悪性拡大

000

春原陽平を語るにあったて特に話すべき話はまだ特には無い。
今までは意味も無くダベリ、生産性など皆無な話題で盛り上がり、
思いに残るようなことも何も無く、心を打たれることも無く、
所詮ギャグ用の人である。
それはもはや周知の事実。
当たり前になっている。
当たり前かのようになっている。
しかしそれだけでは彼を語る尽くすのは許されない。
彼の真骨頂はこれでは無い。
彼が見せる真骨頂。
それは時折見せるその鋭い視線と思いやりのある意見。
これが彼の真骨頂。
これに僕は何回か助けられた。
だからこそ僕にしては珍しい男の友達になれたのだろう。
それはとても大事なことだ。
恋人なのが今は亡き戦場ヶ原。
恩人なのが今もこの殺し合いのどこかで戦っている羽川。
一番仲が良いのが神原。
結婚するなら八九寺。
大事なのが千石。
最近可愛くみえるのが火憐ちゃん。
一生をかけて守りたいのが月火ちゃん。
そして一緒に死ぬなら忍。
だけど一番長く一緒に過ごすなら春原だろう。
…もちろんこれは変な意味では無く、
学校とかでいつも一緒にいて笑い合うなら。という意味だ。
僕の人生を語る上で思いもよらないところからだったが、
欠かせない存在にのしりあがった春原。
僕と春原はいつまでも笑いあいたいと願っていた。

001

ザーザーザー

砂嵐が起こったときの雑音とともに、
放送が、終わった。
………………。

「……………………」
「……………………」

この場を沈黙が支配する。
喋れない、喋れない。
口が乾いていく。
先ほどまでの明るい空気が一気に吹き飛んだ。
暗い。重い。
そんな雰囲気が僕たちを包み込む。
…戦場ヶ原が…………?………?……?…??
う、嘘だろ!?
そんな…。
僕の心が闇に染まっていく。
そんな中春原が口を開いた。

「……で。どうすんだよ阿良々木」

その声色は先ほどまでのとは全然違った。

「どうするって?」
「幸運なことに僕の知り合いは誰も死ななかった。もしかしたら誰か殺してのし上がっているかもしれないけどさ」
「それで」

何が言いたいんだこいつは。今はほっておいてほしいんだが。

「対して阿良々木。お前は恋人が死んだな」
「そうだな」

冷静に答えたつもりだ。…だった。

「別に動揺するのは当然だと思うよ。恥ずかしくなんか無い。
というより恋人が死んで何も感じない人なんてそれこそ死んだ方がいいね」
「………」

悟られたようだった。

「さてここでさっき放送前に聞いたこと覚えてる?」
「『もし知り合いが死んでいたらどうするか。』」
「そうだね。そこでお前は本気と冗談で3通りの答えをだした」
「…」
「1つは僕を殺す。そして優勝目指し皆殺しをすること。
2つ目は悲しみのあまり自ら自殺をすること。
3つ目は主催者を倒すよう本気で動き出すこと」
「…」
「はっきりいって僕は今のお前の気持ちがこれっぽちも分かんないね」
「…」
「励ましの言葉なんて掛けれないよ」
「…」

そこで春原は手に持っていた銃を僕に直接手渡した。

「さて、ここでお前にもう一回質問するよ。お前は今からどうしたい?」
「…」
「さっき言ったように主催者を倒すよう動くの?
それとも僕を殺す?それとも自殺する?」
「そ、それは…」

今はそんな気力はっきりいってない。
守りたい者は無いんだから。
羽川。あいつは僕が守れるような格じゃあない。
むしろ僕が守ってもらう方だ。

「はっきり言うと別に僕をここで殺そうが僕はお前には怒らないよ。
怒るんだったらあの眼鏡だね。お前に怒れるわけがない」
「…」
「だって友達なんだし」
「…」

よくいうぜ。ヘタレのくせしてな。
ヘタレなんだったらその辺でビビってろよな。

「そうだな。じゃあ、僕と一緒に死んでくれよ。ちょうど忍と同じ金髪だしね」
「いいよ。僕は友達のためなら命を張るぜ」

今のお前は最高にカッコいいぜ。春原。

「そうか。じゃあまたな。親友」
「応。といいたいとこだが1つ約束だ」
「――なんだよ」
「今度、一緒に遊び行こうぜ」
「―――了解だ。じゃあまたいつか。親友春原陽平」
「応。また今度な。親友阿良々木暦」

ダァン。

鼓膜が破れる。
しかしいつかは自然に治るだろう。
そして春原のいた方から血が僕に飛び散る。
僕が春原を殺したから。
僕の気持ちが春原を巻き込んだ。
さて、ここで僕が自分に向かって銃を撃ったところで何の意味もないだろう。
だから僕は動き出す。
モンスターに殺されるため。
意味も無く。
生産性など皆無で。
思いに残ることをして。
心も打たれて。
主人公だったらあるまじき行為をし。
ギャグの欠片もないことをしに。



僕は闇に堕ちていく。







【春原陽平@CLANNAD:ログアウト(死亡)】
【残り25人】

【1日目/朝/隠されし 禁断の 碧野】
【阿良々木暦@化物語】
[状態]精神異常
[ステータス]
LV:15 HP:512/512 SP:60/60
ATK:27 DEF:29 SPD:28
[装備]グロック17(残り14発)
[道具]支給品一式、いやしの水
[所持金]365
[思考]
基本:さっさと死にたい。
1:高LVエリアにいくか
2:羽川は…大丈夫だよな

第一回放送(カオスな自己満足ロワ) 投下順 私の知らない物語?
シリアスなんてぶっ飛ばせ!! 春原陽平 GAME OVER
シリアスなんてぶっ飛ばせ!! 阿良々木暦 僕の幸せの在り方

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年05月14日 15:54
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。