LUXSOR NIGHT OVER EGYPT

【るくそーる ないと おーばー えじぷと】

ジャンル シューティング
対応機種 PC-8801mkIISR以降、X1以降、FM77AV
発売・開発元 日本テレネット
発売日 1987年9月
定価 7,800円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント カクカク動きとザラツキ背景で弾が見えない
分からん殺し
でも、慣れれば遊べる


概要

  • 縦STGステージと3DSTGステージをあわせ持ったゲーム。
    • しかしマシン性能があきらかに不足。普通にプレイするには時間と忍耐が必要。
  • いったいどこのダライアス

ストーリー

幼い頃、フィリップは父からエジプトの話をよく聞いた。その時の父がそれは楽しそうに話していた。それから月日が経ち、両親もすでにいない。だが父のエジプトへの想いは継いでいる。そんな彼に残されてた本があった。その本には、夢と冒険に挑むならアブシンバル神殿で待つという意味の事が書かれていた。そこに何があるのか分からないが、父の意思を継いだフィリップは、古ぼけた戦闘機「NIGHT OVER EGYPT」を蘇らせ、エジプトへと飛び立った。

システムと特徴

  • 縦STGステージと3DSTGステージが交互となっていて、それぞれラストにはボスが待ち構えている。残機制で全10ステージ。
  • 縦STGステージは普通のよくあるSTG。
    • 攻撃は対空用と対地用がある。そしてシールドも装備。ただ所謂ボムに当たるものはない。
    • パワーアップシステム装備。対空攻撃、対地攻撃、シールドがそれぞれ強化される。空の敵を倒すと対空用とシールド用のパワーアップアイテムが、地上の敵を倒すと対地用のアイテムが出てくる時がある。
    • パワーアップアイテムを取るとスペックが上がり、5つ溜める度に武装が変わっていく。武装は全て三段階パワーアップ。
  • 3DSTGステージは、基本的に擬似3D。ちゃんと3Dしているのは背景だけ。スペースハリアー簡略版。
    • 対空攻撃しかなく。対地という要素はない。
    • 敵の動きも攻撃も、縦STGステージほどのバリエーションはない。
    • パワーアップアイテムは出てこない。

問題点

  • しっかり書き込んだグラフィックが逆に仇。おかげで弾が見えない。
    • 最初に出たPC88、X1はグラフィック機能が弱く、多彩な絵にしようとするとザラついた画面にどうしてもなってしまっていた。それを踏まえた描画なら良かったのだが、そんな事は考えられていない。とにかく弾がザラついた背景にまぎれる。慣れるまでは、訳が分からない内に死んでいく。正に分からん殺し。だが慣れればなんとかなるかというと、やはり難しかったりする。
      • いろいろ困った弾。特徴づけようといろんな弾を用意しているのはいいのだが、基本的考えなし。まず基本の敵の弾が小さい。ザラザラ画面に小さい弾は見事にまぎれてしまう。またエジプトを舞台としているので砂漠を背景にしたステージが多い。そんなステージにオレンジをベースにした弾が結構出てくるのだ。また石畳背景にグレイを基本色とした弾を発射してきたりと、隠れる弾との格闘に苦心するハメに。
  • 分からん殺しに拍車をかけるカクカク動き。
    • これもPCの性能のためなのだが、スプライト機能やハードウェアスクロールを積んでいない機種でのSTGなため、カクカクとした動きが目立つ。このせいで弾も敵も大雑把な動きで、軌道がやや読みづらい。
  • 対地攻撃の射程が短すぎる。
    • 地上の敵を攻撃するには対地攻撃兵器を使うしかないのだが、この射程が短すぎ。かなり近づかないと当てられない。その距離で敵の攻撃を避けるのは結構難しい。さらに当てても外しても、オレンジ色の爆発が起こる。これがまた敵の弾なのか分かりづらく、敵が多数いる時なんかは、自分で自分をかく乱している有様。
  • 一旦落とされると大ピンチ。
    • 武装は変わらないのだが、シールドがなくなってしまうのが痛すぎる。最初の一機がやられると立て続けに落とされ、そのままゲームオーバーなんて事も。
  • 3Dステージが単調。
    • 縦STGステージから一転。敵の多彩さはまるでなくなる。画面端の四方をぐるぐる回っているだけでなんとかなってしまう。これはボスキャラも同様。もっともあまり多彩でも困るが。所詮擬似3D。距離感が掴みにくいのだ。
  • 縦STGのシステムがどこかのダライアスそのまま。

評価点

  • よく書き込まれたグラフィック。背景もキャラクターもよく出来ている。OPデモも長く凝っている。演出面ではさすが日本テレネットである。
  • BGMも好評。これまた日本テレネットの真骨頂。
  • STGとしては、敵の配置、攻撃など、それほど理不尽なものにはなっていない。
  • 当時のPCとしては数少ない真っ当なSTG。慣れればなんとか遊べるのもあって、希少な存在ではあった。
    • 問題点がこれだけありながらなんで遊べるかというと、まずシールドが結構強いのだ。少々当たっても落ちない。さらにそのシールド、パワーアップアイテムが頻繁に手に入り、結構補強が効く。また自機の判定も小さい。普通のSTGだったら、かわしやすいサイズなのだ。このため弾が慣れで見えてくると、被弾の頻度ががくっと落ちる。雑だが少々当たってもかまわないという感じでプレイすると、それなりに遊べる。

総評

低性能マシンに縦STGは少し無理があった。しかも演出好きな作りが拍車をかけ、初見殺しのゲームと化している。せてめもう少し配慮があれば、まだマシだったろうが。ただSTGとしては破綻している訳でもないので、慣れればなんとか遊べる。一方の77AV版は普通に遊べ、こちらの評価は悪くない。ただせっかく入れた3Dステージが、双方ともあまりいいものではないのは残念な所。ともかくPCでは数少ない縦STGの一つである。

FM77AV版

いろいろと問題のあるPC88版、X1版だが、77AV版は一転、まともなゲームとなっている。まず両機種の反省からか、弾の種類が減ったものの点滅させる事により格段に見やすくなった。さらに前述のに機種よりグラフィック機能がいいため、背景のザラツキ感が減ったのも影響している。またハードウェアスクロールを持った77AVでは、カクカクとした動きがかなり抑えられるように。ゲーム性も多少変わっている。まず地上の敵がいなくなった。さらにボムを装備。緊急回避が可能に。敵も一新。一部を除きほとんど別物。3Dステージは相変わらずだが、PC88版、X1版に比べればずっと遊びやすくなった。

余談

  • フィリップの愛機「NIGHT OVER EGYPT」は何故かMIG-21。しかもガラクタ同然のを自腹でレストアしたもの。

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最終更新:2018年09月27日 14:56