仮面ライダー 正義の系譜

【かめんらいだー せいぎのけいふ】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売元 バンプレスト
開発元 キャビア
発売日 2003年11月27日
定価 6,980円
判定 クソゲー
ポイント 気の狂ったバイク面
かったるいアクションのせいで後頭部がコブだらけ
シナリオ・演出・キャラクターモデリングは高評価
ファンアイテムとしての価値は歴代で屈指のレベル
仮面ライダーシリーズ



伝説のライダー達よ、
戦いの日が再び訪れた。



概要

『仮面ライダー』『V3』『BLACK』『アギト』の4作品の主役仮面ライダー達が時代を超えて共演。
4人のライダーが原作それぞれの時代から参戦。時代を超えて同じ場所で共闘し、クロスオーバーするゲームソフト。
それぞれの時代で怪人と戦ううちに明らかになる黒幕、その恐ろしい計画に時代を越えてライダーたちが協力し立ち向かう。

+ 登場ライダー(ネタバレ)

操作できるのは各作品の主役ライダー4人+一時的に2号のみ。他のサブライダーはイベントで登場。

  • 2004年4月編・『仮面ライダーアギト』(時系列はアンノウンとの戦いを終えてから3ヶ月後*1
    • 仮面ライダーアギト / 津上翔一
    • 仮面ライダーギルス / 葦原涼
  • 1988年8月編・『仮面ライダーBLACK』(時系列はシャドームーンの出現から2ヶ月後)
    • 仮面ライダーBLACK / 南光太郎
    • シャドームーン / 秋月信彦
  • 1974年1月編・『仮面ライダーV3』(時系列はヨロイ元帥編サイタンク撃破後〜シーラカンスキッドの辺り)
    • 仮面ライダーV3 / 風見志郎
    • ライダーマン / 結城丈二
  • 1972年11月編・『仮面ライダー』(時系列はゲルショッカー出現から1ヶ月後)
    • 仮面ライダー1号 / 本郷猛
    • 仮面ライダー2号 / 一文字隼人

