+ ファンからの素朴な疑問にIKD氏はこう語った。ネタバレ・濃厚すぎる話題注意

ファン「エヴァンズマンはホ○なんですか?」
IKD氏「えっ○モ!?僕がですか!?!?
ファン「いやいやwエヴァンズマンがですよw」
IKD氏「ああはい…ホ○です。(きっぱり)エヴァンズマンはアリスが大好きなんですが、相棒に手を出すわけにはいかないのでEDではあんなことをしてしまったのです」
※原文に大きなネタバレが含まれているため、一部改変してあります。

衝撃的なエヴァンズマンのエンディングについては、是非君の目で確かめてほしい。というか真っ先に自分のことかと思うIKD氏も相当アレ。

  • 対してBチームのパイロット、スティール=ユレクはどうにも影が薄い。
    • 肉親であるアリスとユウマ、そして上記濃すぎるエヴァンズマンに対して「他メンバーとの絡みが薄い」というのも原因の1つか。
    • 願いが叶うエンディングにおいても内容がぼかされたアリスとユウマ、アレ過ぎるエヴァンズマンと比較すると「まともすぎる」と言われている。
    • スティール自身は「豪快だが面倒見の良い兄貴分」という設定で、EDや『デスレーベル』ではその人の良さが窺える。そのまともさがケイブ特有の狂ったテンションにそぐわなかったとも取れる。事実、上記の『ゴ魔乙』に2023年になった今も参戦出来ていない。
    • ちなみに「スティール=レク」と誤植されたことがあるらしい。そして案の定そのネタをゴ魔乙でもイジられたり…
  • アリスとユウマのEDで、アリスのかぶっている帽子のつばが妙に長く片手鍋にも見えるため、「鍋をかぶっている」とネタにされている。
  • 素っ頓狂なキャラクターグッズでおなじみのケイブだが、今作も例外ではない。ケイブ祭限定で[5]チップのクリスタルが販売された。
    • なお、前述の『怒首領蜂BLアレンジ』での[10]チップのクリスタルも存在。
  • 『牝姫の虜~廃校舎の制服少女~』という18禁ゲームに、何故かアリスとエヴァンズマンにそれぞれそっくりなキャラクターが登場している。一部のファンには有名。
    • 特にアリスのそっくりさんはポーズから表情まで完全一致。双方とも公式サイトに立ち絵が存在しているので、気になる方は見ていただきたい。
    • どうやら原画担当した絵師がかつて『怒首領蜂II』の同人誌を出していたという話がある程に、ディープなケイブファンであるらしい。
  • セガのAC音ゲー『オンゲキ』にて、2018年8月9日より本作からエヴァッカニア・ドゥーム戦BGM「NO REMORSE」が収録されている*17
    • 他社の音楽ゲームへケイブSTG楽曲が収録されるのは『グルコス』へ行った『怒首領蜂大復活』の「]-[|/34<#!」に続き2例目となる。
    • 楽曲ジャケットはケツイのタイトル画像をCDジャケットサイズに加工したもので、楽曲ジャケットとしてのみだがアリスが同作に出演している。残念ながらプレイヤーキャラとして使うことはできない。美少女キャラ中心のゲームなので仕方ないが。ゴ魔乙は……ほら、自社コンテンツだから
  • PS4版発売記念としてHeyに「裏2周目スタート、残機0&スコアエクステンド無し(3面と5面のアイテムエクステンドのみ)、ただし初期ボム6個&消費1発のオートボムあり*18」という人類対応版カスタムモードのテスト機が設置されたが、最終的にドゥームはこの11日間で108機撃墜されるハメに…。ドゥームより裏2周目突入の方が難易度が高いのでは?
    • このDIE-CUSTOMロケテストでは最終的にエヴァッカニア・ドゥームまでのノーミスノーボムが達成されている。最大往生の陽蜂の件でもそうなのだが、仮にも真のラスボス相手に人類の適応力が上がっているのが恐ろしい。
  • 2004年に稼働した『beatmania IIDX11 RED』収録曲「FAKE TIME」が今作4面のBGM「DEFENSIVE LINE-闇に潜む」に酷似したフレーズが使用されていることが一部のユーザーに指摘されている。
    • 両曲共にエレキギターのサンプリング音源を利用しているのだが、その音源が偶然被ったものと考えられる。
  • ストーリーの『「国連が殲滅主導をした」という証拠を絶対に残してはならない。その証拠の中には「当作戦に参加した者の命」も含まれている。』の部分だが、CAVE元スタッフの田中氏*19はこれを否定的に捉えている。
    • というのも、ケツイのゲームで見えている部分は「本社強襲部隊」だけであり、実際には本社だけでなく全世界同時に作戦が展開されたことから、整備士や作戦の考案者等、作戦の参加者が万単位になっている。そしてこれだけの作戦を立案、実行出来る優秀な人物を皆殺しにするのか?という点がどうしても引っかかる…という意見である。なので「建前上死んだ事にしておいて、新たな人生を送っている*20」程度ではないか?ともインタビューで口にしている。
    • 同時に「ケツイ2」のような物が出るとしたら、続編では無く、本社強襲以外の部隊をモチーフとして出来ないかな?とも語っていた。
  • 真ボスの「エヴァッカニア・ドゥーム」はケイブシューの真ボスとしては珍しく、最終形態を含めてミス復帰時の無敵時間中にバリアを張らないため、その間に少しダメージを稼ぐことができる。

