スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望
【すーぱーひーろーさくせん だいだるのやぼう】
ジャンル
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特撮ヒーローRPG
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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バンプレスト
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開発元
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日本メディアプログラミング(JAMP)
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発売日
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2000年11月22日
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定価
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7,140円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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シナリオ・システムの全面的な見直し しかし質そのものには大差なし ゲームとしてはより擁護が困難なレベルに クロスオーバー要素も薄まった
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コンパチヒーローシリーズリンク
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「トイヤッ!」「いくらゲームがしたくても、」「学校・会社は休むなよ」
概要
様々な番組の特撮ヒーローがコラボレーションするRPG『スーパーヒーロー作戦』の2作目。
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参戦作品一覧
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ウルトラシリーズ
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ウルトラマン
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ウルトラセブン
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帰ってきたウルトラマン
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ウルトラマンガイア
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仮面ライダーシリーズ
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仮面ライダー
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仮面ライダーV3
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仮面ライダーBLACK
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仮面ライダーBLACK RX
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宇宙刑事シリーズ
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宇宙刑事ギャバン
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宇宙刑事シャリバン
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宇宙刑事シャイダー
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その他
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人造人間キカイダー
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キカイダー01
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イナズマン
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快傑ズバット
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星雲仮面マシンマン
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純粋に実写特撮作品のみに絞り、ガンダムを排除。また、バンプレストオリジナルのキャラクターも登場しなくなった。
また、『ウルトラマンA』以降のウルトラシリーズと、『超人機メタルダー』が除外されたが、『仮面ライダー』シリーズや『イナズマン』、そして知る人ぞ知る『星雲仮面マシンマン』が新たに参戦した。
最新の参戦作品は、発売前年まで放送されていた『ウルトラマンガイア』である。
前作からの変更点
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前作はシナリオの節目が分かりづらかったが、今作では一部のシナリオの節目に原作準拠のエンディング・ミュージックが流れるようになり、オチが分かりやすくなった。
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『仮面ライダー』と『ウルトラマンガイア』に関しては、初期と後期のEDの両方がBGMに採用されている。
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サウンドテストとムービー鑑賞モード、カード鑑賞モードを実装。
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本編ではなかなか聞くことのできない曲も、サウンドテストのおかげでじっくり聞ける。
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トレーディングカードのシステムも簡略化され、オリジナルCGを手軽に見られるようになった。取りこぼしたカードを再び拾いに行けるような救済措置も徹底されており、カードをコンプリートする難易度も前作に比べ大幅に下がった。
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BGMの大半は前作からの流用だが、新規作曲分は非常に気合が入っている。
