球転界

【きゅうてんかい】

ジャンル ピンボール

PS版

SS版
対応機種 プレイステーション
セガサターン
メディア CD-ROM 1枚
発売・開発元 テクノソフト
発売日 【PS】1995年3月31日
【SS】1995年8月25日
定価 5,800円
プレイ人数 1人
レーティング 【PS】CERO:B(12才以上対象)
※ゲームアーカイブス版より付加
【SS】セガ審査 :全年齢推奨
配信 ゲームアーカイブス:2016年11月22日/617円(税8%込)
判定 なし
ポイント 可愛らしい雰囲気のゲーム系ピンボール
コミカル版ナグザットクラッシュピンボール風


概要

  • 1995年にテクノソフトがプレイステーションとセガサターンにリリースしたピンボールゲーム。
    • 両機種共に『熱血親子』の次に発売されたソフトであり、PS版はPS初のピンボールゲームでもある(SS版リリース時はすでに『デジタルピンボール ラストグラディエーターズ』(KAZe)が発売されている)。
    • 分類としては完全ゲーム路線のピンボールであり、TVゲームならではのギミックが搭載されているのが特徴。
  • 「魔王の復活を阻止する為に2人と1匹の勇者が活躍する」というコミカルファンタジーなストーリー設定。
  • 各機種によるゲームの差異は特になし。一人プレイ専用。メイン収録台は1つのみ。

主なルール

  • ゲーム開始前にボールスピードを「ファースト」か「スロー」かのどちらかからの選択ができる。
  • メインフィールドは主に3画面あり、各自上から「天空界」「地上界」「魔界」という舞台となっている。プレイヤーはボールを操作し、シームレスでスクロールするこれらを行き来しつつもスコア稼ぎとギミック発動を行う事となる。
    • ゲーム開始時は必ず地上界からのスタートとなり、ボールが魔界下の穴に落ちてしまうと1ボールロスとなる。
  • このゲームの主な目的はハイスコアを目指す事にあるが、一応はそれとは別で表面上でのクリア目的がある。それをすべて満たすと簡素なエンディングとなるが、その後もスコアを継続したままゲームは続けられる。
    • メインフィールド内には天空界に「サキュバス」、地上界に「ウサ子」、魔界に「サタン」「ハーピー」という本作のボスというべき四天王が存在する。
    • 特定条件を満たせば各ボスキャラ専用のボーナスフィールドに移行できる。これをクリアすればそのキャラを倒した事となるが、ボーナスなのでクリアできなかった場合でもボールをロスする事はない。ボーナスを終えると成否に関係なくメインフィールドに戻される。
    • 四天王全員を倒せば閉ざされた最終フィールドに移行し、これもクリアすれば表面上のエンディングを迎える。
  • 主なゲーム内での操作方法は「ボール発射」「各フィールドに設置された左右のフリッパー操作」「台揺らし(2種類の揺らし方がある)」が主となる(ポーズなどの操作は割愛)。
    • この辺は一般的なピンボールと全く同じ操作性であり、ピンボールに触れた事のある人ならば即入り込めると思われる。
    • 台を揺らしすぎると、ピンボール全般における定番ペナルティである「ティルト」が発生してしまい、そのボールは強制ロス(一切の操作が不能)となってしまう。
  • ゲーム開始時、もしくはボールロス後の再トライ時ではプレイヤーを3人のうちから誰かを選べる。どのキャラを選ぶかによってボールの特性が変わり、スコアなどの入り方に若干の差異が出てくる。
    • 特性とはボールを最高速にした状態にて発動される現象で、選んだキャラによってボールの色が変化する(通常のボール状態はキャラに関係なく銀色)。ボールの速度はその状況によって常に変動するが、フリッパーを先っちょに当てるような感じで跳ね返すと確実に最高速(特性効果)となれる
    • 選択可能キャラと特性に関する下記詳細。
      • 「ソードシールド」…男剣士。特性中はボールが青に変色し、攻撃力が3倍増しとなりギミックを発動/破壊しやすくなる。
      • 「結城となえ」…女魔法使い。特性中はボールが赤に変色し、スコア入手値が3倍増しとなりスコアを稼ぎやすくなる。
      • 「ミドらん」…お子様竜人。特性中はボールが緑に変色し、攻撃力とスコア入手値が各1.5倍増しとなる。
  • 所持しているボールをすべて失うとゲームオーバーとなる。特定スコアを出している状態だとネームエントリー画面に移行し、スコアランキングにプレイヤーの名前を残せる。
    • ゲーム中に専用ボタンを押すとポーズを兼ねたメニューモードを発生させ、そこに表示される「パスワード」をタイトル画面で入力すると、プレイしているスコアやボール残数、四天王の撃破状況などを維持した状態での再開が可能となる。これを利用すれば腕前やプレイ時間に関係なく、確実に表面上のエンディングを拝めやすくなる。
    • また、本作はセーブ機能にも対応しているので、その環境があればパスワード抜きでのデータ保存も可能。
  • ゲームオーバーになる事でもパスワードが表示される。説明書に付いている応募券の貼り付けと、表示されたパスワードを記入したはがきをテクノソフト側に送付すると「ハイスコアキャンペーン」に参加する事ができた(詳細はページ下部の「余談」の項を参照)。
    • パスワード入力やセーブデータロードによるコンティニューでゲームを初めても、一切の応募用パスワードは表示されない(最初からゲームを始める必要あり)。
      • なお、このパスワードはコンティニュー用のそれとは別物で、あくまでも応募専用である(パスワード入力でこのパスワードを入れても何も起きない)。

