レリクス 暗黒要塞
【れりくす あんこくようさい】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ ディスクシステム
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発売元
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ボーステック
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発売日 ()は書換開始日
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1987年4月10日(1987年6月5日)
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定価
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4,200円(税別)
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配信
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プロジェクトEGG 2010年2月2日/617円(税8%込)
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判定
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クソゲー
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劣化ゲー
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ポイント
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劣化移植を突き抜ける出来 「おまちくた゛さい」のロード地獄 劣悪なレスポンス
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RELICSシリーズ
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概要
PC98でヒットしたアクションアドベンチャーゲーム『RELICS』の移植。主人公は「魂」で、倒した敵の体に憑依し乗り移って進む、という当時としては斬新なコンセプトを持った作品であった。
ディスクシステム移植版となる本作は、憑依システムは原作そのままだが、いくつか原作から変更された箇所がある。
それだけなら当時のパソコンからファミコンへの移植に伴うグレードダウンの常としてやむを得ない点ではあるのだが、ゲーム開始と同時にありえないぐらいのディスク読み込みによるローディングが待ち受けており、ゲームそのものの評価を下す以前の問題となってしまっている。
問題点
恐怖の「おまちくた゛さい(ローディング)」地獄。
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スタート直後、上の階層へ梯子を上っていくと「おまちくた゛さい」。
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通路でたむろする兵士の前で「おまちくた゛さい」。
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イモムシやコウモリ、ミイラなどのザコ敵の出現前に「おまちくた゛さい」。
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上下で画面切り替えのあるとき、ジャンプして「おまちくた゛さい」。そのまま落下して「おまちくた゛さい」。
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ボスの棲息エリアに突入する時も「おまちくた゛さい」。
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そして本作最大の特徴である、敵戦士の身体に乗り移る場面ではもちろん「おまちくた゛さい」。
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スタミナが0になって死亡した時ももちろん「おまちくた゛さい」。
ファミコンディスクシステムのディスクカード(クイックディスク)は、ディスクの特定個所を読み込む事(ランダムアクセス)ができないため、毎回最初から最後まで読まなければならない。
そのため、ローディングは一律8秒かかる仕様である。元々クイックディスクの比較対象は「ロードに1回10分以上かかる磁気テープ」なので、本来はこれでも十分早いのだが。
この仕様を全く考慮していないローディングの多さのため、「一画面分歩くのに最低8秒」、「梯子を上りきるのに最低8秒」、「画面スクロール時に必ず8秒」などいちいち8秒間遮られ、ゲームのテンポは最悪、というどうしようもない作品に成り果ててしまった。
また、一般的なディスクシステムのゲームは「最初に一度だけ読むデータやセーブデータがA面、ゲーム中に読むデータはB面」で、「一度ゲームを始めたらセーブするまでB面」が普通。
しかし、本作はゲーム中に必要なデータがA/Bの両面に分散しているため、ゲーム中にディスクの裏表入れ替えを頻繁に要求される。酷い時には死亡した際に入れ替えを要求されることも。
ローディング以外の問題
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ジャンプは常にためらっているようにのっそり。
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逆方向に振り向く際、上入力で上を向く動作を挟む必要がある。
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スタミナ回復アイテムは最大7~12ゲージ中、1~2ゲージしか回復しない。
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ラスボス撃破後にエンディングが始まらないバグが存在する。ラスボス奥の階段の下2段に乗ってしまうと横ジャンプが出来なくなり、後ろに戻ると何故か復活したラスボスに瞬殺されてしまう。梯子を登る時の上を向いてのジャンプ&左方向入力で対処は可能。
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また、同じくその階段の最上段手前に引っかかるように着地した場合、位置によっては1段すべり落ちてしまう。その場合、奥からヒロインが登場するがエンディングが始まらず操作可能な状態となる。ここで攻撃すると
ヒロインを撃破することが可能。
当然ゲームは終了せず詰みとなる。
評価点
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原作には無いセーブ機能。
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原作の特徴である憑依システムは表現できている。
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ゲーム中は効果音のみだった原作とは異なりBGMがある。
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原作のやや難解であったストーリーはファミコンユーザー向けにアレンジされており、原作に比べて目的がわかりやすい。
総評
当時のアクションゲームと比較しても、微妙な点がチラホラ。
そもそもレリクスはオリジナルのPC-9801版からしてロード地獄なものの、PC-9801が16bit機(加えて使用するフロッピーディスクがランダムアクセスが可能)だから何とかなっていただけであり、8bitパソコン移植版(こちらもフロッピーディスクを使用しているが)は全て散々な評価である。PC98以外の16bitパソコン移植版としてX68000版も存在するが、PC98よりも高性能であるにもかかわらずグラフィックはすべてPC98からの流用なうえに移植度も劣悪で、当時のPC雑誌にかなり酷評されていた。
それより更に低性能なディスクシステム版がこの惨状なのもむべなるかなというところである。
その後の展開
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プロジェクトEGGではディスクシステム版に忠実な移植版が配信されており、これらではロード時間やタイミングは改善している。
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また、プロジェクトEGGからダウンロード販売(要会員登録、有料)されている本作もロード時間及びディスク面入れ替えはない。
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さらに、プロジェクトEGG初のパッケージソフトとして、X68000版を除いたPC版全てと本作を収録した「RELICS ANTHOLOGY」も発売されている。
余談
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本ゲームのBGMは岩田匡治氏が作曲を担当。同氏のキャリアの中でも最初期の部類に入る。
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ボスエリアのBGMの一つが『ダンジョンキッド』の戦闘曲にメロディーが流用されて使われている。
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勁文社より本作のゲームブックが発売されていた。タイトルは『レリクス 闇からの侵略者』。
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PC版とFC版を折衷したような構成になっており、戦闘のバランスに難がありながらもストーリー構成はしっかりしており完成度は高い。
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CS番組「ゲームセンターCX」では有野課長が退院後の放送で「次は何を挑戦するか」というおまけコーナーがあり、その時に当時のADであった中山がこのゲームに対して「クソゲー・操作が悪い・紹介はしたい」と散々なコメントを残した。
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スタッフによると、当のAD中山が(次の挑戦の)候補にあげた記憶は無いのだが、勝手に次に何の挑戦をするかの表に入ってた とのこと。
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ちなみに、最終的に次の挑戦に選ばれたのがコレである。
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今となっては中山はADをやめており、このゲームにも課長は挑戦をしていない。
最終更新:2022年10月14日 15:40