ギャンブル船のとある一室。
手塚義光のスタート地点はそのベッドの上だった。
いつのまにかここに寝かされており、そしてたった今目が覚めたばかりだった。
「ったくよお、なんだって、こんなとこにいるんだか……」
ベッドの横に置かれていた、自分の帽子を頭に被った手塚は、ゆっくり立ち上がり、窓から外を眺める。
そこには広大な海が広がっていたが、今は夜なので、ほとんどその先は見えなかった。
「あのキチガイ野郎が……くだらねえ事考えやがって……。」
スカリエッティに悪態をつき、舌打ちをすると一旦状況を整理するためにベッドに座り、近くに置かれていたデイバックを手に取る。
中から最初に取りだしたのは、PDA。
「……こいつぁ、なんだか初めて触った感じがしねえな」
実際、触ったのは初めてなのだが、何故かそんな感じがしなかった。
タッチパネル式で、画面に触れるとメニュー画面が現れた。
そこには『ルール・特殊機能・地図・メール』の4つの項目が書かれてあった。
「ルール、ねぇ」
こんな殺し合いにルールをつけるなんざ、あいつら、俺たちが殺し合うのを楽しんでんのか?
そう思いながら、ルールの項目をタッチする。
すると、今度はたくさんの文字が現れた。そこにルールが書かれてあった。
「……ほお、賞金20億に、願いを叶えるか」
そこに興味を持ったが、生憎金に目がくらむ手塚ではなかった。
願い事も、手塚には対してなかった。
「……にしても、ここはいったいどの辺りなんだ?」
一旦、メニュー画面に戻り地図を出す。
だが、地図はこの殺し合いの舞台の全体図だけで、現在地までは書かれていなかった。
「だけどまあ、ルールに書いてあることや、ここを見る限り、ギャンブル船っつう事か」
若干、床が揺れているしなと付け加える。
波の音もするし、かすかだが潮の匂いもした。
「さてと、これからどうするか……」
金に興味もなければ、願い事もない。
本来は脱出するはず。……が。
手塚は違っていた。
デイバックを再び漁ると、中から大きな金属の塊が出てきた。
それは紛れもなく、銃火器。
アサルトライフル――M4カービンだった。
しかもご丁寧に、ACOGスコープ、レーザーサイト、M203グレネードランチャー付きだった。
俗に言う、『当たり武器』であった。
「……へえ、あのキチガイも随分と気が効くじゃねえか」
さらにデイバックを漁る。
結局、手塚の支給品はM4に裏にダイヤルの付いた蝶ネクタイ――蝶ネクタイ型変声機の二つだった。
「……おもしれえ、金に興味はねえが、ゲームを楽しんでやろうじゃねえか」
その手塚の笑みはどこか不気味で、しかし楽しそうな表情だった。
ギャンブル船では武器を装備する事を禁止されているので、一旦武器をバックにしまい、ポケットにPDAを入れる。
そしてそのポケットに入っていた煙草をふかしながら、部屋を後にした。
ギャンブルルームに寄ってみると、そこには様々なゲームが遊べるようになっていた。
ポーカー、ブラックジャック、ルーレット、スロット。
まさに『ギャンブル』といったものだった。
つい気になり、手塚はカウンターで立っている黒服の男に歩み寄る。
「いらっしゃいませ。手塚義光様でいらっしゃいますね?」
「へえ、俺ってそんなに有名だったのか。そいつは知らなかった」
と、軽口を叩き、本題に入る。
関係者が参加者を知らないわけがない。
「ギャンブルってのは、これで全部なのか?」
「……と、おっしゃいますと?」
「他にもあんだろ?例えば、競馬とか誰が生き残るか予想するとか」
「……そう言った類はございませんが、ここにあるゲーム以外は船のデッキにございます。
また、参加者の人数がそろえば、特殊なゲームを開催する予定であります」
「そいつは、どんなゲームなんだ?」
「それは私の口からでは何も言えません。自分の目でお確かめください」
そう言うと、手塚は溜息をつく。
まあ、どうせ時間はある。もしかしたら他の参加者が来るかもしれないから、ここで時間を潰すのも悪くない。
それにもしかしたら、強力な武器が手に入るかもしれないしな。
そう思うと、デッキへ向かうことにした。
【ギャンブル船・ギャンブルルーム内/1日目/深夜】
【手塚義光@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】
[状態]:健康
[服装]:いつもの私服
[装備]:PDA
[道具]:支給品一式、M4カービン(30/30)予備弾薬90発/M203グレネードランチャー(1/1)予備弾薬5発、蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン、煙草@私物
[思考]
基本:賞金も願い事も興味は無いが、ゲームを楽しむ。
1:船のデッキへ向かう。
2:ゲームを楽しむために、武器を手に入れる。
※原作開始前からの参戦です。
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最終更新:2011年06月04日 00:30