大貝獣物語II
【だいかいじゅうものがたりつー】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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40MbitROMカートリッジ
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発売元
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ハドソン
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開発元
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エイム、ハドソン、バースデイ
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発売日
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1996年8月2日
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定価
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8,200円(税別)
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判定
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良作
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ポイント
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良く練られた戦闘、ダンジョン 良質な音楽、グラフィック、ストーリー 異常に高いエンカウント率 戦闘難易度も高い
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貝獣物語シリーズリンク
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概要
『大貝獣物語』の直接的な続編であり、『貝獣物語』から続くシリーズ本編としては最終作(外伝的な作品はこれ以降にも幾つか出ている)。
前作までの好評な要素を継承し、更には『天外魔境 ZERO』に導入されゲームの中で現実と同じ時間が流れる「パーソナルライブゲームシステム」(以下PLGS)が意欲的に搭載されており、SFC最大規模とも言える意欲作。
あらすじ
平和の戻った幻大陸シェルドラド。だがある日突然、その平穏は打ち破られた。霧の外の世界から傷ついたドラゴバードが訪れ、再び世界に脅威が迫っていることを知らせる……。
基本システム
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シリーズ中、もっともオーソドックスなRPG。
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シナリオは途中で若干の分岐を挟むものの、イベントの順序を入れ替えるだけであり実質的にほぼ一本道。
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パーティメンバーはシナリオの展開に沿って入れ替わり、自由な編成は中盤までできない。
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そのためラストダンジョンを除き、特定のイベントの為に必要となるキャラクターを鍛えなければならないという事がない。
評価点
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グラフィックが更に向上している。
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前作もグラフィックには力を入れていたが、フィールド上のアイコンが貧弱すぎてかなり印象面で損をしていた。今回は移動中のキャラサイズも大きくし、見た目を改善させている。
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細かいところにも力を入れている。街の中で鳥や虫の鳴き声がする、雪国の街では歩くと足跡が付く、港にいる魚は近付くと逃げる等上げるときりがない。
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細かく動くキャラクター、感情をフキダシで出して表す等表現は秀逸。
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戦闘中の演出ももちろん美麗。初代『貝獣物語』にあった、敵が弱ると外見が変わる演出も復活している。体力値が3桁から4桁に増え、かつ数値のばらつきも減っている。
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前作の酷かったキーレスポンスや画面切り替わりも随分と良くなっている。ただし戦闘への切り替わりだけは相変わらず遅い。
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Xボタンを押すと1発でメニューを閉じる事ができる。装備を変えた後や回復魔法使用後などにBを3~4回も押さなくて良いので地味ながら良い点。
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アクセサリーに『ゴールドバッジ』なるアイテムが追加。効果は「装備した1人に経験値を集中させる」というもので、レベル差が開いてしまった仲間のレベルアップがかなりやりやすくなっている。
本作は複数PTで攻略するダンジョンもある為、その為の救済措置ともいえるだろう。
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回復優先の仕様はもちろん継承。また、回復魔法のみ、使用後にダメージ半減(防御)になる為、回復魔法の使い手は案外死ににくい。
