線路は続くがどこに続くかは分からない

76話 線路は続くがどこに続くかは分からない


(んー。成程成程)

工具を使いあの手この手で分解した首輪を観察しながら、
シャツとスカートの上にコートを羽織った茶髪の女性、戸高綾瀬は考える。
彼女とてふざけて性的ないけない遊びばかりやっている訳ではなかったのだ。
床に転がる、粘液まみれの柄を持った金槌については不問に処す。

首輪を分解し解析した結果、綾瀬が出した端的な結論は。

解除は不可能ではない、という事。
但し、自分で自分の首輪を解除する事は困難、だという事。

首輪の内部構造は綾瀬が予想していたよりも複雑なものだった。
下手にいじればすぐに起爆装置が作動する仕組みになっている。
ただ、一定の手順さえ踏めば、起爆装置を作動させずに解除に漕ぎつける事ができるようだ。
しかし、その手順が問題であった。

かなり精密な操作を要求されるため、
他人の首輪ならともかく、自分の首輪となると、作業をしている
手元が全く見えない。
鏡を使うという手も考えたが、余りに危険過ぎるのでやめた。

折角解除方法が分かってもこれでは自分の首輪は外す事ができない。
ならばどうするべきか。

(誰かに解除方法を教えて、やって貰うしかなさそうね……)

今まで単独行動してきたが事情が変わってしまった。
自分の首輪を外すには誰か協力者が必要だ。
今更だが誰か協力者を捜しに行く必要が出てきた。

「でも……二回目の放送まで後2時間ぐらいか……どうしようかな」

第二回目の放送時刻である昼の12時まで後2時間弱。
協力者を捜しに行くのは放送を聞いてからでも遅くはないだろうと、綾瀬は考えた。
今どれだけの生存者がいるか、また、その生存者の中でこの殺し合いに抗おうと
している者が、自分に協力してくれる可能性のある者が何人いるのかは分からないが。
少なくともまだ綾瀬は希望的観測を続けていた。

「……まぁ、何とかなるでしょ」

かなり安易とも言える予測を立てながら、綾瀬は机の上の分解した首輪を、
台所で手に入れたビニール袋に入れ、デイパックの中にしまい込んだ。



【一日目昼/G-8病院近く:海沿いの民家・平田家二階子供部屋】

【戸高綾瀬@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:ボウイナイフ(血痕付着)
[持物]:基本支給品一式(食糧一食分消費)、メリエの首輪(分解済)、工具箱(調達品)
[思考]:
0:殺し合いには乗らない。首輪の解除を目指す。
1:放送を待つ。
2:自分の首輪を解除するためにも仲間が欲しい所。
3:襲われたらどうする…?
※銀鏖院水晶(名前は知らない)の容姿を記憶しました。
※衣服を着ました。
※首輪のおおよその内部構造、及び解除方法の手掛かりを見付けました。



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いつも同じ心象風景 戸高綾瀬 余命××秒

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最終更新:2010年06月11日 20:43
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