無敵王トライゼノン
【むてきおうとらいぜのん】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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マーベラスエンターテイメント
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発売日
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2001年3月15日
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定価
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5,800円(税別)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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低評価アニメからの低品質ゲーム 悪い意味でLDゲー譲りの内容 クソの金太郎飴状態
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概要
同名ロボットアニメ作品のキャラゲー。アニメ版は2000年10月から翌2001年3月までの放映であり、本ソフトはアニメ版終盤と同時期の発売となった。
オリジナルストーリーのアニメ2話が収録されており、アニメが流れている最中にボタンを入力してゲージを保つというLDゲームのような内容。
タイミングよくボタンを押す以外に、連打や一定時間押し続けるといったものもある。
途中、いくつかのミニゲームをプレイすることになる。ミニゲームの成績に応じてゲージが回復する。セーブはミニゲームの後に行える。
本編をクリアするとミニゲームを遊べるモードが解禁される。
収録ミニゲーム
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ダンシング暁!
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踊っている3人のキャラクターの頭上にボタンとタイマーが表示される。タイマーが0になる前に方向キーでスポットライトを移動させ、ボタンを入力していく。
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艦長命令! 食料調達ゲーム
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簡易魚釣り。タイミングよくボタンを押し、ボタン連打することで釣り上げることが出来る。
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ピコピコアタック!!
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熱血! 燃えるコブシでまきを割る!!
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まきが倒れる前にタイミングよくボタンを押すと薪を割り、方向キーでキャラクターを移動させてキャッチする。
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15パズル
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クリア後に出現するミニゲームその1。劇中から抜き出したいくつかの絵柄からパズルを遊べる。
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戦闘シミュレーター
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クリア後に出現するミニゲームその2。トライゼノンを操作し、パンチや指ミサイル、必殺技を駆使して次々出現する敵と戦っていく見下ろし視点の3Dアクションとなっている。ザコを30体倒すと出現するボスを倒せばクリア…なのだが。
問題点
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ボタン入力のタイミングがかなりシビア。また、入力前に警告音が鳴るのも合わせてアニメ本編にまったくと言っていいほど集中できない。クリア後アニメのみを鑑賞するモードもない。
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一応、ボタンの順番は決まっているため憶えればクリア可能。
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ミニゲームの内容も単調なものばかりであり、すぐに飽きてしまう。
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「戦闘シミュレーター」について。
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グラフィックはお世辞にも良いとは言えない。ロボットは生ポリゴンで形状も違和感があり、背景は黒い背景に「闘魂」「熱血」「冷静沈着」などの文字が浮かぶだけ。
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ボスキャラはザコを巨大化しただけ。せめてライバルメカのゼノンノーヴァとか…
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ザコの攻撃が激しすぎてクリア困難。一度に出現する数は3体だが、1体1体が連続で弾を撃ってくる。ダメージは微量だが無敵時間がないのでライフがどんどん減っていく。
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一方、こちらの攻撃も、パンチからの3連コンボは途中で敵が横に逸れていくため当てるのが非常に困難。
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遠距離攻撃である指ミサイル、ブーメランは両方とも使用中は移動できなくなるうえ射程も短く、ダメージはきっちり受ける。はっきり言って罠。
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ゲージを溜めて発動するパワーアップも技が変化するだけ。一応「トライサイクロン」なら一撃で倒すことも可能だが、パンチ同様はずれる場合がある。そしてダメージは通常通り受ける。
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一応、回復アイテムがあるものの、出現時間が非常に短く回復量も微量。出る確率も低い。存在する意味があるのか。
評価点
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アニメ部分は原作のスタッフが製作しているため、原作と変わらないクオリティ。もっとも、圧縮の関係でブロックノイズだらけだが。
総評
基本的にはキャラゲー=クソゲーを体現しているタイトルの1つといって差し支えない。
他のキャラゲーとの最大の違いは、原作の評価にある。ゲームシステムが多少悪くても原作の評価が高ければファンアイテムになる可能性があるのだが、残念ながら本作は下述のように原作アニメの評判が芳しくない。
駄作アニメから生まれた駄作ゲーとしては、他には『魔人探偵脳噛ネウロ』があるが、こちらは原作漫画の評価は高い。
おまけに収録されている話はTVシリーズのDVDに高画質版が収録されているので、仮にファンであったとしてもこのゲームを買う価値は皆無といえよう。
余談
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初回版(次回出荷があったのかは不明)にはドラマCDが付属した。内容は主役3人がキャラクターを紹介するだけ。オリジナルストーリーなどは一切収録されていない。
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ゲームボーイカラーでもゲームが出ており、こちらは劣化スパロボ風のシミュレーションRPG。内容はお察しください。
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こちらにもドラマCDが付属したが、内容は上記CDで紹介されなかったキャラを紹介するだけ。
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そもそも『無敵王トライゼノン』シリーズは、ヒット作『スレイヤーズ』の後継ポジションを担う作品として、富士見書房・キングレコードなどによる大規模なメディアミックスプロジェクトが組まれており、ノベライズ版4シリーズ・コミカライズ版2シリーズ・(本ソフトを含む)ゲーム版2作品と多大なリソースが注ぎ込まれることとなった。
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アニメ版は後にブレイクする福山潤氏の初主演作である。その他のキャストもスレイヤーズの主演声優だった林原めぐみ氏をはじめ、真田アサミ氏、椎名へきる氏と声優陣はやたら豪華であった。
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しかし、プロジェクト基幹たるアニメ版は
予想通り劣悪な作画(と、ひたすら空回りするギャグ要素)などにより多くのアニメファンに「クソアニメ」の烙印を押され、不評のまま22話で終了。ノベライズ展開も中途での打ち切りを余儀なくされるほどの大失敗であった。
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と言うのも、アニメ制作のイージーフィルムは、直前にスレイヤーズの作者の二作目である『ロストユニバース』内の「ヤシガニ屠る」で現在に至るまで語り継がれている作画崩壊騒動を起こしており、悪い意味で伝説になっていた。
最終更新:2023年06月04日 20:26