さて自己紹介

なんという偶然ッッッ!!

バトルロワイアル開始直後にッッ!!参加者6名がッッッ!!

ここッッ!!G-6鷹野神社にて遭遇するとはッッッ!!


「幸先がいいものだ」
見通しの全く効かない山を駆け下りて、神社に出た瞬間にばったりと出会った5人の参加者達。
チャベス・オバマは彼らを見るなり、表情を柔らかくし呟いた。

「~~~~~~~~ッッッ!!!」
あまりにも突然の出会いに、鎌田呉作は息を飲んだ。
自分を除いて5人もこの場所にいるのだ。彼らの内、誰かが殺し合いに乗っていたとしてもおかしくはない。
呉作は死ぬ事を殊更恐怖していた。貧弱な肉体の俺が、殺し合いに乗る奴との戦いに勝てるか?

「すごい……。偶然ってあるものなんだね……」
双海亜美は目の前にいる5人を眺めて感嘆した。もし誰にも会えなければ、怖くて寂しくてどうしようもなかっただろう。
5人との突然の出会いは、亜美にとっては嬉しい出来事だった。だが、油断はできない。
誰が殺し合いに乗っているか分かったものではないからだ。

「…………」
巡音ルカは注意深く5人を観察した。ただ一言も発さずに、値踏みするように冷たい視線を5人に注ぐ。
感情など何も読みとれなさそうな、冷たく鋭く、薄暗い目つきだった。

「キョン。あんたなんでこんな所にいるのよ」
「なんでって。偶然以外に理由があるか」
六人の内の二人は顔見知りだったようだ。涼宮ハルヒはキョンと呼ばれる青年に向かって気難しそうな視線を送った。
視線を送っただけで、ハルヒはもう何も喋らなくなった。いや、何も喋らないのはハルヒだけではない。

オバマ、呉作、亜美、ルカ、ハルヒ、キョン────
鷹野神社に集った六人の参加者達はそれぞれ誰ともなしに口を閉じて、自分以外の五人の出方をじっと観察していた。
この五人の中に、はたしてゲームに乗り気な参加者、すなわちマーダーはいるのか?いるとしたら、それは誰だ?
誰も何も喋らない硬直状態。重苦しい沈黙が彼らを包み込んだ。

唯一人、この沈黙を意に返さない者がいた。双海亜美だ。五人を見回して、彼女はにっと笑った。
「そんなに緊張しないでさ。まずは皆集まって自己紹介しようよ!」
猜疑心がないのか、それとも幼い故なのか、彼女は堂々と五人に詰め寄る。
そんな彼女を見て、残りの参加者達に緊張が走る。

「いいわ。彼女の提案通り、まずは自己紹介といきましょう。このまま硬直していてもらちが開かないでしょう?」
遭遇した当初から今までずっと沈黙を保ち続けていたルカの唇が、このタイミングで動いた。
彼女も亜美と同じように自分以外の五人の元へと詰め寄る。
しかし、亜美とルカ、二人の動作は同じでも、堂々としている亜美とは違いルカは微妙に青ざめている。
ルカが恐怖を隠し切れていない事をオバマは見抜き、誰にも見えないようにそっと嘲笑した。

「いいだろう。私もその提案に賛成だ。確かにこのままではらちが開かん」
表情から嘲笑の色を消して、オバマはルカと亜美の元へ歩み寄る。

そこから先はすんなりといった。三人が集まったのを見て、呉作とキョン、ハルヒも彼らの元に集まる。
ハルヒだけは相変わらずの仏頂面だったが、元々訳の分からない性格をした彼女の事、
こんな表情をするのはいつもの事だと、キョンはたかを括っていた。

六人は鷹野神社のさい銭箱の前の石畳の上で、円状に向かい合って座った。
夜気に晒されている石畳は、ひんやりと冷たかった。

「自己紹介って、具体的にどんな感じにしていくつもりよ」
「順番に言っていこうよ!」
「その順番はどう決めるのよ」
「おいハルヒ。何イライラしてるんだ?」
小学生の亜美を相手にしても刺々しい口調を止めないハルヒに、キョンは突っ込んだ。
「別にイライラしてないわよ。ふん。楽しくて笑っちゃうわ」
ハルヒは口角を釣り上げる。

「とりあえず一番初めに自己紹介を提案した、貴方から始めるのがいいと思うわ」
ルカが亜美の目を見て提案する。
「私?うーん、分かった」
亜美は少しの間、どんな事を話そうかな、と顎に指を当てて考えた。