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原曲に忠実な『ウルトラマンガイア!』、原曲の形を維持したままゲームの戦闘曲らしいアレンジがされた『レッツゴー!! ライダーキック』、間奏までしっかり再現されている『星雲仮面マシンマン』など、新規参戦作の主題歌はいずれも必聴物。
問題点
シナリオ面
…が、プレイヤーから特に熱望され、スタッフも相当慎重に取り組んだはずのシナリオが、本作における最大の問題点となった。このゲームの取扱説明書には、「あらゆる作品の世界観をミックスし、誰もが納得のいくシナリオに仕上がっています」と書かれているのだが…。
詳細は追って説明する。
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ストーリーは、「ウルトラマンガイアの章」→「仮面ライダーの章」→「キカイダーの章」の順に進む、いわゆるオムニバス形式をとっているが、それぞれの舞台の時間軸や地域は大きく異なり、基本的な関連性はない。
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その3つの章が終わってから、ようやく全てのヒーローが集結し、ラスボスに立ち向かう「帝国決戦の章」に突入する。
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まず、最初に始まる「ウルトラマンガイアの章」は、ウルトラマンガイア(以下「ガイア」)こと高山我夢を主人公とし、怪獣がらみのクエストを攻略していく。なお、取扱説明書でのストーリー紹介には、ウルトラマンガイアのこと以外何も書かれていない。
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基本的にガイアのみで怪獣と戦うため、仲間を集めてパーティーを編成することはほとんどない。一応、ウルトラマンアグルや宇宙刑事たちが仲間に加わることもあるが、あくまでスポット参戦でしかない。
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パーティーへの加入期間が長いギャバンですら、「ダイダル兵の足止めをする」という名目で破滅天使ゾグとの最終決戦には参加せず、あくまでも『ガイア』に登場したユニットのみで『ガイア』のボスキャラと戦うという、コラボゲーとしては面白みに欠ける展開となった。
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シナリオ内容もほとんどが『ガイア』の話。原作の再現度はかなり高いのだが、コラボRPG『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』ではなく、RPG版『ウルトラマンガイア』をやっているような錯覚になる。
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宇宙刑事シリーズの敵組織が『ガイア』の怪獣・マシンを利用するシナリオや、宇宙刑事個人に焦点をおいたオリジナルシナリオが展開されることもあるが、『ガイア』の本筋である根源的破滅招来体にはさして影響しない。根源的破滅招来体の力はゲーム後半にオリジナル勢力「真帝国ダイダル」によって悪用される展開となっているためか、宇宙犯罪者たちは根源的破滅招来体には一切手を出さない。
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ちなみに、これらの宇宙刑事シリーズのキャラクター(一条寺烈など)は、前作のような強引なキャラ付けこそなされていないものの、それゆえに個性に乏しく存在感に欠ける。
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ひねくれた見方をすれば、「(前作で)宇宙刑事をストーリーの根幹に絡めたら批判を受けたので、今回は脇役に留めて本筋に絡めないことにした」という風にも受け取れる。そんな消極的な路線変更をするよりも、新たな活躍のさせ方を模索した方が良くはなかったか。
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次に始まる「仮面ライダーの章」では、『仮面ライダー』(1~79話)、『仮面ライダーV3』(全話)、『仮面ライダーBLACK』(全話)の話を順々に進める。
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本章では3つの敵対勢力、ショッカー、デストロン、ゴルゴムと1つずつ戦っていく。「敵対勢力は常に1つ」というシチュによってストーリーが分かりやすいが、スパロボや前作にて「敵対勢力が複数あり、お互いに結託あるいは衝突する」というシチュに慣れたプレイヤーからすれば悪い意味で単純なストーリーでしかなく、「デストロンとゴルゴムが結託して仮面ライダーに牙を剥く」、「ヨロイ元帥と大神官ダロムが、利権をめぐって衝突する」展開を期待したプレイヤーを落胆させることとなった。
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「ガイアの章」では1本の番組を24シナリオで再現していたのに、「ライダーの章」では3つの番組を23シナリオで再現しようとしており、章全体が窮屈に感じられる。
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本章は「ガイアが活躍した1年後」という設定のもとスタートする。近未来風な前章の1年後が、昭和の日本を舞台とした本章というのは、違和感がある。
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オンラインでの銀行預金が出てくるなど、生活様式は西暦2000年代のものに近くなっている。
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のちに明らかになる「いびつな世界」のことを考えると、「ガイアの章→ライダーの章」という流れは壮大な伏線とも受け取れる。
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とはいえ、本章に、「ガイアの章」に出てきた人物・怪獣・組織はほとんど出てこない。せいぜい、吉井 玲子(ニュースキャスター)が、怪人組織が起こしたであろう怪事件を伝える報道番組に出てくるくらいのもので、仮面ライダーたちとは一向に絡まない。
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本章では、原作後半の敵・ゲルショッカーは登場せず、その役回り…ライダーと地獄大使の戦いにて暗躍し、ショッカー壊滅後に新組織として名乗りを上げるのは、デストロンとなっている。
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本作では、6人のショッカーライダーは「ゲルショッカーのエリート」ではなく、「ショッカー日本支部のエリート」として登場する。…が、彼らのシナリオ上での冷遇ぶりは、「仮面ライダーを扱ったゲーム」の中でも群を抜いている。
