イデアの日

【いであのひ】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売元 ショウエイシステム
開発元 オフィス恒環
発売日 1994年3月18日
価格 9,700円
判定 良作
怪作
ポイント 摩訶摩訶と似たカオスな世界観
その世界観とは裏腹のシリアスなストーリー
後半の未来世界は強烈なトラウマ


概要

摩訶摩訶』でキャラデザインを担当したギャグ漫画家・相原コージ氏が、製作総指揮を担当したRPG。
キャラデザも同氏が担当しているため、パッケージの雰囲気は摩訶摩訶と似ている。
そのため、「摩訶摩訶の続編」「同じくらいのクソゲー」と誤解している人も少なくないが、実際はメーカーも異なり、続編でも外伝でもなく世界観も全くの別物。
ただし鑑定システム、預かり所呼び出し、宝箱2重底、換金アイテムなど、摩訶摩訶に存在した数少ない良点は受け継がれている。
プログラミングは摩訶摩訶と同じスタッフが担当しているが目立ったバグはなく、魔訶魔訶で猛威を振るっていたバグ嵐も本作ではほとんど見当たらない。 ちなみに発売日は1994年3月18日。魔訶魔訶のミジサイバーにかけたか。

ストーリー

主人公は幼少の頃に両親を殺害された上に、愛犬と共に拉致され見知らぬ研究所に収容されていた。

そこでは主人公の超能力を引き出すため、昼夜を問わず過酷な人体実験が行われていた。

唯一の支えであった愛犬が殺害されたのが引き金となり主人公は暴走、

怒りと悲しみから来る力で博士は絶命し研究所は崩壊。約10年の時を経て外の世界を見る事が出来た。

しかし、世界は災害に見舞われ、化け物まで出没するようになり大きく荒れ果てていた。

一体何が起きたというのか、そして研究員が言っていた「イデア」とは何者なのか?

旅を進めるにつれ、それは徐々に明らかになっていく。

「荒れ果てていた」とはいうものの、デパート、病院、学校、自動販売機などの施設は存続し、通貨(単位は"マネー"略してM)も機能していることから『北斗の拳』ほどでは無い。
そのような状況下の中でも、たくましく生き抜く人々とのドラマも見所の一つと言える。
あらゆる街に自販機が設置されているという事は治安の良さの表れか、ゲーム中にそういうとこで荒事になるのは殆どない
序盤は日本から始まり、アメリカ、南極など、全世界が舞台となっている。ただし、ヨーロッパの半分は無くなっているが、現在でパンダや、中国拳法の使い手や、ロシアダコなどが登場して、更なる未来は殆ど消失しているところを見ると、元々は全世界があったと思われる。
地底世界、海底などにも行き、昼夜の概念もある。

キャラクター

相原の手がけた世界観だけに、一癖も二癖もある人物たちばかり。能力も非常に個性が強い。
パーティーは最大で、4人+NPC又はペットで構成される。他のメンバーは預かり所で待機する事になる。
それぞれが1人旅を経た後主人公に合流するという『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に近い形式をとっている。

+  メインキャラクター
+  重要人物

シナリオ内容

  • ストーリーはお使いイベントばかり異常にある *1 が、シナリオの根底には、人間のエゴ、理想といった要素があり、一応シリアス系であり、単なるバカゲーで片付けられるものではない。
    • ストーリーの項でも示したが、冒頭から相当な受難が待ち受ける。
      • いきなり主人公が拷問にかけられ、愛犬が殺され、そして研究施設を脱出して10年ぶりに朝日を見る・・・
        「マカマカと似てるから」「ギャグ漫画家が作ったから」そういう期待を込めてこれをプレイした人は面食らったろう。そして「オッチャンドリ」「ナットウマン」という魔物を見て吹き出し、安堵することになる。
      • しかし、主人公は悲しみを乗り越えることで超能力を習得したりレベルアップしたりパワーアップに繋がっている。
    • 他の仲間になるキャラクターも、基本的に何かしらの鬱展開が待ち構えている。
      • 両親や姉を殺害されるりんこ、相撲部屋から破門され地下格闘技に堕ちた雷岩など。
+  放射能関連事項
+  イデアの計画について
+  絶望の未来
+  ネタバレ注意・終盤の展開