「私の名前は双海亜美!年は12才!765プロダクションっていう芸能事務所に所属していてねえ。アイドルの卵だよ!
 えーっと趣味はねぇ。遊ぶ事と食べる事が好きかな。あと、イタズラとモノマネも好き!」
亜美の言葉を聞いて、ルカの目が瞬いた。
「あんた、アイドル候補生なの?だったら、私の事、分からない?」
「え……?」
亜美は疑問符を浮かべながらルカの顔をまじまじと見た。何かに気付いたのか、少しずつ亜美の顔が紅潮していく。

「巡音ルカ、ちゃん?まさか、こんな所にいるなんて」

間違いない。亜美の目の前にいるピンク色のロングヘアーの女性は、確かにあの"巡音ルカ"だった。
初音ミクと双璧をなす。今最も売れているアイドルだ。
今まで気づかなかったのは、さすがの亜美といえども緊張していたからだろうか。
こんな所でルカに会えた衝撃は亜美から始まり、他の者たちにも伝染していった。

「まさか……!ルカのような有名人までこんなゲームに参加させられてるのか!」
自分のようなどこにでもいる輩が参加しているのならまだしも、
ルカのような成功者まで参加させられているとは夢にも思わなかった。
呉作は予想と異なっていたゲームの参加者の実態に、衝撃を感じた。

「まさかの参加者だな」
オバマはくすりと笑ったが、目は笑っていなかった。まるで初めから彼女の正体に気づいていたかのように。
「どうでもいいけどさ。亜美、ちゃんだっけ?まだ一番肝心な事を言ってないわよ」
唯一人、ルカの正体を知っても眉一つ動かさなかったハルヒが、話の流れをぶった切った。
「肝心な事?」
亜美だけが気づいていない。他の5人は、ハルヒが言った『一番肝心な事』が何なのか、分かっているというのに。

「殺し合いに乗っているのか、乗っていないか、よ」

悪戯っぽくにやりと笑って、ハルヒは言った。亜美の表情が固まった。
やっぱりそういう方向に話が行くのか!と、呉作は緊張で息を飲む。
ルカは表面上は穏やかさを保っているが、心中は呉作と同じく穏やかではない。
キョンもルカと似たり寄ったりの状態だ。

(そんな単刀直入に聞く奴があるかよ……それにしてもどうして今のこいつはこんなにカリカリしてるんだ?
 やっぱりハルヒの考えている事は魑魅魍魎過ぎてよう分からん)

「そんなの!乗ってるわけないじゃん!私は、あのやる美って人が可哀想で……
 あのケツホルデスって主催者、絶対に許さない!」
ハルヒの挑発にとうとう熱くなってしまったのか、亜美は血気盛んな様子でまくし立てた。
あまりに亜美が熱く宣言したせいか、他の者達はそれぞれ面食らったのか、何を思ったか知らないが、
表情を固めて沈黙している。ハルヒのみが相変わらずのイタズラっぽい笑みを亜美に向けていた。

(やっぱりそうだよな……)
心の内の方から、緊張が少しずつ解けていくのを呉作は感じた。
あそこまで堂々と、主催者に宣戦布告した亜美に感謝したい気持でいっぱいだった。
(人殺しなんて駄目だよ。俺も蟹になれるなら優勝を目指すのもありかも、って一時は思っちゃったけど。
 やっぱり、自分の夢のためだとしても、人殺しだけはしちゃいけない。絶対に駄目なんだ。
 あの亜美って子には助けられたな。あの子がああいってくれたお陰で、俺にも勇気が……)

「亜美ちゃんの自己紹介はこんなところでいいかしら。何か質問したい人はいる?」
「はい。質問」
ルカの言葉を聞いて、ハルヒは手を挙げた。
「亜美ちゃんさあ、この状況を楽しむって気持ちはある?」
ハルヒの質問の内容に、亜美だけではなく、5人全員が面食らった。
「う、ううん。ないよ。早く皆と一緒に家に帰りたいよ」
「そう。有難う。素直に答えてくれて」
「何を言っているんだお前は。いい加減おかしいぞ?今のお前は」
ハルヒの妙な態度を、いつものハルヒから見てもさすがに変だと感じたのか、キョンは言った。

「変かしら?別に普段通りよ」

(なんだこいつ……さっきから変な奴だなあ)
(何を考えているのかしら……)
(何をしようとしている?)
(この人なんか怖いよ)

