邪鬼破壊
【じゃきくらっしゅ】
ジャンル
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ピンボール
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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8MbitROMカートリッジ
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発売元
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ナグザット
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開発元
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コンパイル
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発売日
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1992年12月18日
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定価
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8,500円
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判定
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なし
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ポイント
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ナグザットピンボールの後発にして和風テイスト スーパーファミコンらしく進化 狭くなったフィールド画面 通らないパスワード
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ナグザットクラッシュピンボールシリーズ エイリアンクラッシュ(リターンズ) / デビルクラッシュ /
邪鬼破壊
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概要
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PCエンジンにて好評を得た『エイリアンクラッシュ』『デビルクラッシュ』に次ぐシリーズ第三弾。本作はプラットフォームをスーパーファミコンに移しリリースされた。
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本作は和風ホラーを重視した世界観となっており、SFホラーチックなエイリアンクラッシュ、洋風ホラーチックなデビルクラッシュとは、また一風変わった雰囲気を醸し出している。
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ゲームタイトルが漢字表記ではあるが、タイトルの読み方は「ジャキクラッシュ」であり、れっきとした前ニ作の流れを汲む続編である。
主なルール
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二つのフリッパーと台揺らしの操作や、ゲーム進行に関しては、前ニ作と大体は同じである。詳しくは上記二作のリンク先を参照にされたし。
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台を揺らしまくってもティルト(1ボールロスト)することはない。
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ゲーム前にタイトル画面にてパスワードを入力する事により、スコアを引き継いでプレイができる。
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パスワードはゲーム中にポーズをかけてBボタンで取得する。しかし、これには問題がある(後述)。
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デビルクラッシュにあったバックアップ(セーブ機能)は本作には存在しない。
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新要素として、二人対戦プレイが追加された。
評価点
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スーパーファミコンの性能を駆使した、拡大縮小回転機能による演出が導入され、前ニ作以上にギミックが凝っている。
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各フィールドの仕掛けは過去ニ作よりも増加しており、狭いフィールドで仕掛けを発動させ、オブジェを変化させるという楽しみの面では過去ニ作よりも上回っている。
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特定の操作でスコアボーナス、エキストラボール(残機アップ)、マルチボール(ボール分裂)、カラーボール(スコア倍化)など多彩。
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グラフィック描写が以前作よりもさらに繊細化し、独特の気持ち悪さやおどおど感は歴代最高ともいえる。
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参考までに表記しておくと、各ソフトの使用容量は、エイリアンクラッシュが2Mbit、デビルクラッシュが3Mbit、本作が8Mbitである。
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BGMのクオリティは過去ニ作同様に高い。
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デビルクラッシュと同じく、フィールドBGMの1ループ演奏が長く、その中に様々な旋律が多く詰まっている。
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デビルクラッシュと同様、ボーナスステージも6種類ある(説明書に記載)。本作では「結界」と呼ばれる。
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結界六のみ入り方が説明書に載っておらず、難度も最高峰で手ごたえがある。
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条件を満たして結界に入ると、画面上部にフリッパーが二つ追加され、ボールの操作がしやすくなる。
問題点
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ピンボールの宿命の問題である作業感はもちろん本作にもある。こればかりは改善する事が極めて困難なので仕方ないといえば仕方ないのだが…。
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仕掛けが増えたので、まだ比較的マンネリ感は抑えられたものの、やはり仕掛けを探しつくしてしまうと待っているのは同じ事の繰り返しな訳で…。
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マルチボール状態になると、カメラが下にあるほうのボールを追いかけるので、上部にボールをとどめておくのが難しくなり、結局二個とも落としてしまうという逆効果になりやすい。
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スーパーファミコンの音源の問題なのか、効果音が軽くなり、敵を破壊する豪快さが薄れた。
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デビルクラッシュと同様、3画面のフィールド構造なのだが、画面の比率が前作に比べやや大きくなった影響で、各フィールドが狭くなった。
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そのせいで、広大なフィールドを行き来する前作よりも密閉感が強くなってしまった。
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以前作に比べミスしやすくなった。
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メインフィールド中央にフリッパーの位置がやたらと離れた場所にある事も相まって、フィールド下にボールが落ちやすくなっている。
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スコアのどこかの桁に9の数字がある状態でパスワードを取得すると、通らないパスワードが表示される不具合がある。
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エンディング画面を見るにはスコアを10億点にする必要があるのだが、8億8888万8800点突破後はクリアまでパスワードが使えない状態が続くことになる。
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パスワードを使わずに1億点以上稼ぐには、相当な腕前が必要になるだろう。
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特殊パスワードとして「CRUSHEND」と入力すると9億9999万9000点からスタートするのだが、どうもこのパスワードを設定したせいでバグを引き起こしてこうなった模様。
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このパスワード入力後に1点も取らずに取得した正規パスワードを入力しても、やはり通らない。
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パスワードを入力することで残機が1増えるので増殖が可能なのだが、残機表示が09になるパスワードはやはり通らなくなる。製作者は9という数字に何か恨みでもあるのか?
総評
やはり信頼のナグザットピンボールであり、ピンボールとしての完成度は決して低くはない。
しかし、渋すぎた和風テイストの世界観や、狭いフィールド、過去作よりもミスしやすくなった構造の件も相まって、好みが分かれる作風となり、「シリーズ最低作」として批判するプレイヤーもやはり存在する模様。
パスワードバグは致命的欠陥であるが、パスワードを使わずにワンプレイするだけなら何も問題はない。
その後の展開
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過去ニ作はバーチャルコンソールやPCエンジンアーカイブスに配信されているが、本作は一切の配信、及び移植はされておらず、何かと冷遇されやすい一作となってしまっている。
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今なら中古ソフトにて捨て値に近い価格で売られている。
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当時ならまだしも、パスワードが通らないゲームを今の時代に出したら大変なバッシングを受けるのは火を見るよりも明らかだろう。シリーズ中でこの作品だけが配信されないのは、このバグが原因かもしれない。
最終更新:2019年02月25日 01:01