君は微笑んで、ずっと

37:君は微笑んで、ずっと

クラウスはなぜ自分がこうなってしまったのか考えていた。
放送直前に、休息を取るため海沿いに建つ豪邸に立ち寄った。
そこまでは良かったのだ。

「はぁ、あ、ん、うっ…凄い…デカイよ…」

豪邸内を奥に進もうとした時、青い毛皮の雄の人狼と出くわした。
出くわすなりその人狼は持っていた短機関銃を自分に向けて掃射したのだ。
反撃する間も無く、クラウスの全身を9㎜パラベラム弾の銃弾が貫いた。

「はぁ、あ、おおおん……おおぅ……くぅん」

クラウスは床に仰向けに倒れた。
身体中が熱く、動かせなくなり、喉の奥から鉄錆の味がする熱い液体が込み上げるのを感じた。
こんな所で死ぬのかと、クラウスは思った。
この殺し合いから脱出するため、首輪を調べるため、二人も手に掛けたと言うのに。

「あっ! い、くぅ! あぉぉおおおおおおん!!!」
「……っ」

まさか、床に倒れる自分の股間の上でよがるような、
淫乱な人狼によって致命傷を負わされるとは。
男には興味は無かったと言うのに、この人狼――確かシュマイザーだっただろうか――の、
舌技によって強制的にそこを立たされてしまった。
意識は否定しても、身体は快感を感じてしまっていた。

「はぁ…はぁん…きもちいい~」
「……ァ…ア」

放送はとっくに終わっている。この豪邸のあるエリアの北に隣接するエリアが、
午後9時から禁止エリアになるらしかった。
また、既に22人もの参加者が落命したと言う事も。
しかしシュマイザーにとってはあまり重要な問題では無いのだろうか。

「……」

文句の一つでも言いたいが、もう声も出無い。
意識も遠退いてきているが快感だけはしっかり感じている。
この絶頂感を解き放てば、恐らく自分は死ぬだろう。
シュマイザーがそこを思い切り締め付ける。

「……!」

背中に電気が走るような快感がクラウスの脳に伝わり、
ビク、ビクとシュマイザーの中のクラウスの巨大なそれが脈打ち、絶頂を迎えた。

「――――――――!!」

声にならない叫び声をあげ、クラウスは達した。

そして、そのまま意識は消失し、クラウスは何も分からなくなった――。

「はぁ…はぁ……ぁ……」

自分の好きな「雄」を思う存分楽しんだシュマイザー。

「…何か、俺が攻めみたいになったな…ちょっと、違う気が…まあ、良いか。
装備回収して…早い所出発しよう…」

既に事切れた山羊の悪魔のそれを自分のそこから引き抜き、
シュマイザーはクラウスの荷物を漁り始める。
血が付着した参加者用の首輪が二個出てきたが、特に何の関心もわかなかった。


【クラウス  死亡】
【残り17人】


【早朝/G-2豪邸】
【シュマイザー】
[状態]顔面に痛み、クラウスの荷物を漁っている
[服装]無し(服を着る習慣無し)
[装備]エルマベルケMP40(0/32)
[持物]基本支給品一式、エルマベルケMP40予備マガジン(5)、ベレッタM92FS(15/15)、
ベレッタM92FS予備マガジン(3)、アイスピック
[思考]
1:肉便器として一生を終えるために殺し合いに乗り優勝する。
2:男に犯されたい。
[備考]
※放送直前に意識を取り戻したようです。


磨きがかかるマイペース共 時系列順 A boon or bone
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静かに舞う緋色の糸 クラウス 死亡
僕らはみんな生きている、生きているから……。 シュマイザー 命は何気なく果てる

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最終更新:2011年02月27日 04:17
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