終われ、全て

36話 終われ、全て

放送が終了して、マリオは走っていた。
弟のルイージが死んで、もう六人しか生きていない事に怒りを感じていた。

「絶対に…ゆるさねぇ!」

目指すは希望ヶ峰学園。
そしてもう、すぐそこまで迫っていた。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「……」

神原駿河が死んだ。八九寺真宵が死んだ。
僕にとっては悲しい事である。
そのほかだって、もう六人しか生きてないなんて。
戦場ヶ原は生きているけど、それでもショックは隠せなかった。

「アララギ……すまん、俺がしっかりとしていれば……」
「クリスさんは悪くないですよ……」

僕も、こんな力を持ってても、役に立たなかった。
他人より回復が早いのがなんだよ。
何も、助けれてないじゃないか。

「ねえ、アンタ達」

声をかけてきたのは御坂美琴だった。
目の周りが赤く、泣いていた事が分かる。

「行きましょう、あいつを倒しに」
「……そうだね」

そうだ、僕たちが今できるのは敵討ちだけだ。
あのクマを、倒すことで…。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「……誰か来た」

青木林はホールで座っていた。
そこに来たのは

「おお!よかった、まだ生きてたか…」
「……生きてますよ」
「俺はマリオっていうんだ、君は?」
「青木林、です」
「そうか、よろしくな!…で、クマがどこにいるか知ってるか?」
「残念ながら…知りません」
「…そうか」

「おい、アンタ達!」

「!!」

声の主はクリスだった。
クリスと阿良々木暦と御坂美琴の三人。

「……戦場ヶ原、いないのか…?」
「…待とう」

「待つまでもないわよ、阿良々木君」

そうして、この場に生存している六人が集結した。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「……で、情報処理室にいるって?」
「うん、そう聞いたんだけど……」
「うん、分かった、行ってみよう」
「マリオさん、マジですか?」
「当たり前だろ林!……絶対に許せないんだよ」

マリオが先に行ってしまうのを見て、他の五人も後を追いかける。




「……情報処理室」
「こういうのは開いてるか分からないからな…」
「クリスさん、何するんですか?」

そうするとクリスは、ドアを蹴破った!

「ちょ!何してんですか!」
「大丈夫だ、鍵は開いていた」
「そう言う問題じゃ!」


「おやおや、もう来ちゃったの~?」


全員の目つきが変わった。
理由は言うまでもなく、そこにモノクマがいたからだ。



「お前!なんでこんな事を!」


まず最初に口を開いたのは阿良々木暦だった。

「プププ、簡単だよ……」
「なんだって…?」


「お前らに!絶望を!与えるためだよ!」


「絶望を…与える…?」
「そうそう、君たちが殺し合いをして絶望しあってるのを見て、面白がって見てたワケ!」
「っ…ふざけるな!」

阿良々木暦は走り出した。それを止めるためにクリスも走る。
モノクマが阿良々木に持ち上げられて、周りを光が包んだ。



「まったく、みんな馬鹿だよね、罠に決まってんじゃん」

モノクマ、阿良々木、クリスの三人が消えた。
そしてその代わりに現れたのが、◆VxAX.uhVsMだった。

「お前…誰だよ…」

マリオの顔に焦りが出る。
それほどに目の前の現象が分からなかった。

「うーん、まあ黒幕とでも思ってていいよ」
「ねえ、そんなことより聞きたいんだけど…」
「ん?何だい?出来る限り答えるよ」

「阿良々木君は、どこに行ったの?」

「……」

◆VxAX.uhVsMは無言になる。
目を閉じ、少し間を開け答えた。

「彼はね、存在をこの世になくしたんだよ」
「……どういう事?」
「僕の特殊能力っていうの?簡単に言うと」


「彼は死んだよ……苦しむ間もなく、ね」


「そう、ならいいわ」
「あれ…逆上すると思ったんだけどね…まあいいや」
「いや、怒ってはいるわよ」
「ふーん、そうなんだね」
「だから、私はあなたを殺すことにしたわ」