「いつものお前を考慮に入れても、今のお前は変だ」
「そう。まあいいわ。次に自己紹介するのは誰?誰もしたくないなら、次は私がしてもいい?」
「…………」
誰も何も言わないので、ハルヒは自己紹介を始める。

「私の名前は涼宮ハルヒ!ただの人間には興味ありません!この中に宇宙人ry」
「お前それが言いたいだけちゃうry」
「五月蠅い!亜美ちゃんは小学生だから可愛かったけど、私みたいな高校生がこの状況で趣味を言ってもどうでもいいわよね?
 だから趣味とかそういうのは割愛!それで、一番肝心な事だけど……」

次の瞬間、涼宮ハルヒは、天地が引っ繰り返るような事を堂々と宣言した。


「私はゲームに乗って、優勝を目指すわ!」


しばらく、誰も口を開かなかった。

「…………え? 今、なんて?」
呉作は呆気にとられたまま、漸く呟くように言った。あまりの衝撃に眩暈がした。
何か聞き間違えたのだろうか。まさか、この状況でゲームに乗りますなんて言えるわけがない。
今からお前らを殺しますと言っているのと同じ事だ。ただ袋叩きにあうだけじゃないか。

「私は本気よ。あんた達も例外なく殺すからね」
呉作の眩暈は止まらない。今目の前にいるこの少女が、ゲームに乗る?
殺人鬼になる?と言う事は、俺も殺されるのか?こいつに?

「きゃあああああああああ!!」
金縛りにあっていたかのように硬直していた亜美が、突如悲鳴を上げた。
「キョン!亜美ちゃんを抑えて!」
「おおお、抑えてってお前!殺す気か!?」
さすがのキョンも動揺を隠しきれていない。ハルヒが奇想天外な脳味噌を持っている事は重々承知していたつもりなのだが。
「殺すにしても後よ!とにかく悲鳴を止めないと、殺人鬼がこっちにくるかもしれないじゃない!」
「殺人鬼ってお前!お前も殺人鬼になるつもりなん」

キョンが慌てている間に、オバマが素早く動いて、後ろから右手で亜美の口を塞いだ。
「おじさんナイス!」
「色々とおかしな状況だが、君が支持した通り、まずはこの子を落ち着かせるのが先決だ」
「いや、先決って……」
呉作が呆れたようにオバマ達を見ている。

「何よりも先決なのは、今すぐこの女から逃げるべきなんじゃないか?
 だって、こいつは殺す気満々なんだぞ」
「そうだとしても、彼女一人で我々五人をどうにかできると思うかね?一人で何が出来る?」
確かに言われてみればそうだが、呉作の不安は消えない。
「支給品次第で、俺達五人を皆殺しにする事も……」
「心配いらない。妙な動きをしたら、私が即、彼女を斬る!」
どこからいつ取り出したのか、オバマは亜美を抑えつけていない方の手に、妙に豪華な刀を握りしめていた。
その刀の間合いに、ハルヒの首はあった。

「別に今は何もしないわよ。だいたい、まだ自己紹介が終わってないじゃない。
 全員の自己紹介を聞かせて貰わないとね。そういう約束だったでしょ?」
(そんな約束したっけかなあ……)
呉作は首を傾げる。亜美の提案でただなんとなく始まっただけのような気がするのだが。
「いいわ。次は私が自己紹介する」
即座にルカが名乗りを上げる。

殺人鬼がいるのに話し合いが続く。この妙な状況に、呉作は呆れていた。
自己紹介が全員済んだら、ハルヒはいったいどうするつもりなんだろう。
このままでは、オバマの言った通り、袋叩きにしてやれば簡単に決着がついてしまう。
だが、そんな事は当のハルヒだって十分予想できたはずだ。

「もう自己紹介する必要もないかもしれないけど、そちらの殺人鬼さんは私の名前を知ってもあまり驚かなかったみたいだから、
 一応『一番肝心な事』以外も言うわ。私の名前は巡音ルカ。大好物はタコよ。苦手なのは初音ミク」
「どうでもいいから早く『一番肝心な事』を言いなさい。私の反応が薄かったからっていじけてるんじゃないわよ」
ピシャリとハルヒが言い放つ。ルカはそんなハルヒをじとりと睨んだ。

「一番肝心な事ね……そうね……」
ルカの唇は動きを止めてしまった。そして、何故か俯きがちになり、怯えているようにも見える。
まるで口にする事を躊躇うようにして、一音一音、震えるようにして喋り始める。
「わ、私はこのゲーム…………このゲームに、」
もはや体全体が恐怖に震えている。やはり、怖い。こんな事を言うのは怖い。やめるか?いや、駄目だ。