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本ゲームにおける、ショッカーライダー(ネタバレ)
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原作のショッカーライダー達は、「反ショッカー勢力への打撃」「大首領に関する機密保持」を複合した作戦に参加し、これらを成功させた。しかし、本ゲームでの彼らが参加した作戦は、「ライダーそっくりの外見で町ひとつを荒らし、ライダー達の信用を失墜させる」という、明らかに役不足なものである。
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…わざわざ高スペックなショッカーライダーを使わずとも、ライダーに変装した黒戦闘員で事足りるのではなかろうか。
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実際に仮面ライダーと戦うのは6人組のうち4人だけで、後の2人は、なんと捨て台詞を吐いてライダーの前から逃げ去っていく。「ショッカーライダー3人組と、2回戦う」という展開にもできただけに、 「本ゲームのシステム(4vs4)上仕方がない」という言い訳は通用しない。
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逃走したショッカーライダー2人は、デストロンのハサミジャガーによって瞬殺される。これは『仮面ライダー』第80話の「ゲルショッカー怪人ガニコウモルが、不要なショッカー戦闘員を殺戮する」というエピソードを本ゲームなりに再現したのだろう。
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しかし、「一般怪人が戦闘員を瞬殺する」「大幹部がエリート怪人を瞬殺する」ならともかく、組織が違うとはいえ「一般怪人ハサミジャガーが、エリート怪人ショッカーライダーを瞬殺する」という展開には、違和感が強すぎる。
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要するに、本ゲームのショッカーライダー達は、黒戦闘員でも事足りるような任務に駆り出され、うち2人は「名誉の戦死」や「戦術的撤退」もできず無様に逃走し、ハサミジャガーに瞬殺されたことで「一般怪人より弱い」というレッテルまで貼られたことになる。
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『BLACK』編ではBLACK初登場後にすぐビルゲニア戦、その次はシャドームーン編へと突入するが、『仮面ライダー』編のかまきり男戦、『V3』編のガマボイラー戦のような「寄り道シナリオ」を挟まないため、窮屈な印象である。
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『BLACK』が『V3』より10数年後に放映されたことから、「仮面ライダーBLACKの章」として独立させた方が、『V3』・『BLACK』両方とものびのび再現できたのではないだろうか。
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3つ目に始まるのは「キカイダーの章」。「仮面ライダーの章」と同じ時期、違う地域で繰り広げられたシナリオ。
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ナレーションによると、この章の時系列は原作通り「ダークの壊滅から3年後」となっている。逆算すると、「ガイアの章」が始まった時点は本章から2年前、ダーク壊滅から1年後、ということになる。
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ここはクロスオーバー要素を活かして、ガイアの章の時点で、1年ほど前にダークを滅ぼしたキカイダーと、ダークの残党が登場して伏線を張ることもできたはずである。
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前作で『人造人間キカイダー』にまつわるシナリオはひと通りやり尽くされているため、今回は『キカイダー01』をメインにしたシナリオ展開となっている。
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再現されているのは原作の序盤までであり、中盤以降に登場した「大犯罪組織シャドウ」は、『イナズマン』の新人類帝国に置き換えられている。ここにきてようやく、複数の作品の世界観がミックスされた。
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だが、シナリオ数は前2章よりも明らかに少ない15話である。それゆえか、『イナズマンF』のシナリオは再現されず、参戦作品一覧にもない。
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第10話から「ゴルゴムを滅ぼし、ゲルショッカーと戦う5人の仮面ライダー」が登場し、他の章とのリンクが明確になった。
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このことから「キカイダーの章」第1話→「仮面ライダーの章」第4話(キカイダー01がスポット参戦)→「仮面ライダーの章」最終話→「キカイダーの章」第10話という時系列がわかる。
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つまり、「キカイダーの章」9シナリオと、「仮面ライダーの章」23シナリオは、同じ作中での日数が流れていたことになる。
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キカイダーたちがライダーたちよりも密度の薄い日々を過ごしていたのか、ライダーたちがキカイダーたちよりも濃密な日々を過ごしていたのか、判定が難しいところである。
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前作の段階で、参戦作品について、「ウルトラマン、ガンダム、仮面ライダーは、あまりにメジャーな作品なので、3作揃うと他のヒーローにスポットが当たりづらくなる。ゆえに、ウルトラマンとガンダムを2本柱として、仮面ライダーだけあえて参戦させなかった」というスタッフの意向があった。
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このことから、「今度は3本柱でいこうとしたが、ガンダムを出せなくなったため、仕方なくキカイダーにスポットを当てた」と邪推もできる。
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帝国決戦の章にて、昭和ウルトラマンと、怪獣が出現する。これがきっかけで、各地からヒーローが集結し、拡大パーティー「ガイアセイバーズ」が結成される。