ゲームシステム

  • 主なシステムは以下の通り
    • 戦闘は、相変わらずターン制バトル。サイドビューからフロントビューになった。各キャラクターは武器を装備しないで、アイテム欄から選択する方式である、勿論アイテムも使える。仲間毎に得意武器も設定されている。
    • 4属性(熱さ、寒さ、電気、精神)も健在
      • 弓系・銃系の武装に関しては使う前に矢・弾丸の装填を行う必要がある。戦闘中に弾切れを起こした場合も同様。
      • 攻撃だけでなく、装備品とは別枠でアイテムを使った「防御」も可能。また、素手での攻撃や防御も可能。
      • 戦闘中に使うことで特殊な効果を発揮する便利な装備品も存在する。事前に能力が確認できないのは少々不便ではあるが。
    • 各キャラの能力が偏っている。例えば、主人公は運の良さが極端に低く絶対に敵から逃げられない、力士のキャラはHPと力が極端に高い *4 など。
    • 一部のキャラは特殊能力を使うことが可能。ただし、特殊能力を使うのに必要な「特力」の回復アイテムはそれぞれのキャラ専用の回復アイテムが必要。
    • 防具の装備は、「きがえ」システムという形で実装されている。
      • これは、防具装備画面において、装備する防具に応じてキャラクターの見た目が変化するシステムである。
        基本的にマップ上のキャラグラフィックに変化はないが、男装や女装をした場合はマップでの見た目も変化する。場所によっては暑さや寒さが過酷な状況になっており、それに適応した服装を選ばないとダメージを受けるようになる。
      • なお、一部のキャラは防具の装備ができない。また、完全な全裸にすることは不可能である。
    • 戦闘で全滅したら所持金が半分になり、役所(DQで言う教会)に戻されるが、一部、本当にゲームオーバーになるような状況もある。
    • 仲間にしたペットは1匹だけ連れて行く事が出来、戦闘にも参加させられる。ただし、操作を受け付けず、成長もなし。
    • 一部、特定の仲間を連れていないとイベントが進行しない場所や、特定の仲間がいると突入できないダンジョンがある。
    • フィールドマップではランダムエンカウントだが、ダンジョンではシンボルエンカウントである。
      • シンボルの方は動きも速く、的確に向かって来るので回避はほとんど無理と言える、
        とはいえ、大貝獣物語みたいに頻繁にエンカウントしたり、ロマサガ1みたいに大量に配置されるとか、そういう不快さは無い。
        ひとつのダンジョンでシンボルの出現場所は決まっており、倒すと脱出するまで復活しない為倒せば後の移動は快適である。
    • ダッシュはHPを削りながら行う仕様だが、1人でも瀕死状態になるとダッシュは出来ない。特に時間制限がある状況でこうなると厳しい。

  • 乗り物
    • 馬(2人までしか乗れない)、トラック(後で改造される)、ヘリコプター、スノーモービル、潜水艦と豊富。
    • 後に主人公の能力で豊富な種類の乗り物を呼び寄せる事も出来るようになる。
    • ヘリは有用な乗り物だが、本作では敵とエンカウントするため不便であり、終盤ではヘリでないと行けない場所は最早存在しない、
    • そのため、出番が潜水艦に食われてしまっている。
    • 一方、飛行より海上・海底移動のほうが後に登場するという珍しいスタイルである。