「乗ろうと思っているの」
ルカは顔を上げてちらと五人の様子を窺った。空気が凍りついていた。
オバマに抑えられている亜美はまたも血相を変えて卒倒しそうになっている。
ハルヒのみがほっと安堵したかのように、頬を緩めていた。

「なんなんだいったい……この状況」
キョンは戦慄した。まさか、三人目が現れるとは……、キョンの予想は見事に外れてしまった。
「おかしいぞ……なんだこの状況は……!どうしてルカまで!あんなに有名なのに!」
呉作もまた、亜美と同じように悲鳴を上げそうになっている。
(ありえないだろ。人殺しがどれだけ悪い事なのか理解してるのか?まともなのは亜美ちゃんだけか!)

「これは意外な展開だな」
オバマはどこか楽しそうに言った。
「次は私の番でいいかな。名前はチャベス・オバマ。趣味は筋トレと肉体演説だ」
肉体演説という言葉にツッコミを入れたい衝動に駆られたが、キョンは話を乱したくないので黙っていた。
「亜美ちゃんには悪いが私もゲームに乗ろうと思っている。なかなかいい支給品があるんでね」

「俺の名前は……ていうか名簿に載せられている名前はキョンだ。不本意だがキョンと呼んでくれ」
オバマの自己紹介による衝撃に、またも打ちのめされている呉作と亜美を無視して、キョンは早々に自己紹介を始めた。
「俺もゲームに乗る。ハルヒが乗るんなら、まあ、仕方がないからな……。
 どの道、生き残るためには優勝を目指すのが一番良さそうだ」

「~~~~~~~ッッッ!!!」
もはや言葉が出てこない。

あっという間に終わったキョンとオバマの自己紹介。だが、その内容は戦慄すべきものだった。
今や六人の内、優勝派は四人。優勝派の方が多数派になってしまった。
対主催派は今のところ亜美一人だった。ハルヒが自己紹介を終えた時は、一番命の危険に晒されているのはハルヒだったが、
今となってはもう違う。今最も危ないのは、たった一人主催者に楯突く意思を見せた亜美だ。

「さあ、あんたが最後よ」
ハルヒが話を振った。とうとう呉作の自己紹介の順番だ。
それにしてもどうすればいいのだろうか。呉作は、元々は殺し合いに乗るつもりなど全くなかった。
亜美の言葉に共感し、主催者を打倒してやろうと考えていた。
しかし、今、優勝狙いが多数派のこの場で主催者打倒を宣言する事は、文字通り死を意味する。
とはいえ、優勝狙いを宣言してしまえば、亜美の命は────

呉作は心を決めて自己紹介にのぞむ。動揺を隠しきれない。

「あ、お、俺は鎌田呉作。何よりも大好きで、憧れているのものがある。それは蟹だ。
 俺は蟹になりたい。なりたいから…………」
オバマに抑えつけられ、顔面蒼白の亜美にちらりと目をやった。

「俺も殺し合いに乗るつもりなんだ。優勝して蟹になりたい」

オバマの手の内で、亜美はもがもがと口を動かして、声にならない悲鳴を上げた。
(嘘よ!本当は殺し合いに乗るつもりなんてなかった癖に!こんな状況でこんなに酷い嘘をつくなんて!)
亜美の罵倒の声が聞こえてくるようで、胸が苦しい。罪悪感で潰れてしまいそうだ。

(ごめんよ亜美ちゃん。でも、背に腹は代えられないんだ……。亜美ちゃんは立派だと思うよ。カッコ良かったよ。
 でも俺は、俺の場合はカッコ悪くてもいいから生きていたいんだ。自分の命のため、乗るって一応言ったけど、俺は人を殺すなんて絶対にしないから。
 俺の場合、ゲームに乗るなんてのは口だけだから。人殺しはしない。それだけは亜美ちゃんの意思を継いで絶対に守るから…………さ)

ハルヒ、ルカ、キョン、呉作────
四人が固唾を飲んで見守る中、オバマは握りしめた刀の刃を亜美の首筋の頸動脈に当てて、切った。

血が溢れ、まもなく亜美はあっけなく死んだ。


▼ ▼ ▼

「あいつ、怪しいわ」
「言われなくても分かってる。あいつは……鎌田呉作は命惜しさに、とりあえず俺達に合わせただけだろう」
ハルヒが呉作の目を盗んで、キョンにそっと耳打ちし、キョンもまたそっと呟いた。