問題点

システム面

  • バイオハザード』シリーズの下請けメーカー*2が製作したため、システムは同シリーズに似ている。しかしそれがかえって足を引っ張る形になってしまった。
    • 攻撃は格闘のみなので、敵の近くに寄って構えた上で攻撃ボタンを押さなくてはならない。しかし、ザコに複数固まって出てこられると、攻撃している間に確実に他の敵に殴られる。
      • 一応、エネルギーゲージを消費して、範囲攻撃ができる「バースト攻撃」は存在するが、全員「非常に効果範囲の狭い回し蹴り」なので、よほど囲まれた時くらいしか利用価値がない。しかもそれで敵を倒すと経験値が手に入らない。
    • 近くに複数の敵がいた場合、弱い敵を優先して攻撃するのだが、これも問題。
      • 棍棒装備のザコを攻撃しようとした際、背後から素手のザコが迫ってきた場合などは最悪である。ライダーは振り上げた拳をわざわざ下ろし、勝手に背後を向いて再び拳を振り上げるのだ。そして後頭部を棍棒で殴られる。
    • これが『バイオハザード』なら遠くから1体ずつ撃つなり、武器を使い分けるなりして対処できるのだが、本作に登場するライダーは全員が格闘専門。
    • むしろ、元々格闘戦がメインである仮面ライダーのゲームに、銃器で戦うことが前提の『バイオハザード』のシステムを当てはめたのが無茶なのである。
    • なので基本雑魚は無視してズカズカ進んだほうがいい。成長させたいなら序盤じゃないときつい。
  • 攻撃ボタンを押しっぱなしにするとライダーが構えると同時にゲージが溜まってゆき、ボタンを離すと必殺技が発動する。技はパンチ系とキック系の2系統がある。
    • ボタンを離したタイミングがゲージ前半なら弱必殺技、後半ならば強必殺技が出る。
      • 構えている間は無防備になる。またボタンを離すと即発動するので、安全なところでゲージを溜めておき怪人戦で即強力な技を発動、ということはできない。
    • 敵を倒すと経験値が入手でき、使用した系統の技がレベルアップする。全ライダーとも強弱各LV1~3、合計12種類の必殺技がある。しかし、技を繰り出す度にムービーが流れるため何度も流されてテンポの悪化にも繋がってしまっている。
      • せっかく12種類もあるのにレベルアップしたら低レベルでの必殺技が見られなくなるのも残念。
  • 前述の通り、成長するのは必殺技のみで、通常攻撃の威力やライフ量などは変化しない。一方敵ボスは後半になる程ライフが高くなっていくため、通常攻撃では殆どライフを減らせない。
  • 通常攻撃は全キャラ共通で◯ボタンがパンチ(素早い代わりに射程が短く弱め)、□ボタンがキック(出だしが遅い代わりにリーチが長く強め)の2つ。連続して入力する事で3連打まで連続攻撃ができ、基本は同じボタンを3回で良いのだが例えば◯→□→◯などの不統一な組み合わせでも3連コンボは可能。(威力や性能、3連打までは均一なのだが組み合わせや相手との位置関係により大野剣友会キャプチャによる実に様々なモーションが堪能でき原作っぽさを追求しているのだが、前述の通りゲーム性能的には同じ3連攻撃でしかなく、悪く言えばやや努力の方向音痴となっている)
  • 変身すると通常攻撃の威力も上がり、3段目が強力な吹っ飛ばし攻撃になる。ただしこの吹っ飛ばしは後述の背面ハメを中断してしまうデメリットがある。
  • 正面の相手の通常攻撃の瞬間に通常攻撃を合わせるとカウンターが入るシステムがあり、怪人は頻繁にこちらの攻撃に合わせカウンター攻撃をしてくるため原作番組の様に''「正面から通常攻撃で弱らせてトドメだけ必殺技」という戦い方では勝つのは相手によっては難しい。
    • カウンター自体はプレイヤー側も可能なので、立ち回り次第では上手く怪人の通常攻撃を誘発し、それにカウンターを入れる原作チックなアクションも可能である。ただ相手側は喰らい中もカウンターができるため、調子に乗って正面でコンボを続行するとほぼ確実に打ち返される。そのためこの方法で攻略する場合、相手の攻撃を誘発し素早いパンチのカウンターで1発入れる(追撃はしない)→相手の攻撃を待ちカウンターで1発入れる…といったピンポンダッシュ戦法となる。要するに先出しした方が負けるシステム。
  • カウンターができない怪人の必殺技は発動時に専用のSE(怪人が出現したり威嚇する時の劇中音)が鳴って知らせてくれるので察知は容易で、攻撃が当たる前に最速の通常パンチで潰せれば阻止が可能。(やはり2撃目以降はカウンターがくるので1回で止める)相手に密着しつつこれを続けるといずれ鳴き声と共に通常攻撃を始めるので上記のようにこちらがカウンター…というパターンで1発パンチ戦法のループに入る事も(相手によって)可能。