評価点

  • 豊富なグラフィック
    • 顔のグラフィックが豊富、通常からそれぞれの状態異常に応じた表情まで用意されている。ペットの顔もそれぞれ豊富。
    • 装備品ごとにグラフィックまで用意されているのは純粋に評価できる。パンツを平気でかぶれるのはどうかと思うが。
      • 見た目を気にせず機能最優先にするのも、ファッションを楽しみながら冒険するのも、パンツを頭にかぶったまま女の子を助けるのも、男女で服装を逆転させるのも、プレイヤーの自由である。
      • 着せ替えシステム、防寒や薄着、さらには男装女装などあらゆる状況に対処するのが斬新。
      • 絵に力を入れてるからこそ、相原の世界観をよく表現し、おバカな演出がさらに引き立っているといえる。
    • さらに斬新なことにセットで集めると真の力を発揮できる装備品が存在する。
      • ただし、単体では非常に弱く更に売却も出来てしまうという落とし穴があり、本作のアイテム管理の難儀さも相まって処分してしまったプレーヤーも多い。
    • MODE7も使われているようで、馬に乗って亀裂を飛び越える際や、ヘリコプターに乗る際も立体感もある。
  • 個性豊かな兵士団
    • 敵キャラも攻撃をして来るだけでは終わらず、分裂したり、クイズを出題したり、磁石でアイテムを奪ったり、変化したり、心を読んで攻撃を回避したり、とにかく個性派ぞろいが多数。
      • しかも敵アニメーションも用意されている。これはDQ5にすら無かった仕様である。勿論、凍結状態にすれば停止、眠り状態ならZZが表示と分かり易い。
        個性的な上にかなりの種類の敵キャラのグラフィックが用意されているため、それらを見るためだけに進める価値もある。アニメーションするアニメ女が見れるのは本作くらいである。
        他にも、裸にセーター一枚着ただけの「静電気女」など、摩訶摩訶同様に微妙にエロいデザインの女性モンスターも多い。
        但し全体的に状態異常を起こす魔物が多い為通常戦闘の難易度は高い。火力にもしぶとさにもよらずに通常戦闘の難易度を上げている点でも個性的である。
  • フォント
    • 会話などの文章では、重要な用語には色違いの文章で強調して分かり易い。
    • アイテムや敵の名前にまで漢字が使われている。これはFFVIにさえ無かった仕様。
  • アイテム
    • アイテムには簡易だがアイコンまで付いている。体力回復の「赤チン」、パーティ編成できる「ポケベル」 *5 、ステータスの増強に使う「爪あか *6 」等センスが光る。
      • 赤チンは実在する傷薬であるが、水銀が問題視されたためあらゆる国から姿を消した。
    • 種類も豊富で400種類以上あり、服装にいたってはグラフィックも豊富に取り揃えている。
      • 多少色違いはあるものの、使い回しはない。
    • メモ帳
      • 人々の会話を覚える事が出来る。ドラクエよりも先取りしている。ただし、途中でキャンセルは効かないので長い台詞を読み上げたら難儀する。
    • 買い物をすると、たまにオマケもくれたりする。
  • 武器には大きく分けて2種類ある。
    • バットやナイフ等の接近戦用の武器。キャラ本来の攻撃力にさらに武器の攻撃力が加算される。
    • ブーメラン、弓矢、銃のような遠距離の武器。キャラ本来の攻撃力によらず武器の攻撃力のみが適用される。
      • ブーメランはともかく、銃がキャラによらず一定の攻撃力になるのは現実的であり、他のゲームにはなかなか見られない。
  • 昼夜の概念
    • 他のRPGでは泊まって朝になるが、本作では休憩があり夜まで進める事も出来るHPは宿泊する場合の半分回復する)。回復したいけど、節約したい時や時間帯を夜まで進めたい場合にありがたい。
      • 上述した怒りの炸裂ゲージは、一泊すると0に戻るが、休憩では半分減るだけで済む。特にボス戦前はそこも踏まえて選ばなければならない。
  • 預かり屋
    • アイテムの他、イベントが進むと仲間やペットを預かってくれる。
    • 戦闘に参加していない仲間にも、自主トレーニングしているという形で経験値が入り、長期間離脱していたから大きく後れを取ったという事はない。
    • アイテム『ポケベル』を使うとほとんどの場所で、ダンジョン内でも呼び出せる。
      • ストーリー上、多くの仲間を使い分ける必要があるため、経験値の件も含めてかなり便利。
      • ちなみに預かり屋でポケベルを使うと『店にまで来て使うのはやめて下さいよ・・・』と突っ込まれる。
  • 音楽
    • 作曲は摩訶摩訶同様、J-WALK(現JAYWALK)の知久光康が担当。
    • 通常戦闘曲だけでも3曲ある。乗り物には、トラックやヘリコプターや潜水艦など乗り物ごとにBGMが用意されている。
    • 未来世界で流れて来る曲は恐怖を倍増させる。 *7 そして、終盤のフィールド音楽は力強さを感じる。
  • 目立ったバグがない。摩訶摩訶をやれば分かる最大の評価点である。
    • 0という訳では無いが、十分許容できるレベル。
  • ゲームバランスも良好といえる。これもまた摩訶摩訶をやれば分かるだろう。
    • というか現代の観点から見てもゲームバランスへの作り込みはかなり丁寧。
    • 但し上でも書いたように、魔物がひとくせもふたくせもある為、ドラクエやFFに慣れていると若干違和感があるかもしれない。
      • 7人中3人が特技を持たない為、アイテムの使用が他RPGに比べ優遇されている。逆に言うと、「特技があるからアイテム不要」となるケースはまずない。
      • 打撃、特技、アイテムを最後までバランス良く使っていくような作り込みがされている。
    • 仲間キャラ同士のバランスも十分良いが、これまた別のRPGに慣れていると違和感を持つだろう。但しこのゲームらしいともいえるが。
      • 具体的には、主人公は一見勇者っぽいがHPが低く(女の子よりも低い)、攻撃力も武器は強いが力自体は盗賊より低い。
      • いわゆる「万能家」は存在しないと言っても過言ではない。要は主人公も含め、強すぎ弱すぎというキャラは存在しないのである。
      • また女子高生は技は使えず弓矢を得意とし打撃一辺倒(もちろん十分強い)といった感じ。
    • シナリオ全体を見ても、長丁場に難儀したりして若干難易度は高めで全滅して役所へ戻される以外に、本当にゲームオーバーになる場合もあるが、詰む事だけは絶対に無いようになっている。