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ただし「まほうれんぱつ」で使用した場合は特技扱いになり、行動順はキャラクターの速さに依存することになる。さらに「まほうれんぱつ」だと消費MPが1.5倍に跳ね上がる。
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なお、敵の回復魔法に先制効果はないが、魔法使用後にダメージ半減(防御)効果は現れる。
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ハドソンのRPGのお約束どおり、BGMは良曲が多い。
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前作のバイオベースレベルの鬱要素はないが、ドギツイ表現や悲劇的なイベントは山盛り。死者も出る。
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前作で好評だったスタンプ集めや、自分の町を創るシステムは健在。更に新たな寄り道要素として、王の宝コレクション、PLGSを利用した財宝さがし等が追加されている。
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「我が町システム」に関しては、前作よりも大幅強化されている。区画を広げることが可能になり、作れる施設のバリエーションや実用性も向上された。
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スタンプ集めはスタンプの数が特定の数になった時にスタンプラリーに見せにいくとアイテムがもらえるが、プレイ時間によってもらえるアイテムが変わる。基本的に早いプレイ時間で集めて見せたほうがいいアイテムがもらえる傾向にある。
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前作にあった海底世界が無くなったり、仲間メンバーが13人から10人に減る(同様に助っ人キャラも減っている)など全体的に整備されている。
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しかし、その分仲間になるキャラクターとのめぐり会いをよりドラマチックにしたり、敵軍のストーリーを細かに表現し、敵の人間像をはっきりさせるなど、よりストーリーに重点をおいた構成になっている。前作は話の構成で魅せていたが、本作ではキャラクターの魅力で魅せている。
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探索要素の充実。
前作と同じく最強装備がやや分かりにくい所に有るといった遣り甲斐は勿論、序盤から終盤まで色々な所に優れた装備やアイテムが落ちている。
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例として序盤の難易度が高めだが、最初のボスのメガロキングの後ろの床に各種魔法を発動する宝石が落ちている。話しかける前に拾っておこう。
このボスは火弱点。次のダンジョンのボスは火・地・光弱点であり、宝石の魔法は中盤~終盤で習得する魔法なので序盤ボス戦ではそこそこ強力。
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全般的な難易度は高い。前作のバトルがあまりにも簡単で単調だった為か本作では序盤から敵がなかなか強く、ボスもやはり強いが、どちらもみっちり鍛え弱点を探すトライ&エラー型の良く練られた方向である。
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敵側の視点が物語の区切りごとに入る。
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そのおかげで次に何をしたらいいのか、敵の狙いはなにか、というのがプレイヤーにわかりやすくなっている。
賛否両論点
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複雑なダンジョン。2Dマップをフルに使った隠し通路や流砂、スイッチ等バリエーション豊富な仕掛け。
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非常に歯ごたえがある一方、アイテムをとるために何回も往復したり、隠し通路を探すために延々とさまよう羽目になることも。高いエンカウント率がストレスを増大させている。
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高低差や奥行きも非常に大きい。街もこの具合なので、場所によってはもはやだまし絵レベルになっている。オブジェクトの裏側に道がある程度は普通という状態。
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一応、隠し通路はヒントがあるレベル(岩の色が変わっている、別のマップから見える、明らかに怪しい隙間がある等)で、街中などの道はつながり的には自然なつくりになってはいる。ダンジョンなどでも異様な4次元空間にならないようには一応の工夫がされている。
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いずれにしても盲点に入ってしまった場合が非常に厄介で、延々とさまよう羽目になるケースがある。
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ポヨンの体感魔法のコンプが難しい。喰らっても必ず覚えるとは限らない上、ストーリー上1度しか戦えない敵が2体おり、取りのがすと二度と取れない。また、前述した『ゴールドバッジ』は経験値を装備者に集中させてしまうため、ポヨンに体感魔法を習得させたいならバッジをポヨンに装備させるか外しておく必要がある。
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その分、体感魔法は高性能なものが多く、ものによっては下手な攻撃魔法を凌駕する破壊力を秘めている。『カイザードライブ』『サンダーホーン』『ポイズンバブル』などは非常に強力。本作では『毒』『菌』といった属性もあり、それを弱点としているボスもいるので刺さる場面も多い。アクセサリでポヨンのMPを強化すれば鬼に金棒。