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このゲームは前作とあまりにも作風が違ううえに、あいまいな伏線しか貼られていなかったため、前作と同じ部隊名が付けられることを唐突に思ったプレイヤーも少なくないが、世界観は共有しておらず、別の世界観である。
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そして、以後は前作から続投した初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャックがパーティーの指揮を取る。つまり、ウルトラマンガイアや仮面ライダー、キカイダー01のシナリオは、単なる前フリでしかなかったのだ。
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おまけに、これらウルトラマントリオは、ゲームもかなり終盤まで差しかかっているというのに加入時のレベルが低く、わざわざレベル上げをして育ててやらなくてはいけない。
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オープニングムービーで描かれる作中世界に来る前の決戦で各作品のヒーローが集まっているのは、世界観的に何らかの事情がないとあり得ないのだが、最後まで説明なし。
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本作のラスボスの名前『帝王ダイダス』は、1990年代のスーパー戦隊シリーズ5作品が共演する短編映画『スーパー戦隊ワールド』の敵と同じ名称である。本作に戦隊が参戦していないとはいえ、名前もろ被りは避けたほうが良かったのではないか。
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『仮面ライダーBLACK RX』に関しては、南光太郎(BLACK)のレベルが一定以上に達した場合、この帝国決戦の章のどこかで覚醒するという設定で、『ヒーロー戦記』のように原作を再現したシナリオは一切ない。
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このため、RXの敵組織であるクライシス帝国に所属する怪人は一切登場していない。
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ロボライダーとバイオライダーへの2段変身も、RXへの覚醒と同時にイベントなしで追加される。
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ここまで読めばお分かりになるかと思うが、つまり、スタッフは「誰もが納得のいくシナリオ」を書くために、あらゆる作品の世界観をミックス『しない』という手段をとったのである。これでは、「看板に偽りあり」と思われても仕方がない。
システム面
改良を加えたはずのゲームシステムにも不満点は多く、前作以上にストレスを感じる場面が多い。
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戦闘のテンポが非常に悪く、前作に比べて明らかに劣化している。
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このゲームでは、通常攻撃の1発1発ですら固有の技名が付いた「ゲージ無消費の必殺技」として扱われており、普通のパンチをするだけでいちいち決め台詞を叫ぶようなキャラもいるため、1回1回の戦闘に非常に時間がかかる。
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かと思いきや、キカイダー系の通常攻撃はただの「パンチ」であり、しかもそれゆえに攻撃モーションが最もスピーディである。
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敵が全体的に弱めだった前作とは打って変わって全体的にザコキャラが打たれ強い。本来であれば中ボスクラスの敵がザコキャラとして登場することも多く、事態に拍車をかける。
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このゲームでは、パーティーキャラの平均レベルに応じてザコキャラの強さが変動していくシステムが取られている。つまり、その差は永遠に縮まらず、最後までザコ戦に労力を割かれる羽目になる。
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おまけにエンカウント率も高い。しかも、戦闘に切り替わる際の画面エフェクトでさえも前作に比べてテンポが非常に遅くなっている。
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これだけテンポが遅いにもかかわらず、あらゆる場面においてレベル上げが必須のバランス。
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メインのシナリオが終わり、パーティーから離脱したキャラは再び加入するまでレベルが低いまま取り残されることになる。また、先述のウルトラマントリオも含め、あらゆるキャラを新しい章が始まるたびに1から育てるので、ゲームを進めた気がしない。
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前章主人公が蓄積した資金やアイテムは、そのまま次期主人公に引き継がれるので、そこから「進んだ気」を見出すこともできる。…が、前章主人公が必死になって貯めたものを、無関係な次期主人公がいきなり引き継ぐというのも釈然としない。
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一応、レベル上げがしやすいように、あらゆる味方キャラと敵キャラが全部ごちゃまぜになって登場する特殊なダンジョンも用意されているが、オムニバスシナリオをうまく活かせず、不自然としか思えない状況になってしまっている。
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ダンジョンフィールド(街も含む)は同じ背景の使い回しが多く、無限ループかと勘違いする。
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前作でも同じような問題点を抱えていたのにもかかわらず、この点が改善されていないのは大問題と言える。
キャラゲー面
キャラゲーとしては前作のようなこだわりが大分薄れており、演出も劣化したものが多い。
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デモムービーや特殊な演出が前作に比べて大幅に劣化。本作における最大のガッカリ要素と言っていい。
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前作で評価されていた、原作からの引用(実写映像)によるデモムービーがなくなり、キャラクターの変身シーンはデモムービーを用いず操作キャラがその場で変身ポーズをとるだけの簡素なものになった。
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このため、快傑ズバットの「日本じゃ2番目云々…」というやり取りも前作に比べて非常に味気なくなっている。