「そう言えばお前、どうして殺し合いに乗る気になったんだ?」
「あんたこそどうなのよ」
「俺は……なんだかんだで優勝を目指すのが一番生還できる確率が高いと思ったからだ。
 お前が初めにゲームに乗るって言った時は面食らったけどな」
ふーん、とハルヒはどうでも好さそうに言った。

「私の場合は面白そうだからよ。それ以上もそれ以下もないわ」
「まあ、お前なら本当にそれだけの理由で乗りそうだが。本当はもう一つ、もっと重大な理由があるだろ。
 一番の理由は夜神月が参加していたからだろ?あいつに勝ちたいんだろ?」
キョンの言葉に、ハルヒはぴくりと身を震わせて反応した。

「ふん。ばれてるのなら仕方ないわね。その通りよ。馬鹿なくせに、自分の事をいつも神だ神だ言うあの馬鹿月に、
 誰が本物の神様なのか教えてやるのよ。このゲームはあの自称神と私、どっちが本当の神なのか教えるいい機会」

キョンはハルヒと月の関係を思い出すようにして考える。月は傲慢だ。そして変人だ。
それなのに誰よりもあらゆる点で有能だから性質が悪い。ハルヒの全てを上回る月は、同じ完璧超人として、
ハルヒにとってまさに目の上のたんこぶなのだろう。学校でもしばしば衝突していた二人だったが、
ハルヒはいつも月に相手にされず、軽くあしらわれてばかりだった。そんなハルヒはこのバトルロワイアルを舞台に、
月との最終決戦を始めようとしている。

「お前、勝てるのか?いつもいつも相手にされてない感があったが……」
「まあ見てなさい。このゲーム、何でもありじゃない。何でもありなら私は今度こそ負けないわ。
 誰が本当の神か、あの馬鹿に教えてやるんだから!」


「…………」
「鎌田呉作は嘘をついていると思うかね?」
呉作の目を盗んで、オバマは亜美の死体の前で黙り込んでいるルカにそっと話しかけた。
ルカはちらりとオバマを見たが、一言も話さないまますぐに視線を外して、じっと亜美の死体を眺めている。
もう頸動脈からの出血も止まっている。枯れたように死んでいる亜美の姿は、正視に耐えない。

私も、死ねばこうなるのかしら…………


【双海亜美@アイドルマスター 死亡】
【残り38人】

【一日目/深夜/G-6 鷹野神社】
【涼宮ハルヒ@やる夫スレ常連】
[状態]:健康
[装備]:ファルシオン(曲刀)
[所持品]:基本支給品一式(パン残り2個)、手榴弾×3個
[思考・行動]
基本:優勝狙い。夜神月に誰が本物の神なのか理解させる
1:呉作を警戒
※このハルヒはただの一般人。特殊能力は何も持ってません。

【キョン@やる夫スレ常連】
[状態]:健康
[装備]:バールのようなもの
[所持品]:基本支給品一式(パン残り2個)、救急箱
[思考・行動]
基本:優勝狙い。とりあえず死にたくない。
1:呉作を警戒

【チャベス・オバマ@本格的!ガチムチパンツレスリング】
[状態]:健康
[装備]:剛剣マンジカブラ(刀)
[所持品]:基本支給品一式(パン残り2個)、携帯電話
[思考・行動]
基本:ゲームに乗る?
※24時間ルールのノルマを達成。

【巡音ルカ@ボーカロイド】
[状態]:健康
[装備]:十得ナイフ
[所持品]:基本支給品一式(パン残り2個)
[思考・行動]
基本:ゲームに乗る?

【鎌田呉作@本格的!ガチムチパンツレスリング】
[状態]:健康
[装備]:ハリセン
[所持品]:基本支給品一式(パン残り2個)
[思考・行動]
基本:人は殺したくないけど自分が死ぬのは勘弁
1:この4人から疑われないようにしないと……
2:亜美ちゃんごめん……


※双海亜美の死体の傍にデイパック(中身:基本支給品一式(パン残り2個)、双眼鏡、スモークグレネード×4個)が落ちてます。


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GAME START 双海亜美 GAME OVER
GAME START 涼宮ハルヒ Next:
GAME START キョン Next:
GAME START チャベス・オバマ Next:
GAME START 巡音ルカ Next:
GAME START 鎌田呉作 Next:

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最終更新:2010年01月15日 00:38
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