賛否両論点

バカ要素

  • そしてギャグ漫画家が作っているだけに、物語の本流と戦闘システム以外の点がほぼバカで構成されている。
    • 奇怪な生物というのがナットウマンとかオッチャンドリとかいうギャグ以外の何物でもない。
    • クソまで敵キャラで登場する。
    • マカマカで登場した魔物のパロディも健在。
      • 「アソコ」と片仮名で書かれた魔物が登場したが、今作では「アレ」である。
      • 透明の魔物として『カメレオンナ』 *8 、透明ではないが小さくて見えにくい『ノミ』がいる。マカマカと違い、戦っている魔物のリストが無いため出現していることに気付かず面くらった人も多いだろう。
      • 「ちくわ女」や「ダザイはん」のようなコージ苑からのゲストキャラや、「ウニ女」や「ジキルハイド」などマカマカ用にデザインされたが登場しなかった敵も一部登場している。
    • 戦闘画面は一人称視点だが、画面下には味方側の顔も表示される。そして被ダメージや混乱した時の表情はギャグ顔
    • 上述した着せ替えシステムで、頭に女物のパンツをかぶったりしてもしっかり反映される。
    • クリティカルヒット時の叫びが電波。「ほにゃぷー!」「もひもひーん!」「べらめんちょ!」「ずんばらび!」など。『摩訶摩訶』にあったクリティカルメッセージ入力は出来ない。
    • 重要用語のネーミングセンスが安直。前述した南極の氷を溶かす兵器「チヂクカタムケール」の他、夢の力を封じる「ユメダメーン」など。
    • RPGでよくある「はい」「いいえ」の選択肢の他「う~ん」という項目があるが、選ぶと誰であろうと「はっきりせんかい!」と怒られる。
    • とある村では「わははは」が悲しいときの叫びになり、「バカヤロー」が感謝を意味する言葉になる。なんとも緊張感がなく、そして村を助けたのに罵声を浴びるのかと苦笑物である。
+  では、なぜバカゲーでとどまらないのかというと…
  • 上の方で述べた馬鹿ゲー、鬱ゲーとなりうる要素、また多数のパロディや下ネタはある意味全てが賛否両論と言っても過言ではないかもしれない。現代なら確実にCEROにひっかかるだろう。

