「『僕はね』『エリートが大大大ッ嫌いなんだよ』」
にこやかな笑顔で歪んだことを言う童顔の少年。いや、年齢は既に青年と呼ぶに相応しいのだが。
本来、彼のいる遊園地は楽しい楽しい場所の筈だった。
それが、過負荷(マイナス)の空気に呑まれてしまっている。
その理由は、二つ。
まず、言うまでもなく”バトル・ロワイアル”。
既に犠牲者は出ている上に、疑心暗鬼の中にいるためでもある。
二つ目は、―――――――――――球磨川禊。
彼は転校先の学校を、ことごとく潰してきた。
あまりにも大きすぎる、マイナスの塊。
そして、そんな過負荷の塊に挑む男が一人。
「よぉ、久しぶりっすね」
あまりにも気さくな挨拶。だが、少年、人吉善吉の眼には、憎悪と闘志と、そして恐怖がうかんでいた。
「『やあ』『人吉くん!!』『君みたいな子は嫌いじゃないよ』」
「そうっすか。生憎、」
「俺はあんたのこと、世界で一番大ッ嫌いですから」
善吉が駆けた。そして、得意の蹴りを球磨川の顔面に当てようとする。
「『わぁ』『強くなったね善吉くん』」
球磨川は片手で受け止めて、逆にちかくの木製小型看板を、笑顔で。
屈託のない笑顔で。善吉の左手に突き刺した。
そして、そのまま――――――――――――
****************
「何……あれ………」
私の名前はゆり。本名は仲村ゆり。
私は今日、この世で一番恐ろしいものを見てしまった。
「『なぁんだ、』『もっと遊びたかったのに』『人吉くん』」
目の前の球磨川と呼ばれた少年は、人吉と呼ばれた少年の攻撃を”受け流し”、
遊園地の木製看板で、人吉を一撃で刺し殺したのだ。
歯が、震える。何故なら、球磨川が、消えたから。
でも、球磨川の寒気は消えていない。
むしろ、どんどん近づいて―――――――――――
ドスッ。
「い、や」
ゆりの懇願は既に遅く。ゆりの心臓を、看板は一突きにしていた。
【一日目】
【球磨川禊@めだかボックス】
[状態]健康、皆殺し★
[装備]木製看板
[所持品]基本支給品一式
[思考・行動]
基本:エリート抹殺
[備考]
【人吉善吉@めだかボックス】
【ゆり@Angel beats!】 死亡
最終更新:2011年08月07日 22:37