  • 要するに相手怪人がこちらの◯パンチより出が早い必殺技を持っているかで難易度が大きく変わる。指ミサイルや火炎放射などは密着していれば容易く潰せるのだが例えば左手が鋏の怪人の首締め攻撃は発生から命中までが非常に素早く、必殺技のSEを聞いてからのパンチではとても間に合わない。
  • と、できなくはないのだが相手の行動パターンを熟知しそれに合わせて立ち回ればならないためおよそ初見でマトモにできるプレイではない。そこで出てくるのが背面攻撃である。
  • 実は背後からの攻撃に関しては上記のカウンターが一切発生しないため、相手の隙の大きい攻撃を避けつつ背後に周り攻撃をするのが(基本的には)安牌。
  • 背面戦法の場合はこちらが背後に周りこめない広範囲に電気を放出する技が天敵である(エレクトロファイヤーもどき)また繰り返し述べたようにライダー変身後の3撃目は高い威力の代わりに吹っ飛ばしがつくので2撃目まで入れる→ちょっと移動して中断する→2撃目まで入れる工夫が求められる。人間体(変身前)は威力が低い代わりに3撃目も吹っ飛ばないので背面ハメに入れば後は攻撃ボタンを連打するだけ。(位置関係が悪いとステップ移動で抜けられる場合もある)
  • カウンター成功時に攻撃◯ボタンと一緒にL2ボタンを押すと投げカウンターになる。大野剣友会の殺陣でお馴染みのクルッと合気道のようにひっくり返すアレで、この直後に攻撃を入れると怪人は背を向けた状態で喰らうため、上記の背面ケツバット戦法の始動にも使える。当然ながら相手の攻撃に合わせカウンターを上手く決めなければならない。
  • と。このように通常攻撃によるボス攻略はカウンターを上手く使えるかどうかに難易度が左右されるので簡単とは言えず必殺技に頼らざるを得ないのだが、弱必殺技を連発すると大抵のボスはハメ殺せるという両極端ぶりである。
    • ただし必殺技のシステム上エネルギー切れが起こるとその分ロスであり、弱必殺技を連発するよりもカウンターを駆使した戦法で攻めた方が格段に効率が良い(寧ろ高ランククリアを狙うのであれば、タイム短縮も兼ねてほぼ必須となるテクニックである)また*3
  • 例外として徒手ではなくサーベル装備でカウンター可能な通常攻撃が存在しないので通常の戦法が取れない蜂女(元々が弱いボスなのであまり影響はないが)そもそも通常の怪人と攻撃や喰らい方のシステムが違うラスボスなど、セオリーが通じない相手も僅かだが存在する。
  • 3章の中ボスであるカメストーンとの戦闘中に、必殺技を入力しても何も起こらないことがある。
    • これは中~近距離戦で使ってくるオーロラ光線を受けた時に一定確率で発生するデバフ。本来、オーロラ光線は相手の視界を奪うためのものなので原作再現ではある。
  • 設定上、全章ともマップはほぼ共通*4なのだが、ドアの開閉状況などはゲームの設定上4時代で共通しており、順番を間違えるとある1時代のライダーがドアのロックで立ち往生するなんてことも。
    • そのため「ライダーなんだからドアぐらいぶち破れ!」と怒鳴りたくなること請け合い。一応原作でも扉をぶち破ることができずに閉じ込められたりするシーン、明らかにぶち破るのが困難な扉もあるにはあるが…*5
    • また基本このゲームは探索を要求され、同じ部屋でも場所によって視点が切り替わるようなことが頻繁にある。しかし視点が切り替わるだけで2、3秒はロードされるため、ボス戦などで画面の切り替わりの激しい時などに負担を感じる。攻撃中などにマップが切り替わるときつい。
    • 画面が切り替わり、いかにも『バイオハザード』的にぐるりとアングルが切り替わった途端、いきなりそこにトラップが仕掛けてあったりする。初見ではまず気づくのは無理だろう。
    • さらに床に置いてある回復アイテムは妙に小さく表示される(ドット単位でしか表示されない場所まである)ため、非常に気付きにくい。拾い上げるモーションも妙にもっさりしている。
      • ちなみに、この回復アイテムだが時代によっては人間態で自動販売機を調べると手に入る(買える)ことから、缶ジュースのようなサイズの飲み物で間違いないと思われる*6
  • ムービースキップ不可能
    • イベントシーンや必殺技におけるムービーシーンのスキップができないため、2周目以降のプレイで再び見なくてはならない。
    • 特にラスボス直前のムービーはそれ自体は最終決戦へと向けて物語を盛り上がる素晴らしい内容ではあるが、正味10分くらいの長さがある。ラスボスに負けたらこのムービーをもう一度みなければならない。