その後の展開

  • 本作以降、ケイブの作品は硬派成分が薄くなり、性転換する自機キャラと棒読みライバルな『エスプガルーダ』や、自機キャラが鼻声&パンツはいてない疑惑の『虫姫さま』に加え、ボスが全員残らず女になった『鋳薔薇』…と、女っ気がにわかに増加した。
    • ケイブ・チーフデザイナーの若林明氏はINHでの鋳薔薇攻略DVD付属冊子のインタビューにて「メカばっかりだと難しいと思われて新規客が入ってこないと思うからキャラを増やす方針にしている」という旨の回答をしている。『怒首領蜂』など多くの作品でズンドコなメカを描く一方で、ケイブ社内で商業的な葛藤をしていたようだ。
    • 同時期にリリースされキャラクターを前面に押し出したSTGである『式神の城II』(アルファ・システム/タイトー)等が本作以上にヒットしたことやキャラクター性の強い『東方Project』や『らじおぞんで』といった同人シューティングの台頭も、ケイブの葛藤を強めさせたのかもしれない。
    • これは『怒首領蜂大往生』からの難易度高騰路線を反省し、救済措置や難易度選択の余地を多く残す傾向が強まった契機と同時に訪れた節目でもある。
  • 2012年2月に発売された『怒首領蜂大復活BLACK LABEL』の360版のアレンジモードでは、なんと自機がティーゲルシュベルト、BGMも今作のBGMのアレンジ、ストーリーは「Aチームの作戦前訓練である2008年シミュレーション」。もちろんロックオンレーザーや得点チップシステムも搭載。
    • ちなみに大復活BLのパッケージ版のジャケットもケツイのタイトルのアリス風になったアイ*21となっている。アリスが刺青を入れていた部分にEVAC社のロゴが入っているなど芸が細かい。
  • スマホアプリオリジナル作品『DODONPACHI MAXIMUM』は本作に登場したEVAC社の弾幕シミュレーターという設定であり、さらにティーゲルシュベルトとステージ4が再現されて楽しめる。
    • ティーゲルシュベルトは5面クリア後に使用可能。原作通りに広範囲&高火力だがレーザーの射程がかなり短いため、硬い的に接近できるか鍵となる。
    • ステージ4は同作における3面目に配置。BGMは1面のものが使用されている。
    • 後に追加された「EASYモード」では最終面が3面・5面(と『エスプガルーダII』)を混ぜ合わせた専用ステージになっている。更に条件を満たせばコレを高難易度化させた「SP ROUND」が登場。
  • かつてケイブが配信していたソーシャルSTG『ドン☆パッチン』にてEVAC社製のエヴァンズマンロボが登場していた。
    • 説明文はケツイ公式サイトのキャラ説明まんま。「アリス」の部分が「アリスロボ」になってるだけ。
    • そして周囲には大量の[5]チップ。ファンのツボを理解しすぎ。
  • 2016年3月にケイブがリリースするスマホ向けソーシャルSTG『ゴシックは魔法乙女』にホワイトデーのイベントとしてケツイコラボステージが登場し、さらにアリス・エヴァンズマン・ユウマが使い魔として参戦。魔法少女がモチーフのソシャゲに180度真逆なパイロットの野郎ども*22を登場させる辺り、ある意味期待は裏切らない。でもあと一人足りない気がするんですが…。
    • 当然というべきか、本作のロックショットをモチーフにした攻撃を使える使い魔も後に登場している他、接近して敵を倒すなどで高得点のスコアチップが出る基本システムなど、本作のプレイ感に通じる要素もある。
    • そしてPS4ケツイ発売記念イベントでもやっぱり1人足りなかった。なんか恨みでもあるんだろうか…。
      • 広報のシュー太郎氏がこのイベントに合わせ「発注担当に出してと土下座したけどダメだった」とのこと。ほんと何の恨みが。
      • せめてもの悪あがきか、後のゲーム内のイベントストーリーで彼と思しきキャラが「セリフのみ*23」で登場していた…が、名前までは出させてもらえなかった模様。彼が何をしたって言うんだ…。
      • それから暫く経って、ゴ魔乙のゲーム内で使えるスタンプに何故か彼が抜擢された。なおセリフは「待たせたな!」である。だったら早く使い魔参戦させてやってくれよ…