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『ヒーロー戦記』での、まんまズバットのパロディだった風見志郎(仮面ライダーV3)の該当シーンですら、ドット絵のアニメと口笛のSEだけで完全再現していたのだから、前作はおろか、SFC時代よりも劣化していると言わざるを得ない。
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戦闘シーンにおいても、大技を使った際のカットインが前作に比べて大幅に簡略化された。
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しかも紛らわしいことに、このゲームはカットインが挿入される技が最強の必殺技だとは限らない。なので、せっかく最強技を繰り出しても地味な演出で済まされるキャラが何人かいる。
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マシンマンは仮面ライダーの章で条件を満たさないと登場しない隠しキャラ扱い。さらに帝国決戦の章で合流するためにも条件がある。
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前作でもズバットが隠しキャラになりかけていたというが、一作品を隠しとして扱うのはキャラゲーとして良い判断として受け入れられることのほうが少ないだろう。
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仮面ライダー1号と2号はなぜか最後まで旧タイプのままであり、一切強化しない。
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なお、パッケージイラストでは新サイクロン号にまたがった新1号の状態である。
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そのため、旧タイプのままショッカーライダーと戦うという、原作ファンならば違和感を覚える現象も起きている。
賛否両論点
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『ウルトラマンガイア』に登場するアイテム「パーセル」をゲームシステムに取り入れ、一部を除く敵キャラを仲間に加えて戦わせることができるようになった。洞窟系の寄り道ダンジョンではボス級の敵キャラも仲間にすることができる。
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パーティーが1人や2人の時期や、主人公のレベルが低い時期は大変にありがたいシステムである。
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その一方、「他人を操り人形にして、かつての同胞と戦わせる」というのはヒーローの行いとして背徳すぎる、という見方もある。
評価点
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特撮とアニメが共存していた前作では、登場人物の顔グラフィックは全員、アニメ風の絵柄で描かれていたが、今作では写実的な絵柄に変更された。顔グラフィックはオリジナルの俳優の特徴をよく捉えており、なかなか完成度が高い。
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顔グラフィックの量そのものも前作に比べてかなり増えており、変身前や変身後などのバリエーションも用意されている。また、主役のみならず、戦闘に参加しない脇役キャラクターの一部にもグラフィックが付くようになった。
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場所を選ばず、いつでもセーブをできるようになった。これにより、「セーブスポットの配置場所で盛り上がりどころがバレる」という前作での欠点が改善された。
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セーブ画面にはシナリオ内容にちなんだサブタイトルも付記されるようになった。文面は基本的に原作準拠である。
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アイテムショップや売り物のシステムを簡略化。売買がしやすくなった。装備品はカテゴリー別ではなく、全キャラクター共通となっている。
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また、戦闘中でも装備の付け外しが可能になった。これにより、「新しく加わった仲間が丸腰のまま初戦闘を迎える」という前作の不安点が解消された。
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ヒーローたちの必殺技に「属性」の概念を導入したことで、戦略の幅が広がった。
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原作通り、ロケットに乗って死んだはずのライダーマンは、本作では爆発する寸前にイナズマンの超能力で救われ、復帰するクロスオーバー要素がある。
総評
シナリオや戦闘システムを中心に、前作と同じ轍を踏まないように配慮した結果、前作での問題がある程度改善された。
だが、単純なRPGとしての完成度は悪化しており、特に戦闘に関しては前作のテンポの悪さがさらに劣悪化し、ゲームとしてもやりづらくなっている。
また、前作で好評だった小粋なムービー演出がほぼ消滅した点についてはガッカリとしかいいようがない。
さらに、売りにしたはずのクロスオーバー要素も退化していることから、看板倒れと言われても仕方がない一作となった。
余談
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TVCMでは宮内洋氏が演じる「仮面ライダーV3/風見志郎」と「快傑ズバット/早川健」の共演というファン待望のクロスオーバーが行われた。
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ちなみにこのTVCM、数が妙に多く全部で15種類(うち1つは大晦日限定版)もある。
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快傑ズバットだけはキカイダー編以外の章で登場し、他のヒーローより贔屓された扱いとも思える。
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ヒーローチームの名前は前作同様「ガイアセイバーズ」という名称だが、『ガイアセイバー』との直接的な関係はない。
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2011年10月にバンナムからコンパチヒーローシリーズの復活が発表され、それに伴いポータルサイトが開設。本作も前作とともにシリーズタイトルの1つに加えられることとなった。
最終更新:2024年04月20日 20:19