原作再現性

  • ライダーマン・シャドームーン・ギルスも登場はするが、イベントムービーでの登場のみで操作は出来ず、声も代役である*7
    • 既に山口暁氏が故人のライダーマン*8はもとよりシャドームーンやギルスも別人の声*9
    • ただし、本作でブラック将軍と兼任しているまだ桐生ちゃんを演じる前の黒田崇矢氏のシャドームーンは本編の情緒不安定気味なシャドームーンより風格のあるクールなライバルキャラとして登場しており、「これはこれでカッコいい」という意見も。
    • てらそま氏が再びシャドームーンを演じるようになったのは本ゲームの発売より5年後、電王のキンタロスを経てゲーム作品や春映画でなどから。
    • 戦闘シーンは無いながらも重要人物であるライダーマンの代役を好演した滝下毅はその後各種ゲームで仮面ライダーカブトの代役を担当するなどライダー作品の縁が続くが、残念ながら2013年に37歳の若さで死去*10。オリジナルの結城丈二を演じた山口暁氏の41歳よりさらに若い享年となってしまった。
    • ちなみに、『仮面ライダー』のもう1人の主人公でありパートナー勢では唯一のプレイアブルになった2号こと一文字隼人の声は原作の俳優である佐々木剛氏であるが、年齢や過去の喉の怪我もあり、当時とは印象の違う声になっている。
      • この時点での最後のアフレコが「10号誕生〜」なので約20年ぶりのアフレコという計算になる。後の40周年映画で声の出演をした際は「まるで若い頃のようだ」と言われるほど声が戻っていたため、たまたまその時だけ感覚が戻らなかったのかもしれない。ただし徐々に勘を取り戻していったのか、最後の出番となるドクガンダー戦などではかなり往年の状態に近づいている。
  • 登場する敵はショッカー・ゲルショッカーに属する怪人・幹部(つまり初代『仮面ライダー』に登場する怪人)のみ。デストロンとゴルゴムは全く登場しない。V3は原典の要素は登場しないがキーパーソンである「田所博士」が、BLACKは「キングストーン」が、アギトは「光の力」「闇の力」がストーリーの根幹に関わっている。
    • 設定上、ショッカーとゲルショッカーに所属していた田所博士の研究成果と記憶を元に黒幕が再生させているという設定なので、作劇上の理屈はつけられている。
      • また特にデストロンの機械合成怪人は、本作ラスボスの目的と合致しない存在である。
    • ゴルゴム怪人やアンノウンは喋らない個体が多く、劇中での会話劇が成立しないという事情も考えられる。時にライダーを煽り、時に余計な秘密を喋ってくれるマイクパフォーマンスは初代怪人ならでは。
    • アギトのアンノウンは設定上出すのは難しい*11だろうと言われているので仕方がない面もある*12
    • 開発時の平成ライダーで物語が完結まで描かれれたいたのは『アギト』であったので*13、そういみ意味で「最新作」なのだと思われる。
    • かといっているだけ参戦という訳でもなく、アギトの作品特有のある要素が、4時代の仮面ライダーを同じ力の戦士として結びつけている側面もある。
    • その代わり「夢のオールスター」というサービスはシナリオ上で存分に行われており、本編で対面を果たしていない本郷とゾル大佐の初遭遇、V3本編で再生された経緯を踏まえて風見と面識がある死神博士、「BLACK」対決で対抗意識を燃やすブラック将軍、「2人の仮面ライダーによる海底基地破壊」に激怒する地獄大使など、本編を知っているとニヤリとできる場面が目白押し。
    • シナリオの立て付け上、本編で2号と交戦したゾル大佐=黄金狼男は本作では1号との対決がメインとなる。これは夢の対決という面を優先した他、シナリオ上で本郷の頭脳で場面進行をする事が多く主人公の取り回しが効かないためと思われる*14
    • 1972年(初代)のみ周回プレイ時に新1号を旧1号(厳密には桜島1号)に変更してプレイできる*15(時系列的には1972年1月の桜島での戦いの直後*16)。
    • シナリオ中のアイテムや台詞を両方のパターンで「1972年」で使いまわせるようにする都合や、当時本編で交戦中の死神博士や面識の無い地獄大使と遭遇すると会話劇が面倒なことになるので、新旧どちらのパターンでも同じ台詞で進行できるゾル大佐にしたのだと思われる*17
  • 平成ライダーの『アギト』は本来他の仮面ライダーの世界観とは繋がらないが、本作内の世界観では昭和仮面ライダーの世界観と地続きの未来という設定になっている*18
    • 本作の攻略本の年表では、元々世界観が繋がっている昭和ライダーに加え、『真』『ZO』『J』のネオライダー3作、そして『クウガ』と『アギト』も同一世界に位置するものとして設定されている。
    • この攻略本内の年表のゲーム本編のように細かい時代設定に整合性を持たせるように配慮しており、大まかな出来事は放映年月日に準拠しながらもゲルショッカー壊滅が1月、デストロン出現が2月でタイムラグがあったり、「RX」は「BLACK」の半年後であるという劇中の台詞を反映し、クライシス帝国との戦いが「1989年3月〜1990年2月」となっていたりする。
    • 少なくとも、テレビ本編の『アギト』は『クウガ』とよく似た事件が起こった2年後のパラレルワールドと設定されており、時系列に矛盾がある(『クウガ』本編終了が2001年1月、『アギト』本編で『クウガ』と同様の事件が収束したのが1999年1月)ため同一世界ではない設定だった。
      • 本作の『アギト』は「2004年1月終了」という設定で『アギト』本編とは2年のズレがあるため、初期設定を採用しつつ『クウガ』から地続きとなった『アギト』となっている*19

