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襲われてからどれ程経ったろうか……康一とイギーは敵の攻撃を警戒し、クツのムカデ屋から未だ動けずにいた。

しかしいくら何でももういないはず。そう考えた康一は移動を決意する。
(まだ居たりは……さすがにないかな?でも一応裏口から出よ)

康一は行くアテも無くとりあえず北に向かってみた。
イギーも(コイツ何かアテあんのか?いつでも守れるわけじゃあねぇんだぞ)と心の中で悪態を付きながらも付いて行く。

警戒しながらの移動のため慎重に慎重に進む。
するとある曲がり角に差し掛かった時にイギーが唸り出した。

「どうしたの?何かこの先にあるのかい?」
と康一が呑気な質問をする。
(何もなかったら唸らねぇよこのボケ!どんな頭してやがんだ?
しかし何だ?人間の匂いじゃない)

イギーの様子に異変を感じた康一はエコーズで上空から様子を見る事にした。するとそこにいたのは……
「亀?ただの亀じゃないか」

康一は何も警戒せずに亀に近寄る。
「何でこんなところに亀がいるんだろう?ん?何か背中に付いてる。鍵……かな?」

康一は亀の背中の鍵を何と無しに外した。すると……
「ふーん、なるほど。鍵を外されると中にいる人間は外に出されてしまうんだな」
どこからともなく人が現れた。

「どうだい?驚いた?」
「ろ、ろろろ、露伴先生ィィィッ?どっから出てきたんですかァッ?!」
(何だァコイツ?いきなり現れやがった!コイツも何かのスタンド使いか?)

三者三様の反応……いや、康一とイギーは驚いてるので三者二様か?
いずれにせよ亀の鍵を外したところ岸辺露伴がどこからともなく現れたのだ。これは驚かない方が無理である。

「いやいや康一君。驚かせて悪かったよ。いや、実はね……」



露伴から康一とイギーは事の顛末を聞く。
この亀は鍵を背中にはめ込むと中に入れる事、露伴が巻き込まれた戦いの事、これは夢でも何でもないという事……

康一は驚くも自分達も戦いを仕掛けられた事を考えるとそれは事実であろうと納得する。が、康一は一つ気になっている事があった。


「でも露伴先生、漫画を描くって言ってシュトロハイムさんとジョナサンさんと別れたのに何でこんなとこにいるんですか?」
「ん?あぁ……せっかくこんなイベントに巻き込まれたんだ。取材をしてしっかりとした物を描きたいからね。ハハハ……」

露伴は家から移動した理由を説明する。だが、ホントの理由はそれだけではなかった。


30分程時間を溯ろう。露伴は自宅で漫画を描いていた。
「スゴいッ!まさかこんなに描き進むなんてッ!やっぱり杜王町に引っ越してきて良かったなぁ……こんなイベントに巻き込まれた僕は漫画家として非常に幸せ者だなぁ」

かつてない程絶好調らしい。
露伴はハイになっていた。しかし!
「ん?何の音だ?ピシッ?ミシッ?メキッ?」
露伴が疑問に思った直後、露伴の家は徐々に倒壊を始めた。

「何だとーッ!これは……ヴァニラの野郎のせいかッ!」
露伴の察しの通りヴァニラ・アイスの『クリーム』のせいである。

大きな館ならいざ知らず露伴の家は普通の家より少し大きい程度。
そんな家の至るところに穴が空いていたらその内崩壊するのはコーラを飲んだらゲップが出るくらい確実である。

露伴が仕事場の窓から脱出するのとほぼ同時、露伴の家は完全に倒壊した……それがつい30分程前の出来事。
それから彷徨い歩いて今に至る。康一に会ったのも偶然以外の何物でもない



「っていうかそんな事どうだって良いだろうッ!家で漫画描いてようが外歩いてようが僕の勝手だ!」
露伴は康一に半ギレでまくし立てている。まぁ無理もない。
せっかくの原稿も瓦礫の下である。一刻も早く忘れたかったであろう傷に触れた康一の罪は重い。



(殺し合い?何だとそりゃーッ!)
露伴が康一にキレている間、イギーは露伴の話を聞いた事により混乱していた。

(コイツら実はかなーり危ねぇんじゃねぇか!しかも爆発する首輪?嫌だ!関わりたくねぇ!
オレは無関係だ……帰らせてもらう!……ってそういやオレの首にも何か……)

イギーは嫌な予感がした。そして道路脇の鏡を見上げる。
(オレの首に付いてるのは……やっぱり爆発する首輪じゃねぇかァァァッ!冗談じゃねぇぇぇぇッ!)