評価点

  • ピンボールとしては単純明快なルールで、リアルピンボールでは出来ないようなギミックが多く搭載されており、ゲームならではの仕掛けが詰まったピンボールをお手軽に堪能できる。意外とこういう路線のピンボールはあまり存在しないのでそういう意味では希少な存在かもしれない。
    • ひたすらにまで明るくて可愛らしいグラフィックデザインであり、子供から大人まで楽しめる優しい雰囲気に包まれている。
  • テクノソフト製だけあってBGMは上質。また、使用キャラによって専属のメインBGMが用意されており、キャラによって新鮮な気分でプレイを楽しめる。
    • ちなみにBGMの曲調はあまりテクノソフトっぽいものではなく、どちらかといえば90年代の『ツインビー』っぽい。
  • 単にスコアを稼ぐだけではなく、「四天王を倒して最終ステージをクリアする」という明確な目標があるおかげで、これ系のピンボールにありがちな作業を感じさせにくい工夫が見られる。
    • また、パスワードやセーブ機能が搭載されているおかげで、無理に長時間ぶっ続けでプレイさせられるような負担が少ないのも嬉しい配慮。

問題点

  • 1995年の次世代機ソフトにしては台が1つしかなく、ボリューム的にはそこまで多彩なものでもないので、どうしても割高感を覚えてしまう。
    • また、評価点で述べたギミックの多さやクリア目的も当然ながら数に限りがある訳で、やり尽くしてしまうと所詮は「同じ作業の繰り返し」というマンネリさも多く感じてしまう。
  • 壁やフリッパーなどに当てた時のボールの跳ね上がり形が、他社の同系列のピンボールゲームのそれと比べて異様に激しく、それが要因でボールを落としやすくなってしまっている。この辺は多々理不尽な仕様であり、慣れないと思わぬボールロスを招きやすい。
    • 但し、魔界フィールドにて特定ギミックを発動させると魔界下の穴にボールロスを防止する「ストッパー」が発生し、劇的にミスしにくくなる攻略法がある。これを利用すればいくらボールが跳ね返ろうがそう簡単にはゲームオーバーにはならない。
  • グラフィック周りがスーパーファミコンに毛が生えた程度のクオリティで、32bitの次世代機のソフトとしてはややチープに見える。これに関しては「レトロ風でいい味を出している」と好意的に解釈する者もいるが…。
    • 一応いっておくと、あくまでも「次世代機にしてはチープ」なだけであり、「グラフィックが汚い」訳ではない。むしろ絵の描き込みという面では十分に頑張っているというフォローもしておく。
  • ギミックにボールを当てる度にボイスが発生する演出があるが、これが結構頻繁に入る為、人によってはうざいと感じるかもしれない。
    • ちなみに、オプションでBGMのカットはできるが、ボイスカットは何故か一切できない。
  • BGMは上質だが、残念ながらサウンドテストの類は搭載されていない。

総評

ピンボールとしての出来はやや大味で唐突なボールロスをしやすくボリューム的に物足りなさはあるものの、それを抜きにすれば十分に遊べるものとなっている。


余談

  • かつて本作は「ハイスコアキャンペーン」なる企画を2回行っていた。
    • 一回目はソフト発売時期から約1年間の期間限定でゲームオーバー後のパスワードを送付する形で参加する方式。もう一回目はゲームアーカイブスによる企画で同じテクノソフトの配信ソフトであった『サンダーフォースV パーフェクトシステム』と同時期に行われていた。
      • 当然ながら現在では両者共に応募は終了している。
  • PS版はゲームアーカイブスにて配信中*1。2022年現在は中古市場において本作は価格が高騰している。もし入手する予定ならば、その辺は各自の判断で購入して頂きたい。
  • ゲームデザインがナグザットの『クラッシュピンボールシリーズ』にかなり近く、シリーズを知っているプレイヤーからは「ファンタジークラッシュ」的な通称で呼ばれやすい。
    • 「メインフィールドが3画面分」「特定条件でボーナスフィールドに進める」「パスワードコンティニューが可能」などその共通点は非常に多く、明らかにそれを意識して作られた節が見られる。
    • 特に画面のレイアウトはどことなくPCエンジンの『デビルクラッシュ』を彷彿とさせ、一部ギミックに類似点も見られる。
    • 逆にクラッシュ系と違う点としては「グロさは全くない」「キャラクターセレクト制」「スコアカンストではない明確なクリア条件がある」などが挙げられるが、その大半は似ている部分に偏っているように思える。
    • ちなみにテクノソフト自身が過去にメガドライブにて『デビルクラッシュ』の移植版である『デビルクラッシュMD』をリリースしており、テクノソフトとしては本作は2作目のピンボールゲーム製作にあたる。そういう経緯なのか、本作は『デビルクラッシュ』を参考にして作った説が濃厚な模様(確信ではないので注意)。
  • どうでもいい事だが、四天王の一角であるハーピーにボールを当てるとやたらとエロい声で喋ってくれ、さらにはおっぱいが揺れまくる上に、ハーピー自身がほぼ全裸のセクシーギャルという容姿な為、ハーピーに見とれてボールがロスってたという状況の陥るスケベなプレイヤーもいるらしい。
    • ちなみにハーピーのキャラ設定は「そのナイスバディで数多くの勇者を腑抜けにした強者」(説明書より引用)であり、プレイヤー的にはあながち間違っていない
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最終更新:2023年08月17日 13:45

*1 2016年4月に一旦配信終了となったが、テクノソフト全タイトルの権利を取得したセガゲームスに発売元を変えて同年11月22日より配信再開。