本作最強の敵=バイク面の障害物

  • 本作で最凶最悪といえるのが、第3・5章に登場するバイク面。何が問題かというと、バイクの耐久性でとにかく脆いのだ。
    • 最初の敵バイクとの戦闘シーンでは、敵よりも障害物のダメージで壊れる確率が高い。しかもこのパートは、バイクで走っているライダーを真っ正面から見た画面構成のため、障害物が反射神経テストの様に出てくる。故に非常に避けにくい。
      • 意地の悪いことに障害物は複数並んで配置されている為、最初の1つにぶつかると連続でダメージを食らってしまう。
    • 一応3章のバイク面は(当然慣れがいるものの)急加速・減速、ウィリーを上手く使えば最高ランククリアもさほど難しくない*20のだが、問題は5章。5章の地雷地帯パートは逆にライダーを背後から見た画面構成なのだが、今度はライダー自身の姿が邪魔になって地雷のある場所が判別しにくい。
      • いずれも「特撮映像作品であれば」非常に臨場感のある視点なのだが、実際のゲームプレイのことを考えて視点設定したとは思えない出来となってしまっている。
    • 最後の赤戦闘員を倒すパートに至っては絶対にテストプレイされていないとしか思えないほど。まったく小回りが利かないバイクで岩場を延々回転しながら、逃げる戦闘員を追い続けなければならない*21

バトルモード

  • ゲーム本編をクリアすると、好きなライダーを選んで怪人と戦闘できるモードが追加される。しかし本編中で実際に倒し、なおかつ「怪人ファイル」というアイテムを入手した怪人としか戦えない。
    • 怪人の中には二者択一でしか登場しない者もおり、しかもその分岐条件が気付きにくいものばかり。特にアルマジロングと蜘蛛男の分岐条件は自力で気づくことは不可能に近い*22
    • また幹部怪人とラスボスのファイルは、本編をクリアした際の総合評価ランクが高くないと入手できない*23*24。その為には上記のイカれたバイク面も高ランクでクリアしなければならない*25
    • 苦労して入手できたとしても2P対戦はできない。2周目以降の怪人対策には大いに役に立つモードではあるが…。