また彼女も走る。それは無駄なことだと分かっていても許せなかった。
◆VxAX.uhVsMは特に焦った様子も見せずに、腕を横に振った。
そうするとなんと不思議、戦場ヶ原ひたぎの体は真っ二つに。

「く…何なんだよ、こいつ……」
「はあ、がっかりだな……」

「じゃあここで、邪魔者には退散してもらうとするかな」

「邪魔者…?」
「お前らだよ、マリオ、御坂美琴」
「…俺はそう簡単には殺されてやらない!お前なんかには、殺されない!」
「なんか勘違いしてない?」
「何だと…?」
「お前らには元の世界に帰ってもらうだけだ」
「………」
「じゃあな、お前ら」
「くそ!待て!」

そう言うと、二人は消えてしまった。
そして残ったのは、青木林と◆VxAX.uhVsMの二人だけだった。

「うん、なんとなく話してみたかったけど、よく生き残れたね」
「……津本を殺したのは誰だよ」
「は?」
「あいつを人質に取ったのは誰だよ」
「………」
「お前らが、お前らがいけないんだろ?お前らが……!」
「思いあがりとか、迷惑だからやめてくんない?」
「!!」
「殺したいんなら殺せよ。断言してやる。さっきみたいなのは使わない」
「………」
「さあ、殺せよ、青木林」
「そうか、分かったよ」

青木林がバックから刀を取り出した。
その刀は、特に変哲のない打刀だった。
それを構え、◆VxAX.uhVsMに突っ込んでいく。

そしてその剣が、◆VxAX.uhVsMの心臓に刺さった。








「………な、」





それで倒れたのは、◆VxAX.uhVsMではない。



青木林だ。




「おま、え…一体、何、を」
「痛み分けっていう奴だよ、俺のダメージをそっくりそのままお前に返すようにしたんだよ」
「てめ、ぇ……」
「俺言った。さっきの能力は使わないって」

◆VxAX.uhVsMは口から吐血しながら言った。


「だから、この能力を使ったんだよ」



その声を最後にして、倒れて動かなくなった。




「……ごめ、ん…百合」

青木林の頭の中に今までの思い出が繰り返される。
ロクでもない人生の中でも、妹といた少ない思い出ばかり記憶にしっかりと残っている。


「くそ……悔しい、な…もう、お前と会、えない、な、んて」


彼の短い人生は、ここで幕を下ろした。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆




「嘘、でしょ……?」

青木百合は混乱していた。
彼女が隠されていた情報処理室の奥の扉。
両方が死んだ途端、ドアが開いたのだ。
開けてそこにいたのは、死体に代わっていた愛する兄だった。

「う、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」


悲しい叫びが、学園に響いた。
そしてこの瞬間、この殺し合いは幕を閉じたのだった。

【阿良々木暦@化物語 死亡】
【クリス・レッドフィールド@BIO HAZARDシリーズ 死亡】
【モノクマ@ダンガンロンパ希望の学園と絶望の高校生 死亡】
【戦場ヶ原ひたぎ@化物語 死亡】
【◆VxAX.uhVsM@? 死亡】
【青木林@オリキャラ 死亡】

【マリオ@マリオシリーズ】
【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】
【以上二名生還】

【バトルロワイアル 終了】

第二回放送(DOL2nd) 時系列順 エピローグⅠ(マリオ編)
第二回放送(DOL2nd) 投下順 エピローグⅠ(マリオ編)

第二回放送(DOL2nd) モノクマ 死亡
終わり、そして始まり、そして… 青木林 死亡
終わる希望と絶望の種 阿良々木暦 死亡
終わる希望と絶望の種 クリス・レッドフィールド 死亡
超高校級の希望が残した希望 戦場ヶ原ひたぎ 死亡
最強の騎士、その資格を問う マリオ エピローグⅠ(マリオ編)
終わる希望と絶望の種 御坂美琴 エピローグⅡ(御坂美琴編)
終わり、そして始まり、そして… 青木百合 エピローグⅢ(青木百合+?編)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年04月29日 23:18
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。