フラッシュバック――記憶の欠片

49話 フラッシュバック――記憶の欠片


高野雅行は森を抜け、木造の校舎らしき建物が建っている敷地内に足を踏み入れた。
地図に小中学校という記載があったが、ここが恐らくそうだろう。
空もすっかり明るくなり、第一回目の放送の時刻も迫ってきているので、
雅行は一旦校舎内に隠れて放送を待つ事にした。

昇降口から、木製の板が敷き詰められた長い廊下に侵入する。
何かの怪談映画に出てきそうな、旧校舎のような印象を受けた。
ただ、貼紙が新しい事や、近くにあった水道の蛇口を捻ると水が出てくる事から、
まだ現役で使われているようだ。

右手に自動拳銃、S&W M3566を携え、教室内に誰かいないか確認しながら進む。

「……?」

ここで、雅行は奇妙な既視感を覚えた。

以前にも、自分は木造の校舎に入った事があるような気がしたのだ。
だがそんなはずはないと、雅行は否定する。

自分が通ってきた学校は全て鉄筋コンクリート製の建物だったし旧校舎も存在しなかった。
だが、それでも、今までの記憶がそれを否定しているのにも関わらず、
自分は以前に木造校舎に足を踏み入れた事が――そうだ、確か獅子獣人を追って――いや、待て。
獅子獣人とは誰の事だろうか? 今まで殺してきた老若男女の中には確かに獅子獣人もいたが――いや違う。
あれは――――。

「う゛っ!?」

自分でも分からない、意味不明な記憶を辿っていた時、雅行の頭が急に痛み出した。

「ぐあああああ……!?」

両手で頭を押さえ、床に膝を突き苦しむ雅行。
だが、その脳内には、ある情景が、まるで古びた映写機の如く映し出された。
酷く断片的に。しかし所々は鮮明に――――。





そしてゲーム■始まり、彼は■■拳銃――グ■ック19を■■な■ら、
他■■加者を探■ていた。
その時、銃声と共に前方の民家■壁に小さな穴■空いた。
■ろを振り向くと、■■■■銃を構えた筋■質の獅子獣人の男の姿■。
――見■けた。
■行は初の■物を■認し、喜■だ。
そして、■■■■も無くグロック■構え、獅子■人に向け発砲■た。
だ■、■■■■■■■■。思■■■■も自分は至■距離か■■っていた。
遠■離で撃っ■事■どほとんど無かっ■事を思い出した。
獅子獣人も撃■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、
■■■■弾は■く当たらなかった。
■■■■ば■く、■■■■撃■応■■■■広げ■れた。


■互い何とか無傷のまま、獅子獣人の■は荒廃した木造校舎に侵■した。
雅行も■■追って中■入る。
校舎の中は埃や■■、蜘蛛の巣■薄汚れ、何年も使われてい■■様子だった。
■■■■に■■■はそんな事ど■でも良く、獅■獣人の■■■■。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。
■■■■積■って■■■■、足跡■付■■■■な■■■■。
足跡■■■■近――■れも■■■■付いた物だ。■■は階段を上■り、
二階■と続■■■■。
■■■■■確認■■■■。雅行は■■■■り、■■■■■■■■。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、
奥の■■扉が開■■■■。
足跡もそこ■続いている。
■■■に入ると、■■■■机の所■■■■を感じ■。
■■■■■■■■■■。
雅■は、デ■■■■の■から■■■■■■■■■■■■た。


ラ■ルに書か■ている薬■■は――■■■■■。


これ■雅行の■■■■■支給品だっ■。グロック■■■■■酸の瓶■本が、
彼の■給品だった。
雅■は気配■■■■業机に■■■■■、その気配に向かって、
■硫酸の瓶を投げた。
放物線を描い■■■■の瓶は、奥■■■■■り、
そ■まま床に落ち――■リン■■■■。
ジュウ■ウウウ、と、何かが溶■■音がした。
直後。


「■■■■■■■■■!!」


■■■くような男■■■■共に、■■■■陰か■■から煙■■■■
獅子獣人の男■■■■■■■。





「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……な、何だ、今のは……!?」

突然、雅行の脳裏に浮かんだ光景。
それは断片的で音声もほとんど聞き取れず、映像も不鮮明だった。
だが、その断片的な欠片を寄せ集めれば、何が何だったのかはおおよそ見当がつく。

その光景の中で、自分は、今と同じように殺し合いをしていた。
そして獅子獣人の男を追い掛けて、木造校舎に入った。

先程木造校舎を以前どこかで訪れたような気がすると感じたのはこのためだろう。

――だが、この光景、いや、記憶は一体何なのだろうか。

「……」

まだ痛みの残る頭を左手で押さえながら、雅行はふらふらと立ち上がった。

ついさっき、頭の中に浮かんだ記憶の断片が気になったが、
いくら自分で納得のいく答えを出そうと考えても、結論は何一つ出てこない。
それとも、この殺し合いの主催者、リリア・ミスティーズにでも聞けば、何か分かるのだろうか。
無視するには余りにも不可解な事象だが、今は放っておくしかなさそうだ。


「……」

一階の職員室前廊下と、職員室内で、雅行は四人の死体を発見した。
青い髪を持った竜人の女性、頭に迷彩色のバンダナを巻いた紫色の犬の獣人、
金色ロングヘアのエルフの少女、なぜか衣服が脱がされ上に掛けられている白い猫獣人の少年。
いずれも銃で撃たれて死亡したようだが、特にエルフと猫少年の損壊具合が激しい。
廊下の壁や、職員室の窓などに弾痕が確認できるため、戦闘があった事は明らか。

デイパックは人数分発見できたがいずれも目ぼしい物は持ち去られた後だった。

隣の保健室にも入ったが、そこでは血まみれのベッド。
床に何かを引き摺ったような、血の跡が残っており、それは先程の職員室に伸びているようだった。
自分が思っているよりも壮絶な事があったのだろうと雅行は思ったが、
死者の死に方など興味はなかったので、他の部屋の探索に移った。

校長室、倉庫、教室、体育館、体育倉庫、多目的室、一階の部屋を見て回ったが人の姿はない。
二階に上がり、図書室や理科室、家庭科室、パソコン室、図工室、教室と、粗方見て回ったが、
参加者の気配はなかった。どうやら今、校舎には自分以外に誰もいないようだ。

雅行は一階の用務員室で休息を取る事にした。



【一日目早朝/F-5学校:一階用務員室】

【高野雅行@俺オリロワリピーター組】
[状態]:健康
[装備]:S&W M3566(15/15)
[持物]:基本支給品一式、S&W M3566のリロードマガジン(15×5)、
ベレッタM1951(8/8)、ベレッタM1951のリロードマガジン(8×5)、ツルハシ(血痕付着)、
ピアノ線、ハンドワイヤーカッター、 ブライアンの水と食糧、源しずかの水と食糧
[思考]:
0:殺し合いを楽しむ。
1:放送を待つ。
2:ムシャは次会ったら絶対に殺す。
3:さっきのは一体…?
※俺オリロワ開始前からの参戦、ではないかもしれません。
※アレックスとムシャの名前と容姿を記憶しました。また、大宮正悳(名前は知らない)の容姿を記憶しました。
※源しずかのデイパック(水と食糧抜きの基本支給品一式入り)はD-5森:南部に放棄しました。




崩壊への序曲 時系列順 夜明けは悪夢の終わりではない
崩壊への序曲 投下順 夜明けは悪夢の終わりではない

主のため、自分のため、仲間のため 高野雅行 運という不確定なものも時には必要

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最終更新:2010年05月18日 23:57
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