評価点

  • 1号(本郷猛)・2号(一文字隼人)・V3(風見志郎)・BLACK(南光太郎)・アギト(津上翔一)の声全員が当時の俳優。藤岡氏、宮内氏はPSの『仮面ライダーV3』で久々に1号、V3を演じていたものの『仮面ライダー』『V3』『BLACK』の本放送からの年数を考えれば、当時の俳優が声を当てたことが正に奇跡。
    • イベントのみならず、ロード・セーブ画面などでも喋る。ファン感涙。
      • 特に本郷猛役の藤岡氏の気合の入りっぷりは『仮面ライダーV3』での1号と同様、すごいものがある。一部の必殺技のシャウトに関しては気合いが入りすぎており本編当時とやや乖離しているため「セガサターンの使者」などと一部で揶揄される。
    • 毎年のように過去作クロスオーバーをするようになった『ディケイド』以降の時代と異なり、本作当時のライダーを始めとする東映特撮は過去作と現行作、昭和シリーズと平成シリーズがオフィシャルで絡むことはほとんどなかった。
    • 当時はまだ元号で分ける概念がなく、3つの世代、4つの時代の作品がオリジナルキャストで同時に登場する本作は、当時としてはまさに「夢の競演」だったのである
  • 必殺技は往年のライダーファンには感動の出来。V3の空転の手つき、BLACKの必殺技のときの癖やバイタルチャージといった細かい部分まで見事に再現している。
    • モーションキャプチャーは『ZX』までのアクションを担当した大野剣友会というのも高評価。
    • また、1号の「電光ライダーキック」は当時は藤岡氏の怪我で代役*26が声を当てていたため、史上初めて藤岡氏の声の「電光ライダーキック」が使用された。
  • 人間形態時のCGモデルも(当時としては)特徴を捉え非常に良く出来ている。
    • ゲーム内のムービーは一部を除いて*27変身しているか否かがきちんと反映される。第1章のアギトがセミミンガに「この時代にも仮面ライダーがいるのか!?」と驚かれるムービーでは、人間形態だとムービー内で変身する念の入れよう。
    • ヨロイ元帥編で1月の冬なのに夏場の青シャツ白チョッキの風見、シャドームーン復活後なのに本編初期のグレーのジャケットの光太郎など、時代設定との整合性が取れない時代もあるが、これは各キャラクターの印象的な服装を優先したということだろう。
  • 怪人は特徴を捉えながらも全体的に着ぐるみでは表現することのできない生物的なアレンジが加えられており、質感もモチーフ元の生物を彷彿とさせるものになっている
    • 中でも黄金狼男とイカデビルは大きなアレンジが加えられている。黄金狼男は着ぐるみの金色のパーツが完全な狼の体毛となっており、非常に狼らしくかっこいいアレンジが加えられている*28。イカデビルはイカらしい半透明のボディとなっており、死神博士の怪人態ということを意識してか原典よりも細身になっている*29
  • 怪人の声優は代役も多いが、出来る限り原作の声優を使っている。
    • ショッカー三幹部の演者は既に故人である*30ので当然代役だが、ブラック将軍は丹羽又三郎氏が今もご健在であるのにもかかわらず代役である。これは当時芸能活動から遠ざかっていた丹羽氏の消息が掴めなかったためであると思われる。
  • 後年のゲームではほとんど再現されていないSE(効果音)も、それぞれ本編中と同じものが使用されている。打撃音すらそれぞれで異なるという拘り様。
  • セミミンガの槐柳二氏、ザンジオーやドクガンダーの辻村真人氏など、重要な場面で長い台詞を喋る怪人は極力本編当時と同じ声の怪人に担当させるなど、細かい部分も行き届いている。
  • 別々の時代にいるライダーたちが次第にクロスオーバーしていくストーリーに関しては非常に評価が高い。
    • それぞれの時代にいるライダー達が、同じ研究施設において活躍する。施設の通信機を使用しての時代を越えた会話はファンの心をくすぐる。
    • 本来の時間ではまだ改造人間ではない風見がV3になっていると知って驚く本郷(1号)や、登場した怪人を「ゴルゴム怪人」だと思い込む光太郎(BLACK)、仮面ライダー=アギトの力を持つ者と考える(アギト)など、細かい部分でも各ライダーの設定を上手く利用している。
    • ラスボス戦で時空を超えた4人のライダーが勢ぞろいし、アギトの「光の力」を正義の戦士=仮面ライダーに宿る力としてエネルギーを結集するシーンは正に必見。
    • クロスオーバー以外でも本編のショッカーライダー 編を再現した1号、2号の同時変身からライダーダブルキックまでの流れは素晴らしいの一言。サボテンを蹴り返す一文字隼人など、細かい部分まで本編の小ネタを踏襲している。
  • ゲームオリジナルのBGMに加え、原作のBGMがふんだんに使われている。主題歌はもちろん、劇中の挿入歌などのインスト版もしっかりと収録されており、それらをバックに怪人と対決するという原作さながらの雰囲気で戦闘に臨める。
  • ゲームの雰囲気を盛り上げる『バイオハザード』シリーズ要素
    • 上述の通り、システム面では不評な『バイオハザード』要素だが、闇に閉ざされた発電所やショッカー基地を探索し、どこからともなく襲い掛かってくる戦闘員や怪人を倒していく、という点は『バイオハザード』シリーズと同様、プレイ中の緊迫感を高めてくれる。不安を煽るようなおどろおどろしいBGMもステージの雰囲気に非常にマッチしている。
    • 『バイオハザード』シリーズでは定番のファイルも多く存在。さすがに「かゆい うま」のようなインパクトの大きい物は無いものの、攻略のヒントとなる物や事件の根幹に関わる怪しげな内容の物があり、読んでいるだけで緊張感が高まる。
      • ストーリーの根幹にかかわる田所博士に関連する複数のファイルは「年月の経過」という要素が巧みに使われており、彼が研究を進める中で徐々にラスボスの力に魅入られて狂気に陥っていく様が生々しく描かれている。
  • 中江真司氏によるナレーション
    • 『仮面ライダー』から『ZX』までを担当した中江真司氏本人によるナレーションが収録されている。本作は氏が仮面ライダーシリーズのナレーションを担当した最後の作品となった*31

