人の忠告はよく聞こう

『やあ、ラッキーな参加者さん、原村和。これは僕の力で予知した未来の一つを記したものだ。
この未来にあらがうか受け入れるかは任せるよ。
君は最初に会った人に殺される。
死にたくないなら君の支給品のーーーコルトガバメントで出会い際速攻で射殺することをすすめるよ。隠れたところで君は必ず死ぬ。殺す以外に道はない』

「………ふざけてますね」
原村和はa-1にて、予知の書かれた紙を破り捨てた。
彼女は非科学というものを一切信じない性質で、『予知』など信じるに値しないと思ったからに他ならない。
だが。

彼女のバックには本当にコルトガバメントが支給されていた。

背筋に寒いものが走る。
麻雀ではそれこそ非科学的な強さを誇る和でも、この場では気丈には振る舞えない。

がさり、と音がした。

「ッ!?」
音の先には、和の知る人物がいた。風越女子高校麻雀部の部員、池田華奈。
宮永咲や天江衣のような強さではなく、粘り強く戦う華奈の麻雀を和は素直に尊敬していた面もある。
華奈も和に気付いたのか、目を見開いて和を見ている。
「池田さーーーーーー、」

トスッ、トスッ。

え?と和は言い、直後に倒れ込んだ。胸元に鋭い痛みが走る。
夥しくあふれてくる真紅の液体と、突き刺さる二本の投擲用ナイフ。
和は刺された、とやっと気付いた。

華奈は虚ろな瞳で和を見おろす。
「い、けだ……さ、ん。何で………」
華奈はなにも言わない。心が完全に壊れてしまっているのだろう。
決勝戦で天江衣に追いつめられてただでさえ弱っていた華奈の心を崩すのにこのゲームは十分すぎる効き目であった。

血が失われ、視界がぼやけて、やがて消えていく。
「(宮永さん………あなたは、生き延びてください)」
天才女子高生雀士、原村和は親友の少女を想い、儚く命の花を散らせた。


「………」
和の死体に刺さったナイフには目もくれず、華奈はデイバックのコルトガバメントを奪う。
使用された形跡がある。これは元々神崎・H・アリアのものなのだが、華奈は知るよしもない。
壊れすぎてしまった少女は、光彩の消えた瞳のまま歩き出した。
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないしにたくないしにたくないシニタクナイ。
心の中で反復させながら、池田華奈はどこまでも壊れて、堕落していく。
元の快活そうな華奈の面影はもはやどこにもなくなってしまっていた。


【原村和@咲-saki-】  死亡確認
【残り37/40人】

【一日目/深夜/a-1】
【池田華奈@咲-saki-】
[状態]精神崩壊
[装備]アリアのガバメント@緋弾のアリア
[所持品]投げナイフ×6
[思考・行動]
基本:死にたくない。
1:……………。
※決勝戦中、再起する前からの参戦です

【投げナイフ】
女子高生どころか小学生でも簡単に投げられる特注品。殺傷力も一流。

【シャーロックのメモ】
原村和を含む三人に支給されたメモ。
シャーロックの予知した未来の一部が書いてある。必中。

亡国王女に贈る悲しきーーー。 投下順 神は時に理不尽
亡国王女に贈る悲しきーーー。 時系列順 神は時に理不尽
GAME START 原村和 GAME OVER
GAME START 池田華奈 [[]]

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最終更新:2011年05月04日 21:21
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