多数仕込まれたパロディ要素

  • 攻略本にも面白い話を積極的に取り込む旨の発言がある通り、今回もそうである。
  • ボディコン霊能者、アノ本(ちいさなメダルに相当)、ブーメランで全体攻撃、南極から来たネモ、金属製の武具が仇となる場所、など枚挙にいとまがない。まあ裏を返せば、あらゆるゲームを研究している事が窺い知れる。
  • パロディ自体には否定的な意見があるものの、ゲームに仕様や流れに合うようにアレンジし、組み合わされている部分は十分評価できる。
  • また、パロディを取り込みながらこのゲームそのものの個性は非常に強い。その点も評価が高い。

バランス

  • ミコトが覚える特技「奇跡」の反則的性能
    • 効果は対象者を完全に回復するというもの。この技はHPもMPも完全回復できてしまう。自分にも使えるため、お手軽な永久機関である。
    • 例えば、他の仲間が高威力の全体攻撃を打ちまくり、MPが切れたらミコトの奇跡でフル回復、ミコトのMPが少なくなったら自分に奇跡…ということを繰り返せば、戦闘が途端に楽になってしまう。今までのゲームバランスがひっくり返ってしまうので、手応えを求めたい人はないものと思ったほうが良いだろう。
  • ヘリコプターでのエンカウント
    • 本作ではヘリコプターでもエンカウントする仕様である。研究所に向かうところを迎撃されるのなら分かるのだが、全世界でエンカウントする。
    • 内容はなぜか簡易なシューティング。シューディングと言っても相手のヘリが3つの個所を反復横跳びするだけで、そこを狙って先に3回攻撃を当てた方の勝ち。初見では厳しい。戦利品として必ずアイテムは手に入るのではあるが、経験値などは得られない、それなのに負けたら全滅扱い。
      • どんなにレベルが上がっても難易度は変わらない。そのうえ敵の動きが結構トリッキーのため、ある意味空中が最大の全滅ゾーンである。
      • 潜水艦でも1度こういう戦闘がある。
  • 南極の長丁場
    • 殺人鬼を追いつめた時点である場所へ飛ばされるのだが、ここがかなり長い上に脱出するまでセーブも出来ない(しかしそれが詰み防止にもなってはいるが)
    • その時点では規格外とも言えるボスの猛攻に対抗するために"ある行動"が求められるのだが、初見ではそのヒントがない。正確に言えば街の住人の会話をある方法で解読すると倒し方が分かるようになっている。
    • ただしこの解読方法のヒントが、その敵に負けて始めて表示される。確かにこのヒントが無ければ勝つのはほぼ不可能だが、初見で全滅することを前提にしてるようにも思える。