      • ちなみにゴ魔乙の男性キャラは上記の自社キャラの他にも、2019年5月頃に魔法男子として様々なゴ魔乙オリジナル男子キャラが実装された事があった。…にも拘わらず、ユレクだけが未だ実装されていない事には何かしらの意図を感じる。
    • それから2023年3月15日、これまでミニコラボイベントのみに留まっていたが【エヴァンズマンのケツイ~乙女地獄たち~】のタイトルでケツイの自社コラボが遂に実現。タイトル通りエヴァンズマンが主役のイベントであった。
      • イベント内容を簡単に説明すると、何らかの事故などではなくガチャでジルバラードに召喚されたエヴァンズマンが、同じガチャでアリスを引き当てるべく奮戦すると言う物。嘘みたいだろ?マジでこんな内容だったんだぜ…。
      • ストーリーに合わせて追加されたガチャの面々は、女体化してしまったアリス本イベント描き下ろしバージョンのエヴァンズマン兄と同じく女体化してしまったユウマ、『虫姫さま ふたり』から幼女化したラーサ、『デススマイルズII』からレイ、『怒首領蜂大往生』からショーティア本イベント描き下ろしバージョンのユウマ、『怒首領蜂大復活』から幼女化したゴッドヴィーン本イベント描き下ろしバージョンのアリスと怒涛の自社キャララッシュが続いた。
      • イベント内では上記のケイブSTGキャラが出演し作品を超えた共演を見せるのだが、女体化したユウマと通常のユウマが遭遇したり、ショーティアが出てきた時にはさりげなく(当時開発中であった)『怒首領蜂大往生 臨廻転生』の宣伝をしたり、イベント終盤で本命のアリスが出てきた際には『私がガチャで爆死しても、誰も彼に手を出す事は出来ない。彼とその人生は全て私の物なのだ!』とエヴァンズマンが狂喜したりと、メタネタも交えたゴ魔乙史上類を見ないカオスな物であった。こんなエヴァンズマンの姿は見とうなかった…。
      • そしてやはりと言うか、ユレクは今回もハブられた…とは言え今回はケツイのコラボイベである以上、彼も(原作絵の流用と言う形のみではあるが)イベントに出演。コミュ力が高かったり、実は苦いコーヒーが飲めないなどと言ったファンが求めていたであろうキャラの掘り下げもあった模様。でもイベントで獲得出来た称号に『スティール・ユレク推し』があるのに、使い魔実装されないのはやっぱりひどくないですかね…?
      • なお今回のイベントに合わせ、女体化したアリスとイベント描き下ろしバージョンのユウマは『ケツイの自機ショットを完全再現*24』した『ケツイTYPE-A』、『ケツイTYPE-B』を引っ提げての登場。最大往生や大復活、鋳薔薇などのケイブシュー自機再現ショットシリーズがまた一つ追加された形になる。
    • 2021年のケイブ創業27周年に合わせ、倍率チップ『5』が一体全体どういう事か使い魔として実装された。またユレク殿がハブられておるぞ!…と言うか27周年って中途半端じゃね? などと言ってはいけない。
    • 2023年のケイブ創業29周年では、久しぶりの弾幕神シリーズ第4弾として9歳の幼女に擬人化したエヴァッカニア・ドゥームが実装された。専用ショットとして、エヴァッカニア・ドゥームの弾幕三種類を再現・切り替え可能な『ドゥーム』を持っていたり、アバター設定するとゴ魔乙版「NO REMORSE」がホーム画面やゲーム中に流れると言った豪華仕様。
  • 2016年9月に『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』のクロスオーバーDLCにケイブが参戦することが発表された。今作からはティーゲルシュベルトが参戦。
    • 『大復活』のデルタソード、『デススマイルズ』のウィンディアとともに、シルバーホークや他名作STG自機との共闘クロスオーバーがシューティングゲームの舞台で実現した。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 2003年
  • AC
  • STG
  • 縦シューティング
  • 弾幕シューティング
  • ケイブ
  • エイエムアイ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月09日 03:05

