狂気と闘争

第3話 狂気と闘争

「ここか…祭りの場所は…」
その男が目覚めたとき、彼はとあるレストランにいた。
乱れた金髪、ボロボロの蛇柄のジャケット、そして獲物を狙う蛇のごとき眼光。
それら全てが、彼が善良な一般市民でない事を物語っていた。
それも当然と言える。何故なら彼は数多くの殺人に手を染めた凶悪犯なのだから。
男の名は浅倉 威。少年期に実家に放火し、自身の家族を殺害。
その後も罪のない人々を「イライラしたから」という自分勝手な理由で手に掛けてきた。
彼は自分がこの殺し合いに呼ばれたことに対し、全く動揺はなかった。いや、むしろ歓喜していた。
常に暴力の中で生きてきた彼にとって、いつの間にか暴力は無くてはならない物になっていたのだ。
よって現状に不満は何一つ無かった。・・・無かったのだが、たった今ひとつの不満が彼の頭に浮かんだ。
「腹が減ったな…」
彼は、唯一の不満である空腹を紛らわすべく、ドアを乱暴に蹴破り、店内の奥にあるキッチンへと進んだ。しばらくキッチンを散策した後、目に付いた大きな冷蔵庫の扉を開けると、生のままの鶏モモ肉を無造作に3つ取り出した。
そして彼は胡坐をかき、鶏肉とデイバックに入っていた1斤の食パンに交互にかぶりついて食事を始めた。お世辞にも豪勢な食事とはいえないが、逃亡生活中にイモリ、更には泥を食べたことすらある彼にとって、充分すぎる程のご馳走だった。
「あのー、そこに誰かいるんですか?」
あらかた食事を済ませ、レストランを去ろうとした浅倉の耳に、間の抜けた声が入ってきた。
彼が振り向くと、先ほど蹴破ったドアから妙な格好をした中年が入ってきた。
頭には南米かどこかの先住民が被っていそうな兜を被り、仮面のように表情が変わらぬ顔には、妙に長いひげが生え、両手には変な盾と槍を持ち、首から下は紫の大きな布で覆われており、ちょうどてるてる坊主のようだった。
「私、ヴァンプと申します。何か食料はないかと思って、このレストランに来てみたんですが・・・」
「んな事ぁどうでもいいんだよ・・・遊んでくれよ?俺と・・・」
「えっ?」
ヴァンプが何のことか尋ねようとした瞬間、浅倉は懐から取り出した包丁をヴァンプに振りかざしていた。 先ほどキッチンを散策した際、秘かに包丁を一本頂戴していたのである。
「い…いきなり何を!?」
「だから言ってんだろ…遊んでくれよ俺と」
盾を持っていたから辛うじて攻撃を防げたものの、一瞬でも反応が遅れれば確実に死んでいた。
しかも、それを「遊び」と称する神経がヴァンプには分らなかった。


キィィィィィィン

突然、あたり一帯に金切音が響いた。
「何だ、お前も腹が減ってるのか・・・勝手に食いな」
「…?何を言って…」
浅倉が誰もいない空間に話しかけると、デイバックから取り出した紫色のカードデッキから、1枚大蛇の描かれたカードを取り出した。
すると、ステンレスの食器棚から突然、5~6mはあろうかという巨大なコブラが現れた。
浅倉のもうひとつの姿、仮面ライダー王蛇の契約モンスター、ベノスネーカーである。
ベノスネーカーは呆気に取られているヴァンプを巨大な口で銜えると、そのまま丸呑みにしてしまった。 その後、異物である首輪を吐き出すと、再びステンレスの棚へ・・・いや、鏡の世界「ミラーワールド」へと消えていった。
店内に他に人間がいないことを確認した浅倉は、今度こそレストランを後にした。
彼が求めるのは強者との対決。そして一人の男との決着。
「待ってろよ・・・北岡ァ!!」
彼は宿敵の名を叫ぶと、全速力で走り出した。
今、狂気の蛇が野に放たれた。

【一日目/深夜/A-4/レストラン】
【浅倉 威@仮面ライダー龍騎】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:基本支給品一式、王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎(ユナイトベントのカードは他の参加者が持ってます)
[思考・行動]
0殺し合いに乗る
1北岡は必ず自分の手で殺す。
2強い奴と戦う

【ヴァンプ将軍@天体戦士サンレッド】死亡確認


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GAME START 浅倉 威 Next:
GAME START ヴァンプ将軍 GAME OVER

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最終更新:2009年10月18日 16:13
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