問題点

  • マムシの毒について
    • りんこ(現役女子高校生)が洞窟に入ったらそこで冒険家ムナカタ(初対面のオッサン、野グソしてたらマムシに噛まれたと言う)の尻から毒を吸い出させられる。しかも野グソをした直後。毒を吸い出した後に町へ戻ると人々から臭いという文章まで用意されている。立場が逆だったら良かった。(その際は腐ったタマゴを食べて腹を下したという理由が良いだろうか)
    • 序盤から下品な内容というのもさることながら、マムシの毒は非常に危険であり病院に行かないと命に関わる。吸い出しても毒は抜けないどころか下手をすれば共倒れの危険性もある。
    • …のだが、洞窟に猛毒を使う敵がいない事、ムナカタを放置しても吸い出しても後に元気に再会する事、これらから本当はマムシに噛まれていない、比較的無害なヘビに噛まれただけだったのではないかと思われる。本人がマムシに噛まれたと言っても必ずしもそうとは限らない。
  • タイマーについて
    • 時間制限イベントがあるが、戦闘中はタイマーが減らないので難易度は低い。勢いを壊す事は無いが盛り上がりには欠ける。
  • フォント・文字の関係で、若干だが読み辛い個所がある。
    • 「自動はん売機」「海底キチ」「幻ワク」「産業はいき物」「除きょ」など、漢字とかなが混じって分かりにくい。
    • フォントが若干見づらく、特に「ピ」と「ビ」の区別が付きにくい。
  • 預かり所のアイテムの並び替えが出来ない。『摩訶摩訶』では種類毎に分類されていたのに。
    • 本作では400種類以上のアイテムがあるため、上手く管理しないと難儀する事になる。
    • アイテムの中には、一見大した事がないから処分したら実は有能アイテムだった事もありうる。
  • 人数オーバーの場合のパーティメンバー管理
    • 新規メンバーが加入してくる場合、パーティーメンバーが満杯(4人)だと人数制限で加入できない。1人外して来ることを要求されるため、非常に面倒。
      • これが特に難儀なのがDr.ポー加入時。彼が仲間になるのはボス戦の後に引き返すところ。しかもその場所に預かり屋は呼べない。
      • そもそも4人から1人外してボス戦をする理由がなく、多くのプレーヤーが手間取ったのは想像に難くない。
    • ペットでも、タヌキを仲間にする場合、スズメバチの巣を再度手に入れて来るハメになる。
  • ペットのステータス画面が難儀
    • 一応、ステータスは全員を見ればわかるが、耐性は見られない。
    • 耐性を見るには預かり所に預けなければならず、不便である。
  • 名前を入力する際に、デフォルト名が表示されていない。
  • 演出は平凡
    • 「魔法エフェクトを凝って作っても、どうせ何度も見て飽きるから、そこは頑張らなくていい」と言っているだけに、夕焼けの場面以外には、特筆するようなカットシーンはない。
    • 説明書には温度だの降雨だの記載されているが、実際に雨や雪が降って来る事もないし、曇って来たから輝度を下げるという事もない。
    • マップは多重スクロールも半透明もなく、暗闇の表現も黒く塗りつぶして、懐中電灯も円の内側を表示するだけ。外との出入り口だけ明るく表示するという事もない。
    • ある箇所ではポケモンフラッシュのような激しい点滅がある。それで派手さを表現したか。
  • 潜水艦の海中の揺らぎ
    • 海底では画面を波形に歪める演出があるが、進行方向が上に向かうか下に向かうかで、地形の歪み表示が明らかに違う。ドップラー効果によるものだろうか。
  • キャラのグラフィックは16*16にまで退化している。FFVのように動きが豊かという訳でもなく、見た目も1994年製のゲームとしては物足りない。
    • 但し、厚着をすればグラフィックが変わるなどそれなりの演出はしている。
  • お使いイベントの多さは上に書かれている通りだが、中には同じ町同士を何度も行き来したり、同じ手順を何度も繰り返さなくてはならない面倒なイベントがある。
  • ラスボス戦に穴がある
    • ある超能力を使っていれば長期戦になるが楽に勝てる。