*1 出典:ダライアスバーストクロニクルセイバーズ。

*2 例えば3面中ボスでは、本体の体力バーが表示されるまでにボム発射すれば条件を維持したままボムによるダメージを与えられる。これを利用して硬いザコ敵もろともパーツを蹴散らすとかなり楽に1UPアイテムを出しやすい。仮に1ミスしても、ボムの抱え落ちがなければ3ボム補給できるようなもの。5面の1UPも同様の小細工が通用する。

*3 INH製攻略DVD内でのインタビューで池田恒基氏が「一応あるにはあるが、変動幅が極めて狭く更に2周目は固定ランクなので実感しにくいかもしれません。」と回答している。

*4 攻撃開始前の出現演出中でも撃ち込み判定はありロックショットでのロックも可能だが、攻撃開始前はどれだけ撃ち込んでも倒す事は出来ない。

*5 実機は60fpsをほんの僅かに下回るのだが、移植版では60fpsで動いているために少しずつズレが生じる。

*6 氏が実際に『大往生EXTRA』をプレイして、仕様や細かい挙動までPS2版にまるまるそっくりなことから盗用に気づいたらしい。

*7 360版ではボス後部のキャタピラが消えているという移植ミスがあった。

*8 ガレッガRev2016はリテール版が出てるように見えるが、実際にはDLコード付属であり、ディスクは入っていない。

*9 Twitterの公式アカウントで「FBI長官とCIA長官にガサ入れを受けた」とネタにしていた。トップスコアラーを警察組織長にするのはM2STG第一弾バトルガレッガで「求むガレッガ警察」とネタにしたのが受け継がれている模様。

*10 その至れり尽くせリの機能に、がん氏は思わず「一番プレイしている時期にこれがあったら育児放棄の危機」とまで漏らした。

*11 松本氏は当時ケイブの社員だったが、2021年にシティコネクションへ移籍している。

*12 限定販売されていた「ケツイ 絆地獄たち 15周年記念 DIE絆地獄 CD BOX」にて、未使用楽曲という名目で先行収録されていた。

*13 ただし、オートデストロイを作動させると得点倍率が落ちるペナルティ有り。

*14 松本大輔氏が担当したと後のインタビューで明かしている。

*15 基板オリジナルとステレオアレンジは未収録。

*16 遺作はイラストレーターとして参加していた『カルドセプト サーガ』

*17 同作での正確な曲名表記は「No Remorse」。小文字混じりの物へ変更されている。

*18 なお、PS4版のDIE-CUSTOMの条件はさらにゲーム難易度・撃ち返し弾・ショット攻撃力をARCADEデフォルト設定、かつケツイボムOFFという組み合わせが加わるものの、オートボムや初期ボム数などそれ以外の項目は自由。

*19 ケツイでは自機、135面背景とヴィノグラドフ、トラファルガ等のデザインを担当。

*20 エヴァンズマンやユレクはともかくとして、EDのアリスのセリフも合わせると、少なくともユウマは生存の可能性が消えていないとも考えられる。なお、アリスがユウマの助命を望んだとすると、「作戦参加者の命と引き換えにあらゆる望みを一つ叶える」と言う作戦の前提と矛盾が生じる事になる。

*21 大復活1面ボスのセーラー少女。

*22 ゴ魔乙の男性キャラ参戦にはすでにパルムやレイ、ゴットヴィーン・ロンゲーナ大佐などいくつか前例があった。

*23 EDのセリフを引用していた。ちなみに彼と出会った場所は(何故か)カジノである。

*24 これまでロックショットをモチーフとした物はあったが、こちらはノーマルショットとロックショットを切り替えが可能。