13：もっさりした人生送ってるのさ皆
ショッピングモール内、もっさりした髪の毛の男高村秀徳はいきなり窮地に立たされていた。
自動小銃を持った猫獣人の若い女性と遭遇したのだが、いきなり銃を突き付けられ動けなくなっていた。
「うううう、動かないで」
「なぁ、下ろしてくれないか、頼むから」
ガチガチと震えながら、猫獣人の巨乳の女性、新井宏音は自身に支給された4式自動小銃を、
秀徳に突き付け脅す。その表情は恐怖の色が滲み出ていた。
「怖いのは分かるけど、取り敢えず落ち着いて話ししよう。な？」
「……ッ」
しばらくして、宏音はようやく銃口を下ろした。
「…ありがとう。俺の話、聞く気になってくれたか？」
「……（ガタガタガタ）」
「…あそこにマックあるからあそこで…」
「……うん」
秀徳が指差す先には、幾つかの外食店に混じり有名ハンバーガーチェーン店の看板が見えた。
適当なテーブル席に座り、秀徳は宏音に穏やかに話し掛ける。
「落ち着いたか？」
「うん」
「俺は高村秀徳だ」
「私は、新井宏音」
「随分色っぽい服だけど、踊り子か何か？」
「そう…あと、ちょっと、あっちの方も」
「あー…悪い事聞いたか？」
「い、いや、そんな事無いけど…高村さんは何やってるの？」
「ん…パソコンの修理」
「あー……」
しばらく他愛も無い会話を交わす。
その後、秀徳は自分のデイパックから不定支給品を取り出しテーブルの上に置いた。
自動拳銃コルトM1991A1と予備マガジン3個。宏音の支給品は、先程秀徳に向けていた、
4式自動小銃と予備弾数十発である。それなりに当たりの部類に入る支給品だった。
「これ、重いんだよね…」
「そうか、それじゃ俺の拳銃と交換するか？」
「うん、そうする」
4式自動小銃は女性である宏音には重く扱い辛い代物だった。
秀徳の提案により、二人はお互いの武器を交換した。
「んで、これからどうするかだけど…この首輪だよな、問題は」
自分の首にはめられた黒い首輪を指差す秀徳、そして頷く宏音。
逃げようとすれば爆発、無理に外そうとすれば爆発、ゲームを妨害すれば爆発。
殺し合いの参加者を縛る死の首輪をどうにかしない限り脱出など不可能だろう。
「何とかして外そうと思う」
「え……でも、無理に外そうとしたり、ゲームの邪魔すれば……」
「ああ分かってる。けど、連中、そんな俺達参加者全員の行動を完全完璧に把握してるとは思えない。
まあある程度は行動見てるとは思うけど、そんな細かく何してるかなんて、多分把握し切れないだろ。向こうもな。
まあ、俺の憶測でしか無いけれど」
「……」
「何にせよ、首輪を調べ無い事には始まらないな……そのためにも首輪のサンプルが欲しい所だ」
「…サンプル…」
首輪のサンプルを入手する、と言うのはつまり、どう言う事か。
宏音はあまり想像しないようにしたかったが、どうしても光景が頭の中に浮かんでしまった。
（首を切り落とさないと無理、だよね…死体の…それ、とも……）
「だが焦っても仕方無い。このショッピングモールの中でも見て回るか」
「そ、そうだね…」
「…どうした？」
「何でも無いよ」
【早朝/B-3ショッピングモール一階外食店コーナー】
【高村秀徳】
［状態］良好
［服装］私服
［装備］4式自動小銃（10/10）
［持物］基本支給品一式、7.7㎜×58弾（30）
［思考］
1：殺し合いからの脱出。首輪を解除したい。そのために首輪のサンプルを入手したい。
2：宏音と行動。ショッピングモール内を散策してみる。
［備考］
※特に無し。
【新井宏音】
［状態］良好
［服装］露出の高い踊り子服
［装備］コルトM1991A1（7/7）
［持物］基本支給品一式、コルトM1991A1予備マガジン（7×3）
［思考］
1：死にたくない。
2：高村さんと行動。
［備考］
※特に無し。
≪オリキャラ紹介≫
【高村秀徳（たかむら ひでのり）】
29歳の人間の男。もっさりした黒髪で感情の見えない瞳。とある名家の次男坊。
家を飛び出し、昔から精密機械（パソコンやラジカセなど）を弄り回していたのを活かし、
パソコン修理の店で働いている。愛煙家で最近の禁煙ブームには憤っているらしい。
【新井宏音（あらい ひろね）】
19歳の猫獣人の女性。シャム猫系で巨乳。とある夜の店でエロいダンスを披露している。
身体を売っても稼いでおり結構金持ち。明るく振舞っているが実際は臆病で、特にお化けの類が嫌い。
だが霊媒体質で良く幽霊を見るのが悩み。
最終更新：2011年04月02日 00:48