総評

当時のゲームとしては相原コージの独特の世界観をアニメーションを使い上手に表現しており、
着替え等の意欲的な部分を取りそろえながら当時としては丁寧なゲームバランスに仕上がっていることは非常に評価が高い。難易度は若干高いが行き詰る個所は特に無い。
もしあの『摩訶摩訶』に酷いバグが搭載されていなければ?システムこそ違うが全体的なノリは似ているため、このゲームは一つの答えになっているかもしれない。
下品なネタやお使いイベント過多と若干人を選ぶ側面はあるものの、ゲームの評価を落とすほど悪いものではない。
普通のRPGに飽きた人、高難易度は嫌だがパンチの効いたシナリオを求める人、相原コージの独特の世界観が好きな人には十分におススメできる出来栄えで、北斗の拳関連でクソゲーを量産し悪名高かったショウエイシステム *9 でもやればこれだけのことができるということを証明した一作でもある。

  • 以上のように一見バカゲーであるのだが、シリアス、現実的、サプライズ、トラウマ、苛立ち、盛り上がり、幸福の要素が不思議と違和感なく共存しており、その意味で『摩訶摩訶』とも他のバカゲーとも一線を画している。
    • そして鬱とバカが合わさり中和されているかのように存在するためむしろ丁度良いという変な現象が起こっている。これが本作が怪作たる最大の理由である。
    • そのため、鬱ゲーに挑戦してみたいという人には案外うってつけかもしれない。

余談

  • 攻略本はダンジョンマップが載っておらず、かなりいびつなつくりではあるが、『摩訶摩訶』に関する裏話も少し掲載されている。また攻略本の製作にはかのゲームフリークが関わっている。
  • 上記画像のタイトルロゴを見てもらえれば解るが、タイトルを「イデアの目」だと思っている人もいる。
  • 本作発売当時相原氏がヤングサンデーで連載していた『ムジナ』という漫画で、漫画に関するクイズに正解すると抽選で本作が当たるというキャンペーンがあった。
  • 別冊漫画ゴラクにて、相原コージ氏によるゾンビ・パニック・ホラー漫画『Z~ゼット~』が連載していた。同誌の休刊に伴い連載終了を余儀なくされる。全3巻。
    • 主人公的なキャラとしてこちらでも凛子(りんこ)と言う女学生が登場。本作のりんことはセーラー服を着ているぐらいしか共通点は無い別人だが、こちらは薙刀の名手となっており、ゾンビの蔓延る絶望的な世界で逞しく戦っている。しかし最後は本作のりんことは真逆の衝撃的な結末を迎える。
  • ラスボスの断末魔は、「そんなバカな!バカな!バナナー!!」。
    • ウボァー」並にマヌケなのだが、もとがギャグだらけだからなのか、個性的でないからなのか、知名度の問題なのか、さほどネタにはされなかった。
  • 最高レベルは999。現在でこそそう言った作品は散見されるが、当時は正に前代未聞であった。
    • ここまでやるとキャラ性能差が目立つようになる。無論ここまでやる人はまずいないので無問題だが。
    • 最後に主人公のレベルが10あがるが、既に最大だったからと言ってバグるわけではない。つまりわざわざレベル最大まで育てることが想定されているのである。
    • ここまでやれば、パンツ一丁でラスボスを倒すことも可能である。はじめからそれをやらせるためにこんなぶっとんだレベル設定にしたのかもしれない。
  • PARを使って全裸にした変態猛者がいるが、アノ部分は真黒に表示される。わざわざ用意したのか…。
  • 一見何もなさそうなところを調べると最強防具が手に入るというネタがある。これは『摩訶摩訶』ではデバッグコマンドを使わないと入手ができない没ネタだったが、本作では正式採用されている。
  • noteにて「相原コージ スーパーファミコン全仕事」というタイトルで、本作と『摩訶摩訶』のイラスト、キャラデザ原画、ラフスケッチ等計455ページに及ぶ資料が販売されている。


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