イギーは厳しい現実に打ちのめされた。現実は非情なのである。


「ところで康一君、そこで悶えてる犬はなんだい?君の犬かい?どうやら僕らと同じ首輪が付いてるけど」
「道で会ったんで拾ってきたんですよ。このままじゃ死んじゃうと思ったんで…」

今度は康一が露伴に今までの説明をする。

「ふーん……『ヘブンズ・ドアー』!」
露伴はいきなりイギーに攻撃を仕掛けた。

「ちょっとぉぉぉぉッ!岸辺露伴ンンンン!犬に何してんですかッ!」
「一応念のためだよ。さっきの話聞いてたろ?この亀はスタンドが使える。
鼠の話も承太郎から聞いたろ?だったらこの犬もスタンド使いかも知れない」
康一は渋々納得する。

「何々?名前はイギー……やはり当たりだ。ここ見なよ。スタンド名『愚者(ザ・フール)』砂を操る能力。康一君を襲ったのはこの犬じゃないのか?」

康一は驚いた。最初に自分を攻撃して来たのは一緒に行動していた犬だったのだ!でも……
「でも……でも!僕を襲うつもりならいくらでも襲うチャンスはあったはずなのに攻撃してこなかった!」
「まぁな。実際は最初の攻撃が効かなかったから無駄だと思ったか何かじゃないか?
とりあえず後で『岸辺露伴と広瀬康一を攻撃出来ない』『今あった事を忘れる』って書いておこう」

露伴はイギーの記憶を読み続ける。

「ったく…コイツ生意気にも人間より格上って思ってやがるぞ……
!!!康一君、ここを見るんだ」
「えーっと……承太郎さんにジョセフさんッ?!」

「ああ。どうやらこの犬はあの二人と知り合いの様だな。
他の仲間は……アブドゥル……ああ最初に荒木にのされた奴か。スタンドは『魔術師の赤』
次はポルナレフ……スタンドは『銀の戦車』……補足欄にバカ間抜けアホドジって書いてある。ハハッ、散々な言われようだな。
最後は花京院……『法皇の緑』……コイツだけ詳しい能力がわからないな」

露伴は必要な情報を引き出すと『岸辺露伴と広瀬康一を攻撃出来ない』、『今あった事を忘れる』、そして『二人のピンチには協力する』、さらに『合図するまで寝てろ』と書き込んだ。

「こう書き込んでおけば安心だろ?僕らの身も守ってくれるぞ。眠らせとけば暴れる事もないから持ち運びにも便利だ!」
露伴は何故かハイだ。それに対してちょっと鬱の入った康一が返す。
「はぁ……というか僕もう疲れちゃいましたよ……」
「まぁ弱音を吐くなって。とりあえず僕も一緒に行かせてもらうよ。君に付いて行った方が安全に取材出来そうだ」

康一は内心拒否したい気持ちでいっぱいだった。
何しろこの男は物事に対して手段を選ばないところがあるのである。
(うーん……でも仲間は多い方が良いかな?)

「ほら行くよ康一君。とっととその犬を連れてきな。さぁ冒険の旅だ!まるで自分が漫画の世界に迷い込んだみたいにワクワクするぞ」

(早速仕切ってる……もうしょうがないなぁ)
康一はイギーを抱き抱えるともうワクワクを止められない早足の露伴を追いかけた。

「東に行きません?駅の方は誰かいそうですし」
「それもそうだな。だが断る!危険とわかっていても好奇心を煽られたらそれを避けずにはいられない!駅の方に行くぞッ!」

一人の冒険家気分の漫画家、それに振り回される少年、少年に抱き抱えられる犬、二人+一匹の珍道中が始まる。
次第に空は明るくなってきた。

(あれ?そういえばあの砂の攻撃がこの子ならあの人は何だったんだろう?一般人……の訳ないか)


【小道(E-4)/一日目/黎明~早朝】
【岸辺露伴探検隊】

【広瀬康一】
[スタンド]:『エコーズACT1・ACT2』
[状態]:疲弊
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、シャボン液
[思考・状況]
1)何か疲れちゃったよ……
2)しかしあの砂がイギーのせいならあの人(F・F)はなんだったんだろ?

【イギー】
[スタンド]:『ザ・フール』
[状態]:疲弊/露伴の能力で寝てる
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1)何でオレがこんなのに巻き込まれたんだァァァッ!?
2)ただし今は寝てる


【岸辺露伴】
[スタンド]:『ヘブンズ・ドアー』
[状態]:健康/ワクワクしてる
[装備]:
[道具]:支給品一式、ココ・ジャンボ
[思考・状況]
1)漫画のネタ探しする
2)殺人ゲーム……なんてワクワクするんだ!まるで冒険漫画の主人公みたいだ!
3)康一がエコーズACT3を出せないのは知りません


D-4の露伴の家が倒壊して瓦礫の山になりました。
また、イギーは康一達に能力を知られた事を当然知りません。

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キャラを追って読む

26:『誰が為に砂は舞う』 広瀬康一 61:Dancing In The Street
26:『誰が為に砂は舞う』 イギー 61:Dancing In The Street
25:岸辺露伴の奇妙な取材 岸辺露伴 61:Dancing In The Street