18：垂れ流しのザ・フリースタイル
公園内にあるブランコに立ち乗りする大きな子供二人がいた。
「懐かしいな。よくガキの頃遊んでたわブランコで」
「私も…」
人狼・清野利秀と少女・日野詩織は幼き頃の思い出に胸を馳せる。
「にしてもだ…静かだな。殺し合いが起きてるとは思えない」
「うん…夢だったら良いのに」
「本当にな…だが、夢じゃねぇのは確かだ」
首にはめられた首輪に触れながら忌々しげに利秀が言う。
更に殺し合いを現実せしめんとするのは二人の支給品。利秀はスチーブンスM520と言う散弾銃、
そして12ゲージ散弾15発並びにダイナマイト3本（しかし火を点ける道具が無い）。
詩織は大型のナイフのブッシュナイフ、そして首輪探知機であった。
ピッ、ピッ
首輪探知機が小さな電子音を発し接近者がいる事を二人に知らせた。
「！！」
「えっ？ …誰か来る？」
二人は速攻で荷物を纏めブランコ背後の茂みに隠れた。
数十秒後、人狼の若い女性と猫獣人の少年が現れる。雌人狼は拳銃、猫少年はスコップらしき物を持っていた。
「おかしいな…人の気配がしたんだけど…あれ」
「ブランコ揺れてる…この揺れ方は風じゃ無いよ、誰かいたみたいだよ春奈さん」
「……」
雌人狼、北条春奈が何気無くブランコ裏手の茂みに視線をやる。
ガサッ！
次の瞬間、スチーブンスM520を構えた雄人狼とブッシュナイフを構えた人間の少女が茂みから現れた。
「動くな！」
「動かないで」
「！」
「う、うあ！」
「…お前ら、殺し合いに乗ってるか？」
「質問に答えて…」
そう言うお前らはどうなんだと言い返したい春奈と猫少年、神田川住春だったが、とてもそうは言えない。
どう返答すべきか二人が考えていると散弾銃の銃口を突き付け利秀が脅しを掛けた。
「何か言え。沈黙は肯定と受け取るぞ」
「…乗ってない！ 乗ってないよ！」
「乗ってません！ 乗ってません！」
「……」
「……」
必死で殺し合いに乗っている事を否定する春奈と住春。
利秀と詩織はしばらく顔を見合わせていたが、やがて武器を下ろした。
「分かった。信じるよ」
「信じます」
「……フゥ」
「はぁ、はぁ」
どうやら信じて貰えたらしい――春奈と住春は顔に安堵の色を浮かべた。
「…俺達も殺し合う気は無い。手荒な真似してすまなかったな」
「すみません。あなた達も同じ気持ちだったのですね」
「い、いや、こう言う状況だもの、警戒するのは無理無いよね」
「……」
「俺は清野利秀」
「私は日野詩織です」
「私は…北条春奈」
「俺、神田川住春」
「そうか…春奈に住春。ここで立ち話も何だ…街の方に行って適当な建物に入るか。
それから色々話をしたい」
四人は一先ず、身を潜められそうな場所の無い公園から出て市街地方面へ向かう事にした。
【早朝/F-5公園】
【清野利秀】
［状態］良好
［服装］無し
［装備］スチーブンスM520（5/5）
［持物］基本支給品一式、12ゲージショットシェル（15）、発破用ダイナマイト（3）
［思考］
1：殺し合いはしない。脱出手段の模索。襲われたら戦う。
2：詩織、春奈、住春と今後の事について話したい。
［備考］
※特に無し。
【日野詩織】
［状態］良好
［服装］高校制服
［装備］ブッシュナイフ
［持物］基本支給品一式、首輪探知機（残りバッテリー95％）
［思考］
1：殺し合いはしたくない。脱出したい。
2：清野さん、北条さん、住春君と今後の事について話したい。
［備考］
※特に無し。
【神田川住春】
［状態］良好
［服装］私服
［装備］軍用スコップ
［持物］基本支給品一式、拡声器
［思考］
1：殺し合いはしない。何とかして脱出したい。
2：春奈さんと行動。 清野さん、日野さんと今後の事について話したい。
［備考］
※特に無し。
【北条春奈】
［状態］良好
［服装］無し
［装備］IMIジェリコ941（16/16）
［持物］基本支給品一式、IMIジェリコ941予備マガジン（16×3）
［思考］
1：殺し合いはしない。何とかして脱出したい。
2：住春君と行動。清野さん、日野さんと今後の事について話したい。
［備考］
※特に無し。
≪オリキャラ紹介≫
【清野利秀（きよの としひで）】
25歳の人狼の男。灰色と白の毛皮で額に傷がある。警備員的な仕事をしている。
女遊びが激しく妊娠させた女は数知れず。一切責任は取らない外道。
しかし無理矢理犯すような真似はしないと変な所で紳士的である。ツーリングが趣味。
【日野詩織（ひの しおり）】
16歳の人間の少女。水色ロングの髪で巨乳。物静かで小説を読むのが好き。
見かけによらず大食いで近所のラーメン屋で大盛りラーメン＋チャーハン或いは餃子セットを貪る姿が
良く目撃されている。しかし全く太らない。何故。
最終更新：2011年03月28日 22:51
