ポケットじまん

【ぽけっとじまん】

ジャンル コンストラクション
対応機種 プレイステーション
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 シュガーアンドロケッツ
発売日 2000年1月13日
定価 3,800円
セーブデータ メモリーカード15ブロック
通常メモリーカード・ポケステ両対応
配信 ゲームアーカイブス:2014年12月3日/617円
判定 バカゲー
ポイント バカゲー制作ツール?
説明書とOPが本編
早すぎた『メイドイン俺


概要

ツクールシリーズ』のように、ポケットステーション用のゲームを制作できるゲーム。
テキストアドベンチャーとダンジョンRPGの2種類が制作可能。
キャッチコピーは『「ポケット」サイズで作って、「でっかく」自慢しよう。』


特徴

  • 説明書は2種類付属。
    • 片方が簡単な操作説明と遊び方が記載された「はじめてじまん」で、もう片方がゲームの詳細な説明が記載された「リファレンスマニュアル」。
  • アドベンチャーパートの1枚絵やRPGパートのアイテム・モンスタードットは全て自分の手で制作出来る。
  • オープニング・エンディングパートは簡単なアニメを作ることも可能。
  • ゲームの構成は意外と自由に決められる。OP・ED無しでADVパートのみで構成することも可能。
    • なお、各パートごとに容量サイズが決められており、ADVパートが大きいと、RPGパートが必然的に小さくなる。
      要するにADVメインで行くか、RPGメインで行くかで構成が決まると思ってもいい。
    • 大きさはアドベンチャーパートの場合、1枚絵の多さ。RPGパートの場合、ダンジョンの深さで決まる。
      • RPGサイズがLならADVはサイズSが2個作れるなど。
  • また、主人公の職業などは最初は3種類しか選べないが、ゲーム自体をやり込むことによって選べる職業が増えていくようになっている。
    • ゲームコンストラクションツールで、「選択できる職業が解禁制」な理由は不明だが、最後の職業を選ぶとゲームバランスが崩れる。
  • ポケステでプレイする場合、赤外線通信機能を使ったチャット機能やゲームの交換を使うことも出来る。
    • ちなみにこのチャット機能、文字だけでなくドットを打ち込むことも出来、それを交換することも出来る。DSのピクトチャットを先取りしていると言えなくもない。
  • なお、ポケステを持っていなくてもプレイは可能。
    • プレステ上でプレイする場合、BGMなどサウンドがちょっと豪華になる。

バカなところ

  • 正直な話、ゲーム本編よりも説明書に力が入りまくっている。
    • 例えば各用語の説明の際、メッセージの項は
      「ヒントとしてはもちろん、どこからか聞こえてくる音や声などを表すのに使える。
      普通に道を歩いてきて声が聞こえてきたらかなり怖いが、RPGだからいいのである
      …という感じで、どうでもいい用語説明ばかりがほぼ全編に渡って載っている。
    • 伝説の「埋め草」の用語解説はこちら。
      「ここのように、スペースが余ってしまったところを埋めるための記事や原稿のこと。新人記者は埋め草ばかり書くことになるが、後に名を残すと語り草になる。ちなみに春の七草は、せり、なずな、ごぎょう、はこべ、ほとけのざ、すずな、すずしろ。全部食べられる。」
    • 巻末には「じまんチェックシート」なるものもある。何故か証明写真掲載項まであったりする。
      • チェックシート項目の「人間関係について」は下世話の極み。
        「他人がプレイしても楽しめますか?」
        「親に見せても恥ずかしくありませんか?」
        「そもそも見せる人がいますか?」
        大きなお世話だ。
  • 収録されているサンプルゲームも大半がバカゲーに偏っている。
    • 例えば、あるサンプルでは便器に流されてゲームオーバーになったり、
      主人公が人妻だったり、最初の選択肢で上司を撃ち殺したらゲームオーバーと出オチ極まりないものまである。
    • ある意味でアイデア勝負なゲームメインと言え無くもないが…。
    • もちろんシリアスなゲームもあるので、ご安心を。
    • ちなみに、当時の各ゲーム雑誌とのコラボによるサンプルゲームも多く収録されている。これもバカゲーが多いが。
  • OPもちびキャラが「じっじっじ~まん♪ポケットじ~まん♪」と軽快な音楽にのって踊るという中毒性のあるもの。
  • 更にしばらく待っていると、ゲーム制作中の映像が超高速で流れる(制作して疲労困憊のプレイヤーも映るというギャグテイスト)
  • BGMとサウンドの名前が非常に解りやすい。
    • 「どきどき」「ゴキゲン」「いかり」「かなしい」「キャー!こわい」など。幼稚園児か。

評価点

  • 非常に作りやすいインターフェース。
    • 例えばRPG部分は敵の強さがある程度決まっていて、レベルとパターンとグラフィックのみで設定できる。
    • アイテムの設定も鍵と装備アイテムだけで済む。
      • 装備アイテムもカテゴリーと数値とグラフィックのみの入力で解りやすい。
      • パラメータに制限がないので「攻撃力以外が上昇する武器」や「全能力上昇するパワードスーツ」等も作れる。
    • グラフィックも自分で設定可能
      • もし作成技術がなかったり面倒であってもサンプルゲームのデータがロードできる。
      • RPG、ADV共に基本的なジャンルは抑えられているのでこれだけでも十分ゲーム作成が可能。
    • RPG作成はダンジョンをブロックを積む要領で、ADVはテキストや1枚絵、選択肢などが入ったボックスと呼ばれるものを繋げていき、制作する。要は双六のコマを並べる要領で作成するので構造が解りやすい。
      • 容量が限られている分、持て余す事や1作作って燃え尽きるという事が起こりにくい。
  • 配布が意外と容易
    • ポケットステーションにダウンロードすればソフトもPSも不要でプレイできる。当時のコンストラクションソフトとしては画期的。
      • ただしポケットステーションを個人間で渡せる人脈は限られやすく、気安く渡せそうな友人なら家でPSから起動してプレイする事も容易ではあるが…

問題点

  • 15ブロック全部使っても内容が薄いゲームしか作れない。引き伸ばしても1時間がやっとと言われる程。
    • そもそもポケステ用の時点で「お察しください」な気もするが。
    • むしろこれが原因でサンプルがバカゲーまみれになったような気もしなくもない。
  • また、ダンジョンRPGもクリアアイテムを手に入れた後は入り口に戻れば終了と、ワンパターンなものしか作れず単調になりがち。
  • ドット絵の素材集がなく、自分でドットを打たない場合、サンプルを流用する他に手段がない。
  • アドベンチャーパートは前述のように一枚絵の多さで容量サイズが決まるので、テキストオンリーにすれば結構な文章量が入るには入る。ただ、そこまでする必要性はあるのかと言われると疑問ではある。

総評

ゲームそのものは正直微妙だが、ポケットステーションにダウンロードして持ち運べ、ソフト不要でもプレイが出来る等、着眼点は良かった。
本格的なゲームは作れないが、サクっと遊べるゲームを作るなら最適かもしれない。
そういう意味では『メイドイン俺』に通ずるものがあるといえる。

2014年12月3日からゲームアーカイブスとして配信。
作成したデータの共有・配信が簡単になったので、もっと「でっかく」自慢できるようになった…かもしれない。

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最終更新:2019年10月22日 00:32