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名前こそ魔法だが、威力は全てポヨンの物理攻撃力を参照する。前衛パワーファイターの典型のようなステータスである為物理攻撃力が元々高い事もあり、また状態異常系の技も豊富に覚えるので通常攻撃よりも体感魔法を使っている頻度の方が多くなる事も。逆に、体感魔法を覚える事を知らない(劇中イベント等で体感魔法に関する説明等は特に無い。説明書にもどんな魔法を覚えるかまでは載っていないので攻略本が必須のレベル)まま進めてしまい、ただポヨヨーンを使えるだけのつまらないキャラだと思って一軍から外してしまうプレイヤーも見られた。
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この時代のRPGではお約束だが、一部の最強武器の入手方法がノーヒントで、期間限定イベントをこなさないといけないものもある。特に『ヘルキャッティー』という武器を攻略本なしで取れた人はどれだけいるのだろうか。
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パーティメンバーの構成で難易度が高い個所がある。よく上げられるのは序盤と、随所にある一人旅or二人旅。
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序盤は主人公・バブ・ポットが固定で、バルテス、ルミエラ、バルテス、ルミエラの順で組むことになる。
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ルミエラの時期は主人公はともかく、ポット・ルミエラの2名は魔法使いタイプで低レベルのうちは魔法の威力も頼りない。バブも補助・攻撃を使い分けるといった感じのキャラで打撃力が不足する。
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バルテスの時期は打撃力は大きく上昇するが、今度は回復魔法の使い手がMPの低い主人公しかいないので回復アイテムの常備が必須となる。その状態で、ちょっと長めのダンジョンを攻略しなくてはならない。
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ポットの加入は強制ではなく任意(隠しキャラのような扱い)であるため、気付かずにバブ、ルミエラと三人旅になったプレイヤーもいる。ただし、ポット自体前作でも隠しキャラであり、ヒント自体はあるため不親切というわけではない。くまなく探せばほぼ確実に見つかる。そしてマップをくまなく探すのは、当時のRPGでは攻略の基本スタンスである。
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他にも、とあるアイテムを入手までステータス異常「豚」状態のポヨンとクピクピ2人だけで戦わないといけないところや、ロボット(仲間)1人だけで戦う場所などが難所としてあげられやすい。
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実際のところ、序盤バルテスの時期は敵が回復アイテムをよく落とし、全快ポイントやセーブポイントが要所要所に設置されている。ルミエラの時期は魔法で弱点を突けばほぼ一撃の敵か極端にやわい敵ばかり。ポヨンとクピクピ2人旅はそもそも特技を使う必要がなく、ロボットは火炎放射を使えば一撃必殺が可能で店は半額。これらに限らず難所には相当細かいフォローが入っている。
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ほぼ全員が「なんでもできる」バランス調整。
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味方キャラクターの大半が、回復魔法と属性付きの広域魔法か、それに類する技を覚える万能型の魔法戦士。
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純魔法使いのクピクピとルミエラは、どちらも全ての属性の攻撃魔法と、ほとんど全ての回復・支援魔法を習得する。覚える特技に至っては完全に同じ。ただし強力な全体回復の『サンシャワー』はクピクピしか覚えない。
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「該当する能力値が低いキャラほど高い補正がもらえるメダル系装備」や、「力の代わりに魔力を使って通常攻撃できるナイフ」など、キャラの特性を引っ繰り返すような装備も多い。
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露骨な弱みが発生しにくく誰を使ってもそれなり以上に戦えるとも言えるが、各自の個性が台無しとも言える。前作で批判されがちだった、キャラ間の能力格差を是正しようとした結果とは思われる。
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パーティーを分割して同時に2ルートから攻略するダンジョンが存在するが中盤とラストの2つのみ。
細かくはもう1つ、中盤の山場の後に分断されるがこちらは期間がかなり短い。
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問題は他のキャラを使う必要に迫られない為に意識せず進めているとラストでLV差が20~30くらい有る状態で急に使わされるのである。
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いわゆるはぐれメタル的な敵ばかり出現する稼ぎ場所は用意されてるものの面倒。ラストまでにもう1か所くらい分断パートを入れるか前作のような手軽なLV上げイベントを用意できなかったのだろうか。
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クピクピは序盤加入の割に優秀で、魔法キャラ優遇の仕様と相まって本作のシステムを把握していればバランスブレイカーレベル。前作のほぼ全能力が低くて魔法習得LVも遅い有様とは大違い。
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運が高いのでラッキーが出やすい・素早さが高い為に先手で敵を倒せる・状態異常無効・全体回復や敵への全体防御ダウンなど便利な魔法。
最終更新:2023年07月15日 23:44