ふしぎ刑事

【ふしぎでか】

ジャンル ふしぎアドベンチャー
対応機種 プレイステーション
発売元 カプコン
発売日 2000年10月26日
定価 4,800円(税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)*1
配信 ゲームアーカイブス:2007年4月26日/628円
判定 クソゲー
ポイント 宣伝と本編でのシュールさが違いすぎる
嫌なキャラクター&どうでもいいストーリー
いろんな意味で不条理


概要

「ふしぎアイランド」にて殺人事件が発生、プレイヤーは本庁から来た腕利き刑事として相棒となるしゃべる猫「ネコニャ」とともに捜査に向かうといった内容。
なにせ「ふしぎ」な場所であり変なデザインの建物や意味不明なことをしゃべる背景、住む住人も犬の「オマワリ」をはじめとして見た目も性格もくせのある奴らである。ちなみに主人公の刑事は普通の人間。
主人公はそこで住人の性格や相棒ネコニャの逆切れに振り回されながら事件を捜査していくことになる。
雑誌などの宣伝や公式サイト、ゲームのパッケージや取説の内容でも「ふしぎ」なところを前面に押し出しており、初見ではコミカルシュールギャグ系の推理アドベンチャーを思わせるが…。


あらすじ

辞令を受けた主人公はふしぎアイランドへ
しかし転任早々に白昼堂々殺人事件が発生。しかも殺されたのは再会を楽しみにしていた主人公の幼馴染のカワイコちゃん(本名)であった……

実際の内容

  • その中身は、実に不条理かつ理不尽な内容である。
    • 登場キャラは一見コミカルだが、悪い意味で人間臭さが強調されていて嫌に生臭い。
    • そして話の本筋も様々な意味で不条理。主人公(とプレイヤー)はとにかく振り回される。
  • 推理要素はこれといってない。

問題点

  • 登場人物がとにかく不快。
    • オマワリは無能ですぐ人に責任を押し付ける「かなり抜けた」なんて公式説明じゃ済まない下種、忍者は女性のパンツフェチのストーカー、ハンサムは自己中心的で性格が最悪なのだが何かともてるといった具合。
    • 共通して言える特徴は皆マイペースで自分勝手であり、聞き出しや身辺調査をすればするほど裏の事情が明らかになっていき、本来の殺人事件から脱線してしまう。
    • 相棒のネコニャは数少ない常識人(猫)ではあるのだが、やたら感情的で自分の考えに突き進むところがある。
  • シナリオ
    • そもそもの事件の原因はハンサムを巡る色恋沙汰なのだが、その巻き添えで(実質無差別殺人)登場キャラクターの大半が殺される。しかもそれは回避不能、犯人=生き残った奴方式。
    • ゲームのストーリーはそんな死んだ住人たちの霊の心残りをかなえ、成仏させていくのが主流となる。もはや推理物でも何でもない。
  • マルチエンディング方式ではあるのだが、エンディングは2つで、しかもどちらもグッドエンディングとは言えない内容。
    • 隠しエンディング(「ふしぎ刑事 永遠に…編」)もあるがこれも結局バッドエンド*2
    • もっとも、あまりにもとんでもな展開を迎えるので、もはやバッドだのグッドだのどうでもよくなるのだが。
+ エンディング

実はカワイコちゃんが真犯人。それを確信した主人公は無人の筈の彼女の自宅に踏み込みそこで彼女(とハンサム)を発見、追いつめられたカワイコちゃんは自供を始める。そして3パターンに分岐するのだが……

  • パターン1
    • 実は今までカワイコちゃんだと思っていたのは彼女を模したロボット(本人制作)。とりあえず永遠の愛を実現するためハンサムを拘束したまま自爆する。
    • ネコニャ「ロボットが感情を得て愛を知った。感動したネコ(要約)」「愛ってなんなのかわかんないネコ(要約)」チャンチャン。
    • ちなみに本物のカワイコちゃんはロボの手にかかり既に他界済。
  • パターン2
    • 実はカワイコちゃんは宇宙人。とりあえず故郷の惑星にハンサムを拉致。
    • 主人公は刑事としての自信を無くし辞職、タクシー運転手となり気楽な商売をしてる。
    • その後、主人公のもとに手紙が届く。曰く、サッカーチームができるくらい子供が生まれたらしい。チャンチャン、一応トゥルーエンド
  • パターン3
    • そっちの専門分野の団体から仮死の術を学んで今回の計画を実行した。全てはハンサムを手に入れるため。
    • 見事に邪魔をしてくれた主人公は抹殺される。あの世に逝った主人公は事件の被害者達(幽霊)から愛を持って迎えられる。
    • 晴れて、ハンサムとの愛の巣(もとい島)を築き上げたカワイコちゃんはとっても幸せ。でも主人公の墓の前でいつまでもメソメソしてるネコニャはウザイ。チャンチャン
  • 分岐前の自供内容だが、計画云々言っている割に「感情的に殺した」「突発的に殺した」「なんとなく殺した」と支離滅裂っぷりが酷い。
  • 推理アドベンチャーとしても聞き込みや捜査はその場限りのものが多く、アイテムやヒントはここで拾いここで使ってくださいといわんばかりに置いてあるので進行自体は極めて簡単である。またゲーム時間もかなり短い。
    • そのくせ犯人が最後の最後になるまで見つからない理由が、今までの捜査がほぼ意味をなさない。

評価点

  • あえて言うなら、見るだけならバカっぽいので笑える人には笑えるかもしれない。
    • ただしテキストは見ないように。恐らくいい気分はしないだろう。

総評

シュールなネタゲーではあるのだが、そのシュールさが宣伝とゲーム内容で明らかに異なるものであり、そのギャップと全体的な話の生臭さ(と、それまでのプレイに無意味さ)にテンションが下がること請け合い。
なお、現在はPS3/PSPのゲームアーカイブスで販売中。617円と安いのでシャレのつもりでプレイするのも一興か。


余談

  • 本作のプロデューサーは『バイオハザード』の三上真司氏、キャラクターデザインは『逆転裁判』の末包久美子氏である。
  • 『逆転裁判』の主人公である成歩堂龍一は、幼少期の頃『ふしぎ刑事』のイラストが描かれたTシャツを着ていた。
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  • PS
  • ADV
  • カプコン

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最終更新:2023年11月25日 15:00

*1 ゲームアーカイブス版で付与されたレーティングを記載。

*2 ちなみに条件は1回のプレイで16種類のゲームオーバーをすべて見ること。PSP版のゲームアーカイブスの企画「お楽しみセーブデータプレゼント」にて配信されたデータでも見られる。