※本稿では、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE』(良作)及びそのPS2移植版『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE EVOLUTION』(劣化ゲー)について解説する。
【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずじーえっくす たっぐふぉーす】
ジャンル | 対戦型カードゲーム | |
対応機種 | プレイステーション・ポータブル | |
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント | |
開発元 |
コナミデジタルエンタテインメント テンキー |
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発売日 | 2006年9月14日 | |
定価 | 5,229円 | |
レーティング | CERO:A(全年齢対象) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
タッグフォースシリーズ1作目 「遊戯王=クソゲー」から脱却 収録カードが大強化 公式ルールでタッグデュエル 徹底してアニメに忠実、演出・ボイス完備 今作のみ主題歌も |
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遊☆戯☆王シリーズ |
週刊少年ジャンプで連載されていた漫画『遊☆戯☆王』に登場するカードゲームを元にした『遊☆戯☆王デュエルモンスターズオフィシャルカードゲーム(以下『OCG』)は爆発的なヒットを飛ばした。
しかし、過去の『遊☆戯☆王』のゲームは、対戦ツールはおろかゲームとしても出来の悪いものが多く見られた(実際のOCGのルールが実装されていないもの、バグや歯抜け(未収録カード)が多い、ゲームバランス最悪…etc)。
特にGBCで発売され、歴代最高の売り上げを記録した『遊戯王デュエルモンスターズ4』は、システム・ゲームバランス・商法とあらゆる面でタチが悪い代物であった。
そのため「遊戯王ゲー=クソ」という風潮ができ、続編の売上が大幅低下する原因にもなり、付属カード目的のみで買う人もいることから「5,000円のカードを買ったらゲームがおまけに付いてきた」などの皮肉まで生まれることとなった。
このような風潮は本作『タッグフォース』(以下TF1)にも影響を与えることとなり、発売当時ではあまり市場が盛り上がっていなかったPSPで出たことと、付属カードの能力もいまひとつだったことからカード目的で買う人にもそっぽを向かれ、発売まで空気同然の状態であった。しかし発売後、良い意味で期待を裏切ることとなった。
シリーズ処女作だけにかなりの問題はあるものの、それまでの遊戯王OCGを題材としたゲームと比べると非常に良い出来に仕上がっており、「遊戯王ゲーム=クソゲー」を根本的に覆した革命的な作品だと言える。アニメのキャラゲーとTCGが超融合を果たした良シリーズの第一歩としてはかなりの出来である。
本作における問題点の多くは後のシリーズで改善されていき、単なるデュエルシミュレーションツールに留まらずキャラゲーとしても一級品の長寿作となっていくことになる。
一方でAIはまだまだこれからで雛形のものが搭載されている状態。パートナーの思考がデッキと噛み合わず酷い場合、こちらがアシストに回る形でプレイングせざるをえないのが難点。こちらに関しては以降のシリーズでも(というか遊戯王のゲーム作品に全般において)長らくの課題となっており、複雑な思考を必要とするカードゲームのプレイングをAIに落とし込む難しさを痛感させられる。
【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずじーえっくす たっぐふぉーすえう゛ぉりゅーしょん】
ジャンル | 対戦型カードゲーム | [429] Client error: `POST https://webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response: {"__type":"com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException","Errors":[{"Code":"TooManyRequests","Message":"The request was de (truncated...) |
対応機種 | プレイステーション2 | |
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント | |
発売日 | 2007年12月6日 | |
価格 | 6,980円(税別) | |
判定 | 劣化ゲー | |
ポイント |
携帯機から据え置き機への劣化移植という珍品 ボイス撤廃、処理落ち増と踏んだり蹴ったり カード追加も手抜きで、バランス崩壊の原因にも 劣化点の告知は一切なし |
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遊☆戯☆王 関連作品リンク |
上記、PSPソフト『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE』のPS2移植作である。
PS2でこれ以前に2作発売された遊戯王ゲームはOCGとはルールの全く異なる別のゲームで、本作がPS2で初のOCGルールに対応した遊戯王のカードゲームソフトであった。
ディスク容量が多く、処理性能もおおむね上回る据え置き機への移植ということで、新規カードや演出・システム面など、様々な強化が期待されていた。
また、当時は『モンスターハンターポータブル 2nd G』による空前のモンハンブームが起こる前で、PSPの普及率はそこまで高くはなかった。
そのため、たとえ追加要素がなくPS2で同じものが遊べるというだけでも一定の需要があったと思われる。
しかし…
据え置き機から携帯機への劣化移植はよくあるが、その逆をやってのけたという珍しい作品である。
ボイス撤廃を筆頭に、ロードや処理落ちの悪化、バランス調整の悪化、2人プレイの撤廃……これだけの劣化が、明らかに単に移植で手を抜いた結果だというのも虚しい。
これらの点を我慢すれば、元のゲームの出来は良いので遊べないことはない。
だが、PSPを持っておらず、どうしてもPS2で遊戯王のOCGのゲームをやりたいとしても購入をあまりお勧めはできないレベルである。
*1 現在は連動サイトの消滅により入手不可
*2 購買で売られているパンで中身がランダムという変わったパン。劇中のキャラはこれでドロー運を試しており、メザシパンなどがある
*3 明日香のパートナー確定イベントのみデュエル&専用スチルがある。ただし専用スチルはエンディングのそれの使いまわし
*4 何故か放送当時のHEROデッキの切り札であり、原作でも活躍していた《E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン》がデッキに入っていないパターンが多い。無論普通に収録されている上に本作ではムービーが存在する
*5 06/03/01と、06/09/01に改訂があった
*6 リスク無しにデッキから2枚ドローする強力カード。どんなデッキでも入れない理由がない
*7 一応パターンが複数あるものの、勝敗自体が変わらない
*8 ちなみにデザインは原作第二期で行われたジェネックス大会に使われたメダルとほぼ同一デザインである
*9 申し込んで入手枚数を聞いてから断ることもできる
*10 Aに話しかけてデュエルした場合は二枚、Bに話しかけてデュエルした場合は5枚等
*11 強力すぎてバランスを乱しているカードに課せられる、公式大会などにおけるデッキ内採用枚数の制限。当時は半年に一度、3月と9月に改訂されていた。
*12 基本的に専用台詞はアニメキャラがアニメで使用したカード、または自分のデッキに深い関係があるカードのみ