「ったく、とんでもないモンに巻き込まれちまったねい」
森の中、ボリボリと頭を掻きながら真選組一番隊隊長、沖田総悟は呟いた。
「どうせなら、土方のヤローもついでに参加せてくれてりゃあ、どさくさに紛れて殺せたっていうのによお」
冗談1、本気9ぐらいの割合で愚痴ってみるが、当然そんなことをしても意味はない。
「とりあえず、桂は見つけ次第しょっ引いて、河上のほうは切り捨てとくか」
とりあえずの行動方針を決めた沖田は、名簿をしまい支給品の確認へと移る。
できれば刀かバズーカがほしかったが、出てきたのは数個の火薬玉と自動小銃。
当たりと言えば当たりだろうが、使い慣れていない武器にやや不安も残る。
「チッ」
舌打ちし、もう入っていないのかと思った時、袋の奥にきらりと光る物体を見つける。
「なんでい、こりゃあ」
それは、ピンク色の宝石のようなものだった。
「使えそうにねえな」
外れ支給品かと思い、どこかへ放り投げようとした時だった。
『ここは…どこでしょうか?』
玉から、声がした。
突然の声に一瞬驚く沖田だが、すぐに平静を取り戻す。
大方、天人(あまんと)の技術の使われた機械(からくり)の類だと判断する。
「おい、テメーはなんだ」
『私の名前はレイジングハートです。あなたの名前と現在地を教えて頂けないでしょうか』
沖田の質問に正直に答えるレイジングハート。
しかし、
「外国語たあ…まいっちまったねい」
沖田はお世辞にも学があるわけではない。
英語も、ハローやサンキュー程度ならわかるが、会話となるとさっぱりだ。
英語に似たミッドチルダ語も当然、あまり理解できない。
レイジングハートという名前はなんとか分かったが、このままでは会話の成立は難しそうである。
『申し訳ありません。わかりません…か?』
「これじゃ話し相手にもなりゃし…いや」
沖田がいびつな笑みを浮かべる。
そう。確かに言葉はわからない。
しかし、逆に言えばだ。
言葉がわからないことを理由にいくらでもいじめようがあるということ―!
そうと決まれば話は早い。
沖田はレイジングハートとつながった紐―本来は首にかけるための物だろう―をつかむ。
『―?いったい何を―』
する気ですか?―それを最後まで言うことはできなかった。
沖田が、つかんだ紐をブンブンと振り回し始めた。
当然、それに繋がっているレイジングハートも振り回される。
『NO!やめてください!振り回さないでください!』
「あーあー、外国語だからわかんなーい(棒読み)」
言ってるであろうことは予想できるが、あえてそれを無視して沖田は振り回し続ける。
もちろん、ただおもしろいからという理由で振り回しているわけではない。
これの出す声(というよりもはや悲鳴)を聞いて、他の参加者が近づいてくるかもしれない。
危険人物の可能性もあるが、悲鳴を聞いて駆けつけるのは十中八九お人よし―つまりは殺し合いに乗らない人間だろう。
例え危険人物でも、よっぽどでない限り撃退する自信もある。
つまりは、これはお楽しみと他者との接触率アップが同時に行える画期的な方法なのだ。
『NOOOOOOO!!』
「あーあー、聞こえなーい」
…やられる方は、たまったものではないが。
【C-7・森/一日目・夜中】
【沖田総悟@銀魂】
[状態]健康
[装備]M4カービン(30/30)@現実、レイジングハート・エクセリオン(6/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]基本支給品、M4カービン用予備弾倉×2、炸裂弾「灰かぶり(シンデレラ)」×6@めだかボックス
[思考]基本:殺し合いには消極的。ただし、襲ってくるなら容赦なし
1:もっとこれ(レイジングハート)振り回す速度上げましょうかねい
2:声を聞いてやってきた者と接触する
3:桂は見つけ次第逮捕、河上は切り捨てる
4:刀がほしい
5:旦那たちは…勝手に何とかしてんでしょう
※レイジングハートの思考
1:やめてください!
2:状況を把握したい
※C-7にレイジングハート・エクセリオンの悲鳴が響いています
【M4カービン@現実】
沖田総悟に支給。アメリカ軍で使用されている、軍用自動小銃。今回は予備弾倉二つをつけて支給。
【炸裂弾「灰かぶり(シンデレラ)」@めだかボックス】
沖田総悟に支給。箱庭学園の2年13組、風紀委員長の雲仙冥利の使う武具の一つ。老朽化した壁ならひとつで破壊できるほどの威力を持つ火薬玉。
今回は半ダースセットで支給。
【レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
沖田総悟に支給。スターズ01、高町なのはの使用するインテリジェントデバイス。
最終更新:2011年04月29日 14:06