1：スルースキル発動inレイの場合
某ゲームのナルガ装備と酷似している装備――今は手甲と靴の部分だけだが――を、
着こなしている釣り目の美少女レイ・ブランチャードは昨夜の事を思い返す。
昨夜は美女と野獣の肉の宴――要するに獣姦乱交パーティーに招待され、
自分は何匹かの妖狼、魔狼、獣人と行為を愉しんだ。
開始前に強力な避妊薬を飲まされたため妊娠の危険は無い、とは思うが。
「酒や薬も結構やったからな…むう…今一思い出せん。
こんな事なら家に突然来た招待状に従うんじゃ無かった…全く」
愚痴をこぼしながら、路面に置かれていたデイパックを持ちあげ、
適当な建物の中に入り中身を確認する。
ルール冊子と書かれた小冊子を開くとこの殺し合いのルールが詳細に書かれていた。
（…12時間、誰も死ななくても駄目なのか…デイパックは四次元構造で…？
死体を含む参加者以外は何でも入れられ重量も変わらないだと……そうか）
大まかにルールを把握し小冊子をしまう。そしてデイパックの中の確認を続けた。
（地図……ここは街なのか……名簿…顔写真に名前…あの宴に参加していた者全員か…。
メモ帳、鉛筆、懐中電灯、懐中時計…エリア表示機能付きか…ここはエリアG-2か。
成程、な……あと水と食糧……）
そして、レイは武器らしき物を発見する。
ブローニングオートマチックライフル、通称「BAR」。軽機関銃の一種だ。
予備のマガジン5個と入っている。
ガンナーとして活動しているレイにとって適性ある得物だった。
「少し重いが……何とかなるか」
BARを装備し構えるレイ。
「これからどうするか…」
レイ自身はこの殺し合いに乗るつもりは無い。
呪いがかけられているとの事だが、ならば解呪の方法を探すまで。
それには魔力素質のある者と合流するのが最善だ。レイには魔力らしいものはほとんど無かった。
「乱交に参加したメンバーの中で魔力を持った者と言えば……友人のエルザ……ん」
ふと、窓の外を見ると、濃い灰色と白の毛皮を持った雄のワーウルフが道路を歩いていた。
こちらには気付いていないようだった。すぐに身を潜めるレイ。
（あいつは確か稲葉憲悦……）
外を歩くワーウルフにレイは宴の際、無理矢理後の門に入れられた。
そのせいで未だに後門が痛んでいる。
（奴は女性に対する優しさと言うものが感じられない…確か性奴隷調教師だったか？
自分が調教した性奴隷の少女を連れて宴に参加してたな……。
あいつと出会ったら何をされるか分からない、隠れてよう）
レイは憲悦とは会わない事にした。
◆◆◆
「殺し合いねー……面倒な事になったな」
人狼稲葉憲悦は支給品の一つであるサバイバルナイフを持ち、
市街地を北に向けて歩いていた。
先程南下した所、急に息苦しくなったためである。
デイパックの中にはもう一つの支給品、葡萄酒三本が入っている。なぜ葡萄酒なのかは分からない。
「さっき急に苦しくなって妙な気分になったがあれが呪いって奴か…？
全身の穴から血が噴き出して死ぬのは嫌だな…さて、これからどうする…」
殺し合いに抵抗がある訳では無い、と、憲悦は思う。
この殺し合いに参加している、例の乱交パーティーの参加者達。
幾つかの女性と関わりを持ったが、良く知っているのは自分が調教した性奴隷たる、
柏木寛子一人だけだ。もっとも大切になんて思ってもいないが。
「そうだな…可愛い女の子はヤってから殺すか。んで野郎連中はさっさと殺すとしよう。
ククククク……」
すぐ傍の建物に一人隠れている事には気付かず憲悦は市街地を北へ歩き続けた。
【早朝/G-2市街地】
【美女21番：レイ・ブランチャード】
［状態］健康
［服装］半裸（装具の手足の部分だけ）
［装備］BARM1918（20/20）
［持物］基本支給品一式、BARM1918予備マガジン（20×5）
［思考］
1：殺し合いからの脱出。呪いの解除の方法を探す。魔力素質のある者と合流。
2：稲葉憲悦をやり過ごす。
3：エルザと合流したい。
【野獣03番：稲葉憲悦】
［状態］健康、F-2方面へ移動中
［服装］無し
［装備］サバイバルナイフ
［持物］基本支給品一式、葡萄酒（3）
［思考］
1：面白そうなので殺し合いに乗る。女は犯してから殺す。
2：柏木寛子は結構どうでも良い。
※レイ・ブランチャードには気付いていません。
≪オリキャラ紹介≫
【レイ・ブランチャード】
17歳の人間の少女。某ゲームのナルガ装備に酷似した装具を身に纏ったガンナー（銃士）。
RPGファンタジー風世界の住人。冷静だがボケ体質。男っぽい口調で話す。
17歳とは思えない爆乳と良スタイルの持ち主。性交渉には特に抵抗は無いが痴女では無いと
本人は言っている。初出は個人趣味ロワ。作者お気に入りキャラの一人。
【稲葉憲悦（いなば のりよし）】
26歳の人狼の男。とある非合法組織の性奴隷調教師を務める。現代日本風国家の住人。
お気楽に見えてかなり冷酷かつサド。女性を性の捌け口としか見ていないような節もある。
職業柄、敵対組織に襲撃される事もあるため武器の扱いや格闘技に慣れている。
実は生まれてすぐ親に捨てられ両親の愛を知らずに育った。性格が歪んでいるのもそのせいかも。
初出はリスタート前の俺得ロワ2nd。某銀髪の天然パーマ侍と会話させていた。
最終更新：2011年02月28日 10:06