総評

一言で表すと「ストレスゲー」である。ちなみに難易度はノーマルとハードのみでイージーは無いため、上記に対しての救済措置は存在しない。
ハードでも難易度そのものがノーマルとあまり変わらない*32*33ことや、バイクの難易度はノーマルと全く変わらないのはある意味救いか…。
また、ゲームクリア時の最高ランクはハードでなければ獲得できない(ノーマルでは本来のランクより1ランク低い結果になる)。

ストーリーに関しては非常に評価が高いが、それ以外の上記の要素のせいでクソゲー扱いに。
せめて切り替えのときのロードを無くせばまだマシな出来になったはずだった、非常に惜しいゲームである。
肝心のゲーム部分はかなり難ありだが、シナリオやグラフィック等ゲーム以外の部分の出来は非常に良いため、仮面ライダーファンなら押さえて置いて絶対に損はない1本と言えるだろう。

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最終更新:2024年04月19日 06:18

*1 本作では番組本編準拠の時系列ではなく、初期設定に準じた「アギトは4号(クウガ)が0号を倒してから地続きの2年後」という設定を採用し、アギト本編が2003年1月〜2004年1月という設定になっている。ゆえにその3ヶ月後(エピローグの9ヶ月前)に相当する

*2 キャビアが担当したのは『ガンサバイバー4』や『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』と言ったスピンオフ作品が挙げられる。

*3 ヒルカメレオン、ミミズ男、蜘蛛男などは普通に戦えば非常に手強いが、この戦法で戦えばかなり楽に倒せるようになる。

*4 時代が進むにつれ建物が経年劣化・改装されるなど、昔の時代あった建物が未来になると立て壊されているなど時代毎の変化はある。

*5 そもそもそういうゲーム性なので仕方ない部分はあるのだが。

*6 ムービーでも5章開始前のザッピングシステムの説明で登場する。

*7 プレイアブルとNPCキャラでオリキャスか否かを区切っているとも考えられる。

*8 ゲーム中に氏のスチル特写を元にした写真は登場する。

*9 出番自体はそんなに多くない上にNPCなので、予算面やスケジュール面の問題とも考えられる。ちなみにゲーム中の声はそれぞれブラック将軍とゾル大佐の声優の兼ね役。

*10 事故による転落死とみられている。

*11 ネタバレになるが、悪の親玉的立ち位置である「エルロード」という上級アンノウンは宇宙を作った神直属の配下であり、一介の宇宙人であるショッカー首領やせいぜい地球の中でしか神を名乗れない創世王に従うとは到底思えない存在である。

*12 後年の『仮面ライダーディケイド』以降は単なる悪の怪人として登場している。

*13 ソフト発売時点では『555』が放映されているが、開発時期なども考えれば一年は遡ると思われる。

*14 その代わりに救援に駆けつけた2号に対し「おのれ一文字隼人!」と激怒するゾル大佐のシーンなどは存在する。

*15 当然ながら新2号も旧2号に変更されている。

*16 冒頭のナレーションの時代設定もちゃんと変更されている。またこれでは設定上、九州からスイスへ帰る途上で都内近郊と思われる発電所の事件を一文字より早く本郷が察知してしまうため、実際には1972年3月の誤りではないかという仮説も存在する。

