スバル・ナカジマは驚愕していた。
突然参加させられた殺し合いに?否。
殺し合いに上司や仲間が参加していたことに?否。
目の前の光景に、だ。
薄暗い店内。
倒れている一人の男。
震えている自分。
そして、周りには他に誰もいない。
男が口を開く。やる気のない、しゃべり方で。
「だーかーら、ゆっくり二度寝くらいさせろって言ってんだよ!」
「今の状況分かってます!?」
それは驚愕というより呆れで、震えは軽い怒りの表れだった。
スバルと銀時が出会ったのは十数分前。
辺りを警戒しながら歩いていたスバルが、コンビニの店内で寝ている男を発見したのだ。
最初は誰かに襲われたのかと思い駆け寄ったが、見た目から外傷は見当たらなかった。
しかし、男の「うう…」という苦しそうな声を聞いて、スバルは放っておけなかった。
「どうしたんですか!何があったか言えますか!」
軽く体を揺さぶりながら男へと質問をする。
やっぱり誰かに襲われた?
持病の悪化?
いくつかの考えが浮かぶが、男の回答はスバルが予想していなかったことだった。
「…ふ…」
「なんですか!しっかり意識を持ってください!」
「……二日酔い」
「…え?」
「頭いてーし気持ち悪い。完全に昨日飲みすぎたよチクショー…嬢ちゃん」
「は、はい?」
「イチゴ牛乳…持ってきてくれねーか。アレないと治りそうにねえ」
言われた通り、店内にあったイチゴ牛乳を持ってくると、男はそれを一気飲みしていく。
飲みきってしばらくたつと、頭痛も治まったようで、のそのそと立ち上がった。
「ふー…サンキュー、嬢ちゃん。俺はもう今度こそダメかと思ったぜ」
「あはは…役に立てたなら光栄です。それと、嬢ちゃんじゃなくてあたしの名前はスバルです。スバル・ナカジマです。えっと…」
「坂田銀時。呼ぶときは銀さんか社長でよろしく」
その後、二人は互いの知り合いなどについて簡単に教えあった。
スバルは、管理外世界出身らしき銀時に管理局や機動六課についてどう話すか迷ったが、とりあえずは大規模な慈善組織で誤魔化すことにした。
「それで、昔の人が作った物を探すのが主な仕事なんです」
「そーかい、大変なんだなお前も」
「まあ、訓練とかはちょっと厳しいですけど、楽しくやってます」
いつの間にか、銀時はコンビニから集めてきた食料を食べている。いくつか投げ渡されたので、スバルも食べることにした。
スバルが二個目の肉まんを食べ終えた時、銀時はおもむろに立ち上がり、
「おし、二日酔いも治って、腹も膨れたことだし」
そう言って、雑誌置き場へと足を進めると、
「寝るか」
そのまま横になってしまった。
「ええええええええええ!?」
これにはスバルも驚かずにはいられなかった。
なにせこれからという時に寝てしまうのである。
「ちょっと銀さん!寝ないでください!起きてください!」
「…zzz…」
「早っ!寝るの早っ!っていうか起きてください!」
「んだようるせーな。昨日飲みまくってあんま寝てねーんだよ。少しくらい寝かせろよ」
「今は寝てる場合じゃありませんよ!互いの知り合いを探すべきです!」
「それは、アレだよ…果報は寝て待て作戦」
「楽なほうへ逃げないでください!ほら、起きて」
「つーわけでお休み―」
「人の話聞いてました!?」
「うるせーな、二度寝くらいさせろよ」
「させません!」
こうして、物語は最初の場面へと戻る。
その後、十分近くかけ銀時を説得し、コンビニ内で役立ちそうな物や食料を袋に詰め、出発することにした。
「んじゃまあ、行くとするか」
「はい」
二人の仲間探しの始まりは、こんな感じだった。
「ところで銀さん。なんであたしの袋に文房具ばっかり入れたんですか?」
「…お前には、わからねーことだよ」
「?」
【D-1・コンビニ前/一日目・夜中】
【坂田銀時@銀魂】
[状態]軽い二日酔い
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3、コンビニで手に入れた食料・道具(詳細不明)
[思考]基本:殺し合いには乗らない
1:とりあえずスバルと行動
2:自分とスバルの知り合いを探す
3:人気のネタには乗っかっとくか…
※スバルと情報交換をしました。
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3、コンビニで手に入れた食料・道具(詳細不明)、大量の文房具
[思考]基本:殺し合いの打倒
1:銀さんと行動する
2:自分と銀さんの知り合いを探す
3:なんで文房具?
※銀時と情報交換しました。ただし、魔導師や時空管理局については誤魔化しています。
【備考】
※D-1にあるコンビニを銀時とスバルが物色しました。
最終更新:2011年04月24日 11:33