*17 前述の通り、ゾル大佐は原作で唯一本郷との接点が無い大幹部なので一種のファンサービスという面もあるだろう。

*18 というよりは発売当時ライダーを元号で分ける慣習がないので、それらに関わりなく各世代の主要4作品を繋げたという感覚である。

*19 年表では2000年〜2001年がクウガ、2003〜2004年がアギト、「あかつき号」事件は2002年9月となっている。この場合『アギト』エピローグの1年後、レストランアギトは2005年1月になると思われる。

*20 3章はこれらのテクニックを知らなくてもクリアすることは難しくないが、5章では高ランクどころかクリアするだけでもほぼ必須となる。

*21 一応、赤戦闘員は最初の3体は1体目から逃さず倒せれば出現位置が完全に固定される。4体目以降の赤戦闘員も出現位置はある程度決まっているので、マップと赤戦闘員の出現位置、プレイヤーのスタート位置、障害物となる岩の位置をノートなどにメモしておいてそれを参考にすれば、それでも難しくはあれど大幅に攻略が楽になるだろう。また、このステージは左スティックよりも方向キーで操作した方がある程度だが小回りが利くようになる。

*22 アルマジロングと蜘蛛男は5章で2号が立ち入った部屋・入らなかった部屋によって分岐するが、それ以外の二者択一で登場する怪人は1~3章での行動で分岐する。

*23 E~Sまでランクがあり、幹部怪人はE~B(Eから順に黄金狼男、ガラガランダ、イカデビル、ヒルカメレオン)、ラスボス第一形態はA、第二形態はSといった具合に割り当てられている。

*24 唯一の例外として黄金狼男だけは他の幹部怪人と違って最低ランクでも入手できるので、1周目をクリアすれば無条件で手に入る。

*25 ちなみに、ザンジオーとサボテグロンのファイルの入手は3章と5章のバイク面をそれぞれBランク以上でクリアする必要がある。前者はともかく、後者はかなり難易度が高い。もっとも、サボテグロンはゲーム中で戦うことのない怪人なので変身前の大幹部やヒルカメレオン転生体と同様に対戦はできないが。

*26 『幽遊白書』の仙水忍や『クレヨンしんちゃん』の園長先生で知られる声優の納谷六郎氏。

*27 例えば第5章冒頭のライダー達が時空を超えた通信機で会話をするムービーはそれまでの章を全員人間形態でクリアしていても変身後の姿になる。

*28 大幹部の変身シーンは4人とも原作で言うところの地獄大使の変身ポーズで、ゾル大佐のステッキを用いた印象的な変身シーンは再現されいない。死神博士は背後からのアングルでマントっぽさを出すように工夫している。

*29 こちらは原典と同様に死神博士がマントで頭を覆って変身している。

*30 このうち、死神博士は演者である天本英世氏が亡くなったのは本作の発売から僅か8ヶ月前であるので代役になった理由は宮口二郎氏(ゾル大佐)や潮健児氏(地獄大使)と同様に天本氏が鬼籍に入ったことによるものなのか、天本氏本人の事情によるものだったのかは不明。

*31 シナリオ性のある作品ではという意味で、厳密には最後の収録作品はパチンコの「ショッカー全滅大作戦」である。

*32 変化している点は「ライダーのHPがノーマルの3分の2に減少」「変身前のライダーエネルギーのチャージ速度の減少」「必殺技のチャージ速度の減少」「怪人のHPがノーマルの1.25倍に増加」の4点。一見、大きく難易度が上がっているかのように見えるが敵のAI、敵や回復アイテムの配置、トラップの位置などに変化は全く無いのである程度ゲームに慣れていれば難易度の変化そのものはあまり感じない。

*33 バトルモードは1周目をクリアした時の難易度に関わらずノーマルモード仕様となる。1周目をハードでクリアしてバトルモードをやればプレイヤーの腕次第では逆にストレス発散になるので、腕に自信のあるプレイヤーはやってみる価値有。